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医学部の留年率・進級率・卒業率・国試合格率ランキング2025|6年で医師になる確率81.7%

2026年08月07日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

医学部に合格した瞬間、受験は終わります。けれど「医師になる」ほうは、そこから6年かけて始まります。

本日は、当校が毎年つくっている医学部の留年・進級・卒業・国家試験ランキングの2025年版です。文部科学省が公表した令和元年度入学者の卒業状況と、厚生労働省の第119回医師国家試験(2025年2月実施)の結果を突き合わせた、全81大学ぶんの確定データがそろいました。

先に答えを出します。6年で医師になる確率は、全81大学の平均で81.7%。1位は金沢大学の97.40%、最下位は57.40%で、その差は40ポイントです。

皆さんが気になっているのは、たぶんこの3つだと思います。

− 医学部って、入ったあとも留年でごっそり落とされるって本当?

− 卒業試験で足切りされる大学があるって聞いたけど、どこ?

− 結局、6年で医師になれる人ってどれくらいなの?

今日は全体(81校)→ 区分(私立31校・国公立50校)→ 個別の読み方という順に、大きいところから小さいところへ降りていきます。表は出し惜しみせず全部載せます。

 

結論|全81大学の「6年で医師になる確率」は81.7%

まず、この記事で使う物差しをはっきりさせておきます。

6年で医師になる確率 = 6年間ストレート卒業率 × 新卒の医師国家試験合格率
入学した人が、一度も留年せず6年で卒業し、そのまま国家試験に合格する割合です。文部科学省と厚生労働省がそれぞれ公表している数字を、当校で掛け合わせた指標になります。
進級率は「入学者のうち、6年間ストレートで6年生に在籍できた割合」。その裏返し(100%−進級率)が、いわゆる留年率です。全81大学の平均でいえば進級率86.7%、つまり留年率は13.3%にあたります。
※国家試験の新卒受験者には、留年を経て卒業した学生も含まれます。したがって厳密な意味での「6年間で医師になる確率」ではありません。この点は元データの注記どおりです。また進級率の裏側には、留年だけでなく休学・退学も含まれます。

令和元年度に医学部医学科へ入学したのは9,456人。このうち一度も留年せず6年で卒業したのが8,076人(85.4%)、新卒の国家試験合格率が95.7%。掛け合わせると81.7%です。

言いかえると、100人が医学部に入学して、18人は6年では医師になっていないという計算になります。合格発表の日から6年後に、クラスの2割近くが同じ場所に立っていない。ここが今日いちばん伝えたいところです。

まずは全81大学の一覧をどうぞ。当校が毎年つくっている表を、そのまま載せます。長いので1〜41位43〜81位の2枚に分けました。

全81大学医学部の進級率・卒業率・国試合格率ランキング1位から41位。1位金沢大学97.40%、2位自治医科大学96.92%、3位鹿児島大学93.41%(令和元年度入学者・第119回医師国家試験)
出典:文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)・厚生労働省(第119回医師国家試験)より太宰府アカデミー作成

