こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
この記事は、毎年いちばん多く読まれる記事のひとつです。そして1年前の数字を載せたままになっていました。今日、2027年度入試のものに丸ごと入れ替えます。
先に答えを書きます。国公立医学部50校の共通テストのボーダー得点率は、2027年度予想で78%から90%。9割を超えるのは東京大学(理科三類)の1校だけです。
そしてこの記事でいちばん書きたかったのは、その先です。ボーダーと「実際に受かった人の平均」を50校ぶん並べたら、ほとんど同じ位置にありました。差は平均で+0.05ポイント。50校のうち17校では、合格者平均のほうがボーダーを下回っていました。
この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。
− 国公立の医学部って、共通テストで何%取れば届くの?
− 「9割ないと無理」ってよく聞くけど、本当?
− ボーダーちょうどだと危ない? 何%上乗せすればいいの?
ひとつずつお答えします。
この記事の目次
結論|2027年度のボーダーは78〜90%。9割は1校だけです
まず、この記事で使う言葉をはっきりさせておきます。
ボーダー得点率=合格可能性50%のライン。河合塾が模試の結果と実際の合否から出している予想値で、この記事の数字は2026年9月7日更新(方式別ランク9月版)の2027年度入試の予想です。改訂のたびに差し替えます。

| 順 | 大学 | ボーダー得点率 | 2次偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京大学(理科三類) | 90% | 72.5 |
| 2 | 京都大学 | 89% | 70.0 |
| 3 | 東京科学大学 | 89% | 70.0 |
| 4 | 大阪大学 | 87% | 70.0 |
| 5 | 名古屋大学 | 86% | 67.5 |
| 6 | 千葉大学 | 86% | 67.5 |
読み取れることは3つあります。
①50校の幅は78%から90%。開きは12ポイントあります。いちばん高いのが東京大学(理科三類)の90%、いちばん低いのが弘前大学と旭川医科大学の78%です。
②「医学部は9割ないと無理」は、50校のうち1校の話です。89%が京都大学と東京科学大学の2校。残り47校は88%以下で、50校の平均は82.58%、中央値は82%でした。
③2次試験の偏差値とは別物です。共通テストのボーダーが同じ82%でも、2次の偏差値は62.5から65.0まで分かれます。共通テストだけで志望校は決まりません。
国公立医学部50校の共通テストボーダー一覧|2027年度入試
全50校を、ボーダー得点率の高い順に並べました。合格者平均(2026年度入試で実際に合格した人の共通テスト平均・1000点換算)も同じ行に置いています。この2つを並べた表は、たぶん他にありません。
| 順 | 大学 | ボーダー 得点率 |
合格者平均 (1000点換算) |
差 | 2次 偏差値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京大学(理科三類) | 90% | 919点 | +1.9 | 72.5 |
| 2 | 京都大学 | 89% | 897点 | +0.7 | 70.0 |
| 3 | 東京科学大学 | 89% | 892点 | +0.2 | 70.0 |
| 4 | 大阪大学 | 87% | 877点 | +0.7 | 70.0 |
| 5 | 名古屋大学 | 86% | 873点 | +1.3 | 67.5 |
| 6 | 千葉大学 | 86% | 870点 | +1.0 | 67.5 |
| 7 | 神戸大学 | 86% | 863点 | +0.3 | 67.5 |
| 8 | 奈良県立医科大学 | 86% | 862点 | +0.2 | ― |
| 9 | 横浜市立大学 | 86% | 861点 | +0.1 | 67.5 |
| 10 | 九州大学 | 85% | 869点 | +1.9 | 67.5 |
| 11 | 東北大学 | 85% | 858点 | +0.8 | 67.5 |
| 12 | 山梨大学 | 85% | 853点 | +0.3 | 67.5 |
| 13 | 大阪公立大学 | 85% | 844点 | -0.6 | 67.5 |
| 14 | 筑波大学 | 85% | 841点 | -0.9 | 65.0 |
| 15 | 北海道大学 | 84% | 846点 | +0.6 | 67.5 |
| 16 | 岡山大学 | 84% | 841点 | +0.1 | 65.0 |
| 17 | 新潟大学 | 84% | 805点 | -3.5 | 65.0 |
| 18 | 京都府立医科大学 | 83% | 840点 | +1.0 | 65.0 |
