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国公立医学部の共通テストボーダー|2027年度は78〜90%

2026年08月28日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。

この記事は、毎年いちばん多く読まれる記事のひとつです。そして1年前の数字を載せたままになっていました。今日、2027年度入試のものに丸ごと入れ替えます。

先に答えを書きます。国公立医学部50校の共通テストのボーダー得点率は、2027年度予想で78%から90%。9割を超えるのは東京大学(理科三類)の1校だけです。

そしてこの記事でいちばん書きたかったのは、その先です。ボーダーと「実際に受かった人の平均」を50校ぶん並べたら、ほとんど同じ位置にありました。差は平均で+0.05ポイント。50校のうち17校では、合格者平均のほうがボーダーを下回っていました。

この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。

− 国公立の医学部って、共通テストで何%取れば届くの?

− 「9割ないと無理」ってよく聞くけど、本当?

− ボーダーちょうどだと危ない? 何%上乗せすればいいの?

ひとつずつお答えします。

 

 

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結論|2027年度のボーダーは78〜90%。9割は1校だけです

まず、この記事で使う言葉をはっきりさせておきます。

ボーダー得点率=合格可能性50%のライン。河合塾が模試の結果と実際の合否から出している予想値で、この記事の数字は2026年9月7日更新(方式別ランク9月版)の2027年度入試の予想です。改訂のたびに差し替えます。

国公立医学部の共通テストボーダー得点率の上位6校。東京大学理科三類90パーセント、京都大学と東京科学大学89パーセント
出典:河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表(方式別ランク)」9月版(2026年9月7日更新)より太宰府アカデミー集計
大学 ボーダー得点率 2次偏差値
1 東京大学(理科三類) 90% 72.5
2 京都大学 89% 70.0
3 東京科学大学 89% 70.0
4 大阪大学 87% 70.0
5 名古屋大学 86% 67.5
6 千葉大学 86% 67.5

読み取れることは3つあります。

①50校の幅は78%から90%。開きは12ポイントあります。いちばん高いのが東京大学(理科三類)の90%、いちばん低いのが弘前大学と旭川医科大学の78%です。

②「医学部は9割ないと無理」は、50校のうち1校の話です。89%が京都大学と東京科学大学の2校。残り47校は88%以下で、50校の平均は82.58%、中央値は82%でした。

③2次試験の偏差値とは別物です。共通テストのボーダーが同じ82%でも、2次の偏差値は62.5から65.0まで分かれます。共通テストだけで志望校は決まりません。

 

国公立医学部50校の共通テストボーダー一覧|2027年度入試

全50校を、ボーダー得点率の高い順に並べました。合格者平均(2026年度入試で実際に合格した人の共通テスト平均・1000点換算)も同じ行に置いています。この2つを並べた表は、たぶん他にありません。

