こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
「福岡大学 医学部 偏差値」。この検索、うちのサイトだけで年間1万4千回以上届いています。九州の受験生にとっては、久留米大学と並んで最初に名前が挙がる大学です。ところが調べてみると、出てくるのは偏差値と学費の数字だけ。実際にどんな問題が出るのか、何点取れば届くのかまで書いてあるページが、ほとんど見当たりません。
検索の入り方を見ていると、知りたいことはこの4つに集まっています。
− 福岡大学医学部の偏差値って、結局どのくらい?何点取れば1次を通るの?
− どんな問題が出るの?何から手をつければいい?
− 追加合格(繰上)は回るの?何番まで?
− 学費はいくら?久留米大学とどっちが安い?
4つとも、公表されている数字で答えます。とくに出題傾向については、赤本を英語・数学・化学・物理・生物の5科目、のべ39年度分にわたって1問ずつ分類したデータを使います。2027年度入試の配点・日程は大学の公表資料から、進級率と国試合格率は文部科学省・厚生労働省の資料から取っています。1つずつ確かめていきます。
この記事の目次
- 1 福岡大学医学部の偏差値は62.5|1次の合格ラインは7割へ
- 2 出題傾向|過去問を5科目・39年度分、1問ずつ分類しました
- 3 科目と配点・入試日程|2027年度 一般(系統別日程)
- 4 合格最低点は1次で70.3%|3年で8.8ポイント上がりました
- 5 追加合格(繰上)は14名〜65名|補欠番号ではありません
- 6 学費は6年間3,774万円|久留米大学との差は136万円
- 7 実質倍率は12.2倍|3,249名が受けて266名が合格
- 8 女子の合格率は8.4%|男子8.0%とほぼ同じです
- 9 面接の配点は50点|小論文とあわせて2次の準備を決める
- 10 地域枠は10名|入学定員110名のうち9.1%を占めます
- 11 国試合格率は94.6%|6年ストレート進級率は71.8%
- 12 福岡大のレベルは全81校中71位|私立31校では24位
- 13 多浪・再受験でも受けられるか|一般選抜に年齢要件はありません
- 14 太宰府アカデミーの視点|福岡大学医学部はどんな受験生に向くか
- 15 福岡大学医学部のよくある質問
- 16 まとめ|福岡大学医学部を受けるなら押さえる3つ
福岡大学医学部の偏差値は62.5|1次の合格ラインは7割へ
答えを先に置きます。福岡大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で62.5(2026年度実績・2027年度予想とも62.5)。私立医学部31校の中では22位タイです。2023年度の65.0から2024年度に62.5へ下がり、その後は3年連続で62.5——これが現在の水準です。
ただし1次試験の合格最低点は、2022年度の61.5%から2025年度の70.3%へ、3年間で8.8ポイント上がっています。400点満点で281点。7割です。
一般選抜(系統別日程)は1次試験400点(英語100・数学100・理科2科目200)。2次試験は小論文と面接です。2027年度は1次が2月2日(火)、2次が2月14日(日)、募集人員60名。試験会場は全国15か所にあります。
そして出題の形が、はっきり決まっている大学でもあります。英語は70分・大問5題、その4番目が発音・アクセントの大問。この並びが5年間動いていません。
合格者平均偏差値は62.6|私立31校中24位タイ
偏差値をもう1段掘ります。河合塾の入試結果調査(2026年度)によると、全統模試を受けて福岡大学医学部に合格した人の記述模試平均は62.6(英62.0・数63.1・理62.6)。この数字で並べると私立31校中24位、国公立を含む全81校中71位です(防衛医科大学校を除く)。

目を引くのは、岩手医科大学とぴったり同率の24位だということ。英語はどちらも62.0で、福岡は数63.1・理62.6、岩手は数62.6・理63.1と、数学と理科の凸凹がちょうど鏡写しになっています。前年の63.3からは-0.7と、31校の中では大きめの下げ幅でした。
| 私立順位 | 大学 | 英 | 数 | 理 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22位 | 北里大学 | 63.4 | 63.1 | 62.8 | 63.1 |
| 23位 | 帝京大学 | 64.4 | 62.3 | 62.4 | 63.0 |
| 24位 | 岩手医科大学 | 62.0 | 62.6 | 63.1 | 62.6 |
| 24位 | 福岡大学 | 62.0 | 63.1 | 62.6 | 62.6 |
| 26位 | 東海大学 | 63.1 | 61.8 | 61.4 | 62.1 |
| 27位 | 埼玉医科大学 | 62.8 | 61.6 | 61.2 | 61.9 |
※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