| 19 | 信州大学 | 83% | 831点 | +0.1 | 62.5 |
| 20 | 名古屋市立大学 | 83% | 820点 | -1.0 | 65.0 |
| 21 | 広島大学 | 83% | 819点 | -1.1 | 65.0 |
| 22 | 三重大学 | 82% | 828点 | +0.8 | 65.0 |
| 23 | 熊本大学 | 82% | 826点 | +0.6 | 62.5 |
| 24 | 徳島大学 | 82% | 822点 | +0.2 | 62.5 |
| 25 | 滋賀医科大学 | 82% | 820点 | +0.0 | 65.0 |
| 26 | 岐阜大学 | 82% | 810点 | -1.0 | 65.0 |
| 27 | 金沢大学 | 82% | 807点 | -1.3 | 65.0 |
| 28 | 鳥取大学 | 82% | 803点 | -1.7 | 62.5 |
| 29 | 浜松医科大学 | 82% | 801点 | -1.9 | 65.0 |
| 30 | 香川大学 | 82% | 795点 | -2.5 | 62.5 |
| 31 | 山口大学 | 81% | 825点 | +1.5 | 62.5 |
| 32 | 鹿児島大学 | 81% | 823点 | +1.3 | 62.5 |
| 33 | 宮崎大学 | 81% | 816点 | +0.6 | 62.5 |
| 34 | 群馬大学 | 81% | 814点 | +0.4 | 62.5 |
| 35 | 佐賀大学 | 81% | 813点 | +0.3 | 62.5 |
| 36 | 山形大学 | 81% | 812点 | +0.2 | 62.5 |
| 37 | 和歌山県立医科大学 | 81% | 799点 | -1.1 | 62.5 |
| 38 | 長崎大学 | 81% | 797点 | -1.3 | 65.0 |
| 39 | 秋田大学 | 80% | 807点 | +0.7 | 62.5 |
| 40 | 大分大学 | 80% | 805点 | +0.5 | 62.5 |
| 41 | 高知大学 | 80% | 783点 | -1.7 | 62.5 |
| 42 | 福井大学 | 79% | 817点 | +2.7 | 62.5 |
| 43 | 琉球大学 | 79% | 813点 | +2.3 | 62.5 |
| 44 | 札幌医科大学 | 79% | 807点 | +1.7 | 62.5 |
| 45 | 富山大学 | 79% | 805点 | +1.5 | 62.5 |
| 46 | 福島県立医科大学 | 79% | 798点 | +0.8 | 62.5 |
| 47 | 愛媛大学 | 79% | 784点 | -0.6 | 62.5 |
| 48 | 島根大学 | 79% | 776点 | -1.4 | 62.5 |
| 49 | 旭川医科大学 | 78% | 767点 | -1.3 | 62.5 |
| 50 | 弘前大学 | 78% | 762点 | -1.8 | 62.5 |
出典:ボーダー得点率は河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表(方式別ランク)」(9月版・2026年9月7日更新)、合格者平均は河合塾 入試結果調査(2026年度入試)。いずれも前期日程・一般枠。地域枠は別のボーダーが設定されている大学があります。
この表の使い方を1つだけ。「共通テストで82%取れそうだ」と思ったら、82%前後の大学をまとめて見てください。三重・熊本・徳島・滋賀医科・岐阜・金沢・鳥取・浜松医科・香川——同じ82%の帯に9校あります。そのうえで2次の科目・配点・面接の比重で絞るのが、実際の出願の作業になります。
★ボーダーと「実際に受かった人の平均」は、ほぼ同じでした
ここがこの記事の本題です。
「ボーダーはあくまで50%のラインだから、実際にはもっと取らないと受からない」——よく聞く話です。僕もそう思っていました。50校ぶん並べて、確かめました。

| 大学 | ボーダー (2027年度予想) |
合格者平均 (2026年度) |
差 |
|---|---|---|---|
| 福井大学 | 79% | 81.7% | +2.7 |
| 琉球大学 | 79% | 81.3% | +2.3 |
| 東京大学(理科三類) | 90% | 91.9% | +1.9 |
| 九州大学 | 85% | 86.9% | +1.9 |
| 札幌医科大学 | 79% | 80.7% | +1.7 |
| 浜松医科大学 | 82% | 80.1% | -1.9 |
| 香川大学 | 82% | 79.5% | -2.5 |
| 新潟大学 | 84% | 80.5% | -3.5 |
結果はこうでした。
①50校をならすと、差は +0.05 ポイントでした。ボーダーの平均が82.58%、合格者平均の得点率が82.63%。ほとんど同じ位置にあります。
