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私立大学医学部医学科入試情報【まとめ】

大阪医科薬科大学医学部の偏差値67.5と学費2,841万円|2027年度入試

2026年08月19日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

「大阪医科薬科大学 偏差値」。この検索、うちのサイトだけで年間3万回以上届いています。加えて「大阪医科大学 偏差値」という旧名称での検索も年間2万回ほど。2021年4月に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合して名称が変わったことを知らないまま、古い情報を見ている人がまだ相当いる、ということです。

答えを出す順番は、こうします。

− 大阪医科薬科大学の偏差値って、結局どのくらい?何点取れば受かるの?

− 配点は?どの科目を重点的にやればいいの?

− 学費が下がったって本当?いくらになった?

− 繰上合格は回るの?入ってから6年で医師になれる?

このページでは、4つとも数字で答えます。2027年度入試の配点・日程は大学の公表資料から、合格最低点と繰上合格者数は大学の公表値から、進級率と国試合格率は文部科学省・厚生労働省の資料から取っています。上から順に開いていきます。

 

大阪医科薬科大学医学部の偏差値は67.5|理科が配点の半分

はじめに答えを書いてしまいます。大阪医科薬科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で67.5。私立医学部31校の中で9位にあたる、上位グループの大学です。

そして、この大学を語るうえで外せないのが配点です。一般前期は400点満点で、理科2科目が200点。それだけで満点の50%を占めます。英語100点と数学100点を足しても、理科2科目と同じ重みにしかなりません。

2026年度の一般前期の合格最低点は正規合格者で287点/400点=71.8%。共通テスト利用は613点/700点=87.6%でした。

学費は2023年度の入学者から約500万円引き下げられ、6年間で2,841万円になっています。ただし、この引き下げと同時に入学時特待生制度は廃止されました。良い話だけではない、という点は押さえておいてください。

合格者平均偏差値は66.2|私立31校中8位

河合塾の入試結果調査(2026年度)の合格者平均も置いておきます。全統模試を受けて大阪医科薬科大学医学部に合格した人の記述模試平均は66.2(英64.6・数67.0・理67.1)私立31校中8位、国公立を含む全81校中31位(防衛医科大学校を除く)です。

大阪医科薬科大学医学部の合格者平均偏差値66.2は私立31校中8位(河合塾 入試結果調査2026年度・全統模試)
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

英64.6に対して数67.0・理67.1と、理数が2ポイント以上高い合格者層です。理科2科目で200点という配点の大学らしい形と言えます。前年の67.3からは-1.1で、後ろから藤田医科(66.0)が0.2差まで迫ってきました。

私立順位 大学 総合
5位 関西医科大学 66.4 68.4 69.0 67.9
6位 国際医療福祉大学 68.4 66.6 67.7 67.6
7位 東京医科大学 66.2 66.1 67.0 66.4
8位 大阪医科薬科大学 64.6 67.0 67.1 66.2
9位 藤田医科大学 65.5 66.1 66.4 66.0
10位 昭和医科大学 65.5 66.0 66.1 65.9

※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

大阪医科薬科大学だけを見ていても、その数字が高いのか低いのかは判断できません。医学部偏差値ランキング2027(全81校)で、全国の並びの中に置いて見てください。

 

偏差値の推移|1980年の57.5から45年で67.5へ

まず偏差値の推移から見ていきます。

大阪医科薬科大学 医学部の偏差値が1980年の57.5から2026年の67.5まで45年で10.0ポイント上昇したことを示す横棒グラフ。2021年に大阪医科大学から名称変更
出典:河合塾 全統模試(太宰府アカデミー『2027偏差値ランキング 昔比較』)。※2021年4月に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し、大阪医科薬科大学になりました。
偏差値 前の時点からの変化 当時の大学名
1980年 57.5 大阪医科大学
1990年 60.0 +2.5 大阪医科大学
1995年 65.0 +5.0 大阪医科大学
2010年 67.5 +2.5 大阪医科大学
2021年 67.5 ±0 大阪医科薬科大学
2026年 67.5 ±0 大阪医科薬科大学

1980年の偏差値は57.5。当時はまだ「大阪医科大学」でした。それが1995年に65.0、2010年に67.5まで上がり、以降は67.5で安定しています。45年間で+10.0ポイントです。