大学 ボーダー
得点率
合格者平均
(1000点換算)
2次
偏差値
1 東京大学(理科三類) 90% 919点 +1.9 72.5
2 京都大学 89% 897点 +0.7 70.0
3 東京科学大学 89% 892点 +0.2 70.0
4 大阪大学 87% 877点 +0.7 70.0
5 名古屋大学 86% 873点 +1.3 67.5
6 千葉大学 86% 870点 +1.0 67.5
7 神戸大学 86% 863点 +0.3 67.5
8 奈良県立医科大学 86% 862点 +0.2
9 横浜市立大学 86% 861点 +0.1 67.5
10 九州大学 85% 869点 +1.9 67.5
11 東北大学 85% 858点 +0.8 67.5
12 山梨大学 85% 853点 +0.3 67.5
13 大阪公立大学 85% 844点 -0.6 67.5
14 筑波大学 85% 841点 -0.9 65.0
15 北海道大学 84% 846点 +0.6 67.5
16 岡山大学 84% 841点 +0.1 65.0
17 新潟大学 84% 805点 -3.5 65.0
18 京都府立医科大学 83% 840点 +1.0 65.0
19 信州大学 83% 831点 +0.1 62.5
20 名古屋市立大学 83% 820点 -1.0 65.0
21 広島大学 83% 819点 -1.1 65.0
22 三重大学 82% 828点 +0.8 65.0
23 熊本大学 82% 826点 +0.6 62.5
24 徳島大学 82% 822点 +0.2 62.5
25 滋賀医科大学 82% 820点 +0.0 65.0
26 岐阜大学 82% 810点 -1.0 65.0
27 金沢大学 82% 807点 -1.3 65.0
28 鳥取大学 82% 803点 -1.7 62.5
29 浜松医科大学 82% 801点 -1.9 65.0
30 香川大学 82% 795点 -2.5 62.5
31 山口大学 81% 825点 +1.5 62.5
32 鹿児島大学 81% 823点 +1.3 62.5
33 宮崎大学 81% 816点 +0.6 62.5
34 群馬大学 81% 814点 +0.4 62.5
35 佐賀大学 81% 813点 +0.3 62.5
36 山形大学 81% 812点 +0.2 62.5
37 和歌山県立医科大学 81% 799点 -1.1 62.5
38 長崎大学 81% 797点 -1.3 65.0
39 秋田大学 80% 807点 +0.7 62.5
40 大分大学 80% 805点 +0.5 62.5
41 高知大学 80% 783点 -1.7 62.5
42 福井大学 79% 817点 +2.7 62.5
43 琉球大学 79% 813点 +2.3 62.5
44 札幌医科大学 79% 807点 +1.7 62.5
45 富山大学 79% 805点 +1.5 62.5
46 福島県立医科大学 79% 798点 +0.8 62.5
47 愛媛大学 79% 784点 -0.6 62.5
48 島根大学 79% 776点 -1.4 62.5
49 旭川医科大学 78% 767点 -1.3 62.5
50 弘前大学 78% 762点 -1.8 62.5

出典:ボーダー得点率は河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表(方式別ランク)」(9月版・2026年9月7日更新)、合格者平均は河合塾 入試結果調査(2026年度入試)。いずれも前期日程・一般枠。地域枠は別のボーダーが設定されている大学があります。

この表の使い方を1つだけ。「共通テストで82%取れそうだ」と思ったら、82%前後の大学をまとめて見てください。三重・熊本・徳島・滋賀医科・岐阜・金沢・鳥取・浜松医科・香川——同じ82%の帯に9校あります。そのうえで2次の科目・配点・面接の比重で絞るのが、実際の出願の作業になります。

 

★ボーダーと「実際に受かった人の平均」は、ほぼ同じでした

ここがこの記事の本題です。

「ボーダーはあくまで50%のラインだから、実際にはもっと取らないと受からない」——よく聞く話です。僕もそう思っていました。50校ぶん並べて、確かめました。

共通テストのボーダー得点率と、実際に合格した人の平均得点率の比較。50校平均の差は+0.05ポイント
出典:ボーダーは河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表」、合格者平均は河合塾 入試結果調査(2026年度入試)
大学 ボーダー
(2027年度予想)
合格者平均
(2026年度)
福井大学 79% 81.7% +2.7
琉球大学 79% 81.3% +2.3
東京大学(理科三類) 90% 91.9% +1.9
九州大学 85% 86.9% +1.9
札幌医科大学 79% 80.7% +1.7
浜松医科大学 82% 80.1% -1.9
香川大学 82% 79.5% -2.5
新潟大学 84% 80.5% -3.5

結果はこうでした。

①50校をならすと、差は +0.05 ポイントでした。ボーダーの平均が82.58%、合格者平均の得点率が82.63%。ほとんど同じ位置にあります。

②50校のうち17校では、合格者平均のほうがボーダーを下回っていました。新潟大学と香川大学は −2.5ポイント、浜松医科大学は −1.9ポイント。「ボーダーちょうどでは足りない」は、この17校では成り立ちません。

③逆に上振れしていたのは、福井大学の +2.7ポイントが最大でした。琉球大学 +2.3、東京大学(理科三類)と九州大学が +1.9と続きます。

なぜ下回る大学があるのか。合格者平均には、推薦・総合型で合格した人が含まれるからです。年内入試の合格者は共通テストの比重が低い(あるいは課さない)ことがあり、その分だけ平均が下がります。つまり一般選抜だけで見れば、もう少し高いはずです。それでも「ボーダー+5%が要る」という話にはなりません。

