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国公立医学部の合格最低点は7〜8割|得点率一覧|2026年度入試

2026年08月22日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。

共通テストの出願が9月15日から始まります。志望校を最終的に決める時期なので、今日は国公立医学部の合格最低点を、大学が公表している実数だけで整理します。

この記事を書くのには、はっきりした理由があります。「医学部は9割いる」という言葉が、あまりにも独り歩きしているからです。生徒からも保護者の方からも、この言葉を前提にした相談を毎年受けます。

結論を先に言うと、その言葉には主語が抜けています。皆さん、こんなふうに思っていませんか。

− 国公立の医学部って、9割取らないと受からないんでしょ?

− 共通テストで失敗したら、その時点で終わりなんでしょ?

− 得点率が低い大学を選べば、その分入りやすいんでしょ?

3つとも、答えは「いいえ」です。順番に数字で見ていきます。

結論:総合点で9割を超えた区分は、49のうち1つもありません

2026年度入試(前期日程)で、国公立医学部が公表した合格最低点を全部集めました。共通テストと2次試験を合わせた「総合点」の得点率が計算できたのは49区分です。

国公立医学部の合格最低点の得点率。よく言われる9割に対し、実際は中央値75.5%・平均73.7%・最高83.5%・最低60.5%で9割超えは0区分
出典:河合塾 Kei-Net「国公立大入試 合格最高点・最低点・平均点一覧」(各大学の公表値)をもとに太宰府アカデミー集計(2026年度・前期・49区分)

結果はこうです。中央値75.5%、平均73.7%。いちばん高い奈良県立医科大学でも83.5%、いちばん低い千葉大学の千葉県地域枠は60.5%。そして9割を超えた区分は49のうち1つもありませんでした。80%以上は4区分だけで、逆に70%未満が12区分あります。

「医学部は9割」は、共通テストの得点率だけを指した言葉です。共通テストと2次試験を合わせた総合点で見ると、合格最低点は7割前後から8割前後に収まります。ここを取り違えると、志望校選びも学習計画もずれます。

49区分の得点率一覧【2026年度・前期日程】

全部載せます。総合配点・合格最低点・得点率を、得点率の高い順に並べました。

得点率の順位 大学・枠 総合配点 合格最低点 得点率
1位 奈良県立医科大学 医 1,000点 835.0点 83.5%
2位 広島大学 医(A(s)配点) 2,800点 2,336.0点 83.4%
3位 北海道大学 医 840点 684.2点 81.5%
4位 鹿児島大学 医 1,845点 1,488.0点 80.7%
5位 広島大学 医(A(em)配点) 2,800点 2,221.0点 79.3%
6位 佐賀大学 医 940点 740.5点 78.8%
7位 秋田大学 医 1,000点 786.5点 78.6%
8位 岡山大学 医 1,650点 1,292.5点 78.3%
9位 三重大学 医(一般枠) 1,350点 1,049.7点 77.8%
10位 筑波大学 医(一般枠) 2,350点 1,820.0点 77.4%
11位 長崎大学 医 1,355点 1,048.3点 77.4%
12位 島根大学 医 1,650点 1,273.9点 77.2%
13位 広島大学 医(B配点) 2,800点 2,161.0点 77.2%
14位 鳥取大学 医(一般枠) 1,620点 1,248.8点 77.1%
15位 大阪大学 医 2,000点 1,532.0点 76.6%
16位 弘前大学 医(一般枠) 1,950点 1,491.0点 76.5%
17位 大阪公立大学 医 1,575点 1,202.8点 76.4%
18位 神戸大学 医 860点 656.2点 76.3%
19位 大分大学 医(一般枠) 1,050点 800.0点 76.2%
20位 熊本大学 医 1,300点 988.5点 76.0%
21位 徳島大学 医 1,300点 986.0点 75.8%
22位 金沢大学 医 3,050点 2,311.5点 75.8%
23位 琉球大学 医 1,800点 1,360.0点 75.6%
24位 山形大学 医(一般枠) 1,650点 1,246.3点 75.5%
25位 愛媛大学 医 1,200点 906.2点 75.5%
26位 名古屋大学 医 2,750点 2,058.0点 74.8%
27位 信州大学 医 1,100点 820.7点 74.6%
28位 横浜市立大学 医 2,400点 1,775.4点 74.0%
29位 鳥取大学 医(鳥取県枠) 1,620点 1,197.2点 73.9%
30位 高知大学 医(一般枠) 1,950点 1,436.3点 73.7%
31位 香川大学 医(一般枠) 1,400点 1,028.2点 73.4%
32位 九州大学 医 1,175点 853.8点 72.7%
33位 浜松医科大学 医 1,175点 832.8点 70.9%
34位 弘前大学 医(青森県定着枠) 1,950点 1,380.0点 70.8%
35位 滋賀医科大学 医(一般枠) 1,250点 885.6点 70.8%
36位 旭川医科大学 医 920点 650.6点 70.7%
37位 千葉大学 医(一般枠) 1,475点 1,039.0点 70.4%
38位 東京科学大学 医 540点 375.6点 69.5%
39位 福島県立医科大学 医 1,360点 943.9点 69.4%
40位 京都大学 医 1,275点 876.6点 68.8%
41位 札幌医科大学 医 1,550点 1,065.5点 68.7%
42位 京都府立医科大学 医 1,100点 750.0点 68.2%
43位 名古屋市立大学 医 1,800点 1,228.4点 68.2%
44位 富山大学 医 1,700点 1,156.1点 68.0%
45位 宮崎大学 医 1,600点 1,066.0点 66.6%
46位 和歌山県立医科大学 医(一般枠) 1,300点 832.8点 64.1%
47位 東京大学 医(理科三類) 550点 346.1点 62.9%
48位 和歌山県立医科大学 医(県民医療枠A) 1,300点 794.5点 61.1%
49位 千葉大学 医(千葉県地域枠) 1,475点 893.0点 60.5%
49区分の中央値 75.5%