全国81校の中での位置を確かめたい方は、医学部偏差値ランキング2027(全81校の一覧表)をご覧ください。福岡大学を含む全大学を1つの表にしています。
出題傾向|過去問を5科目・39年度分、1問ずつ分類しました
ここからは、他ではあまり見られないデータです。福岡大学医学部の過去問について、英語・数学・化学・物理・生物の5科目を、赤本のべ39年度分にわたって分類しました。

| 科目 | 分析した年数 | 試験時間 | 大問構成 | 形式 |
|---|---|---|---|---|
| 化学 | 10年分 | 理科2科目120分 | 大問4題 | マーク主体+記述併用。大問1=小問集合3問 |
| 数学 | 8年分 | 単独90分 | 大問3題 | I・II=空所補充/III=記述 |
| 物理 | 8年分 | 理科2科目120分 | 大問3題 | I・II=マーク/III=記述。長い1本道の誘導 |
| 生物 | 8年分 | 理科2科目120分 | 大問5題 | — |
| 英語 | 5年分 | 単独70分 | 大問5題 | [I]和訳[II]内容一致[III]文法語法[IV]発音アクセント[V]語句整序 |
結論から書きます。どの科目も、大問の構成が動いていません。
英語(70分・大問5題):4番目が発音・アクセント
[I]和訳 → [II]内容一致 → [III]文法・語法の空所補充 → [IV]発音・アクセント → [V]語句整序。この5題の並びが、分析した5年間すべてで同じでした。英語は単独で70分実施されます。
注目すべきは[IV]の発音・アクセントです。発音・アクセントを独立した大問で出す私立医学部は多くありません。共通テストからも発音・アクセントの独立問題は無くなりました。つまり他大学の対策では手が回らない領域が、そのまま配点になっているということです。
数学(90分・大問3題):IとIIは空所補充、IIIは記述
数学も単独で90分。大問3題で、大問I・IIは空所補充(答えのみを記入)、大問IIIは記述(過程も含めて答案を書く)。この形式が8年間すべてで不変でした。
つまり記述の練習が必要なのは大問IIIだけということです。ここが分かっていれば、演習の配分が変わります。
化学(大問4題):大問1は小問集合3問で10年固定
化学は理科2科目120分のうち実質約60分で大問4題。マーク式(解答群から番号を選択)が主体で、そこに化学反応式・構造式・化学式・漢字指定の語句・数値の記述が併用されます。完全記述の年はありません。
大問1は小問集合3問(問1〜問3)で10年完全固定。「正しい/誤っているものの組み合わせ」を選ぶ形式が中心で、構造異性体の数え上げや混合気体のモル分率も頻出です。近年は計算が少なめで、知識の正確さで差がつく作りになっています。
大問2は無機が王道。合金・錯イオン(2017)、金属の反応(2018)、錯イオンと逆滴定(2019)、系統分析(2020・2021)、銅(2022)、ケイ素(2023)、アルカリ金属(2024)。ただし2015年(CO₂の逆滴定)と2025年(リン酸の中和)は理論に振れました。「無機、もしくは中和滴定系の理論」+反応式と計算と考えておくとよさそうです。
物理(大問3題):1本道の長い誘導
物理は大問3題で、大問I・IIがマーク式(解答群から番号を選ぶ空所補充)、大問IIIが答えのみ/一部過程の記述式。力学と電磁気はほぼ毎年出題され、波動も高頻度。熱力学は周期的に出ます。原子は単独の大問ではほぼ出ません。
福岡大学の物理でいちばんの特徴は、1つの題材を10〜12個の空所で段階的に誘導する「長い1本道」です。前の問いの答えを次の問いで使う連鎖型なので、途中で1つ間違えると後ろが全部崩れます。逆に言えば、誘導に乗れれば一気に取れるということでもあります。
生物(大問5題)
生物は2018〜2024年度が大問5題構成でした(2025年度は分析対象の資料上4題)。
※これらの分類は教学社『赤本』福岡大学(医学部)をもとに当校が行ったものです。福岡大学の公式見解ではありません。
科目と配点・入試日程|2027年度 一般(系統別日程)
配点を確認します。

| 区分 | 科目 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 1次 | 英語 | 70分 | 100点 |
| 1次 | 数学 | 90分 | 100点 |
| 1次 | 理科2科目 | 120分 | 200点 |
| 1次 | 合計 | — | 400点 |
| 2次 | 小論文・面接 | — | 段階評価 |
| 日程 | 1次 2027/2/2(火)/2次 2027/2/14(日) | — | 募集60名 |
1次試験は英語100点(70分)・数学100点(90分)・理科2科目200点(120分)の計400点。2次試験は小論文と面接です。