※ 年度の違う数字を並べています。ボーダーは2027年度の予想、合格者平均は2026年度入試の実績です。ここを混ぜて「1年で下がった」とは読まないでください。

 

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ボーダーの前に足切りがあります|点数で切る11校は66.6〜81.1%

もう1つ、ボーダーと混同されやすいものがあります。2段階選抜(足切り)です。

国公立医学部は前期日程で50校すべてが足切りを予告しています。「うちは足切りが無い」という大学は1校もありません。

そして予告の型は4つに分かれます。倍率だけで決める大学が42区分、共通テストの点数そのものを基準にする大学が13区分です。「足切りは倍率で決まる」と書いてある記事が多いのですが、正確ではありません。

共通テストの点数で2段階選抜を行う国公立医学部。奈良県立医科大学81.1パーセントから鳥取大学66.6パーセントまで
出典:河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026年度入試)より太宰府アカデミー集計
大学 基準点 得点率 倍率も使うか
奈良県立医科大学 730/900点 81.1% かつ15倍
横浜市立大学 750/1000点 75.0% かつ3倍
名古屋市立大学 438/600点 73.0% かつ3倍
京都大学 700/1000点 70.0% かつ3倍
大阪大学 700/1000点 70.0% かつ3倍
大阪公立大学 700/1000点 70.0% かつ3倍
和歌山県立医科大学 630/900点 70.0% かつ3.4倍
名古屋大学 650/950点 68.4% 倍率は無し(点数のみ)
岡山大学 374/550点 68.0% かつ3倍
徳島大学 600/900点 66.7% かつ5倍
鳥取大学 613/920点 66.6% 倍率は無し(点数のみ)

公表されている基準点は66.6%から81.1%。いちばん高いのが奈良県立医科大学の730/900点(81.1%)、いちばん低いのが鳥取大学の613/920点(66.6%)です。「医学部の足切りは9割」は、公表値では成り立ちません。

ただし、ここを取り違えないでください。この基準点は「出願を受け付ける最低ライン」であって、合格ラインではありません。合格するには、その大学のボーダー得点率が要ります。京都大学は足切り70.0%、ボーダー89%。19ポイント違います。

名古屋大学(650/950点=68.4%)と鳥取大学(613/920点=66.6%)は、倍率を使わず点数だけで切ります。この2校では、志願倍率が低くても点が足りなければ切られます。

 

予告倍率は2.5倍から8倍まで|ただし予告どおりには切られません

倍率型の大学も見ておきます。

国公立医学部の2段階選抜の予告倍率。九州大学2.5倍から島根大学8倍まで。予告57区分のうち実施は36区分
出典:河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026年度入試)より太宰府アカデミー集計
予告倍率 大学
2.5倍 九州大学、筑波大学(一般枠・単願)
2.8倍 東京大学(理科三類)※2026年度に3倍から変更
3.0倍 千葉大学、金沢大学、岐阜大学、神戸大学、京都府立医科大学、大分大学
3.5倍 北海道大学、東北大学
5倍 秋田、山形、札幌医科、富山、福井、三重、広島、佐賀、鹿児島、琉球
5.5倍 長崎大学
6倍 弘前大学(※2026年度に8倍から変更)、愛媛大学、宮崎大学
7倍 山口大学
8倍 島根大学

いちばん厳しいのが九州大学と筑波大学(一般枠・単願)の2.5倍、次いで東京大学(理科三類)の2.8倍。東京大学は2026年度に3倍から2.8倍へ下げています。

いちばん緩いのが島根大学の8倍、次いで山口大学の7倍。弘前大学は2026年度に8倍から6倍へ厳しくしました。

そして、いちばん知られていないのがこれです。

2026年度入試の前期日程では、57区分すべてが足切りを予告していましたが、実際に実施したのは36区分(63.2%)でした。21区分は、予告はしたが実施しませんでした。

つまり「予告倍率を超えたら必ず切られる」わけではありません。志願者数が予告倍率に届かなければ実施されませんし、届いても実施しないことがあります。

逆に言えば、倍率だけを見て出願先を変えるのは、根拠が弱い判断ということになります。

 