上位は奈良県立医科大学83.5%、広島大学A(s)配点83.4%、北海道大学81.5%、鹿児島大学80.7%。下位は千葉大学の千葉県地域枠60.5%、和歌山県立医科大学の県民医療枠A 61.1%、そして東京大学 理科三類の62.9%です。

東京大学が下から3番目に来ている——この時点で「得点率が低い=入りやすい」が成り立たないことが分かります。理由は後の章で説明します。

出典:河合塾 Kei-Net「国公立大入試 合格最高点・最低点・平均点一覧」(元は各大学の公表値)をもとに太宰府アカデミー集計。2026年度入試・前期日程・総合点(共通テスト+2次)で計算できた49区分

なお、合格最低点そのものを公表していない大学もあります。

区分 大学
2026年度・前期の合格最低点を公表していない 東北大学、新潟大学、福井大学、山梨大学、岐阜大学、山口大学(6校)
合格最低点は公表しているが、共テ・2次の配点内訳を公表していない 49区分のうち22区分

2次で決まる大学と、共通テストで決まる大学があります

次が実務的に効く話です。国公立医学部は共通テストと2次試験の配点の比率が、大学によってまるで違います。

国公立医学部の2次試験の配点比率。大阪大学75.0%から徳島大学30.8%まで2.4倍の開きがある
出典:河合塾 Kei-Net の配点をもとに太宰府アカデミー集計(2026年度・前期・内訳を公表している27区分)

2次試験の配点比率がいちばん高いのは大阪大学の75.0%(総合2,000点のうち2次が1,500点)。いちばん低いのは徳島大学の30.8%(総合1,300点のうち2次は400点)。同じ国公立医学部で2.4倍の開きがあります。

大学 総合配点 共テ配点 2次配点 2次配点比率
大阪大学 2,000 500 1,500 75.0%
金沢大学 3,050 950 2,100 68.9%
名古屋市立大学 1,800 600 1,200 66.7%
岡山大学 1,650 550 1,100 66.7%
長崎大学 1,355 465 890 65.7%
広島大学 2,800 1,000 1,800 64.3%
広島大学 2,800 1,000 1,800 64.3%
広島大学 2,800 1,000 1,800 64.3%
熊本大学 1,300 500 800 61.5%
愛媛大学 1,200 500 700 58.3%
横浜市立大学 2,400 1,000 1,400 58.3%
大阪公立大学 1,575 675 900 57.1%
京都府立医科大学 1,100 500 600 54.5%
信州大学 1,100 500 600 54.5%
三重大学 1,350 650 700 51.9%
高知大学 1,950 950 1,000 51.3%
高知大学 1,950 950 1,000 51.3%
香川大学 1,400 700 700 50.0%
香川大学 1,400 700 700 50.0%
琉球大学 1,800 1,000 800 44.4%
島根大学 1,650 930 720 43.6%
島根大学 1,650 930 720 43.6%
富山大学 1,700 1,000 700 41.2%
秋田大学 1,000 600 400 40.0%
旭川医科大学 920 570 350 38.0%
佐賀大学 940 640 300 31.9%
徳島大学 1,300 900 400 30.8%