画像だと細かいので、同じ内容の表も置いておきます。数字をコピーしたい方はこちらから。まずは1〜41位です。

順位 大学名 区分 進級率 卒業率 国試合格率 6年で医師になる確率
1 金沢大学 国立 99.1% 97.4% 100.0% 97.40%
2 自治医科大学 私立 97.6% 97.6% 99.3% 96.92%
3 鹿児島大学 国立 100.0% 97.0% 96.3% 93.41%
4 三重大学 国立 94.4% 92.8% 100.0% 92.80%
5 大阪公立大学 公立 93.6% 93.6% 99.0% 92.66%
6 順天堂大学 私立 96.5% 93.6% 97.8% 91.54%
7 横浜市立大学 公立 92.2% 92.2% 98.8% 91.09%
8 東京大学 国立 95.5% 93.6% 97.2% 90.98%
9 名古屋市立大学 公立 95.8% 95.8% 94.9% 90.91%
10 千葉大学 国立 92.6% 92.6% 97.6% 90.38%
11 秋田大学 国立 93.1% 92.3% 97.7% 90.18%
12 旭川医科大学 国立 92.3% 92.3% 97.4% 89.90%
13 東京慈恵会医科大学 私立 90.8% 90.8% 99.0% 89.89%
14 大分大学 国立 93.3% 92.4% 97.1% 89.72%
15 山口大学 国立 94.0% 94.0% 95.0% 89.30%
16 滋賀医科大学 国立 96.5% 92.2% 96.7% 89.16%
17 大阪大学 国立 92.9% 92.0% 96.8% 89.06%
18 浜松医科大学 国立 94.0% 90.6% 98.2% 88.97%
19 信州大学 国立 92.5% 92.5% 96.0% 88.80%
20 慶應義塾大学 私立 89.5% 89.5% 99.1% 88.69%
21 富山大学 国立 93.6% 90.0% 98.1% 88.29%
22 名古屋大学 国立 92.2% 92.2% 95.7% 88.24%
23 神戸大学 国立 93.2% 93.2% 94.1% 87.70%
24 岐阜大学 国立 88.4% 88.4% 99.1% 87.60%
25 岡山大学 国立 92.3% 92.3% 94.7% 87.41%
26 東北大学 国立 89.8% 89.8% 97.3% 87.38%
27 東邦大学 私立 88.7% 88.7% 98.2% 87.10%
27 新潟大学 国立 92.1% 91.3% 95.4% 87.10%
29 京都大学 国立 93.3% 93.3% 93.1% 86.86%
30 弘前大学 国立 89.4% 88.6% 96.9% 85.85%
31 福島県立医科大学 公立 87.7% 86.9% 98.5% 85.60%
32 宮崎大学 国立 90.9% 90.9% 94.1% 85.54%
33 福井大学 国立 85.3% 85.3% 100.0% 85.30%
34 札幌医科大学 公立 89.1% 89.1% 95.7% 85.27%
35 和歌山県立医科大学 公立 97.0% 93.0% 91.1% 84.72%
36 筑波大学 国立 89.3% 87.1% 97.1% 84.57%
37 京都府立医科大学 公立 88.8% 86.0% 96.9% 83.33%
38 国際医療福祉大学 私立 86.4% 82.9% 100.0% 82.90%
39 日本医科大学 私立 88.9% 86.5% 95.0% 82.18%
40 東京女子医科大学 私立 88.1% 88.1% 92.8% 81.76%
41 佐賀大学 国立 84.0% 84.0% 97.0% 81.48%
41 鳥取大学 国立 86.4% 86.4% 94.3% 81.48%

続いて43〜81位。41位が同順位で2校あるため、42位は欠番になります。

全81大学医学部の進級率・卒業率・国試合格率ランキング43位から81位と国立・公立・私立の合計。最下位は57.40%、全大学平均は81.7%
出典:文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)・厚生労働省(第119回医師国家試験)より太宰府アカデミー作成

