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私立大学医学部医学科入試情報【まとめ】

東京女子医科大学の偏差値60.0と学費3,914万円|2027年度入試

2026年08月19日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

2026年7月6日、東京女子医科大学が2027年度の募集要項(簡易版)を公表しました。中身を開いて、正直なところ二度見しました。一般選抜が約72名から約50名へ、22名の減。空いたぶんは10月実施の総合型選抜(新設・約20名)と推薦の増枠に回ります。定員110名は変わらないまま、入り口の形だけが入れ替わった格好です。

動いたのは募集人員だけではありません。一般選抜の英語が100点から150点へ。そして6月には学納金を6年間で220万円下げるという発表も出ています。値上げで受験生が離れた数年を経て、大学が立て直しに動いている——数字を並べると、そう読める1年です。

− 一般が50名に減ると、どのくらい厳しくなるのか

− 新しくできた総合型は、誰が出願できるのか

− 学費はいくらになるのか(よく見る「4,621万円」は、実は多く見積もりすぎた数字です)

女子のみが出願できる、日本で唯一の女子医大。その2027年度を、一次情報だけで組み直します。

 

東京女子医科大学の偏差値は60.0|合格者平均は私立最大の+1.9

河合塾の予想ボーダー偏差値は60.0(2027年度入試・6月時点の予想値)。2026年度入試の実績値は62.5でしたので、予想の段階では一段下がった位置に置かれています。

ところが実際に受かった人の学力は、逆方向に動いています。河合塾の入試結果調査(2026年度)によると、全統模試を受けて合格した人の記述模試平均は60.7(英64.0・数58.6・理59.6)前年の58.9から+1.9で、これは私立31校でいちばん大きい上げ幅です(2位は埼玉医科の+1.1)。順位は私立31校中29位、国公立を含む全81校では78位。

東京女子医科大学の合格者平均偏差値60.7は前年比+1.9で私立最大の上げ幅(河合塾 入試結果調査2026年度)
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

この大学を語るうえで外せないのが、科目の凸凹です。英64.0に対して数58.6。その差5.4ポイントは私立最大級で、科目ごとに並べ直すと差はもっとはっきりします。英語だけなら私立31校中17位、数学だけなら30位。同じ大学の合格者で、科目によって13ランクも位置が違うということです。英語で稼ぐ受験生が集まり、実際に受かっている——という構図が、そのまま数字に出ています。

順位 大学 総合
26位 東海大学 63.1 61.8 61.4 62.1
27位 埼玉医科大学 62.8 61.6 61.2 61.9
28位 金沢医科大学 61.6 60.4 60.4 60.8
29位 東京女子医科大学 64.0 58.6 59.6 60.7
30位 獨協医科大学 59.4 59.4 59.9 59.6
31位 川崎医科大学 56.4 56.1 54.8 55.8

※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

同じ偏差値帯にどの大学が並ぶかを見るなら、医学部偏差値ランキング2027(国公立50校+私立31校)が早いです。東京女子医科大学の前後にいる大学がそのまま分かります。

 

2027年度の変更点|一般が約50名に減り総合型を新設

2027年度は、募集人員・配点・学費という重いところが同時に動きます。すべて大学公式の発表で確認できた内容です。

項目 2026年度 2027年度
一般選抜 約72名 約50名(▲22名)
学校推薦型選抜 約38名 約40名(+2名)
総合型選抜 実施なし 約20名を新設
推薦の評定基準 4.1以上 4.0以上
一般・英語の配点 100点 150点(90分)
一般・理科の配点 200点 150点(75点×2科目)
地域枠 なし 一般選抜に導入(詳細未公表)
入学金 200万円 160万円
授業料(年額) 280万円 250万円

とくに効くのは一般選抜の22名減英語の50点増の組み合わせです。募集の枠が狭まる一方で、配点は英語が得意な人に有利な方向へ振れました。同じ大学の中で、有利になる層と不利になる層がはっきり分かれる変更だと考えています。

なお2028年度以降については、学校推薦型(指定校)と共通テスト利用の導入が予告されています。入試制度が2年がかりで組み変わる途中ということです。ここで挙げた2027年度の数字は簡易版のものなので、正式な募集要項が出たら必ずそちらで最終確認してください。

 