2次比率が高いほうから金沢大学68.9%、名古屋市立大学と岡山大学が66.7%、長崎大学65.7%。低いほうは佐賀大学31.9%、旭川医科大学38.0%、秋田大学40.0%と続きます。

出典:河合塾 Kei-Net の配点をもとに太宰府アカデミー集計(2026年度・前期)。共テ配点+2次配点=総合配点が、内訳を公表している27区分すべてで一致することを検算しています

共通テストで思うように取れなかった年に、どこへ出すかを決める軸がこれです。共通テストの比重が小さい大学なら、2次で挽回できる幅が大きい。逆に共通テストが得意なら、比重の大きい大学のほうが有利に働きます。

ただし、配点だけで出願先を決めるのは危険です。2次比率が高くても、その大学の2次試験の出題形式が自分に合わなければ点は取れません。配点表を見て候補を絞ったら、必ず過去問を解いて相性を確かめてください。ここはセットです。

一般枠と地域枠で、合格最低点はどれだけ違うか

「地域枠は入りやすい」とよく言われます。同じ大学・同じ配点で、一般枠と地域枠の合格最低点を両方公表している4校で確かめました。

同じ大学の一般枠と地域枠の合格最低点の比較。千葉大学・弘前大学・鳥取大学・和歌山県立医科大学の4校とも地域枠のほうが低い
出典:河合塾 Kei-Net(各大学の公表値)をもとに太宰府アカデミー集計(2026年度・前期)

4校すべてで地域枠のほうが低く、差は3.0〜9.9ポイント。いちばん大きいのは千葉大学で、一般枠70.4%に対して千葉県地域枠は60.5%です。

大学 一般枠の合格最低点 得点率 地域枠の名称 地域枠の合格最低点 得点率
千葉大学 1,039.0点 70.4% 千葉県地域枠 893.0点 60.5% ▲9.9ポイント
弘前大学 1,491.0点 76.5% 青森県定着枠 1,380.0点 70.8% ▲5.7ポイント
鳥取大学 1,248.8点 77.1% 鳥取県枠 1,197.2点 73.9% ▲3.2ポイント
和歌山県立医科大学 832.75点 64.1% 県民医療枠A 794.5点 61.1% ▲3.0ポイント

弘前大学は青森県定着枠で5.7ポイント、鳥取大学は鳥取県枠で3.2ポイント、和歌山県立医科大学は県民医療枠Aで3.0ポイント低い。4校とも同じ向きに差が出ています。

出典:河合塾 Kei-Net(各大学の公表値)をもとに太宰府アカデミー集計(2026年度・前期)

ただし、これを「地域枠は楽」と読まないでください。地域枠には卒業後9年前後の従事要件がつきます。地域枠の約4割は診療科まで指定されていますし、全国の地域枠のうち58.7%は地元出身要件つきで、そもそも県外から出願できません。募集人員が少ないので、年による振れも大きい枠です。制度の中身は別の記事にまとめてあるので、そちらもあわせて読んでください。

得点率を大学どうしで並べて比べてはいけません

ここがこの記事でいちばん大事な注意です。得点率が低い=入りやすい、ではありません。配点の作り方で数字が動くからです。

国公立医学部の合格最低点の得点率を大学どうしで並べて比べてはいけない理由。東京大学は配点の圧縮により62.9%で下から3番目になる
出典:河合塾 Kei-Net(各大学の公表値)と各大学の令和9年度選抜要項をもとに太宰府アカデミー作成
よくある読み方 実際はどうか
得点率が低い大学ほど入りやすい 東京大学 理科三類は62.9%で下から3番目。共通テスト900点を110点に圧縮し、2次440点と合わせた総合550点で判定するため、総合点の得点率は構造的に低く出る
同じ大学なら1つの数字が出る 広島大学はA(s)配点83.4%・A(em)配点79.3%・B配点77.2%の3つ。同じ2,800点満点でも、選ぶ配点で6.2ポイント違う
得点率が低い=競争がゆるい 九州大学は72.7%だが、2段階選抜の予告倍率2.5倍は全国で最も厳しい水準。足切りの厳しさと合格最低点の得点率は別の指標
去年の得点率がそのまま今年の目標になる 合格最低点はその年の受験者の顔ぶれと問題の難易度で動く。見るなら大学どうしではなく、同じ大学の複数年の幅で見る