藤田医科大学(+25.0)や愛知医科大学(+27.5)のような激しい動きではありません。もともと上位にいて、そのまま上位にいるタイプの大学です。私立医学部の中では、慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学・順天堂大学に続く関西の最上位グループにあたります。

ここで一つ、検索している人向けの補足です。2021年4月、大阪医科大学と大阪薬科大学が統合して「大阪医科薬科大学」になりました。医学部の教育内容や入試の枠組みが大きく変わったわけではありませんが、大学名で検索すると2021年より前の記事が今も上位に出てきます。配点や日程を調べるときは、必ず年度を確認してください。

 

科目と配点|理科2科目で200点、数学・英語は各100点

この大学のいちばん大きな特徴が、ここです。

大阪医科薬科大学 医学部 2027年度一般前期の試験科目と配点。理科2科目120分で200点、数学90分100点、英語80分100点の計400点満点であることを示す図
出典:大阪医科薬科大学 公表/ベネッセ マナビジョン 2027年度入試情報。※小論文は1次試験日に実施し、2次試験の合否判定に使用します。必ず最新の募集要項をご確認ください。
区分 科目 時間 配点 形式
1次 理科2科目 120分 200点 記述
1次 数学 90分 100点 全問記述・証明多い
1次 英語 80分 100点 和訳・英訳あり
1次 小論文 30分 段階評価 400字以内・2次判定に使用
1次 合計 400点
2次 面接 10〜15分 段階評価 個人面接・面接官3人

1次試験は理科2科目(120分・200点)・数学(90分・100点)・英語(80分・100点)の計400点満点。加えて小論文(30分・400字以内)を1次試験日に実施しますが、これは1次の合否には使わず、2次試験の合否判定に使われます。2次試験は個人面接(10〜15分・面接官3人・段階評価)です。

私立医学部の多くは「英語・数学・理科2科目を同じ配点で並べる」か、「英語と数学を重くする」かのどちらかです。藤田医科大学のように英語200点+数学200点で満点の67%という大学もあります。大阪医科薬科大学は、その真逆にあたります。

つまり、理科が武器になる受験生にとっては配点の面で相性がいい大学ということになります。ただし、配点だけで決めるのは危険です。次に出題の形式を見ます。

数学は「私大というより国公立の問題」

試験時間と形式を、科目ごとに見ていきます。

数学(90分・大問4題)全問記述式で、証明問題が多く出ます。2022年度は5題すべてに証明が入っていました。数Ⅲの比率が高く、「微分・積分」「確率」「空間ベクトル」が頻出。公式を覚えているかではなく、導出過程を説明できるかが問われる作りです。2024年度以降はやや易化の傾向にあります。

英語(80分)は和訳と英訳が柱でした。2024年度から記述量が減り、2025年度はさらに記号問題が増えています。ただし下線部の内容を日本語と英語で説明する問題和文英訳は残っており、記述力そのものは引き続き必要です。

化学(大問4題)はほぼ記述式で、考察量の多い重厚な問題が並びます。2024・2025年度は有機分野からの出題が4題中3題でした。生物(大問4題)も記述中心で、知識を短い文で正確に説明する力が問われます。物理(大問4題)は標準レベルですが、時間の割に問題量が多い構成です。

全体を通して言えるのは、マーク式で速く処理する入試ではなく、記述で説明する入試だということです。理科の配点が半分だからといって、知識量だけで押し切れる形式ではありません。答案を添削してもらう機会があるかどうかが、そのまま得点差につながるタイプの大学です。

2027年度入試の変更点と、そのほかの入試方式

2027年度は、年内入試まわりに動きがあります。

1つ目は、学校推薦型選抜の英語資格要件の変更です。公募制推薦(専願制・10名・現役のみ)は、英検やGTECなどの英語資格の取得が出願条件になっています。この基準が2027年度から見直されました。試験内容は数学100点・理科150点・小論文・面接で、1次試験は2026年11月21日、合格発表は2026年12月1日です。