学費は6年3,914万円|2027年度から220万円の減額

ここは数字が動いたので、ていねいに書きます。大学は2026年6月8日に2027年度からの学納金改定(減額)を公表しました。入学金200万円→160万円(▲40万円)、授業料280万円→250万円(▲30万円/年)。6年間の合計で220万円の負担軽減です。対象は2027年度以降の新入生と在学生の全員とされています。

これを大学公式の学費表に当てはめると、2027年度に入学する人の6年間の学納金は約3,914万円になります。年次ごとの内訳はこうです。

年次 内訳 納入額
1年次 入学金160万+授業料250万+施設設備費200万+実習費120万+教育実習費330万 1,060万円
2〜4年次
(各年)
授業料250万+施設設備費200万+実習費120.8万+教育実習費80万 650.8万円
5〜6年次
(各年)
授業料250万+実習費120.8万+教育実習費80万
※施設設備費なし
450.8万円
6年間合計 学納金のみ(委託徴収金は別途約88万円) 約3,914万円

ここで「あれ、聞いていた金額と違う」と思った方がいるはずです。この減額を伝える記事の多くは「4,621万円が4,401万円になる」と書いています。減額幅の220万円は同じなのに、総額が487万円ずれる。理由は2つあります。

1つは諸会費(学友会費・至誠会父母会費・同窓会費)の約88万円を足しているかどうか。もう1つが大きくて、施設設備費(年200万円)を6年分として計算しているかどうかです。大学の学費表を見ると、施設設備費がかかるのは入学から4年間だけ。6年分で計算すると2年ぶん、つまり400万円が余計に乗ります。88万+400万で487万円、という内訳です。

「本当に4年で終わるのか」は、学費表を年度ごとにさかのぼると確かめられます。施設設備費の対象学年は令和4年度が「第1〜4年」ではなく「第1〜2年」、令和5年度が「第1〜3年」、令和6年度が「第1〜4年」と1年ずつ動き、2025年度も「第1〜4年」で止まりました。2021年度に入学した学年を追いかけると、4年生までは施設設備費を払い、5年生になった年に対象から外れています。もし6年間かかるなら、ここで「第1〜5年」に進んでいるはずでした。

東京女子医科大学の6年間の学納金は2021年度入学から4,134万円・2027年度入学から3,914万円(220万円の減額)
出典:東京女子医科大学「授業料及び、その他の大学が徴収する費用」各年度版・2027年度学納金改定のお知らせ(2026年6月8日)より太宰府アカデミー集計

経緯も押さえておくと判断しやすくなります。施設設備費は2021年度の入学生から新設された費目で、それ以前の6年間の学納金は3,334万円でした。この大学は2021年度入学者から実質800万円の値上げをし、2027年度入学者に220万円を戻す——という動き方をしています。この800万円は、次の節の合格ラインの話に直結します。

入学年度 施設設備費 6年間の学納金 前の世代との差
2020年度以前 費目なし 3,334万円
2021〜2026年度 年200万円×4年 4,134万円 +800万円
2027年度〜 年200万円×4年 3,914万円 ▲220万円

整理すると、学納金だけなら3,914万円、諸会費まで含めた総額で約4,000万円です。川崎医科大学(4,550万円)に次ぐ「私立で2番目に高い大学」という従来の位置づけは、この改定で変わります。3,900万円台は金沢医科・帝京と同じ帯です。とはいえ私立の中では依然として高い部類ですから、6年間の資金計画は早めに立ててください。なお学費表には「学費等は在学中に変更される場合があります」と注記があります。

 

募集人員と入試日程|一般約50名・1次は2月1日

2027年度の全体像です。定員110名の内訳と日程を、公表された実施日程からそのまま並べます。

東京女子医科大学2027年度の募集人員は一般選抜約50名・学校推薦型約40名・総合型選抜約20名(新設)
出典:東京女子医科大学「2027年度 東京女子医科大学入学者選抜実施日程」(2026年7月6日公表)
選抜方式 募集人員 前年比 出願できる人
一般選抜(地域枠含) 約50名 約72名から▲22名 年齢・卒業年次の制限なし
学校推薦型選抜(一般推薦) 約40名 約38名から+2名 現役・1浪/評定4.0以上/専願
総合型選抜(一般枠) 約19名 新設 2022年3月以降の卒業/評定3.8以上/専願
総合型選抜(外国医療人材枠) 約1名 新設 ASEAN地域の大学医学部に在籍する者
合計 110名 増減なし