43〜81位の表がこちらです。いちばん下に国立・公立・私立・全大学の合計も入れてあります。

順位 大学名 区分 進級率 卒業率 国試合格率 6年で医師になる確率
43 東京科学大学 国立 85.8% 84.0% 96.9% 81.40%
44 杏林大学 私立 84.6% 83.8% 96.9% 81.20%
45 徳島大学 国立 84.2% 84.2% 96.4% 81.17%
46 長崎大学 国立 85.6% 84.8% 94.9% 80.48%
47 帝京大学 私立 88.8% 81.6% 98.6% 80.46%
48 埼玉医科大学 私立 87.7% 83.8% 95.6% 80.11%
49 高知大学 国立 82.6% 81.7% 98.0% 80.07%
50 北海道大学 国立 82.1% 81.2% 98.0% 79.58%
51 奈良県立医科大学 公立 81.6% 81.6% 97.2% 79.32%
52 愛媛大学 国立 90.1% 88.4% 89.7% 79.29%
53 琉球大学 国立 82.0% 81.1% 97.4% 78.99%
54 群馬大学 国立 82.9% 82.1% 95.5% 78.41%
55 産業医科大学 私立 86.7% 82.9% 94.4% 78.26%
56 広島大学 国立 85.0% 82.5% 94.7% 78.13%
57 熊本大学 国立 81.9% 81.9% 95.0% 77.81%
58 昭和医科大学 私立 84.1% 84.1% 92.5% 77.79%
59 関西医科大学 私立 88.5% 86.1% 90.3% 77.75%
60 東北医科薬科大学 私立 91.0% 84.0% 92.3% 77.53%
61 金沢医科大学 私立 84.5% 81.0% 94.6% 76.63%
62 香川大学 国立 84.2% 84.2% 90.9% 76.54%
63 獨協医科大学 私立 85.8% 84.2% 90.5% 76.20%
64 聖マリアンナ医科大学 私立 84.3% 84.3% 90.0% 75.87%
65 九州大学 国立 82.1% 79.5% 95.0% 75.53%
66 北里大学 私立 84.8% 80.8% 92.4% 74.66%
67 山梨大学 国立 84.0% 82.4% 90.3% 74.41%
68 兵庫医科大学 私立 75.9% 75.0% 99.1% 74.33%
69 日本大学 私立 78.9% 78.9% 93.7% 73.93%
70 藤田医科大学 私立 75.8% 75.0% 98.1% 73.58%
71 近畿大学 私立 80.5% 79.6% 91.7% 72.99%
72 大阪医科薬科大学 私立 75.9% 74.1% 97.9% 72.54%
73 山形大学 国立 75.8% 75.8% 95.3% 72.24%
74 島根大学 国立 76.2% 76.2% 93.3% 71.09%
75 岩手医科大学 私立 74.2% 74.2% 95.8% 71.08%
76 愛知医科大学 私立 72.4% 72.4% 98.0% 70.95%
77 東京医科大学 私立 74.2% 71.0% 96.2% 68.30%
78 久留米大学 私立 81.9% 79.3% 84.3% 66.85%
79 東海大学 私立 66.1% 66.1% 98.9% 65.37%
80 福岡大学 私立 71.8% 68.2% 94.6% 64.52%
81 川崎医科大学 私立 67.2% 65.6% 87.5% 57.40%

上位を見ると、1位の金沢大学は97.40%。進級率99.1%・卒業率97.4%・国試合格率100%で、三つの関門すべてがほぼ満点です。2位は私立の自治医科大学(96.92%)、3位は鹿児島大学(93.41%)。90%を超えたのは81校中11校で、そのうち2校(金沢・自治医科)は95%を超えています。

一方、下位に目を移すと60%台・50%台が並びます。この確率が60%台ということは、入学した3人に1人以上が6年ちょうどでは医師になっていないことを意味します。ただ、数字が低いことは大学の教育の質が低いことを意味しません。その理由は後半の「数字が低い大学をどう読むか」で、データを使って説明します。

全体の分布はこうなっています。90%以上が11校、80%以上が49校、75%未満が16校、70%未満が5校。真ん中の帯(80〜90%)に38校が集まり、上下に長い裾を引く形です。

 

留年はどこで起きるのか|在学中に1,380人、国家試験で398人

ここが、このデータでいちばん誤解されているところだと思います。「医学部は国試が大変」と言われますが、数を見ると、脱落のほとんどは国家試験より前に起きています。

医学部入学者9,456人のうち6年ストレートから外れた内訳。6年次に上がれなかった1,255人、6年次で卒業できなかった125人、新卒で国家試験に不合格だった398人
出典:文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)・厚生労働省(第119回医師国家試験 新卒合格状況)より太宰府アカデミー集計
関門 何が起きるか 人数 入学者9,456人に対する割合
6年次への進級 6年間ストレートで6年生になれなかった 1,255人 13.3%
卒業試験 6年生まで上がったが6年で卒業できなかった 125人 1.3%
医師国家試験 新卒で受験して不合格だった 398人 ―(受験9,238人中)

入学者9,456人のうち、6年間ストレートで6年生になれたのは8,201人。残る1,255人は、6年目に6年生として在籍していません(留年が大半ですが、休学や退学も含まれます)。さらに6年生まで上がったあと6年で卒業できなかったのが125人。あわせて1,380人が「在学中」に6年ストレートから外れたことになります。

これに対し、新卒で国家試験を受けて不合格だったのは398人在学中に外れた人数は、国試で落ちた人数の約3.5倍です。

もうひとつ、意外に思われるかもしれない数字があります。「6年生まで上がったのに卒業できなかった」人は、全国で125人しかいません。卒業試験での足切りは受験生の間でよく話題になりますが、全81校を合計してもこの規模です。人数がまとまって出ているのは帝京大学(在籍111人→卒業102人)と東北医科薬科大学(91人→84人)で、他の大学はおおむね数人ずつでした。