理科2科目で1次の半分を占めます。英語と数学を足しても理科と同じ200点です。九州のもう一つの私立医学部である久留米大学も同じ構成(英100・数100・理200)なので、この2校は併願しやすいという関係にあります。
2027年度の日程は1次が2027年2月2日(火)、2次が2027年2月14日(日)、募集人員60名。久留米大学の1次が2月1日(月)ですから、2日連続で受けられます。
そして試験会場が全国15か所あります。福岡・北九州・東京・名古屋・大阪・広島・山口・高松・松山・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・那覇。九州各県と中国四国のほぼ全域から、移動せずに受けられるのはかなり大きな特徴です。
合格最低点は1次で70.3%|3年で8.8ポイント上がりました
「何点取れば1次を通るのか」。ここが今回いちばん伝えたい数字です。

| 年度 | 1次 合格最低点 | 得点率 | 前年からの変化 |
|---|---|---|---|
| 2019年度 | 283/400点 | 70.8% | — |
| 2021年度 | 269/400点 | 67.3% | — |
| 2022年度 | 246/400点 | 61.5% | -5.8 |
| 2023年度 | 250/400点 | 62.5% | +1.0 |
| 2024年度 | 269/400点 | 67.3% | +4.8 |
| 2025年度 | 281/400点 | 70.3% | +3.0 |
一般(系統別日程)の1次合格最低点は、2019年度70.8% → 2021年度67.3% → 2022年度61.5% → 2023年度62.5% → 2024年度67.3% → 2025年度70.3%。
2022年度の61.5%が底で、そこから3年間で8.8ポイント上がりました。400点満点で246点だったものが、281点になったということです。35点ぶん、ラインが上がっています。
数年前の合格体験記や、古い予備校記事に載っている「6割で通る」という感覚のまま準備すると、届きません。直近の基準は7割だと置き直してください。理科2科目200点のうち、どれだけ取れるかがそのまま効いてきます。
落ちた場合の話も書いておきます。福岡大は不合格だった人が自分の得点を確認できます。返ってくるのは1次選考の総得点です。申請の時期と方法はその年の大学発表で確認してください。
出典:各大学の成績開示要領をもとに太宰府アカデミー集計(実施の有無と開示内容は2022年度調査。申請期間は毎年変わるため、その年の大学公式発表で確認してください)
追加合格(繰上)は14名〜65名|補欠番号ではありません
「福岡大学 追加合格」「福岡大学 補欠合格」は、うちのサイトでもよく検索されている言葉です。データを出しますが、その前に1つ。これから出す数字は「何名が繰り上がったか」であって、「補欠何番まで回ったか」ではありません。ここを取り違えると、3月末の判断を丸ごと間違えます。

| 年度 | 系統別日程 | 共通テスト利用 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 54名 | — |
| 2022年度 | 65名 | 35名 |
| 2023年度 | 16名 | 5名 |
| 2024年度 | 14名 | 31名 |
| 2025年度 | 51名 | 13名 |
| 2026年度 | 28名 | 25名 |
系統別日程からの追加合格者数は、2022年度65名 → 2023年度16名 → 2024年度14名 → 2025年度51名 → 2026年度28名(2021年度は54名)。14名の年と65名の年があります。
ここで面白いのが、共通テスト利用からの追加合格です。2022年度35名、2023年度5名、2024年度31名、2025年度13名、2026年度25名。系統別が少ない年(2024年度14名)は共通テスト利用が多く(31名)、系統別が多い年(2025年度51名)は共通テスト利用が少ない(13名)という関係が見えます。2026年度も系統別28名に対して共テ利用25名と、ほぼ並びました。
つまり大学全体としての追加合格の総数は、ある程度の幅に収まっているということです。ただしどちらの方式から回るかは、年によって変わります。系統別で補欠になったからといって、その年の系統別が多く回るとは限りません。
福岡大学は2次合格発表と同時に追加合格予定者を発表し、補欠には順位が付きます。ただし「何番まで回ったか」は公表されません。
だから、上の人数を補欠番号のかわりに使わないでください。「2024年度は14名だから、補欠15番以下は無理」——これは誤りです。大学が出しているのは繰り上がった人数で、補欠の何番まで連絡が届いたかとは別の数字です。
しかも繰上の連絡は、辞退した人の番号を飛ばしながら先へ進みます。連絡が届いた補欠番号は、公表の人数より先まで進んでいるのがふつうです。同じ福岡県の久留米大学では、公表27名の年に補欠40番台まで連絡が回った実績があります(→ 久留米大学 医学部の入試分析)。