いちばん大きな構造変化は、年内に決まる枠が60名になったことです。推薦40名+総合型20名で、定員110名の55%。半分以上が年を越す前に埋まる計算になります。2026年度も推薦の募集38名に対して実際には44名が入学しており、年内重視の傾向はすでに始まっていました。

日程は次のとおりです。

選抜方式 出願期間 試験日 合格発表
総合型選抜(一般枠) 2026年9月16日〜9月30日 1次 10月18日/2次 10月31日 1次 10月27日/最終 11月6日
学校推薦型選抜 2026年11月2日〜11月12日 11月21日・22日の2日間 12月4日
一般選抜 2026年12月21日〜2027年1月20日 1次 2月1日/2次 2月13〜15日のいずれか1日 1次 2月8日/最終 2月19日
総合型選抜(外国医療人材枠) 調整中 調整中(個人面接) 調整中

一般選抜の1次は2027年2月1日(月)。私立の1次が集中し始める日で、この日から2月の連戦が始まります。出願は2026年12月21日から2027年1月20日まで。年内入試を受ける人は、9月・11月・12月と出願が3回に分かれるので、書類の準備時期を先に押さえておいてください。

 

合格発表は2027年2月19日|総合型は11月6日に決まる

一般選抜は1次発表が2027年2月8日(月)、2次を経た最終発表が2027年2月19日(金)です。2次は2月13日(土)・14日(日)・15日(月)のいずれか1日に個人面接を受ける形なので、他大学の2次と日程が重なっていないかを出願前に確認しておくと安心です。

年内入試はもっと早く決着します。総合型は1次発表10月27日・最終発表11月6日、学校推薦型は12月4日。総合型で決まれば、11月上旬には進路が確定するということです。ただしどちらも専願(合格したら入学を確約できることが出願条件)なので、併願戦略とは両立しません。

 

倍率は一般14.4倍・推薦1.9倍|年内のほうが低い

大学が公表している2026年度(令和8年度)の倍率は、一般選抜14.4倍・学校推薦型選抜(一般推薦)1.9倍です。同じ大学の同じ資料に並んでいる数字で、7倍以上の開きがあります。

この差は、女子医大に限らず私立医学部全体に見られる構造です。専願で出願先を1つに絞る必要がある推薦は、そもそも母数が集まりにくい。一方の一般は併願で受けられるため出願が積み上がります。だから単純に「推薦のほうが簡単」とは言えないのですが、評定4.0以上を満たしていて第一志望が固まっているなら、年内に勝負する価値は数字のうえでは大きいと考えています。

2027年度は一般の募集が22名減りますから、志願者数が2026年度と同じなら、一般の倍率はさらに上がる計算になります。逆に年内の枠は60名に増えるので、年内と2月の難易差はこれまで以上に開く可能性があります。2027年度の実績が出たら、この節を更新します。

 

合格最低点は50.8%|2021年度から5割台の水準が続く

女子医大が公表しているのは「2次・入学者の合格最低点」という珍しい指標です(満点400点)。2025年度は203点=50.8%でした。

東京女子医科大学 一般選抜の入学者ベース合格最低点推移(2021年度以降は46〜53%の帯・2025年度50.8%)
出典:東京女子医科大学 公表の入試結果より太宰府アカデミー集計(2021〜2025年度入試)

長い目で見ると、水準が一度きれいに切り替わっています。2014〜2019年度は62〜66%台。それが2021年度以降は46〜53%の帯に移りました。

この切り替わりの時期は、偶然ではないと考えています。前の節で書いたとおり、施設設備費が新設されて6年間の学納金が3,334万円から4,134万円へ800万円上がったのが、ちょうど2021年度の入学生からです。負担が800万円増えた学年から、合格ラインが1段下がっている。受験生が学費を見て出願先を変えた、と読むのが自然でしょう。

年度 2次(入学者)最低点
(400点満点)
得点率
2025年度 203 50.8%
2024年度 211 52.8%
2023年度 195 48.8%
2022年度 185 46.3%
2021年度 199 49.8%
2019年度 259 64.8%
2018年度 241 60.3%
2015年度 266 66.5%