②50校のうち17校では、合格者平均のほうがボーダーを下回っていました。新潟大学と香川大学は −2.5ポイント、浜松医科大学は −1.9ポイント。「ボーダーちょうどでは足りない」は、この17校では成り立ちません。
③逆に上振れしていたのは、福井大学の +2.7ポイントが最大でした。琉球大学 +2.3、東京大学(理科三類)と九州大学が +1.9と続きます。
なぜ下回る大学があるのか。合格者平均には、推薦・総合型で合格した人が含まれるからです。年内入試の合格者は共通テストの比重が低い(あるいは課さない)ことがあり、その分だけ平均が下がります。つまり一般選抜だけで見れば、もう少し高いはずです。それでも「ボーダー+5%が要る」という話にはなりません。
※ 年度の違う数字を並べています。ボーダーは2027年度の予想、合格者平均は2026年度入試の実績です。ここを混ぜて「1年で下がった」とは読まないでください。
ボーダーの前に足切りがあります|点数で切る11校は66.6〜81.1%
もう1つ、ボーダーと混同されやすいものがあります。2段階選抜(足切り)です。
国公立医学部は前期日程で50校すべてが足切りを予告しています。「うちは足切りが無い」という大学は1校もありません。
そして予告の型は4つに分かれます。倍率だけで決める大学が42区分、共通テストの点数そのものを基準にする大学が13区分です。「足切りは倍率で決まる」と書いてある記事が多いのですが、正確ではありません。

| 大学 | 基準点 | 得点率 | 倍率も使うか |
|---|---|---|---|
| 奈良県立医科大学 | 730/900点 | 81.1% | かつ15倍 |
| 横浜市立大学 | 750/1000点 | 75.0% | かつ3倍 |
| 名古屋市立大学 | 438/600点 | 73.0% | かつ3倍 |
| 京都大学 | 700/1000点 | 70.0% | かつ3倍 |
| 大阪大学 | 700/1000点 | 70.0% | かつ3倍 |
| 大阪公立大学 | 700/1000点 | 70.0% | かつ3倍 |
| 和歌山県立医科大学 | 630/900点 | 70.0% | かつ3.4倍 |
| 名古屋大学 | 650/950点 | 68.4% | 倍率は無し(点数のみ) |
| 岡山大学 | 374/550点 | 68.0% | かつ3倍 |
| 徳島大学 | 600/900点 | 66.7% | かつ5倍 |
| 鳥取大学 | 613/920点 | 66.6% | 倍率は無し(点数のみ) |
公表されている基準点は66.6%から81.1%。いちばん高いのが奈良県立医科大学の730/900点(81.1%)、いちばん低いのが鳥取大学の613/920点(66.6%)です。「医学部の足切りは9割」は、公表値では成り立ちません。
ただし、ここを取り違えないでください。この基準点は「出願を受け付ける最低ライン」であって、合格ラインではありません。合格するには、その大学のボーダー得点率が要ります。京都大学は足切り70.0%、ボーダー89%。19ポイント違います。
名古屋大学(650/950点=68.4%)と鳥取大学(613/920点=66.6%)は、倍率を使わず点数だけで切ります。この2校では、志願倍率が低くても点が足りなければ切られます。
予告倍率は2.5倍から8倍まで|ただし予告どおりには切られません
倍率型の大学も見ておきます。

| 予告倍率 | 大学 |
|---|---|
| 2.5倍 | 九州大学、筑波大学(一般枠・単願) |
| 2.8倍 | 東京大学(理科三類)※2026年度に3倍から変更 |
| 3.0倍 | 千葉大学、金沢大学、岐阜大学、神戸大学、京都府立医科大学、大分大学 |
| 3.5倍 | 北海道大学、東北大学 |
| 5倍 | 秋田、山形、札幌医科、富山、福井、三重、広島、佐賀、鹿児島、琉球 |
| 5.5倍 | 長崎大学 |
| 6倍 | 弘前大学(※2026年度に8倍から変更)、愛媛大学、宮崎大学 |
| 7倍 | 山口大学 |
| 8倍 | 島根大学 |
いちばん厳しいのが九州大学と筑波大学(一般枠・単願)の2.5倍、次いで東京大学(理科三類)の2.8倍。東京大学は2026年度に3倍から2.8倍へ下げています。
いちばん緩いのが島根大学の8倍、次いで山口大学の7倍。弘前大学は2026年度に8倍から6倍へ厳しくしました。
そして、いちばん知られていないのがこれです。
2026年度入試の前期日程では、57区分すべてが足切りを予告していましたが、実際に実施したのは36区分(63.2%)でした。21区分は、予告はしたが実施しませんでした。
つまり「予告倍率を超えたら必ず切られる」わけではありません。志願者数が予告倍率に届かなければ実施されませんし、届いても実施しないことがあります。
逆に言えば、倍率だけを見て出願先を変えるのは、根拠が弱い判断ということになります。
太宰府アカデミーの視点|ボーダーの使い方3つ
