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私立医学部偏差値ランキング2027|5年で上がったのは1校だけ

2026年10月20日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。

私立医学部31校の偏差値ランキングを、2027年度入試版に全面更新しました。数字は河合塾の2027年度入試難易予想ランキング表(方式別ランク)10月版・2026年10月13日更新のボーダー偏差値です。10月の改定で、私立31校のボーダーは9月版から1校も動いていません。1位は慶應義塾大学の72.5、最下位の帯は東京女子医科大学・川崎医科大学の60.0——31校は72.5〜60.0の6つの帯に分かれ、最多は65.0の帯の10校です。

先に、いちばん大事な数字をお伝えします。この5年で偏差値が上がった私立医学部は、31校中たった1校(国際医療福祉大学)。9校が2.5下がりました。一方で50年前と比べると、1975年の平均51.5に対していまは65.2。「昔より格段に難しくなった」と「直近5年はむしろ下がっている」は、どちらも本当です。

この記事を読む前のあなたは、こう思っていませんか。

− 金沢医科・久留米・福岡は「偏差値65.0の大学」だ

− 医学部の偏差値は、毎年上がり続けている

− 同じ65.0で並ぶ10校に、差はない

3つとも、2027年度の表では違います。順番に数字で確かめていきましょう。

私立医学部偏差値ランキング2027|5年で上がったのは1校だけの記事のアイキャッチ画像

 

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私立医学部ランキング2027|偏差値・学費・入学定員の3つの物差しで31校

私立医学部ランキング2027の1位は、物差しによって変わります。偏差値は慶應義塾(72.5)、学費の安さは国際医療福祉(6年総額1,830万円)、入学定員の多さも国際医療福祉(140人)です。

偏差値だけで並べると見えない差が、学費の列を足すと見えてきます。慶應義塾を除く偏差値67.5以上の9校は、6年間の学費が1,830〜2,940万円。偏差値62.5以下の11校は、3,400〜4,550万円です。偏差値が高い9校のうち最も高い大学(2,940万円)でも、偏差値62.5以下の11校で最も安い大学(3,400万円)より460万円安い——2027年度の表では、偏差値と学費はおおむね逆向きに並びます。最安の国際医療福祉と最高の川崎医科とでは、6年で2,720万円の差です。

2027予想
偏差値
大学 学費6年総額
(万円)
入学定員
(人)
72.5 慶應義塾 — 110
70.0 東京慈恵会医科 2,250 105
70.0 順天堂 2,080 137
70.0 日本医科 2,200 125
67.5 関西医科 2,100 121
67.5 国際医療福祉 1,830 140
67.5 東京医科 2,940 125
67.5 大阪医科薬科 2,841 112
67.5 昭和医科 2,700 133
67.5 自治医科 2,260 123
65.0 藤田医科 2,152 122
65.0 東邦 2,580 123
65.0 近畿 3,754 107
65.0 日本 3,310 135
65.0 産業医科 3,049 105
65.0 愛知医科 3,420 115
65.0 東北医科薬科 3,700 100
65.0 杏林 3,700 116
65.0 帝京 3,909 120
65.0 東海 3,525 118
62.5 兵庫医科 3,700 112
62.5 久留米 3,620 114
62.5 聖マリアンナ医科 3,482 117
62.5 北里 3,890 126
62.5 岩手医科 3,400 130
62.5 福岡 3,760 110
62.5 埼玉医科 3,700 130
62.5 金沢医科 3,950 113
62.5 獨協医科 3,660 126
60.0 東京女子医科 3,914 110
60.0 川崎医科 4,550 124

※偏差値は河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表」(方式別ランク・10月版・2026年10月13日更新)のボーダー偏差値。学費は各大学公表資料にもとづく学納金(入学金+授業料+施設費・実習費の6年総額。寮費・食費・諸会費は含まない)の太宰府アカデミー集計で、年度は大学により2026年度または2027年度(東京慈恵会医科・日本は年度の記載なし)。慶應義塾は大学公式での確認が取れていないため空欄にしています。入学定員は文部科学省の医学部の入学定員の一覧(2026年度・2026年10月9日掲載。推薦・地域枠などを含む)。自治医科・産業医科は修学資金の制度があり、実際の負担は表の額と異なります。