では今後も5割で通るのか。ここは保留したほうが誠実だと思います。合格者平均偏差値は+1.9と私立最大の戻りを見せており、しかも2027年度は学費が下がって入り口も増えます。志願者が戻る材料がそろっている年です。年度によってもちろん上下はしますが、合格目標は6割弱と考えています。

もう1点。この指標は「入学者」の最低点なので、正規合格者全体の最低点より低めに出ます。そして2027年度は配点構成が変わりますから(次節)、満点400点は同じでも中身は別物になる点に注意してください。

 

科目と配点は英語150点|2027年度から理科と入れ替わる

一般選抜1次の配点が、2027年度から変わります。満点400点は据え置きのまま、英語と理科の比重が入れ替わりました。

科目 2026年度 2027年度 試験時間
英語 100点 150点 90分
数学 100点 100点 60分
理科(2科目選択) 200点 150点(各75点) 2科目で90分
合計 400点 400点
小論文 1次で実施・2次で評価 1次で実施・2次で評価
面接 2次(個人面接) 2次(個人面接)

英語100点→150点、理科200点→150点。全体に占める割合でいうと、英語が25%から37.5%へ、理科が50%から37.5%へ動きます。理科2科目より英語1科目のほうが重い、という私立医学部では珍しい配点です。

合格者平均で英語64.0(私立31校中17位)・数学58.6(同30位)という、もともと英語に寄っていた大学が、配点でもさらに英語へ寄せてきた形になります。英語が武器の受験生にとっては追い風、理科で稼ぐタイプにとっては向かい風の変更です。試験時間は英語90分・数学60分・理科2科目で90分。

なお2026年度まで1次で実施されていた適性試験は、今回公表された簡易版の科目欄には記載がありません。実施の有無は正式な募集要項で確認してください。

 

面接と小論文|個人面接は2次・小論文は1次で実施

小論文は1次試験の日(2月1日)に書きますが、評価に使われるのは2次試験です。1次の学科で足切りされる前提で書き飛ばす人がいますが、この大学では1次を通れば必ず読まれます。ここは丁寧に書いてください。

2次試験は個人面接のみ。2月13日・14日・15日のいずれか1日です。年内入試では面接の比重がさらに上がり、総合型は1次が思考力試験・小論文、2次が個人面接。学校推薦型は1日目に思考力試験・小論文・小グループ討論、2日目に個人面接という2日間の構成です。

推薦の小グループ討論は、対策なしで臨むと差がつく形式です。受験を考えるなら、夏のうちから討論に慣れておくことをおすすめします。

 

繰り上げ合格は補欠5〜36番|値上げ前は90番台だった

補欠がどこまで回るかは、受験生・卒業生からの聞き取りによる参考値です(大学の公表値ではありません)。直近5年は2025年度36番、2024年度5番(4月1日に繰上)、2023年度20番、2022年度35番、2021年度99番。そして2026年度は3月6日の時点で早くも42番まで進み、2022年度以降の最終番号を3月上旬で超えました

もう少し前まで並べると景色が変わります。2019年度94番、2020年度91番、2021年度99番と、かつては90番台まで回るのが普通でした。それが2022年度以降は5〜36番に収まっています。志願者が減った時期に、入学を辞退する人も一緒に減った——併願の「押さえ」として出願する層が薄くなったことの表れだと読んでいます。

実務的には、補欠番号が1桁でも安心せず、大きくても3月末までは可能性を残して待つという構えになります。2027年度は志願者が戻る可能性があるぶん、繰上の動き方も変わるかもしれません。

1つ、数字の単位の話です。「◯番」は到達した順番。「◯名」ではありません。その番号までの人が全員入ったわけではありません。途中で他大学へ進んだ人を含むので、入学者は番号より少なくなります。

人数で公表する大学と混ぜて比べると、まったく意味のない比較になります。

 

地域枠と学校推薦型|推薦は約40名・評定4.0以上

学校推薦型選抜(一般推薦)は約40名。出願できるのは2027年3月卒業見込みの人と2026年3月卒業の人、つまり現役と1浪までです。評定平均値の基準は4.0以上(2026年度の4.1以上から0.1下がりました)。専願で、合格したら大学が課す入学前教育を必ず受けることが条件です。

英語・数学・理科の指定科目を修得していることも要件になっています。数学はⅠ・Ⅱ・Ⅲ・A(図形の性質、場合の数と確率)・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)、理科は物理・化学・生物から2科目。数Ⅲまで必要なので、高3の履修計画の段階で確認しておく必要があります。