補欠順位をもらったら、他大学の手続き期限と並べて、3月末まで待てるかどうかを先に決めておく。それが福岡大学の補欠との付き合い方です。
学費は6年間3,774万円|久留米大学との差は136万円
「福岡大学 医学部 学費」も検索の多い言葉です。

| 大学 | 6年間の総額 | 備考 |
|---|---|---|
| 金沢医科大学 | 約3,950万円 | — |
| 帝京大学 | 約3,909万円 | 奨学特待生10名の制度あり |
| 福岡大学 | 3,774万円 | 初年度862万6,710円 |
| 久留米大学 | 3,638万円 | 福岡大学より136万円安い |
| 大阪医科薬科大学 | 2,841万円 | 2023年度入学者から約500万円減 |
| 藤田医科大学 | 2,152万円 | 2026年度入学者から約30%減 |
6年間の総額は3,773万8,260円(約3,774万円)。初年度納入金は862万6,710円です。
福岡県内でもう一つの私立医学部である久留米大学は3,638万円。差は136万円です。私立医学部全体で見ると、藤田医科大学の2,152万円(2026年度入学者から)や大阪医科薬科大学の2,841万円(2023年度入学者から)と比べると高く、帝京大学の約3,909万円や金沢医科大学の約3,950万円よりは低い、という位置になります。
ここ数年、学費を引き下げる私立医学部が出てきています。藤田医科大学は2026年度入学者から約30%減、大阪医科薬科大学は2023年度入学者から約500万円減。「私立医学部の学費は3,000万円台後半が当たり前」という前提は、もう成り立ちません。志望校を金額で比べるなら、必ず最新の数字で並べてください。
※学費は改定されることがあります。出願前に必ず大学公式サイトで最新の金額をご確認ください。
実質倍率は12.2倍|3,249名が受けて266名が合格
「福岡大の倍率は30.7倍」という数字を見たことがあるかもしれません。その数字は志願倍率——出願段階の人数で計算したものです。実際に会場に来た人と合格者で計算した実質倍率は12.2倍。同じ「倍率」でも18.5ポイント違います。
| 区分 | 人数 | 読み方 |
|---|---|---|
| 募集人員 | 110名 | — |
| 志願者数 | 3,382名 | 志願倍率 30.7倍 |
| 受験者数 | 3,249名 | 志願者の96%が受験 |
| 合格者数 | 266名 | 実質倍率 12.2倍 |
| 入学者数 | 110名 | 定員充足率 100% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計。※一般・共通テスト利用・学校推薦型・総合型を合わせた医学科全体の数字です。方式別・年度別の倍率は、このページの他の節で扱っています
出願した人の96%が実際に受験しています。受けに来る人はほぼ全員が本気、と考えたほうが実態に近い数字です。見かけの倍率以上に手強いと考えてください。
女子の合格率は8.4%|男子8.0%とほぼ同じです
2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。福岡大の2025年度入試は、男子8.0%・女子8.4%。差は0.4ポイント。この程度なら、差として読む必要はありません。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 男子 | 1,892名 | 152名 | 8.0% |
| 女子 | 1,357名 | 114名 | 8.4% |
| 合計 | 3,249名 | 266名 | 8.2% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計
1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。
| 年度 | 男子合格率 | 女子合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 最新年 | 8.0% | 8.4% | +0.4pt |
| 前年 | 9.1% | 9.8% | +0.7pt |
| 前々年 | 8.0% | 10.1% | +2.1pt |
出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計
3年とも女子のほうが高く出ています。単年の振れではありません。
入学者で見ると女子は54名・49.1%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「福岡大が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。
面接の配点は50点|小論文とあわせて2次の準備を決める