2つ目は、医師少数県を対象とした地域枠の指定校制推薦(専願制・募集1名)が新設されること。年内入試の選択肢が一つ増えます。

そのほかの方式も整理しておきます。一般前期は募集64名、1次試験は2027年2月10日(水)。出願は2026年12月9日〜2027年1月20日、会場は大阪・東京・名古屋の3か所です。大阪府地域枠は2名で、日程・内容は一般前期と同じ。一般後期は15名(2026年度は3月10日実施)。共通テスト利用は10名総合型選抜「至誠仁術」併願制(共通テスト利用)は5名です。

2027年度の学生募集要項は、例年どおりであれば秋に公表されます。出願前に必ず最新の募集要項をご確認ください。

 

合格最低点は一般71.8%|共通テスト利用87.6%(2026年度)

「何点取れば受かるのか」。ここも数字で答えます。

大阪医科薬科大学 医学部 2025年度の合格最低点の得点率。一般前期の正規合格66.8%、入学者63.8%、補欠候補62.8%、共通テスト利用89.1%を比較した図
出典:大阪医科薬科大学 公表(太宰府アカデミー『2025 私立医学部合格最低点まとめ』)。
区分 2026年度 2025年度 2024年度
一般前期 正規合格 287点(71.8%) 267点(66.8%) 260点(65.0%)
一般前期 入学者 277点(69.3%) 255点(63.8%) 260点(65.0%)
一般前期 繰上合格候補 270点(67.5%) 251点(62.8%) 241点(60.3%)
一般後期 正規合格 282点(70.5%) 286点(71.5%)
共通テスト利用 613点(87.6%) 624点(89.1%) 86%

2026年度(令和8年度)の一般前期は、正規合格者の最低点が287点/400点=71.8%繰り上げ合格候補者の最低点が270点(67.5%)実際の入学者の最低点が277点(69.3%)でした。共通テスト利用は613点/700点=87.6%、一般後期は282点(70.5%)です。

ここは大きく動きました。一般前期の正規合格 最低点は、2025年度267点から2026年度287点へ20点上がっています。得点率でいえば66.8%→71.8%。受験者の平均点も197点→213点と16点上がっており、1年で全体が押し上がった年でした。「6割台後半で届く大学」という感覚は、そのままでは通用しません。

さかのぼると、正規合格の最低点は2023年度252点 → 2024年度260点 → 2025年度267点 → 2026年度287点。3年で35点上がっています。共通テスト利用は2023年度87% → 2024年度86% → 2025年度89.1% → 2026年度87.6%と、高い水準で行き来しています。

ここで注意したいのは、共通テスト利用は国語(古文・漢文を含む範囲での対策が必要)まで課されるという点です。配点は国語100点・数学200点・英語200点(リーディング160+リスニング40)・理科200点の計700点英語のリスニング配点が40点と低く、リーディング160点が重いのも特徴です。国公立との併願層にとっては使いやすい方式ですが、9割近い得点率が求められます。

最後に、成績開示について。大阪医科薬科は不合格だった人が自分の得点を確認できます。返ってくるのは1次の総得点です。1次の受験者が対象です。申請の時期と方法はその年の大学発表で確認してください。

出典:各大学の成績開示要領をもとに太宰府アカデミー集計(実施の有無と開示内容は2022年度調査。申請期間は毎年変わるため、その年の大学公式発表で確認してください)

 

繰り上げ合格は0名〜87名|補欠番号ではありません

「大阪医科薬科大学 繰り上げ」も検索の多い言葉です。ここは大学が公表しているデータがあるので、そのまま出します。ただし読み方に1つだけ注意があります。大学が出しているのは「繰り上げ合格者の人数」で、「補欠何番まで回ったか」ではありません。

大阪医科薬科大学 医学部の一般前期からの繰上合格者数の推移。2022年度87名、2023年度40名、2024年度0名、2025年度71名と年によって大きく振れることを示す図
出典:大阪医科薬科大学 公表(太宰府アカデミー『2026 繰上合格まとめ』)。
年度 一般前期 一般後期 共通テスト利用
2022年度 87名 5名 13名
2023年度 40名 1名 0名
2024年度 0名 12名 21名
2025年度 71名 1名 21名
2026年度 44名 2名 21名

