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国公立大学医学部医学科入試情報【まとめ】

奈良県立医科大学の偏差値69.7と共テ平均862点|2027年度入試

2026年08月19日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

今回は奈良県立医科大学——全国でここにしかない形の入試を持つ大学です。一般選抜の募集は前期22名に対して後期53名。後期が主戦場という構成は、国公立医学部でこの大学だけです。

その後期に、2026年度は1,085名が志願しました。当塾が書いてきた国公立23校で最大の志願者数です。前期で京大・阪大・神戸に挑んだ関西の最上位層が、3月の奈良医後期に集結する——合格者平均偏差値70.9(国公立5位)という高さは、この構造が作っています。

− 前期と後期で何がそんなに違う?

− 志願1,085名の実質倍率は?

− 共テ何%あれば前期に出せる?

− 「3月に本番が来る」受験設計とは?

数字の出どころを示しながら、上から見ていきます。

 

奈良県立医科大学の偏差値|合格者平均69.7で6位

河合塾の入試結果調査(2026年度)で、全統模試を受けて奈良医に合格した人の記述模試平均は70.9(英69.6・数68.6・理70.8)国公立50校中5位、私立を含む全81校では6位です(防衛医科大学校を除く)。

奈良県立医科大学の合格者平均偏差値70.9は国公立6位・全81校で7位(河合塾 入試結果調査2026年度)
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

千葉(70.7)・神戸(70.6)より上、名古屋(71.5)に迫る位置です。公立大学としては大阪公立(70.4)を上回る全国トップ。「県立の医大」の語感から想像される難易度と、実際の合格者層には大きな開きがあります。英数理が0.6差以内に収まるバランス型です。

順位 大学 総合
4位 東京科学大学 71.3 69.5 70.6 70.5
5位 名古屋大学 70.7 69.2 69.1 69.7
5位 奈良県立医科大学 69.6 68.6 70.8 69.7
5位 千葉大学 70.8 69.3 68.9 69.7
8位 横浜市立大学 69.6 69.0 68.7 69.1

※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

全国81校の中での位置を確かめたい方は、医学部偏差値ランキング2027(全81校の一覧表)をご覧ください。奈良県立医科大学を含む全大学を1つの表にしています。

 

共通テストの合格者平均は862点|86.2%が実勢です

2026年度に奈良医へ合格した人の共通テスト平均は862点(1000点換算)=86.2%です(河合塾 入試結果調査)。神戸(891点)を上回り、名古屋(910点)に迫る水準——後期に最上位層が集まる大学の実像がここにも出ています。なお「情報」は素点50点=5.6%です。

 

前期は共テ900点+個別100点|実質1.5倍です

前期(募集22名)の満点は1000点——うち共通テストが900点、個別はわずか100点。配点の9割が共テという、実質的な共テ入試です。

そして第1段階選抜の予告は「共テ730点/900点(81.1%)以上、かつ15倍」。この高い入場料が効いて、2026年度の志願者はわずか48名。受験34名・合格23名で実質倍率1.5倍(前年は1.1倍)でした。共テで83〜84%以上を持っている人にとっては、驚くほど「読める」入試です。合格最低点は835点=83.5%(前年81.7%)——共テの点数がほぼそのまま合否になります。

 

後期は志願者1085名の全国最大級|実質3.4倍

後期(募集53名)の様相は正反対です。2026年度の志願者は1,085名(前年981名)。足切り(予告12倍=636名)と前期合格者の離脱を経て、実際の受験は199名、合格58名で実質3.4倍でした。

年度・日程 募集 志願者 受験者 合格者 実質倍率
2026 前期 22 48 34 23 1.5倍
2026 後期 53 1085 199 58 3.4倍
2025 前期 22 48 25 22 1.1倍
2025 後期 53 981 254 63 4.0倍

後期の満点は1200点で、共テ300点+個別900点——2次比率75%。前期の「共テ9割」から一転、阪大級の記述勝負に変わります。志願1,085名という数字に怯む必要はありません。実際に3月12日の会場に来るのは5人に1人。前期でどこかに受かった人から順に消えていく構造です。