つまり、留年の大半は1〜5年次で起きています。ここは受験生の想像とだいぶ違うところだと思います。

その途中に置かれているのが、4年次の共用試験(CBT・Pre-CC OSCE)です。診療参加型臨床実習に進むために全国共通で課される試験で、医学系では2023年から医師法に定められた公的な試験になりました(実施は公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構)。ここを通らなければ実習に進めないため、進級の関門としての位置づけは以前より明確になっています。

では、6年ストレートから外れた人はどうなるのか。留年しても、卒業して国家試験に受かれば医師になれます。ここは事実です。ただし、国家試験は受験の回数が増えるほど数字が急に厳しくなります。直近の第120回医師国家試験(2026年2月実施)の結果を見てください。

卒業からの受験回数 受験者 合格率
1回目(新卒) 9,205人 94.7%
2回目 466人 71.9%
3回目 103人 42.7%
4回目 38人 36.8%
5回目 36人 38.9%
6回目 17人 17.6%
10回目以上 69人 4.3%

1回目(新卒)94.7% → 2回目71.9% → 3回目42.7%。1回目と2回目で22.8ポイント、2回目と3回目でさらに29.2ポイント落ちます。10回目以上になると4.3%です。なお第120回は全体で受験9,980人・合格9,139人の91.6%(前年92.3%から0.7ポイント低下)、新卒だけなら94.7%でした。

この表が示しているのは、「1回目で通す」ことの重みです。そして1回目のチャンスをきちんと迎えるためには、その前の6年間で止まらないことが前提になります。冒頭のランキングは、結局この話につながっています。

 

国公立と私立|84.7%と77.0%、その差は7.7ポイント

全体をつかんだところで、ひとつ下の粒度に降ります。設置区分ごとの平均です。

区分 校数 入学者 進級率 卒業率 国試合格率 6年で医師になる確率
国立大学 42校 4,931人 88.9% 87.9% 96.1% 84.5%
公立大学 8校 841人 90.4% 89.4% 96.5% 86.3%
国公立 合計 50校 5,772人 89.1% 88.1% 96.1% 84.7%
私立大学 31校 3,684人 83.0% 81.1% 95.0% 77.0%
全大学 合計 81校 9,456人 86.7% 85.4% 95.7% 81.7%

国公立50校の平均が84.7%、私立31校が77.0%。差は7.7ポイントです。内訳を見ると公立8校が86.3%といちばん高く、国立42校が84.5%と続きます。

差がどこから来ているかもはっきりしています。国試合格率は国公立96.1%・私立95.0%とわずか1.1ポイント差ですが、卒業率は88.1%と81.1%で7ポイント開いています。つまり国公立と私立の差は、国家試験ではなく在学中に生まれています。

前年版(平成30年度入学者・第118回国試)と比べると、国立が83.2%→84.5%と上がった一方、私立は78.2%→77.0%と下がりました。全体では81.3%→81.7%とほぼ横ばいですが、区分間の差はこの1年で少し広がっています。

ただし、これは平均の話です。「国公立だから安全、私立だから危険」と読むと確実に間違えます。次の2つのランキングを見てください。

 

私立医学部31校のランキング|96.92%から57.40%まで39.5ポイント

私立31校だけを取り出した表です。

私立医学部31校の進級率・卒業率・国試合格率ランキング一覧。1位自治医科大学96.92%から31位57.40%まで、私立平均は77.0%
出典:文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)・厚生労働省(第119回医師国家試験)より太宰府アカデミー作成