一般前期からの繰上合格者数は、2022年度87名 → 2023年度40名 → 2024年度0名 → 2025年度71名 → 2026年度44名同じ大学の同じ入試で、0名の年と87名の年があります。

2024年度に前期からの繰上が0名だった年、代わりに一般後期から12名、共通テスト利用から21名が繰り上がっています。この年は関西医科大学の2次試験日と大阪医科薬科大学の前期1次試験日が重なったという事情がありました。

ここから読み取れることは1つです。繰上合格を前提にした受験計画は、この大学では立ちません。繰り上げ合格候補者は毎年140〜170名ほど出ますが、そこから何人回るかは年によってまったく違います。狙うべきは正規合格だと考えて準備するのが安全です。

 

そのうえで、数字の読み方をもう一度書いておきます。「2026年度は44名」は「補欠44番まで回った」という意味ではありません。大阪医科薬科大学は2021年度入試から繰り上げ合格候補者に番号を付けていますが、何番まで連絡が届いたかは公表していません。公表されているのは人数だけです。

そしてもう1つ。繰上合格になった人が、全員入学するわけではありません。2025年度は前期の繰上71名に対して、前期の入学者は70名——正規合格131名がいてこの数字ですから、合格者の多くが辞退していることが公表値そのものから分かります。辞退が出ればそのぶん連絡は先の番号へ進む。「44名だから45番以下は無い」という読み方をして、待てば届いたかもしれない合格を自分で降りないでください。

手がかりになるのが繰り上げ合格候補者の最低点です。2026年度は270点(67.5%)で、正規合格の最低点287点より17点低い。正規に17点届かなくても候補には入れるということです。

参考までに、2025年度の一般前期は志願者1,950名・1次受験者1,758名・1次合格者181名で、1次の実質倍率は9.7倍でした。1次合格者数は長く200名前後で固定されていましたが、2025年度は181名に減っています。

合格者の現浪比も公表されています。2025年度は現役23.1%・1浪48.3%・2浪13.6%・3浪以上15.0%合格者の4人に3人が浪人生という構成です。関東の最上位私立と比べて現役比率が高くないのは、この大学の一つの特徴だと言えます。

 

学費は6年間2,841万円|2023年度から約500万円下がりました

「大阪医科薬科大学 学費」もよく検索されます。ここも数字で整理します。

私立医学部3校と国公立大学の6年間の学費比較。帝京大学3,909万円、大阪医科薬科大学2,841万円、藤田医科大学2,152万円、国公立約350万円
出典:各大学 公表。※大阪医科薬科大学は2023年度入学者から学費を引き下げると同時に、入学時特待生制度を廃止しています。
大学 6年間の総額 備考
帝京大学 約3,909万円 私立で高いほう
大阪医科薬科大学 2,841万円 2023年度入学者から約500万円減
藤田医科大学 2,152万円 2026年度入学者から約30%減
国公立大学(標準額) 約350万円 入学金28.2万+授業料53.58万×6年

6年間の総額は2,841万円。内訳は初年度598万5,000円、2年次以降は毎年448万5,000円×5年です。2023年度の入学者から約500万円引き下げられました。

私立医学部の学費は、安いほうが藤田医科大学の2,152万円(2026年度入学者から)、高いほうが帝京大学の約3,909万円。大阪医科薬科大学の2,841万円は、私立医学部の中では安いほうのグループに入ります。偏差値67.5という難易度を考えると、費用対効果の面で選ばれやすい位置にあります。

ただし1つ、見落とされやすい点があります。この学費引き下げと同時に、入学時特待生制度が廃止されました。それまでは一般前期の1次試験合格者のうち成績上位100位以内で入学した人が、施設拡充費42万円と教育充実費200万円の減免を受けられました。全員が下がった代わりに、上位層への上乗せが無くなったという形です。

※学費は改定されることがあります。出願前に必ず大学公式サイトで最新の金額をご確認ください。

 

実質倍率は11.7倍|3,264名が受けて280名が合格

「大阪医科薬科の倍率は32.6倍」という数字を見たことがあるかもしれません。それは志願者数を募集人員で割った志願倍率です。実際に会場に来た人と合格者で計算した実質倍率は11.7倍。同じ「倍率」でも20.9ポイント違います。