 

合格最低点は前期83.5%・後期69.5%|二重相場

2026年度の合格最低点は、前期が835点/1000点=83.5%、後期が833.5点/1200点=69.5%です。

奈良県立医科大学の合格最低点は前期83.5%・後期69.5%(前期は共テ900点配点・後期は2次比率75%)
出典:奈良県立医科大学 公表の入試結果をもとに太宰府アカデミー集計(2025・2026年度入試)

同じ大学なのに14ポイント差——配点構成が違うので当然です。前期は共テ8割台の取り合い、後期は難問記述で7割弱が合格ライン。自分がどちらの土俵で戦うのかで、対策も自己採点の基準もまったく変わります

年度・日程 満点 合格最低点 得点率
2026 前期 1000 835 83.5%
2026 後期 1200 833.5 69.5%
2025 前期 1000 817 81.7%
2025 後期 1200 826.16 68.8%

後期の相場(69%前後)は2年安定しています。後期奈良医を本命線に置く受験生は、この数字を過去問演習の物差しにしてください。

 

入試日程と募集人員|後期は3月12日・13日です

前期は国公立の全国共通日程(2月25日・26日)で、変則はありません。後期は3月12日・13日の2日間で実施されました(旺文社・大学受験パスナビ掲載の2026年度実績。出願には事前登録が必要です)。

2027年度の共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)(大学入試センター公表の実施期日)。確定日程は2027年度の選抜要項公表後にこの節を更新します。なお2027年度の選抜内容について、現時点で変更の公表はありません(2026年7月12日基準の当塾集計)。

 

合格発表は前期3月5日・後期3月23日です

2026年度の合格発表は前期が3月5日、後期が3月23日でした。後期の発表は3月下旬——受験の結末が最も遅く決まる大学の1つです。私立の入学手続きや浪人の決断を3月23日まで保留できるか、家族の資金計画・心構えごと設計しておいてください。2027年度の正式な日付は、選抜要項の公表後にここへ追記します。

 

科目と配点|前期と後期で正反対の構成です

改めて整理します。前期=共テ900点+個別100点(共テ比率90%)、後期=共テ300点+個別900点(2次比率75%)。1つの大学に、当塾集計で最も共テに寄った入試と、阪大級に2次へ寄った入試が同居しています。

後期の個別は英語・数学・理科の学科試験に面接を加えた構成です。科目別の配点内訳は、2027年度の募集要項公表後にこの節へ追記します。

 

面接は2次試験で実施|評価方式は要項公表後に更新

前期・後期とも面接が課されます。医学部医学科の面接は全国どの国公立でも必須です。点数化の有無を含む評価方式の詳細は、2027年度の募集要項の公表後にまとめて追記します。

 

追加合格は2023年度の8名のみ|他年は0人

奈良医の追加合格(繰上)は2022〜2025年度で計8名、すべて2023年度に集中しています。他の3年は0人。後期主体の構造上、3月23日の発表でほぼすべてが確定します。

ここは私立と仕組みが違います。私立のような補欠番号の通知は、国公立にはありません。追加合格は欠員が出た分だけ電話で来るもので、この人数はその実績です。

私立の補欠が3桁まで回るのとは、まったく別の話だと考えてください。

 

学費は6年402万円|県外は入学料が80万2千円

授業料は年額535,800円(国の標準額と同額)ですが、入学料が県内生282,000円・県外生802,000円と大きく違います。

6年間の合計は県内349万6,800円/県外401万6,800円で、差は52万円。福島県立医科大学(846,000円)に次いで、公立医学部で2番目に高い県外入学料です。

「県内生」とは、本人・一親等の親族・配偶者のいずれかが、入学の日(4月1日)の1年前から引き続き奈良県内に住所を有する場合を指します。直前の転居では条件を満たしません。

 