地域枠は、2027年度から一般選抜の中に設けられます(実施日程の区分名も「一般選抜(地域枠含)」)。ただし対象都道府県・人数・修学資金の条件といった詳細は「大学ホームページで告知します」とされており、この記事の執筆時点では未公表です。返済不要の修学資金が付く枠は条件次第で家計の負担が大きく変わりますので、公表され次第この節に金額まで書き足します。

最後に、なぜここに枠が置かれているのかを国の数字で見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、東京都は353.9で全国1位、上位16県に入る医師多数県です。 地域枠が置かれていないのは、この東京都の指標の高さと無関係ではありません。地域枠も専攻医のシーリングも、この指標を根拠に動いています。

出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計

一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。

 

多浪・再受験は一般なら制限なし|総合型は4浪まで

「何浪まで見てもらえるのか」は、この大学でもよく聞かれます。2027年度の出願資格を選抜別に整理すると、はっきり差があります。

一般選抜には年齢・卒業年次の制限がありません。高等学校卒業程度認定試験の合格者も出願できます(2027年3月までに18歳に達することが条件)。多浪・再受験の人が受けられるのは、実質この一般選抜です。

総合型選抜(一般枠)は、2027年3月卒業見込みまたは2022年3月以降の卒業者が対象。卒業年で区切られているので、現役から数えて4年ほど前までの人が入ります。評定平均値3.8以上、2027年3月31日までに18歳、専願、という条件付きです。学校推薦型は現役と1浪までと、いちばん狭くなっています。

つまり2027年度は、年内入試の枠が60名に増えたぶん、そこに出願できない多浪・再受験の人にとっては一般50名だけが窓口になります。浪人年数別の合格率は大学が公表していないため、ここは推測を書きません。データが取れ次第このページに追記します。

浪人年数と合格率の関係は、6校の実データを並べた医学部再受験は何浪まで可能かにまとめています。

 

国試合格率は92.8%|6年で医師になる確率は81.8%

入学後のデータです。令和元年度に入学した118名のうち、6年間ストレートで卒業したのは104名で88.1%。第119回医師国家試験の新卒合格率は92.8%。かけ合わせた「6年で医師になる確率」は81.8%で私立31校中8位です。

東京女子医科大学の6年ストレート卒業率88.1%・国試合格率92.8%・6年で医師になる確率81.8%
出典:文部科学省医学教育課調べ・厚生労働省(令和元年度入学者/第119回医師国家試験)

入学時の偏差値の順位(29位)と、出口の順位(8位)が20以上離れている大学です。入ってからの6年で順位を上げている、と言い換えることもできます。女性医師のキャリア支援に長い蓄積がある大学であることも、数字の外側の事実として添えておきます。

指標 数値 備考
6年ストレート進級率 88.1% 令和元年度入学118名中
6年ストレート卒業率 88.1% 卒業104名
新卒 国試合格率 92.8% 第119回(令和7年2月)
6年で医師になる確率 81.8% 私立31校中8位

 

評判とレベル|難易度は私立31校中29位という位置

「レベルはどのくらいか」という問いには、順位で答えるのがいちばん正確です。合格者平均偏差値60.7は私立31校中29位、国公立を含む全81校では78位。ボーダー偏差値も60.0で、私立の中では入りやすい部類に入ります。

ただしこの順位は、ここ数年の出来事とセットで見ないと読み違えます。学費が大きく上がった時期に志願者が減り、合格最低点も62〜66%台から46〜53%へ下がりました。順位の低下は、大学の教育の質ではなく、募集条件の変化に受験生が反応した結果という側面が大きい。実際、出口の「6年で医師になる確率」は81.8%で私立8位です。

そして2027年度は、その条件が逆向きに動きます。学納金は220万円下がり、入り口は3方式に増え、合格者平均はすでに私立最大の+1.9で戻り始めている。いま見えている「29位」は、いちばん下がったところの数字かもしれません。この見立てが当たるかどうかは2027年度の実績が出るまで分かりませんので、断定はしません。

 