区分 人数 読み方
募集人員 112名
志願者数 3,655名 志願倍率 32.6倍
受験者数 3,264名 志願者の89%が受験
合格者数 280名 実質倍率 11.7倍
入学者数 112名 定員充足率 100%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計。※一般・共通テスト利用・学校推薦型・総合型を合わせた医学科全体の数字です。方式別・年度別の倍率は、このページの他の節で扱っています

受験率は89%。医学部としては標準的な水準です。

 

女子の合格率は7.4%|男子との差は2.1ポイント

2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。大阪医科薬科の2025年度入試は、男子9.5%・女子7.4%。男子の合格率のほうが2.1ポイント高いという結果です。

区分 受験者数 合格者数 合格率
男子 1,851名 175名 9.5%
女子 1,413名 105名 7.4%
合計 3,264名 280名 8.6%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計

1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。

年度 男子合格率 女子合格率
最新年 9.5% 7.4% -2.1pt
前年 10.0% 7.1% -2.9pt
前々年 10.1% 8.4% -1.7pt

出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計

3年とも男子のほうが高く出ています。ただし合格率は受験者層にも左右されるため、この数字だけで「女子が不利」とは言えません。

入学者で見ると女子は48名・42.9%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「大阪医科薬科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。

 

面接は段階評価で配点なし|落とされない答え方を準備する

大阪医科薬科の面接は段階評価で、点数は公表されていません。私立31校のうち6校が同じ形です。「何点取れば」という準備ができないぶん、落とされない答え方が要ります。

項目 内容 補足
面接の配点 段階評価(配点なし) 段階評価(要項に「段階評価」と明示)
小論文の配点 公表されていません 30分/400字程度
小論文の扱い 前期は1次試験日に実施します

出典:各大学の2027年度(令和9年度)募集要項・入試概要をもとに太宰府アカデミー集計

ここでいちばん大事なのは配点そのものではありません。募集要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」という条項があることです。「配点が小さいから軽い」という読み方は、この一文で崩れます。小論文は1次試験日に書きます。得点を使うのは2次の判定なので、1次で落ちた人の答案は結果に出てきません。当日は学科のあとにもう1科目ある、という前提で体力を配分してください。

 

地域枠は2名|入学定員112名のうち1.8%を占めます

大阪医科薬科の募集人員は、地域枠を含めた数字です。内訳を出します。

区分 人数 割合・注記
入学定員 112名
地域枠等 2名 定員の1.8%
うち臨時定員の地域枠 2名 期限付きで増員されている枠
地域枠を除いた枠 110名

出典:文部科学省医学教育課「大学医学部における地域枠等の導入状況(令和7年度)」をもとに太宰府アカデミー集計

全国80大学では定員9,270名のうち地域枠が1,847名=19.9%。ほぼ5人に1人です。大阪医科薬科は1.8%で全国71位。私立大学の平均14.3%より低く、一般枠の比重が大きい大学です。 このうち2名は臨時定員の枠です。臨時定員は期限を区切って増やされているもので、制度が変われば減る可能性があります。 なお文部科学省の定義では、地域枠には奨学金と連動しない枠も含まれます。地域枠=必ず修学資金がもらえる、ではありません。出願前に、その枠に貸与制度が付いているかを大学の要項で確かめてください。

枠の是非を考える材料として、国の指標を1つ置いておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、大阪府は288.6で全国7位、上位16県に入る医師多数県です。 大阪府は医師が多い側です。指標が高くても枠があるのは、医師が都市部に寄っているためです。都道府県単位で足りている=どこでも足りている、ではありません。

出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計

一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。

 

国試合格率は97.9%|6年ストレート進級率は75.9%

ここからが、大学紹介サイトがあまり書かない部分です。入ってからどうなるか。

大阪医科薬科大学 医学部の入学後データ。医師国家試験合格率97.9%、6年ストレート進級率75.9%、卒業率74.1%、卒業率×国試合格率72.5%を示す図
出典:文部科学省・厚生労働省の公表資料(太宰府アカデミー『2026 医学部の進級・卒試・国試合格率ランキング表』)。令和元年度入学者・第119回医師国家試験。
指標 数値 内訳
医師国家試験 合格率 97.9% 受験95人・合格93人
6年ストレート進級率 75.9% 入学112人・在籍85人
卒業率(卒業試験) 74.1% 卒業83人
卒業率×国試合格率 72.5% 入学112人のうち約4人に3人