実質倍率は4.2倍|512名が受けて122名が合格

「奈良県立医科の倍率は30.7倍」という数字を見たことがあるかもしれません。あれは出願した人数を募集人員で割った志願倍率のほうです。実際に会場に来た人と合格者で計算した実質倍率は4.2倍。同じ「倍率」でも26.5ポイント違います。

区分 人数 読み方
募集人員 112名
志願者数 3,439名 志願倍率 30.7倍
受験者数 512名 志願者の15%が受験
合格者数 122名 実質倍率 4.2倍
入学者数 112名 定員充足率 100%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計。※一般・共通テスト利用・学校推薦型・総合型を合わせた医学科全体の数字です。方式別・年度別の倍率は、このページの他の節で扱っています

志願しても実際に受けに来るのは15%。2,927名が出願だけして受験していません。出願者数から受ける印象より、当日の会場は空いています。なお学士編入は募集1名に対し志願3名、入学1名でした。

 

女子の合格率は22.0%|男子との差は2.7ポイント

2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。奈良県立医科の2025年度入試は、男子24.7%・女子22.0%。男子の合格率のほうが2.7ポイント高いという結果です。

区分 受験者数 合格者数 合格率
男子 344名 85名 24.7%
女子 168名 37名 22.0%
合計 512名 122名 23.8%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計

1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。

年度 男子合格率 女子合格率
最新年 24.7% 22.0% -2.7pt
前年 13.3% 18.1% +4.8pt
前々年 19.4% 17.1% -2.3pt

出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計

年によって上下が入れ替わっています。単年の数字で判断しないでください。

入学者で見ると女子は34名・30.4%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「奈良県立医科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。

 

地域枠は37名|入学定員113名のうち32.7%を占めます

奈良県立医科の募集人員は、地域枠を含めた数字です。内訳を出します。

区分 人数 割合・注記
入学定員 113名
地域枠等 37名 定員の32.7%
うち臨時定員の地域枠 12名 期限付きで増員されている枠
地域枠を除いた枠 76名

出典:文部科学省医学教育課「大学医学部における地域枠等の導入状況(令和7年度)」をもとに太宰府アカデミー集計

全国80大学では定員9,270名のうち地域枠が1,847名=19.9%。ほぼ5人に1人です。奈良県立医科は32.7%で全国13位。公立大学の平均41.4%より低く、一般枠の比重が大きい大学です。 このうち12名は臨時定員の枠です。臨時定員は期限を区切って増やされているもので、制度が変われば減る可能性があります。 なお文部科学省の定義では、地域枠には奨学金と連動しない枠も含まれます。地域枠=必ず修学資金がもらえる、ではありません。出願前に、その枠に貸与制度が付いているかを大学の要項で確かめてください。

ここまでは人数の話でした。なぜその枠が要るのかも見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、奈良県は268.9で全国14位、上位16県に入る医師多数県です。 奈良県は医師が多い側です。県として足りていても、地域単位で見ると足りない場所が残っているということです。都道府県単位で足りている=どこでも足りている、ではありません。

出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計

 

進級率と国試合格率|6年で医師になる確率は79.3%

出口の数字です。令和元年度に入学した114名のうち、6年間ストレートで卒業したのは93名=81.6%。第119回医師国家試験の新卒合格率は97.2%。掛け合わせた「6年で医師になる確率」は79.3%で、国公立50校中40位です。

奈良県立医科大学の6年ストレート卒業率81.6%・国試合格率97.2%・6年で医師になる確率79.3%
出典:文部科学省医学教育課調べ・厚生労働省(令和元年度入学者/第119回医師国家試験)

国試97.2%は高水準ですが、6年ストレート卒業率81.6%は入口の偏差値(6位)に比して低め。入学者の5人に1人が6年で卒業していない計算で、入学後の進級は平坦ではありません。

指標 数値 備考
6年ストレート進級率 81.6% 令和元年度入学114名中
6年ストレート卒業率 81.6% 卒業93名
新卒 国試合格率 97.2% 第119回(令和7年2月)
6年で医師になる確率 79.3% 国公立50校中40位