太宰府アカデミーの視点|英語で戦う受験生の主戦場になる

数字を並べたうえでの見立てを書きます。2027年度の女子医大は、英語が武器の女子受験生にとって、私立医学部でもっとも配点の相性がいい大学になりました。英語150点は理科2科目の合計と同じ重さで、これは私立では珍しい形です。合格者平均でも英語だけなら31校中17位(総合は29位)と、すでに英語型の受験生が集まっている実績があります。数学や理科が伸び悩んで医学部を諦めかけている方は、ここの過去問との相性を一度確かめてみる価値があると思います。

一方で、楽観はしていません。一般が50名に減るというのは、単純に椅子が22脚なくなるということです。学費の減額と入試改革は、大学が志願者を増やそうとしている動きですから、倍率も合格ラインも上がる方向に働くと考えるのが自然でしょう。「5割で入れる大学」というイメージのまま2027年度に臨むのは危ないと感じています。

戦略としては、評定4.0以上と第一志望が両方そろっている現役生・1浪生なら、年内の推薦か総合型を本気で検討するのが合理的です。推薦の倍率1.9倍という数字は、専願というハードルを差し引いても大きい。逆に多浪・再受験の方は一般一本になりますから、英語150点への配点シフトを前提に、夏から英語の比重を上げた計画に組み替えるのが先決です。

学費については、面談でも「4,600万円くらいですよね」と言われることが多い大学でした。2027年度に入学するなら学納金は約3,914万円、諸会費を含めても約4,000万円です。世の中に出ている数字との差は約600万円。進学先の判断を変えうる金額ですから、ご家庭の資金計画は最新の数字で立て直してください。数字の根拠は上の節に全部書きましたので、疑わしければご自身で検算してみてください。

 

東京女子医科大学のよくある質問

Q1. 男子は受験できますか?
A. できません。日本で唯一、女子のみが出願できる医科大学です。

Q2. 2027年度の募集人員はどう変わりますか?
A. 一般選抜が約72名→約50名、学校推薦型が約38名→約40名、そして総合型選抜が約20名(一般枠約19名+外国医療人材枠約1名)で新設されます。定員110名は変わりません。

Q3. 学費はいくらですか?
A. 2027年度から入学金が160万円、授業料が年250万円に下がり、6年間で220万円の減額になります。学納金の6年総額は約3,914万円、委託徴収金(約88万円)を含めると約4,000万円です。

Q4. 「6年で4,621万円」と書いてあるサイトを見ました。どちらが正しいですか?
A. 減額幅220万円はどちらも同じで、違うのは足している中身です。4,621万円は諸会費(約88万円)を含め、さらに施設設備費(年200万円)を6年分として計算しています。大学の学費表では施設設備費がかかるのは入学から4年間だけなので、2年ぶん400万円が余分です。88万円+400万円=487万円が差になります。

Q5. 一般選抜の配点は?
A. 2027年度は英語150点(90分)・数学100点(60分)・理科2科目150点(各75点・90分)の400点満点です。2026年度の英語100点・数学100点・理科200点から、英語と理科の比重が入れ替わりました。小論文は1次に実施し2次で評価します。

Q6. 多浪でも受験できますか?
A. 一般選抜には年齢・卒業年次の制限がありません。総合型選抜は2022年3月以降の卒業者まで、学校推薦型は現役と1浪までです。

Q7. 合格発表はいつですか?
A. 一般選抜は1次が2027年2月8日、最終が2月19日です。総合型は11月6日、学校推薦型は12月4日に決まります。

Q8. 成績開示はできますか?
A. 例年、一般選抜の1次不合格者を対象に、科目別得点と合計得点の開示を申請できます。申請期間は例年5月ごろで、開示までに1か月程度かかります。年度ごとの詳細は大学の案内で確認してください。

 

まとめ|2027年度の東京女子医科大学で押さえる3点

  • 一般は約50名・年内は60名。定員110名の55%が年を越す前に決まる構造に変わりました
  • 英語150点への配点シフト。理科2科目と同じ重さになり、英語型の受験生に有利な入試になります
  • 学費は6年3,914万円へ220万円の減額。よく見る「4,621万円」は施設設備費を2年ぶん多く数えた数字です

募集人員・配点・学費という、志望校選びの土台になる3つが同じ年に動きました。古い前提のまま準備を進めてしまうのがいちばんもったいない。このページを、最新の数字に置き換える場所として使ってもらえたら嬉しいです。正式な募集要項が公表されたら、その日のうちに更新します。

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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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