医師国家試験の合格率は97.9%(受験95人・合格93人)。全国平均を大きく上回る水準です。一方で6年間ストレートの進級率は75.9%(入学112人に対し在籍85人)、卒業率(卒業試験の合格率)は74.1%となっています。

卒業率と国試合格率を掛け合わせると72.5%入学した112人のうち、6年間ストレートで医師になるのは約4人に3人という計算になります。

これらのデータを見る限りでは、在学中にいくつかの関門があり、そのうえで出口の国試実績が高い水準にあるという形になっています。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ、志望校を決める段階で入口の偏差値だけでなく、入学後6年間のデータもあわせて見ておくと、判断の材料が増えます。

 

大阪医科薬科のレベルは全81校中31位|私立31校では8位

「大阪医科薬科のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。同じ数字でも、上に何校いるかで意味が変わります。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は66.2。私立31校中8位・全81校中31位で、全国81校のちょうど中ほどです。

全81校順位 大学 合格者平均偏差値 区分別順位
29位 新潟大学 66.3 国公立22位
30位 信州大学 66.3 国公立23位
31位 大阪医科薬科大学 66.2 私立8位
32位 三重大学 66.2 国公立24位
32位 和歌山県立医科大学 66.2 国公立24位

出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

上の表は大阪医科薬科の前後2校ぶんです。偏差値66.2の前後には新潟・信州・三重・和歌山県立医科が並んでいます。併願先を組むとき、実際に迷う相手はこのあたりになります。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

 

多浪・再受験でも合格できるか|卒業年度別の合格率で見る

「何浪まで見てもらえるのか」は、医学部受験でいちばん多い不安の1つだと思います。大阪医科薬科は卒業年度別の合格率を公表しています。感覚ではなく、その数字で見ます。

区分 受験者数 正規合格 正規合格率 入学者
現役 1,027 85 8.3% 35
卒後1年 1,128 94 8.3% 45
卒後2年 485 30 6.2% 16
卒後3年以上 718 15 2.1% 16
総計 3,358 224 6.7% 112

出典:各大学公表の入試結果をもとに太宰府アカデミー集計/2026年度入試(全選抜合計・正規合格のみ)

現役と卒後1年が同率8.3%。卒後2年で6.2%、卒後3年以上で2.1%と明確に落ちます。ただし入学者は卒後3年以上でも16名(全体の14%)。この表は正規合格だけの数字で、繰上合格67名の卒業年度別内訳は公表されていません。入学者に3年以上が残るのは、その繰上の分です。合格率は受験する層によっても動きます。浪人年数ごとに難易度が同じ、という意味ではありません。なお合否とは別に、学費支援の面ではっきりした線があります。国の「高等教育の修学支援新制度」は、高校を初めて卒業した年度の翌年度末から入学日までが2年を超えていないことを要件にしています。3浪以上はこの時点で対象外です(高卒認定の場合は別の起算になります)。多浪で受けるなら、合格可能性だけでなく学費の設計も一緒に考えておいてください。

 

太宰府アカデミーの視点|大阪医科薬科大学に向く受験生

大阪医科薬科大学を受験校に入れるかどうか。検討するうえで注意したいポイントを、3つ挙げます。

1つ目は、配点と出題形式をセットで見ることです。理科2科目で400点満点の50%。この配点だけを見ると「理科が得意なら有利」と考えたくなります。ですが、そこで止まるのは危険です。この大学の理科は、ほぼ記述式です。化学は考察量の多い重厚な問題、生物は知識を短文で正確に説明する問題が中心。「理科の点が取れる」と「大阪医科薬科大学の理科で点が取れる」は、別の話だということです。配点が合っていても、形式が合わなければ点にはなりません。過去問を時間を計って解いて、そこで初めて判断してください。