住んでいる地域で絞って見たい方は、北海道・東北・関東・中部・東海・関西・中国・四国・九州の医学部ランキングもどうぞ。次の表は、偏差値だけを5年分並べた一覧です。

▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【保存版】私立医学部偏差値ランキング|31校・6つの段

 

私立医学部偏差値ランキング2027|31校の一覧表(5年推移つき)

まず31校すべての一覧表です。2027年度予想の降順・同じ偏差値は同順位で、過去4年分(2023〜2026年度)と、同じ帯の中の位置が分かる合格者平均偏差値(2026年度入試)を右端に付けました。

国公立を含む全体は医学部偏差値ランキング(全81校)、国公立だけは国公立医学部偏差値ランキング(50校)で公開しています。

2027予想 大学 2026 2025 2024 2023 合格者平均2026
(参考)
72.5 慶應義塾 72.5 72.5 72.5 72.5 72.1(1位)
70.0 東京慈恵会医科 70.0 70.0 70.0 70.0 69.5(2位)
70.0 順天堂 70.0 70.0 70.0 70.0 68.2(3位)
70.0 日本医科 70.0 70.0 70.0 70.0 68.1(4位)
67.5 関西医科 70.0 70.0 67.5 67.5 67.9(5位)
67.5 国際医療福祉 67.5 65.0 65.0 65.0 67.6(6位)
67.5 東京医科 67.5 67.5 67.5 67.5 66.4(7位)
67.5 大阪医科薬科 67.5 67.5 67.5 67.5 66.2(8位)
67.5 昭和医科 67.5 67.5 67.5 67.5 65.9(10位)
67.5 自治医科 67.5 67.5 67.5 67.5 64.0(16位)
65.0 藤田医科 65.0 65.0 65.0 65.0 66.0(9位)
65.0 東邦 65.0 67.5 67.5 67.5 65.5(11位)
65.0 近畿 65.0 65.0 65.0 65.0 65.1(12位)
65.0 日本 65.0 65.0 65.0 67.5 64.3(13位)
65.0 産業医科 65.0 67.5 67.5 67.5 64.3(13位)
65.0 愛知医科 65.0 62.5 62.5 65.0 64.2(15位)
65.0 東北医科薬科 65.0 65.0 65.0 65.0 63.5(19位)
65.0 杏林 65.0 65.0 65.0 65.0 63.2(20位)
65.0 帝京 65.0 65.0 65.0 65.0 63.0(23位)
65.0 東海 65.0 65.0 65.0 67.5 62.1(26位)
62.5 兵庫医科 65.0 62.5 62.5 65.0 63.8(17位)
62.5 久留米 62.5 62.5 65.0 65.0 63.7(18位)
62.5 聖マリアンナ医科 62.5 62.5 62.5 62.5 63.1(21位)
62.5 北里 62.5 62.5 62.5 62.5 63.1(22位)
62.5 岩手医科 62.5 62.5 62.5 62.5 62.6(24位)
62.5 福岡 62.5 62.5 62.5 65.0 62.6(24位)
62.5 埼玉医科 62.5 62.5 62.5 62.5 61.9(27位)
62.5 金沢医科 62.5 62.5 65.0 65.0 60.8(28位)
62.5 獨協医科 62.5 62.5 62.5 62.5 59.6(30位)
60.0 東京女子医科 60.0 60.0 62.5 62.5 60.7(29位)
60.0 川崎医科 60.0 60.0 60.0 60.0 55.8(31位)

※2023〜2027はいずれも河合塾のボーダー偏差値(2027年度のみ予想値・方式別ランク10月版)。同じ値は同順位で、帯の中は合格者平均の降順に並べています。合格者平均は河合塾 入試結果調査(2026年度入試)の一般選抜の合格者の全統記述模試平均で、( )内は私立31校中の順位。大学名から各校の個別ページに飛べます

表の使い方はシンプルです。2.5刻みのボーダーで「帯」をつかみ、小数1桁の合格者平均で「帯の中の位置」を見る。大学名を押すと、私立31校それぞれの個別ページ(配点・合格最低点・学費・繰上合格まで)に飛べます。