同じ内容を表にしたものがこちらです。右端に前年版からの全国順位の動きも入れました。

私立内順位 大学名 6年で医師になる確率 卒業率 国試合格率 全国順位 前年比
1 自治医科大学 96.92% 97.6% 99.3% 2位 +7
2 順天堂大学 91.54% 93.6% 97.8% 6位 -1
3 東京慈恵会医科大学 89.89% 90.8% 99.0% 13位 +20
4 慶應義塾大学 88.69% 89.5% 99.1% 20位 -13
5 東邦大学 87.10% 88.7% 98.2% 27位 +3
6 国際医療福祉大学 82.90% 82.9% 100.0% 38位 -12
7 日本医科大学 82.18% 86.5% 95.0% 39位 -21
8 東京女子医科大学 81.76% 88.1% 92.8% 40位 -25
9 杏林大学 81.20% 83.8% 96.9% 44位 +28
10 帝京大学 80.46% 81.6% 98.6% 47位 +31
11 埼玉医科大学 80.11% 83.8% 95.6% 48位 +25
12 産業医科大学 78.26% 82.9% 94.4% 55位 +14
13 昭和医科大学 77.79% 84.1% 92.5% 58位 -42
14 関西医科大学 77.75% 86.1% 90.3% 59位 +11
15 東北医科薬科大学 77.53% 84.0% 92.3% 60位 -38
16 金沢医科大学 76.63% 81.0% 94.6% 61位 +14
17 獨協医科大学 76.20% 84.2% 90.5% 63位 -2
18 聖マリアンナ医科大学 75.87% 84.3% 90.0% 64位 -26
19 北里大学 74.66% 80.8% 92.4% 66位 -10
20 兵庫医科大学 74.33% 75.0% 99.1% 68位 -6
21 日本大学 73.93% 78.9% 93.7% 69位 -18
22 藤田医科大学 73.58% 75.0% 98.1% 70位 -13
23 近畿大学 72.99% 79.6% 91.7% 71位 +6
24 大阪医科薬科大学 72.54% 74.1% 97.9% 72位 -48
25 岩手医科大学 71.08% 74.2% 95.8% 75位 +1
26 愛知医科大学 70.95% 72.4% 98.0% 76位 -40
27 東京医科大学 68.30% 71.0% 96.2% 77位 -14
28 久留米大学 66.85% 79.3% 84.3% 78位 +3
29 東海大学 65.37% 66.1% 98.9% 79位 -44
30 福岡大学 64.52% 68.2% 94.6% 80位 -6
31 川崎医科大学 57.40% 65.6% 87.5% 81位 -1

私立のトップは自治医科大学96.92%で、これは全国でも2位。以下、順天堂大学91.54%(全国6位)、東京慈恵会医科大学89.89%(全国13位)、慶應義塾大学88.69%(全国20位)、東邦大学87.10%(全国27位)と続きます。上位5校は国公立の上位と完全に肩を並べています。

一方で私立は最上位96.92%と最下位57.40%の差が39.5ポイント。国公立の26.3ポイントに比べて、大学間のばらつきがかなり大きいのが特徴です。「私立」でひとくくりにできる集団ではありません。

 

国公立医学部50校のランキング|97.40%から71.09%まで

国公立50校(国立42校+公立8校)です。

国公立医学部50校の進級率・卒業率・国試合格率ランキング一覧。1位金沢大学97.40%から50位71.09%まで、国公立平均は84.7%
出典:文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)・厚生労働省(第119回医師国家試験)より太宰府アカデミー作成