面接の配点は50点です。私立医学部31校のうち、一般選抜の面接配点を公表しているのは14校しかありません。福岡大はその1つで、数字で比べられます。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 面接の配点 | 50点 | グループ面接:受験生4〜6人に面接者3人で40分程度(必要なら個人面接を追加) |
| 総合点に占める比率 | 2次は面接のみ/総合450点の11% | — |
| 小論文の配点 | 公表されていません | — |
| 小論文の扱い | 配点はなく、面接の評価に活用すると公表されています | — |
出典:各大学の2027年度(令和9年度)募集要項・入試概要をもとに太宰府アカデミー集計
ここでいちばん大事なのは配点そのものではありません。募集要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」という条項があることです。「配点が小さいから軽い」という読み方は、この一文で崩れます。小論文を受けていないと面接に進めません(選考対象外になります)。1次の学科だけ受けて帰る、ができない大学です。ここは日程を組むときに効きます。小論文は1次試験日に書きます。得点を使うのは2次の判定なので、1次で落ちた人の答案は結果に出てきません。当日は学科のあとにもう1科目ある、という前提で体力を配分してください。
地域枠は10名|入学定員110名のうち9.1%を占めます
福岡大の募集人員は、地域枠を含めた数字です。内訳を出します。
| 区分 | 人数 | 割合・注記 |
|---|---|---|
| 入学定員 | 110名 | — |
| 地域枠等 | 10名 | 定員の9.1% |
| うち臨時定員の地域枠 | 0名 | 期限付きで増員されている枠 |
| 地域枠を除いた枠 | 100名 | — |
出典:文部科学省医学教育課「大学医学部における地域枠等の導入状況(令和7年度)」をもとに太宰府アカデミー集計
全国80大学では定員9,270名のうち地域枠が1,847名=19.9%。ほぼ5人に1人です。福岡大は9.1%で全国58位。私立大学の平均14.3%と同じくらいの水準です。 なお文部科学省の定義では、地域枠には奨学金と連動しない枠も含まれます。地域枠=必ず修学資金がもらえる、ではありません。出願前に、その枠に貸与制度が付いているかを大学の要項で確かめてください。
枠の是非を考える材料として、国の指標を1つ置いておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、福岡県は313.3で全国3位、上位16県に入る医師多数県です。 福岡県は医師が多い側です。県として足りていても、地域単位で見ると足りない場所が残っているということです。都道府県単位で足りている=どこでも足りている、ではありません。
出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計
一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。
国試合格率は94.6%|6年ストレート進級率は71.8%
ここからが、大学紹介サイトがあまり書かない部分です。入ってからどうなるか。

| 指標 | 数値 | 内訳 |
|---|---|---|
| 医師国家試験 合格率 | 94.6% | 受験92人・合格87人 |
| 6年ストレート進級率 | 71.8% | 入学110人・在籍79人 |
| 卒業率(卒業試験) | 68.2% | 卒業75人 |
| 卒業率×国試合格率 | 64.5% | 私立31校中30位 |
医師国家試験の合格率は94.6%(受験92人・合格87人)。全国平均を上回る水準です。一方で6年間ストレートの進級率は71.8%(入学110人に対し在籍79人)、卒業率(卒業試験の合格率)は68.2%となっています。
卒業率と国試合格率を掛け合わせると64.5%。この指標では私立医学部31校の中で30位という位置になります。
これらのデータを見る限りでは、在学中にいくつかの関門があり、そこを通った人については出口の国試実績が高い水準にあるという形になっています。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。指標の取り方によって順位は変わりますし、年度による変動もあります。
ただ、志望校を決める段階で入口の偏差値だけでなく、入学後6年間のデータもあわせて見ておくと、入学後の生活のイメージが持ちやすくなります。とくに私立医学部は1年の留年が数百万円の負担になるので、ここは事前に知っておく価値があります。
福岡大のレベルは全81校中71位|私立31校では24位
「福岡大のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。偏差値の数字より、順位のほうが実感に近いはずです。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は62.6。私立31校中24位・全81校中71位で、全81校で下から数えると11番目にあたります。
| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均偏差値 | 区分別順位 |
|---|---|---|---|
| 70位 | 帝京大学 | 63.0 | 私立23位 |
| 71位 | 岩手医科大学 | 62.6 | 私立24位 |
| 71位 | 福岡大学 | 62.6 | 私立24位 |
| 73位 | 琉球大学 | 62.5 | 国公立48位 |
| 74位 | 東海大学 | 62.1 | 私立26位 |
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計
上の表は福岡大の前後2校ぶんです。偏差値62.6の前後には帝京大学・岩手医科大学・琉球・東海大学が並んでいます。1つ上と1つ下を知っておくと、12月の出願で手が止まりません。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
多浪・再受験でも受けられるか|一般選抜に年齢要件はありません
「何浪まで受け入れてもらえるのか」は、多くの受験生が気にするところです。はっきりしていることから書きます。福岡大の一般選抜に年齢の要件はありません。何浪でも、社会人からの再受験でも出願できます。
| 区分 | 年齢の条件 | 補足 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 年齢の要件はありません | 何浪でも・再受験でも出願できます |
| 推薦・総合型 | 推薦はA方式40名・地域枠10名で評定3.7以上・専願。A方式の浪人可否は資料によって食い違っており、9月中旬の要項で確定します | 年内入試は年齢条件が付くことがあります |
| 卒業年度別の合格率 | 本ページでは未掲載 | 大学公表データを取得しだい追記します |
出典:各大学の2027年度(令和9年度)学生募集要項・入試ガイドをもとに太宰府アカデミー集計
一般選抜は誰でも出願できるぶん、線が引かれるのは年内入試のほうになります。福岡大は卒業年度別の合格率を公表していないため、このページでは「何浪の合格率が何%」という数字を出していません。他校の数字や、うわさで埋めることはしません。公表され次第、実数に置き換えます。なお合否とは別に、学費支援の面ではっきりした線があります。国の「高等教育の修学支援新制度」は、高校を初めて卒業した年度の翌年度末から入学日までが2年を超えていないことを要件にしています。3浪以上はこの時点で対象外です(高卒認定の場合は別の起算になります)。多浪で受けるなら、合格可能性だけでなく学費の設計も一緒に考えておいてください。
他大学もあわせて見るなら、6校ぶんの実数を並べた医学部再受験は何浪まで可能かにまとめています。
太宰府アカデミーの視点|福岡大学医学部はどんな受験生に向くか
福岡大学を受験校に入れるかどうか。検討するうえで注意したいポイントを、3つ挙げます。
1つ目は、「6割で通る大学」という認識を更新することです。1次の合格最低点は2022年度61.5%から2025年度70.3%へ、3年間で8.8ポイント上がりました。400点満点で35点ぶん、ラインが動いています。数年前の情報を前提に併願校を組むと、そこが穴になります。地元だから、通いやすいから、という理由で「押さえ」に置いていた大学が、いまはそうではなくなっている可能性がある。まず最新の数字で位置づけをやり直してください。
2つ目は、出題形式が固定されていることを利用することです。英語は70分・大問5題で[I]和訳・[II]内容一致・[III]文法語法・[IV]発音アクセント・[V]語句整序。数学は90分・大問3題でI・IIが空所補充、IIIが記述。化学は大問4題で大問1が小問集合3問。物理は大問3題で長い1本道の誘導。これだけ形が決まっているなら、対策も形にできます。とくに[IV]の発音・アクセントは、共通テストからも独立問題が消えた領域です。他大学の勉強では絶対に埋まらないぶん、ここを詰めた人とそうでない人の差がそのまま出ます。配点が公表されていない以上、何点ぶんかは分かりません。ですが「対策すれば取れて、しなければ落とす」問題であることは確かです。
3つ目は、九州で受けるという条件を計算に入れることです。福岡大学は全国15会場で入試を実施し、九州各県と中国四国のほぼ全域をカバーしています。そして2027年度は久留米大学の1次が2月1日、福岡大学が2月2日。2日連続で、しかも同じ配点構成(英100・数100・理200)で受けられます。移動と宿泊の負担を抑えられるぶん、その体力と費用を他の併願校に回せる。これは関東・関西の受験生には無い条件です。受験校を組むときは、日程表と会場を先に並べてから決める。点数の話と同じくらい、ここは合否に効きます。
この3点は、福岡大学に限った話ではありません。合格ラインの最新化、出題形式との相性、そして日程と会場。この3つをセットで見ていくと、偏差値表だけでは分からない「自分に合う大学」が見えてきます。