次に、この31校の全体地図を1枚で見ます。

2027年度入試の私立医学部偏差値ランキング。31校は偏差値72.5から60.0まで6つの帯に分かれ、最多は65.0の帯に10校(河合塾予想値)
出典:河合塾 2027年度入試難易予想ランキング表(方式別ランク)10月版をもとに太宰府アカデミー集計
帯 校数 大学
72.5 1校 慶應義塾
70.0 3校 日本医科/東京慈恵会医科/順天堂
67.5 6校 国際医療福祉/大阪医科薬科/昭和医科/東京医科/自治医科/関西医科
65.0 10校 帝京/愛知医科/日本/杏林/東北医科薬科/東海/東邦/産業医科/藤田医科/近畿
62.5 9校 久留米/兵庫医科/北里/埼玉医科/岩手医科/獨協医科/福岡/聖マリアンナ医科/金沢医科
60.0 2校 川崎医科/東京女子医科

頂点は慶應義塾の72.5。70.0に東京慈恵会医科・順天堂・日本医科の3校、67.5に関西医科・国際医療福祉など6校が続きます。最多は65.0の帯で10校。62.5に9校、60.0に川崎医科・東京女子医科の2校——これが2027年度の全体地図です。同じ帯の中の序列は、後半で「合格者平均」を使って開きます。

 

この5年で上がったのは1校だけ|9校が2.5下がった

「医学部の偏差値は上がり続けている」——そう思い込んでいませんか。2023年度から2027年度予想までの5年間で動いた10校を抜き出すと、逆の景色が見えます。

2023年度から2027年度の5年間で偏差値が動いた私立医学部10校。上がったのは国際医療福祉のみで、日本・東海・東邦・産業医科・久留米・兵庫医科・福岡・金沢医科・東京女子医科の9校が2.5下降
出典:河合塾 全統模試のボーダー偏差値(2023年度実績→2027年度予想値)をもとに太宰府アカデミー集計
大学 2023 2024 2025 2026 2027予想 5年の動き
国際医療福祉 65.0 65.0 65.0 67.5 67.5 +2.5
日本 67.5 65.0 65.0 65.0 65.0 -2.5
東海 67.5 65.0 65.0 65.0 65.0 -2.5
東邦 67.5 67.5 67.5 65.0 65.0 -2.5
産業医科 67.5 67.5 67.5 65.0 65.0 -2.5
久留米 65.0 65.0 62.5 62.5 62.5 -2.5
兵庫医科 65.0 62.5 62.5 65.0 62.5 -2.5
福岡 65.0 62.5 62.5 62.5 62.5 -2.5
金沢医科 65.0 65.0 62.5 62.5 62.5 -2.5
東京女子医科 62.5 62.5 60.0 60.0 60.0 -2.5

※関西医科(2023年度67.5→2026年度70.0→2027年度予想67.5)と愛知医科(65.0→62.5→65.0)は5年間で往復して差し引きゼロのため、この表には入れていません。2027年度予想は方式別ランク10月版(2026年10月13日更新)の値です

上がったのは国際医療福祉(65.0→67.5)ただ1校。下がったのは日本・東海・東邦・産業医科(67.5→65.0)、久留米・兵庫医科・福岡・金沢医科(65.0→62.5)、東京女子医科(62.5→60.0)の9校です。金沢医科・久留米・福岡を「65.0の大学」と覚えている受験生はいまも多いはずですが、福岡は2024年度から、金沢医科と久留米は2025年度から62.5に下がり、2027年度予想も62.5。2〜3年前の知識のままだと、31校中9校で帯を読み違えます。

ただし、「下がった=入りやすくなった」と短絡しないでください。文部科学省の公表による2025年度入試の実質倍率を見ると、私立の上位5校のうち4校が62.5の帯にいます——埼玉医科24.54倍・聖マリアンナ23.35倍・獨協20.66倍・金沢医科19.97倍。偏差値の帯が下がっても、席の奪い合いは激しいままです。「何点取れば受かるか」は全私立の合格最低点まとめ(最大14年分)で必ず確認してください。

動きは16回、幅はぜんぶ2.5|5年間まったく動かなかった大学が19校

ここまでは「5年の差し引き」で見てきました。次は、前の年から値が変わった回数を数えます。2023年度から2027年度予想までの4つの移り変わりで、私立31校のボーダーが動いたのは延べ16回。下がった動きが12回、上がった動きが4回です。どの動きも、幅はちょうど2.5(帯が1つ)。5.0以上、つまり帯を2つ以上動いた大学は1校もありません。