こちらも表を置いておきます。

国公立内順位 大学名 区分 6年で医師になる確率 卒業率 国試合格率 全国順位 前年比
1 金沢大学 国立 97.40% 97.4% 100.0% 1位 +1
2 鹿児島大学 国立 93.41% 97.0% 96.3% 3位 +24
3 三重大学 国立 92.80% 92.8% 100.0% 4位 +2
4 大阪公立大学 公立 92.66% 93.6% 99.0% 5位 +20
5 横浜市立大学 公立 91.09% 92.2% 98.8% 7位 +3
6 東京大学 国立 90.98% 93.6% 97.2% 8位 -5
7 名古屋市立大学 公立 90.91% 95.8% 94.9% 9位 -1
8 千葉大学 国立 90.38% 92.6% 97.6% 10位 +24
9 秋田大学 国立 90.18% 92.3% 97.7% 11位 +1
10 旭川医科大学 国立 89.90% 92.3% 97.4% 12位 +7
11 大分大学 国立 89.72% 92.4% 97.1% 14位 -1
12 山口大学 国立 89.30% 94.0% 95.0% 15位 +30
13 滋賀医科大学 国立 89.16% 92.2% 96.7% 16位 +25
14 大阪大学 国立 89.06% 92.0% 96.8% 17位 +43
15 浜松医科大学 国立 88.97% 90.6% 98.2% 18位 +5
16 信州大学 国立 88.80% 92.5% 96.0% 19位 +9
17 富山大学 国立 88.29% 90.0% 98.1% 21位 +10
18 名古屋大学 国立 88.24% 92.2% 95.7% 22位 -1
19 神戸大学 国立 87.70% 93.2% 94.1% 23位 -22
20 岐阜大学 国立 87.60% 88.4% 99.1% 24位 +19
21 岡山大学 国立 87.41% 92.3% 94.7% 25位 -21
22 東北大学 国立 87.38% 89.8% 97.3% 26位 +23
23 新潟大学 国立 87.10% 91.3% 95.4% 27位 +44
24 京都大学 国立 86.86% 93.3% 93.1% 29位 -18
25 弘前大学 国立 85.85% 88.6% 96.9% 30位 +2
26 福島県立医科大学 公立 85.60% 86.9% 98.5% 31位 +16
27 宮崎大学 国立 85.54% 90.9% 94.1% 32位 +47
28 福井大学 国立 85.30% 85.3% 100.0% 33位 +31
29 札幌医科大学 公立 85.27% 89.1% 95.7% 34位 +10
30 和歌山県立医科大学 公立 84.72% 93.0% 91.1% 35位 +18
31 筑波大学 国立 84.57% 87.1% 97.1% 36位 +4
32 京都府立医科大学 公立 83.33% 86.0% 96.9% 37位 -17
33 佐賀大学 国立 81.48% 84.0% 97.0% 41位 +11
34 鳥取大学 国立 81.48% 86.4% 94.3% 41位 -2
35 東京科学大学 国立 81.40% 84.0% 96.9% 43位 -26
36 徳島大学 国立 81.17% 84.2% 96.4% 45位 +22
37 長崎大学 国立 80.48% 84.8% 94.9% 46位 +13
38 高知大学 国立 80.07% 81.7% 98.0% 49位 -20
39 北海道大学 国立 79.58% 81.2% 98.0% 50位 -8
40 奈良県立医科大学 公立 79.32% 81.6% 97.2% 51位 +4
41 愛媛大学 国立 79.29% 88.4% 89.7% 52位 -15
42 琉球大学 国立 78.99% 81.1% 97.4% 53位 +15
43 群馬大学 国立 78.41% 82.1% 95.5% 54位 -40
44 広島大学 国立 78.13% 82.5% 94.7% 56位 -10
45 熊本大学 国立 77.81% 81.9% 95.0% 57位 +9
46 香川大学 国立 76.54% 84.2% 90.9% 62位 -12
47 九州大学 国立 75.53% 79.5% 95.0% 65位 -7
48 山梨大学 国立 74.41% 82.4% 90.3% 67位 -2
49 山形大学 国立 72.24% 75.8% 95.3% 73位 -25
50 島根大学 国立 71.09% 76.2% 93.3% 74位 -20

1位は金沢大学97.40%。以下、鹿児島大学93.41%、三重大学92.80%、大阪公立大学92.66%、横浜市立大学91.09%。公立8校のうち3校(大阪公立・横浜市立・名古屋市立)がトップ10に入っています。

下位を見ると、島根大学71.09%、山形大学72.24%、山梨大学74.41%と続きます。国公立でも70%台前半の大学はあります。逆に言えば、国公立で最も低い数字(71.09%)でも、私立の下位10校の多くより上に来る、という構造です。

難関校が必ず上位に来るわけでもありません。東京大学は90.98%で8位ですが、京都大学は86.86%で29位、九州大学は75.53%で65位。入試の難易度と、入学後6年間の通過率は別の指標です。

 