ここまでの数字を、出願でどう使うか。観点を3つ挙げます。
①ボーダーは「1校を選ぶ物差し」ではなく「帯で絞る物差し」として使う。
50校が78%から90%までの12ポイントに並んでいます。1ポイント刻みで見ると、同じ帯に5校から9校が入ります。まず自分の得点帯で候補を10校前後に絞り、そこから2次の科目と配点で選ぶ。この順番のほうが、出願直前に慌てずに済みます。
②「ボーダー+◯%」という上乗せは、データからは出てきません。
50校平均で差は +0.05 ポイント、17校では合格者平均のほうが低い。上乗せを自分に課すより、2次の配点比率を確認するほうが効きます。共通テストの比率が低い大学では、共通テストで多少足りなくても2次で返せます(→ 共通テストの配点比率が低い国公立医学部|東大は20%)。
③足切りとボーダーを、別々にメモしておく。
この2つは目的が違います。足切りは「出願していいか」、ボーダーは「受かりそうか」。京都大学は足切り70.0%、ボーダー89%で19ポイント離れています。共通テスト後の数日は判断する時間がありません。志望校の2つの数字を、いま紙に書いておいてください。
そのうえで、この記事の数字は方式別ランク9月版(2026年9月7日更新)の予想です。河合塾は秋にボーダーを改訂します。共通テストの直前にもう一度見直すことを前提に使ってください。
よくある質問
Q. 国公立医学部は共通テストで9割必要ですか?
A. 50校のうち9割を超えるのは東京大学(理科三類)の90%だけです。89%が京都大学と東京科学大学。47校は88%以下で、平均は82.58%でした。
Q. ボーダーちょうどだと危ないですか?
A. ボーダーは合格可能性50%のラインです。実際の合格者平均と並べると、50校平均の差は +0.05 ポイントで、17校では合格者平均のほうが低くなっていました。「ボーダー+5%が要る」という数字は、このデータからは出てきません。
Q. 足切りは何%で切られますか?
A. 点数を公表している大学は66.6%から81.1%です(鳥取大学613/920点〜奈良県立医科大学730/900点)。ただしこれは出願を受け付ける最低ラインで、合格ラインではありません。残りの大学は倍率で判断します。
Q. 志願倍率が予告倍率を超えたら、必ず足切りされますか?
A. されません。2026年度入試の前期日程では、予告した57区分のうち実際に実施したのは36区分(63.2%)で、21区分は実施しませんでした。
Q. このボーダーはいつの数字ですか?
A. 河合塾の方式別ランク9月版(2026年9月7日更新)の、2027年度入試の予想です。河合塾は秋に改訂するので、共通テスト前にもう一度確認してください。
まとめ|国公立医学部の共通テストボーダーで押さえる5点
①2027年度予想のボーダー得点率は、50校で78%から90%です。最高は東京大学(理科三類)の90%、最低は弘前大学と旭川医科大学の78%。平均82.58%、中央値82%でした。
②「9割必要」は50校のうち1校の話です。47校は88%以下です。
③ボーダーと実際の合格者平均は、ほぼ同じ位置にありました。50校平均の差は +0.05 ポイント、17校では合格者平均のほうが低い。上乗せを前提にする必要はありません。
④足切りは50校すべてが予告しています。点数で切る大学の基準は66.6〜81.1%で、これは合格ラインではなく出願の最低ラインです。
⑤予告どおりには切られません。2026年度は予告57区分に対し、実施は36区分(63.2%)でした。
この記事を書き直したのは、1年前の予想を載せたまま、たくさんの方に読まれ続けていたからです。しかも旧版には「共通テストでの高得点競争が激化している」と書いてありました。根拠は示していませんでした。
今回は、書ける数字だけを全部出しました。そのうえでいちばん伝えたいのは、ボーダーは「越えるべき壁」ではなく「候補を10校に絞るための物差し」だということです。1点を上乗せする計画より、その帯にどの大学があるかを知っているほうが、1月以降の判断はずっと速くなります。
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・国公立医学部偏差値ランキング2027|共テ平均919〜762点・全50校
・共通テストの配点比率が低い国公立医学部|東大は20%|2027年度入試
本日の記事は以上です。
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【当校の特徴】
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【校風】アットホームな大家族予備校
◆筆者プロフィール
後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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