大学ごとに数えると、5年間まったく動かなかったのが19校(慶應義塾・東京慈恵会医科・順天堂・日本医科の4校を含みます)。1回だけ動いたのが9校、2回動いたのが2校(関西医科と愛知医科。往復して元の値に戻りました)、3回動いたのが1校(兵庫医科。65.0→62.5→65.0→62.5)です。

年度 下がった 上がった 大学
2023→2024年度 5校 0校 下がった:日本・愛知医科・兵庫医科・福岡・東海
2024→2025年度 3校 1校 下がった:久留米・金沢医科・東京女子医科/上がった:関西医科
2025→2026年度 2校 3校 下がった:東邦・産業医科/上がった:国際医療福祉・愛知医科・兵庫医科
2026→2027予想 2校 0校 下がった:関西医科・兵庫医科

下がった動きがいちばん多かったのは2023→2024年度の5校で、2026→2027年度予想の2校はまだ確定していない予想値です(河合塾は年に数回ボーダーを改定します)。福岡県の私立医学部3校(久留米・福岡・産業医科)は、3校とも5年間で2.5下がりました。ただし、これは1つの模試の予想ラインの動きで、なぜ動いたかまでは、この数字からは言えません。下がった動きが12回、上がった動きが4回あっても、原因の説明にはなりません。

帯の校数で見る|67.5以上は13校から10校へ、62.5は6校から9校へ

31校を6つの帯に並べ直して、2023年度と2027年度予想を比べます。72.5(慶應義塾)と70.0(3校)は変わらず、67.5の帯が9校から6校に減り、62.5の帯が6校から9校に増えました。67.5以上の校数にすると13校から10校です。

ボーダー偏差値の帯 2023年度 2027年度予想 増減
72.5 1校 1校 ±0
70.0 3校 3校 ±0
67.5 9校 6校 −3校
65.0 11校 10校 −1校
62.5 6校 9校 +3校
60.0 1校 2校 +1校

31校の単純平均は2023年度の65.8から、2027年度予想の65.2へ(−0.6)。中央値はどちらも65.0です。2.5刻みの値の平均なので、粗い目安として読んでください。

帯が1つ下がるのは、40人の教室で「上から1〜2番ぶん」

ボーダー偏差値を、模試を受けた40人の教室に置きかえます(正規分布での目安)。65.0は上から3番くらい、62.5は4番くらい。帯が1つ変わるのは、教室で言えば1〜2番ぶんの動きです。

ボーダー偏差値 40人の教室なら(目安)
67.5 上から2番くらい
65.0 上から3番くらい
62.5 上から4番くらい
60.0 上から6番くらい

だからこそ、記憶のまま帯を読み違えないことが大事です。2023年度に65.0だった大学のうち、久留米・福岡・金沢医科・兵庫医科は、2027年度予想では62.5。教室で言えば「上から3番くらい」の線が「4番くらい」の線に動いた、という幅です。この動きだけで「受かりやすくなった」とは言えません。ボーダーは「合格可能性50%のライン」で、実質倍率や、実際に一般選抜で受かった人の偏差値(合格者平均)とは別の物差しです。31校の動きは、自分の志望校の帯がどう動いたかを確かめる材料にしてください。

 