全81大学の同じ物差しの順位は「6年でストレートに医師になれる確率」ランキングで公開しています。

 

奈良県立医科のレベルは全81校中6位|国公立50校では6位

「奈良県立医科のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。偏差値の数字より、順位のほうが実感に近いはずです。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は69.7。国公立50校中5位・全81校中6位で、全国の医学部の中で上位にあたります。

全81校順位 大学 合格者平均偏差値 区分別順位
5位 東京科学大学 72.0 国公立4位
6位 名古屋大学 71.5 国公立5位
7位 奈良県立医科大学 69.7 国公立5位
8位 千葉大学 70.7 国公立7位
9位 神戸大学 70.6 国公立8位

出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

上の表は奈良県立医科の前後2校ぶんです。偏差値69.7の前後には東京科学・名古屋・千葉・神戸が並んでいます。ここに挙がった大学は、そのまま併願候補になります。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

 

多浪・再受験でも受けられるか|一般に年齢要件なし

一般選抜(前期・後期)に年齢・浪人年数の制限はありません。前期は共テの完成度、後期は記述の完成度——どちらの武器でも戦える2つの土俵を持つ点で、学び直し組には設計の自由度が高い大学です。浪人年数別の合格率(大学公表の卒業年度別データ)は、取得でき次第この節に追記します。

 

太宰府アカデミーの視点|奈良県立医科大学の受け方

奈良医は「単体で志望する大学」というより、関西最上位の受験設計に組み込まれる部品として機能しています。定石は「前期=京大・阪大・神戸、後期=奈良医」。志願1,085名はこの定石の人気そのものです。だからこそ強調したいのは、後期の本番は3月12日、結果は3月23日だということ。前期不合格から2週間、気持ちを立て直して記述の腕を維持できるか——学力と同じくらい、この期間の過ごし方が合否を分けます。

一方の前期は、まったく別の使い方があります。共テ84%以上を安定して出せる共テ型にとって、実質1.1〜1.5倍の前期奈良医は「知る人ぞ知る」選択肢です。個別100点の比重は誤差に近く、共テリサーチの時点で合否がほぼ見えます。ただし募集22名・足切り81.1%基準——出せる人自体が限られる、狭き安全地帯です。

九州の受験生には縁遠い大学に見えるかもしれませんが、「後期に2次型の大きな募集がある」大学は全国でも貴重です(九州の後期は共テ型が主)。記述型で後期まで戦い抜く覚悟があるなら、地域を越えて検討する価値があります

 

奈良県立医科大学のよくある質問

Q1. 偏差値はどのくらい必要ですか?
A. 河合塾の入試結果調査(2026年度)で、合格者の記述模試平均は69.7(国公立5位・公立大トップ)。共通テストの平均は862点=86.2%です。

Q2. 前期と後期はどう違いますか?
A. 前期(22名)は共テ900点+個別100点の実質共テ入試、後期(53名)は共テ300点+個別900点の記述入試です。合格最低点も83.5%と69.5%で別世界です。

Q3. 後期の志願1,085名は無理ゲーではないですか?
A. 実際に受験したのは199名(合格58名・実質3.4倍)。前期合格者が抜けるため、最後まで残った人の倍率は見た目よりずっと現実的です。

Q4. 前期は狙い目ですか?
A. 実質1.1〜1.5倍ですが、足切りが共テ81.1%基準で、合格最低点は83.5%。共テ84%以上を持つ人限定の「読める」入試です。

 

まとめ|奈良県立医科大学を受けるなら押さえる3つ

  • 合格者平均69.7は国公立5位・公立トップ。後期主体(前期22名・後期53名)は全国唯一級の構造
  • 前期は共テ比率90%で実質1.5倍・最低83.5%。後期は2次比率75%で志願1,085名・実質3.4倍・最低69.5%——同じ大学に正反対の2つの入試
  • 後期の発表は3月23日。受験の結末が最も遅い大学の1つとして、資金計画と心構えごと設計を

3月の最後の椅子取りまで、数字はこのページで更新し続けます。

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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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