数字が低い大学をどう読むか|卒業率と国試合格率のギャップ

ここが、このランキングでいちばん慎重に読んでほしいところです。確率が低い=教育が雑、ではありません。データを見ると、むしろ逆の構造が見えます。

卒業率と国試合格率の差が大きい10校を並べました。

大学名 卒業率 国試合格率 6年で医師になる確率
東海大学 66.1% 98.9% +32.8ポイント 65.37%
福岡大学 68.2% 94.6% +26.4ポイント 64.52%
愛知医科大学 72.4% 98.0% +25.6ポイント 70.95%
東京医科大学 71.0% 96.2% +25.2ポイント 68.30%
兵庫医科大学 75.0% 99.1% +24.1ポイント 74.33%
大阪医科薬科大学 74.1% 97.9% +23.8ポイント 72.54%
藤田医科大学 75.0% 98.1% +23.1ポイント 73.58%
川崎医科大学 65.6% 87.5% +21.9ポイント 57.40%
岩手医科大学 74.2% 95.8% +21.6ポイント 71.08%
山形大学 75.8% 95.3% +19.5ポイント 72.24%

たとえば東海大学は卒業率66.1%に対して国試合格率98.9%、愛知医科大学は72.4%に対して98.0%、兵庫医科大学は75.0%に対して99.1%卒業までに時間はかかるけれど、卒業した学生はほぼ全員が国家試験に受かっているという形になっています。

大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ、データを見る限りでは、「入学後に一定の関門があり、そのうえで出口の実績が高い水準にある」大学が一定数あるとは言えそうです。

逆の型もあります。国試合格率が90%を下回っているのは、久留米大学84.3%、川崎医科大学87.5%、愛媛大学89.7%の3校だけ。関門が在学中にあるのか、出口にあるのか。同じ「確率が低い」でも中身が違います。志望校を見るときは、確率という1つの数字ではなく、進級率・卒業率・国試合格率の3つを並べて見てください。

 

この順位だけで志望校を決めないでください|1年で40位以上動きます

ここまで順位を並べておいて逆のことを言いますが、単年の順位で大学を判断するのは危険です。前年版と突き合わせると、その理由がはっきり出ます。

医学部の6年で医師になる確率が前年版から大きく動いた6大学。宮崎大学は79位から32位へ、大阪医科薬科大学は24位から72位へ
出典:文部科学省医学教育課調べ・厚生労働省(第118回/第119回医師国家試験)をもとに太宰府アカデミー集計

宮崎大学は79位→32位(64.3%→85.5%)、新潟大学は71位→27位(72.8%→87.1%)、大阪大学は60位→17位(77.9%→89.1%)。逆に大阪医科薬科大学は24位→72位(86.9%→72.5%)、東海大学は35位→79位(84.2%→65.4%)、前年1位だった神戸大学も23位(95.8%→87.7%)まで下がりました。

全81校の平均は81.3%→81.7%とほとんど動いていないのに、個別の大学は40位以上動きます。1学年は100人前後。数人の進級可否で数ポイント動く規模の母数なので、これは大学の中身が1年で激変したというより、統計としての揺れがかなり大きいということです。

では、どう見ればいいのか。2年連続で同じ側にいるかどうかで見ます。

区分 大学名 今回(令和元年度入学者) 前年(平成30年度入学者)
2年連続90%以上 金沢大学 97.40% 94.21%
自治医科大学 96.92% 91.06%
三重大学 92.80% 92.43%
順天堂大学 91.54% 92.94%
横浜市立大学 91.09% 90.16%
東京大学 90.98% 94.07%
名古屋市立大学 90.91% 92.12%
秋田大学 90.18% 90.04%
2年連続75%未満 川崎医科大学 57.40% 62.16%
福岡大学 64.52% 66.59%
久留米大学 66.85% 60.18%
岩手医科大学 71.08% 64.79%
近畿大学 72.99% 64.57%

2年続けて90%以上だったのは8校。金沢大学・自治医科大学・三重大学・順天堂大学・横浜市立大学・東京大学・名古屋市立大学・秋田大学です。この8校は「たまたま良かった年」ではありません。

逆に2年続けて75%未満だったのが5校。ただしこちらは、久留米大学(60.2%→66.8%)、岩手医科大学(64.8%→71.1%)、近畿大学(64.6%→73.0%)のように前年から大きく改善している大学も含まれます。1年ぶんの数字ではなく、動いている方向も一緒に見てください。

 