親世代の偏差値と比べる|50年で平均51.5→65.2

「私立医学部は昔、入りやすかった」——親御さんのその記憶は正しいです。数字で確かめます。

私立医学部の偏差値50年推移。1975年の平均51.5から2027年の65.2まで13.7ポイント上昇し、1995年から2010年の間に急騰した
出典:河合塾 全統模試のボーダー偏差値をもとに太宰府アカデミー集計(各年に数値のある大学のみの平均)
大学 1975 1985 1995 2010 2015 2027
予想
50年の動き
順天堂 50.0 50.0 62.5 70.0 70.0 70.0 +20.0
帝京 47.5 47.5 57.5 65.0 65.0 65.0 +17.5
愛知医科 47.5 37.5 60.0 65.0 65.0 65.0 +17.5
杏林 47.5 50.0 60.0 65.0 65.0 65.0 +17.5
東海 47.5 45.0 60.0 65.0 62.5 65.0 +17.5
藤田医科 47.5 40.0 60.0 65.0 65.0 65.0 +17.5
兵庫医科 47.5 52.5 60.0 62.5 65.0 62.5 +15.0
北里 47.5 45.0 60.0 65.0 62.5 62.5 +15.0
埼玉医科 47.5 45.0 57.5 65.0 62.5 62.5 +15.0
昭和医科 52.5 50.0 62.5 67.5 67.5 67.5 +15.0
東京医科 52.5 55.0 65.0 67.5 67.5 67.5 +15.0
獨協医科 47.5 50.0 60.0 62.5 62.5 62.5 +15.0
福岡 47.5 50.0 60.0 65.0 65.0 62.5 +15.0
聖マリアンナ医科 47.5 47.5 57.5 65.0 62.5 62.5 +15.0
近畿 50.0 52.5 57.5 67.5 67.5 65.0 +15.0
川崎医科 47.5 47.5 55.0 62.5 62.5 60.0 +12.5
関西医科 55.0 55.0 62.5 67.5 67.5 67.5 +12.5
大阪医科薬科 57.5 57.5 65.0 67.5 67.5 67.5 +10.0
岩手医科 52.5 52.5 57.5 65.0 65.0 62.5 +10.0
日本医科 60.0 65.0 62.5 70.0 67.5 70.0 +10.0
日本 55.0 55.0 60.0 67.5 65.0 65.0 +10.0
東邦 55.0 52.5 57.5 67.5 67.5 65.0 +10.0
久留米 55.0 50.0 60.0 65.0 65.0 62.5 +7.5
慶應義塾 67.5 70.0 70.0 72.5 72.5 72.5 +5.0
東京女子医科 55.0 52.5 57.5 65.0 65.0 60.0 +5.0

※1975年に数値のある25校のみ(自治医科・国際医療福祉・東北医科薬科など新設校・データのない大学は除く)。2027年度は予想値です

1975年、私立医学部の平均はボーダー換算で偏差値51.5でした。25校中12校が47.5です(杏林・帝京・藤田医科・東海・愛知医科・福岡・兵庫医科・北里・埼玉医科・聖マリアンナ医科・獨協医科・川崎医科)。それが1995年に60.2、2010年に66.2へ急騰し、以後は65〜66で高止まり。2027年度予想の平均は65.2で、50年の上げ幅は+13.7です。

平均は各年に数値のある大学だけで取っています(1975年=25校〜2027年=31校)。母集団を1975年から数値のある25校に固定して計算し直しても51.5→64.9(+13.4)で、読み取りは変わりません。

大学別の伸び幅の首位は順天堂の+20.0(50.0→70.0)。杏林・帝京・藤田医科・東海・愛知医科の5校が+17.5で続き、25校中22校が+10.0以上の難化です。逆に慶應義塾は67.5→72.5の+5.0——50年前から既に頂点だった大学です。親御さんが「あの大学なら普通に受かった」と記憶していても、その大学はいま別物になっています。家庭内の作戦会議は、この表で記憶を上書きしてから始めてください。

 

医学部予備校の寮費はいくら?答えは資料に|太宰府アカデミー(無料)

同じ65.0が10校|序列は「合格者平均」で見る

ボーダー偏差値の弱点は、2.5刻みのため同率が多すぎることです。最多の65.0の帯には10校が並び、この中の序列——いわゆる「私立医学部の格付け」で皆さんが知りたい部分——はボーダーでは分かりません。そこで、河合塾 入試結果調査(2026年度入試)の合格者平均偏差値=一般選抜で実際に合格した人たちの全統記述模試平均で、帯の中を開きます。

序列 大学 合格者平均2026 私立31校中
1 藤田医科 66.0 9位
2 東邦 65.5 11位
3 近畿 65.1 12位
4 日本 64.3 13位
4 産業医科 64.3 13位
6 愛知医科 64.2 15位
7 東北医科薬科 63.5 19位
8 杏林 63.2 20位
9 帝京 63.0 23位
10 東海 62.1 26位

同じ65.0でも、帯の中に3.9ポイントの幅があります。首位の藤田医科は66.0(私立9位)で、1つ上の67.5の帯にいる自治医科の64.0より高い。最下位の東海は62.1(私立26位)で、1つ下の62.5の帯の兵庫医科63.8・久留米63.7より低い。ボーダーが同じでも、一般選抜で実際に受かっている層は帯をまたいで入れ替わっています。ここが、ボーダーの一覧だけでは見えない読みどころです。