太宰府アカデミーの視点|ボーダーの使い方3つ

ここまでの数字を、出願でどう使うか。観点を3つ挙げます。

①ボーダーは「1校を選ぶ物差し」ではなく「帯で絞る物差し」として使う。
50校が78%から90%までの12ポイントに並んでいます。1ポイント刻みで見ると、同じ帯に5校から9校が入ります。まず自分の得点帯で候補を10校前後に絞り、そこから2次の科目と配点で選ぶ。この順番のほうが、出願直前に慌てずに済みます。

②「ボーダー+◯%」という上乗せは、データからは出てきません。
50校平均で差は +0.05 ポイント、17校では合格者平均のほうが低い。上乗せを自分に課すより、2次の配点比率を確認するほうが効きます。共通テストの比率が低い大学では、共通テストで多少足りなくても2次で返せます(→ 共通テストの配点比率が低い国公立医学部|東大は20%)。

③足切りとボーダーを、別々にメモしておく。
この2つは目的が違います。足切りは「出願していいか」、ボーダーは「受かりそうか」。京都大学は足切り70.0%、ボーダー89%で19ポイント離れています。共通テスト後の数日は判断する時間がありません。志望校の2つの数字を、いま紙に書いておいてください。

そのうえで、この記事の数字は方式別ランク9月版(2026年9月7日更新)の予想です。河合塾は秋にボーダーを改訂します。共通テストの直前にもう一度見直すことを前提に使ってください。

 

よくある質問

Q. 国公立医学部は共通テストで9割必要ですか?
A. 50校のうち9割を超えるのは東京大学(理科三類)の90%だけです。89%が京都大学と東京科学大学。47校は88%以下で、平均は82.58%でした。

Q. ボーダーちょうどだと危ないですか?
A. ボーダーは合格可能性50%のラインです。実際の合格者平均と並べると、50校平均の差は +0.05 ポイントで、17校では合格者平均のほうが低くなっていました。「ボーダー+5%が要る」という数字は、このデータからは出てきません。

Q. 足切りは何%で切られますか?
A. 点数を公表している大学は66.6%から81.1%です(鳥取大学613/920点〜奈良県立医科大学730/900点)。ただしこれは出願を受け付ける最低ラインで、合格ラインではありません。残りの大学は倍率で判断します。

Q. 志願倍率が予告倍率を超えたら、必ず足切りされますか?
A. されません。2026年度入試の前期日程では、予告した57区分のうち実際に実施したのは36区分(63.2%)で、21区分は実施しませんでした。

Q. このボーダーはいつの数字ですか?
A. 河合塾の方式別ランク9月版(2026年9月7日更新)の、2027年度入試の予想です。河合塾は秋に改訂するので、共通テスト前にもう一度確認してください。

 

まとめ|国公立医学部の共通テストボーダーで押さえる5点

①2027年度予想のボーダー得点率は、50校で78%から90%です。最高は東京大学(理科三類)の90%、最低は弘前大学と旭川医科大学の78%。平均82.58%、中央値82%でした。

②「9割必要」は50校のうち1校の話です。47校は88%以下です。

③ボーダーと実際の合格者平均は、ほぼ同じ位置にありました。50校平均の差は +0.05 ポイント、17校では合格者平均のほうが低い。上乗せを前提にする必要はありません。

④足切りは50校すべてが予告しています。点数で切る大学の基準は66.6〜81.1%で、これは合格ラインではなく出願の最低ラインです。

⑤予告どおりには切られません。2026年度は予告57区分に対し、実施は36区分(63.2%)でした。

この記事を書き直したのは、1年前の予想を載せたまま、たくさんの方に読まれ続けていたからです。しかも旧版には「共通テストでの高得点競争が激化している」と書いてありました。根拠は示していませんでした。

今回は、書ける数字だけを全部出しました。そのうえでいちばん伝えたいのは、ボーダーは「越えるべき壁」ではなく「候補を10校に絞るための物差し」だということです。1点を上乗せする計画より、その帯にどの大学があるかを知っているほうが、1月以降の判断はずっと速くなります。

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本日の記事は以上です。

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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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