福岡大学医学部のよくある質問
Q. 福岡大学医学部の合格最低点は?
A. 一般(系統別日程)の1次合格最低点は、2025年度が281点/400点=70.3%です。2024年度67.3%、2023年度62.5%、2022年度61.5%。直近は7割が目安と考えてください。
Q. 英語の発音・アクセントは、どのくらい出ますか?
A. 大問5題のうち[IV]が発音・アクセントの大問です。分析した5年間、すべての年で出題されていました。配点は公表されていませんが、独立した大問として設けられている以上、対策の有無で差がつく部分です。
Q. 追加合格は何番まで回りますか?
A. 系統別日程からの追加合格者数は2022年度65名、2023年度16名、2024年度14名、2025年度51名、2026年度28名です。ただしこれは人数で、補欠番号ではありません。福岡大学は「何番まで回ったか」を公表していません。年による差も大きいので、他大学の手続き期限と並べて考えてください。2次合格発表と同時に追加合格予定者が発表されます。
Q. 久留米大学とどちらが学費が安いですか?
A. 6年間の総額で、久留米大学が3,638万円、福岡大学が3,774万円。久留米大学のほうが136万円安い計算になります。ただし奨学金・特別枠の制度は大学によって違うので、金額だけでなく制度もあわせて確認してください。
Q. 久留米大学と併願できますか?
A. できます。2027年度は久留米大学の1次が2月1日(月)、福岡大学が2月2日(火)。2日連続で、しかも配点構成が同じ(英語100・数学100・理科2科目200)なので、対策の重なりも大きい組み合わせです。
まとめ|福岡大学医学部を受けるなら押さえる3つ
最後に、数字で整理します。
1. 偏差値62.5。1次の合格最低点は2025年度で281点/400点=70.3%。2022年度の61.5%から3年で8.8ポイント上がっています。「6割で通る」は過去の話です。
2. 1次は英語100点(70分)・数学100点(90分)・理科2科目200点(120分)の計400点。2027年度は1次2月2日、2次2月14日、募集60名、会場は全国15か所。英語は大問5題で、その[IV]が発音・アクセント。数学はI・IIが空所補充でIIIが記述。化学は大問4題で大問1が小問集合3問。物理は10〜12個の空所で誘導する連鎖型です。
3. 学費は6年間で3,774万円(久留米大学より136万円高い)。追加合格は系統別で14〜65名(2026年度は28名。人数であって補欠番号ではありません)。6年ストレート進級率71.8%、国試合格率94.6%、卒業率×国試で64.5%です。
あなたが明日やることは1つです。福岡大学の英語の過去問を1年分開いて、[IV]の発音・アクセントだけ解いてみてください。 5分で終わります。そこで何問取れたか。共通テストから独立問題が消えた領域なので、ほとんどの受験生は準備していません。逆に言えば、ここは短期間で埋められる差です。70分・大問5題の1つを、確実に取れる状態にしてから他の対策に進む。順番としては、これがいちばん効率がいいと思います。
このページを作り直したのは、「福岡大学 医学部 偏差値」と検索した人が、偏差値の数字だけ見て帰っていくのが、ずっともったいないと思っていたからです。この大学は、出題の形がはっきりしている大学です。形が分かっているなら、対策の順番も決められる。何点必要で、どんな問題が出て、いくらかかって、入ってから6年どうなるのか。 そこまで分かって初めて、志望校は「決められる」のだと思います。この1ページで、その全部が分かるようにしたつもりです。
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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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