読み方の注意を2つ。まず、合格者平均は一般選抜(いずれかの日程・方式)で合格した人たちだけの平均で、推薦・総合型の合格者は入っていません。合格可能性50%を示すボーダーとは計算の土台が違います。ボーダーを下回る大学もあれば(金沢医科は60.8で、ボーダー62.5より低い)、上回る大学もあります(藤田医科は66.0で、65.0より高い)。自分の偏差値と1対1で比べる物差しではありません。もう1つ、倍率は序列の物差しにならないこと。2025年度入試の実質倍率は帝京の35.25倍が私立最高ですが、合格者平均は63.0で帯内9番目です。同じ65.0の東北医科薬科は5.61倍で、合格者平均は63.5。倍率が6倍違っても、一般選抜で受かった人の偏差値の平均はほとんど変わりません。人気(受験者の多さ)と合格者の学力は、別の数字です。

ボーダー62.5以下の11校を偏差値の低い順に並べ、6年学費・国家試験の合格率と見比べた表は、医学部の偏差値が低い順ランキングにあります。

 

段ごとの席と1次試験の会場|模試62.5なら11校・1,312人

偏差値の表には出ない、もう1つの物差しが「席の数」です。文部科学省の入学定員(2026年度)を、ボーダーの帯ごとに足しました。私立31校の席は合わせて3,704人。いちばん多いのは大学の数と同じく65.0の帯で、1,161人です。

ボーダー 校数 入学定員(2026年度) この帯以下の合計 1次を福岡県で受けられる大学
72.5 1校 110人 31校・3,704人 なし
70.0 3校 367人 30校・3,594人 なし
67.5 6校 754人 27校・3,227人 関西医科・国際医療福祉・自治医科
65.0 10校 1,161人 21校・2,473人 近畿・日本・産業医科・愛知医科・東海
62.5 9校 1,078人 11校・1,312人 兵庫医科・久留米・岩手医科・福岡・金沢医科
60.0 2校 234人 2校・234人 なし

※ボーダーは河合塾 2027年度入試難易予想(方式別ランク・10月版)。入学定員は文部科学省の一覧(2026年度)で、推薦・総合型・地域枠などの定員も含みます(一般選抜で募集するのはその一部)。1次の会場は各大学の2027年度要項(慶應義塾・東京慈恵会医科は2026年度の要項)。自治医科は47都道府県それぞれ、久留米は本学(久留米市)、産業医科は北九州市の会場。

使い方は簡単です。全統模試の偏差値がある帯なら、ボーダーの線がそれ以下の大学の席を数えます。62.5の帯(62.5〜64.9)なら11校・1,312人、65.0の帯に上がると21校・2,473人。2.5上がるだけで、候補になる席は約1.9倍になります。反対に、本番で65.0の帯から62.5の帯に1つ落ちると、1,161人分の席が候補から外れます。ボーダーは合格可能性50%の線で、合格の約束ではありません。1つ下の帯の大学まで、出願の候補に入れておく理由がここにあります。

1次試験の会場も、段ごとに違います。福岡県で1次を受けられる私立医学部は13校で、62.5の帯に5校・65.0に5校・67.5に3校。70.0以上の4校(慶應義塾・東京慈恵会医科・順天堂・日本医科)と60.0の2校は、九州に会場がありません(順天堂は千葉の幕張メッセ、川崎医科は岡山県倉敷市の本学)。会場は交通費と前泊に直結するので、志望校の要項の「試験場」のページで確かめてください。

最後に、合格者平均(2026年度入試・一般選抜)がボーダーの帯のどこにあるかを数えると、帯より上が0校、帯の中が12校、帯より下が19校でした。ボーダーは2.5刻みの帯の下の端(62.5なら62.5〜64.9のどこか)なので、点ではなく帯で比べています。1年分の数字なので理由は決めつけませんが、私立では「ボーダーの帯の上の端」まで届けば、31校のどの大学でも、一般選抜で受かった人の平均を上回ることになります。

 