2つ目は、記述の添削を受けられる環境があるかどうかです。数学は全問記述で証明問題が多く、英語は和訳と英訳、理科も記述中心。この大学の入試は、答案の書き方そのものが得点に直結します。自分では書けたつもりでも、採点者に伝わっていなければ点は入りません。独学で過去問を解いて丸をつけるだけだと、実際の得点との差が埋まらないまま本番を迎えることになります。誰かに答案を読んでもらう時間を、いつ・どれくらい確保できるか。受験計画を立てる段階で、ここを決めておいたほうがいいと思います。

3つ目は、繰上合格を計算に入れないことです。一般前期からの繰上は2022年度87名、2023年度40名、2024年度0名、2025年度71名、2026年度44名。これだけ振れる数字を、併願計画の前提には置けません。候補に入れたかどうかで一喜一憂するより、正規合格の最低点(2026年度は287点/400点)を目標に置いて逆算するほうが、準備の設計としては確実です。学費が下がって受けやすくなったぶん、志願者が集まりやすい状況にもあります。

この3点は、大阪医科薬科大学に限った話ではありません。配点と出題形式の組み合わせ、答案を見てもらえる環境、そして繰上を当てにしないこと。この3つをセットで考えると、偏差値表だけでは分からない「自分に合う大学」が見えてきます。

 

大阪医科薬科大学医学部のよくある質問

Q. 大阪医科大学と大阪医科薬科大学は違う大学ですか?
A. 同じ大学です。2021年4月に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し、現在の名称になりました。医学部医学科はそのまま引き継がれています。ただしネット上には2021年より前の記事が多く残っているので、配点や日程を調べるときは年度をご確認ください。

Q. 理科は2科目とも必要ですか?
A. 一般前期は物理・化学・生物から2科目を選び、2科目合わせて120分・200点です。1科目だけで受けることはできません。

Q. 小論文は何点ですか?
A. 点数化はされず、段階評価です。1次試験日に30分・400字以内で実施され、2次試験の合否判定に使われます。面接では小論文の内容についても聞かれるため、書いた内容は覚えておいてください。

Q. 共通テスト利用は何割必要ですか?
A. 合格者の最低得点率は2023年度87%、2024年度86%、2025年度89.1%、2026年度87.6%でした。9割前後が目安です。配点は国語100点・数学200点・英語200点(リーディング160+リスニング40)・理科200点の計700点。1次通過者には2次試験として小論文と面接が課されます。

Q. 学費が下がったと聞きましたが、いつからですか?
A. 2023年度の入学者からです。6年間の総額は2,841万円(初年度598万5,000円、2年次以降448万5,000円×5年)。同時に入学時特待生制度は廃止されています。

 

まとめ|大阪医科薬科大学医学部を受けるなら押さえる3つ

最後に、数字で整理します。

1. 偏差値67.5で私立31校中9位。一般前期の合格最低点は287点/400点=71.8%(2026年度)。前年から20点上がりました。共通テスト利用は613点/700点=87.6%です。

2. 一般前期は400点満点のうち理科2科目で200点。数学90分100点・英語80分100点。数学は全問記述で証明問題が多く、国公立大学の二次試験に近い出題です。1次試験は2027年2月10日、募集64名。

3. 学費は6年間2,841万円。2023年度入学者から約500万円下がりました。ただし入学時特待生制度は同時に廃止。国試合格率97.9%、6年ストレート進級率75.9%、卒業率×国試で72.5%です。

あなたが明日やることは1つです。大阪医科薬科大学の数学の過去問を1年分、90分で解いて、答案を誰かに見てもらってください。 全問記述・証明問題ありというこの大学の数学は、自己採点と実際の得点がいちばんずれる科目です。そこでどれだけ書けるかが、理科の200点を活かせるかどうかを決めます。理科の配点が半分だからと安心するのではなく、記述で説明しきれるかどうかで判断してください。

このページを作り直したのは、「大阪医科薬科大学 偏差値」と検索した人が、偏差値の数字だけ見て帰っていくのが、ずっともったいないと思っていたからです。しかも旧名称の「大阪医科大学」で検索している人も多く、古い配点や古い学費のまま志望校を決めてしまう危険すらあります。何点必要で、どの科目が重くて、いくらかかって、入ってから6年どうなるのか。 そこまで分かって初めて、志望校は「決められる」のだと思います。この1ページで、その全部が分かるようにしたつもりです。

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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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