太宰府アカデミーの視点|受験生と保護者は、このデータをどう使うか

ランキングを眺めて終わりにしないために、判断の材料としての使い方を3つに整理します。

①「1年ぶんの順位」ではなく「2年並べた位置」で見る。上で見たとおり、単年では40位以上動きます。志望校が決まっているなら、今回と前年の2つの数字を並べてください。この記事の私立表・国公立表には前年からの動きを入れてあります。同じ側に2年いるかどうかが、いちばん実用的な見方だと思います。

② 確率という1つの数字ではなく、進級率・卒業率・国試合格率の3つで見る。同じ「確率75%」でも、進級率が低い大学と国試合格率が低い大学では、入学後に起きることがまったく違います。前者は1〜5年次の日々の試験が、後者は6年次からの国試対策が焦点になります。どの段階に山があるのかが分かれば、入学後の6年間の過ごし方も具体的に想像できます。

③ 偏差値・学費と並べて見る。入試の難易度と入学後の通過率は連動しません。東京大学90.98%(8位)と九州大学75.53%(65位)が同じ表に並ぶのがその証拠です。偏差値表は入学までの地図、このランキングは入学後の地図。どちらか片方だけでは、6年間の全体像が見えません。

そのうえで、ひとつだけ付け加えます。全81校で1,255人が1〜5年次の進級でつまずいているという数字は、裏返せば医学部の6年間は「毎日机に向かい続けられるか」がそのまま結果になる場所だということでもあります。入学後の話ではありますが、その型は受験期のうちからつくっておいて損はないはずです。

 

よくある質問

Q. この「6年で医師になる確率」は、どこが出している数字ですか?
A. 元になる数字は2つとも国の公表資料です。進級率・卒業率は文部科学省医学教育課調べ(令和元年度入学者の卒業状況)、国家試験の合格率は厚生労働省の第119回医師国家試験の結果。この2つを掛け合わせる部分だけが当校の集計で、掛け算という指標そのものは厚生労働省の発表資料にはありません。

Q. 医学部の留年率は結局どれくらいですか?
A. 全81大学の平均でいえば、6年間ストレートで6年生になれた割合が86.7%なので、その裏返しの13.3%が目安になります(留年のほか休学・退学を含みます)。ただし大学差が大きく、進級率99.1%の金沢大学から66.1%の大学まで33ポイントの開きがあります。上の一覧表で志望校の進級率を確認してください。

Q. なぜ最新の公表データなのに「2019年入学」なのですか?
A. 6年間を追いかけるデータだからです。令和元年(2019年)4月に入学した学年が、2025年3月に卒業し、2025年2月の第119回国家試験を受けました。この指標は構造上、必ず「6年前の入学者」を見ることになります。直近の入試の難易度や、いま在学している学生の状況をそのまま表しているわけではない、という前提で読んでください。

Q. 防衛医科大学校が入っていないのはなぜですか?
A. 防衛医科大学校は防衛省が所管する省庁大学校で、文部科学省の医学部医学科の集計対象に含まれないためです。この記事の81校は、文部科学省が公表している国立42校・公立8校・私立31校の合計になります。

 

まとめ

要点を5つに絞ります。

・全81大学の平均で、6年で医師になる確率は81.7%。100人入学して18人は6年では医師になっていない

・1位は金沢大学97.40%、最下位は57.40%で、その差は40ポイント。90%以上は11校、70%未満は5校

・留年の大半は国家試験ではなく在学中。在学中に1,380人、新卒の国試で398人。しかも6年次で卒業できなかったのは全国で125人だけで、本当の関門は1〜5年次の進級

・区分別では国公立84.7%・私立77.0%。ただし私立トップの自治医科大学96.92%は全国2位で、「国公立か私立か」より「その大学がどうか」

単年の順位は1年で40位以上動く。2年並べて、同じ側にいるかどうかで見る

このランキングを毎年つくっているのは、受験生に「入ったあとも大変だぞ」と脅すためではありません。逆です。偏差値表には、入学後の6年間のことが1文字も書かれていない。入試までの地図しか持たずに志望校を決めてしまうのが、いちばんもったいないと思っているからです。

志望校の候補が絞れてきたら、偏差値と学費を調べたのと同じ熱量で、その大学の進級率・卒業率・国試合格率を1回だけ見てみてください。数字の高い低いより、「どの段階に山があるか」が分かることのほうが、入学後には効いてくるはずです。

 

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本日の記事は以上です。

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後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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