太宰府アカデミーの視点|偏差値表の正しい使い方

僕がこの表を受験生や保護者の方に渡すときは、使い方を3ステップで説明しています。

ステップ1:帯で3層に分ける。自分の全統模試の偏差値を基準に、+2.5の帯を挑戦、同じ帯を実力相応、−2.5の帯を安全として31校を振り分けます。ボーダーは「合格可能性50%のライン」なので、同じ帯なら五分五分、1つ下の帯でようやく優位。この感覚を持つだけで、出願校の数と組み合わせの考え方が変わります。

ステップ2:同じ帯の中は合格者平均で序列を付ける。65.0の10校は一枚岩ではありません。藤田医科66.0と東海62.1では、集まっている受験生の層が丸ごと違います。3層に振り分けたあと、各帯の中でどの大学が上寄りかを合格者平均で確かめてください。

ステップ3:最後は大学ごとの中身で決める。偏差値が同じでも、配点・日程・面接の形式は大学ごとにまるで違います。一覧表の大学名から個別ページに飛び、配点と合格最低点、繰上合格の回り方まで見て初めて「自分にとっての受かりやすさ」が見えてきます。偏差値表は入口であって、結論ではありません。秋が近づくと模試の判定が揺れて不安になりますが、揺れる判定を眺めるより、帯×合格者平均×配点の3点で淡々と出願案を組むほうが、精度は確実に上がります。

 

私立医学部の偏差値についてよくある質問

Q1. 私立医学部で一番偏差値が低い大学はどこですか?
A. 2027年度予想のボーダーでは、60.0の川崎医科大学と東京女子医科大学の2校です。合格者平均偏差値(2026年度入試)では川崎医科大学が55.8で私立31位、国公立を含む81校でも81位。ただし偏差値60は全統模試の受験生のおよそ上位16%にあたる水準で、「低い」のはあくまで医学部の中だけの話です。

Q2. 学費と偏差値には関係がありますか?
A. 6年総額(学納金ベース)が私立最安の国際医療福祉大学(1,830万円・2027年度)はボーダー67.5、最高額の川崎医科大学(4,550万円)は60.0で、学費と偏差値はおおむね逆方向に並びます。70.0の帯の3校(東京慈恵会医科・順天堂・日本医科)は、6年総額が2,080万円〜2,250万円です(慶應義塾は大学公式での確認が取れていません)。31校の学費は私立医学部の学費一覧にまとめています。

Q3. 2027年度の予想値はいつ確定しますか?
A. 全統模試の結果を受けて年に数回改定されます。本ページの2027年度予想は方式別ランクの10月版(2026年10月13日更新)で、改定が出たら数字を更新します。2026→2027では関西医科(70.0→67.5)と兵庫医科(65.0→62.5)が動く予想が出ています。

Q4. ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、どちらを見ればいいですか?
A. 役割が2つに分かれます。2.5刻みのボーダーは「合格可能性50%のライン」で自分の帯の把握に、小数1桁の合格者平均は「一般選抜で実際に受かった人の平均」で同じ帯の中の序列に使ってください。自分と比べるのはボーダー、大学同士を比べるのは合格者平均です。

 

まとめ|私立医学部偏差値ランキング2027の要点

  • 31校は72.5〜60.0の6つの帯。1位は慶應義塾大学72.5、70.0に東京慈恵会医科・順天堂・日本医科の3校、最多は65.0の10校、60.0は川崎医科・東京女子医科の2校
  • この5年で上がったのは国際医療福祉(65.0→67.5)の1校だけ。日本・東海・東邦・産業医科・久留米・兵庫医科・福岡・金沢医科・東京女子医科の9校が2.5下降
  • 5年の動きは延べ16回で、幅はすべて2.5。19校は5年間まったく動いていない。67.5以上の校数は13校から10校
  • 50年で平均51.5→65.2(+13.7)。1975年は25校中12校が47.5。順天堂は+20.0、25校中22校が+10.0以上の難化
  • 同じ65.0の10校には、合格者平均で66.0(藤田医科)〜62.1(東海)の3.9の幅。帯はボーダーで、帯の中の序列は合格者平均で見る

秋の予想値の改定が出たら、このページの数字を更新します。出願設計の土台として、ブックマークして使ってください。

偏差値と並べて学費も見たい方は、私立医学部の学費|1,850〜4,550万円・国公立は350万円へ。

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本日の記事は以上です。
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◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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