いちばん分かりやすいのが東京大学です。東大は共通テスト900点を110点に圧縮し、2次440点と合わせた総合550点で判定します。共通テストの比重が小さいぶん、総合点の得点率は構造的に低く出る。日本で最も難しい医学科の1つが、得点率では下から3番目に来るのはそのためです。

広島大学も同じです。A(s)配点・A(em)配点・B配点の3パターンがあり、同じ2,800点満点なのに合格最低点は83.4%・79.3%・77.2%と6.2ポイント違います。大学名だけで1つの数字を覚えると外します。

九州大学の72.7%も要注意です。中央値75.5%より低いのですが、2段階選抜の予告倍率2.5倍は全国で最も厳しい水準です。足切りの厳しさと合格最低点の得点率は、まったく別の指標です。

太宰府アカデミーの視点|共通テストの出願前に決めておくこと

共通テストの出願は9月15日から10月2日まで。ここまでの数字を、実際にどう使うかを3つ挙げます。

1つめ。目標点は「共通テストで何%」ではなく「総合点で何点」で置く。志望校の総合配点と合格最低点は、この記事の表にあります。たとえば徳島大学なら総合1,300点で合格最低点986.0点。共通テスト900点・2次400点という配点まで分かっているので、共通テストで何点取れば2次で何点必要かまで自分で計算できます。「9割」という漠然とした数字より、この計算のほうがはるかに役に立ちます。

2つめ。2次比率は「共テで失敗したときの保険」として先に調べておく。1月の自己採点の直後に配点を調べ始めると、出願まで2週間しかありません。いま、志望校と併願候補の2次比率を表にしておいてください。そのうえで、比率の高い大学を候補に入れるなら、その大学の2次の過去問を秋のうちに1年分は解いておく。配点が有利でも、出題形式が合わなければ意味がないからです。

3つめ。地域枠を考えるなら、点数の差より先に要件を読む。合格最低点が3.0〜9.9ポイント低いのは事実ですが、その差は卒業後9年前後の勤務と引き換えです。従事する地域・診療科・離脱したときの取り扱いを、募集要項と都道府県の要綱の両方で確認してから決めてください。点数だけで選ぶ枠ではありません。

数字の出どころも書いておきます。この記事の合格最低点と配点は、河合塾 Kei-Net が集計した各大学の公表値です。2026年度入試・前期日程の結果で、2027年度入試の配点は各大学の令和9年度学生募集要項で変わることがあります。出願前に必ず最新の要項をご確認ください。

まとめ

国公立医学部の合格最低点について、大学の公表値で確かめた結果をまとめます。

  • 共通テストと2次を合わせた総合点で、9割を超えた区分は49のうち0。中央値75.5%・平均73.7%で、7割前後から8割前後に収まります
  • いちばん高いのは奈良県立医科大学の83.5%、いちばん低いのは千葉大学 千葉県地域枠の60.5%。80%以上は4区分、70%未満は12区分でした
  • 「医学部は9割」は共通テストだけの話です。総合点の話と混ぜないでください
  • 2次配点比率は大阪大学75.0%から徳島大学30.8%まで2.4倍の開き。共通テストで失敗した年に、どこへ出すかを決める軸になります。ただし配点で候補を絞ったら過去問で相性を確かめてください
  • 一般枠と地域枠を両方公表している4校では、地域枠のほうが3.0〜9.9ポイント低い。ただし卒業後9年前後の従事要件と、診療科・地元出身要件がつきます
  • 得点率を大学どうしで並べて比べてはいけません。東京大学 理科三類は共通テスト900点を110点に圧縮する配点のため62.9%で下から3番目。広島大学は同じ大学の中で3つの配点があり6.2ポイント違います
  • 東北大学・新潟大学・福井大学・山梨大学・岐阜大学・山口大学の6校は、2026年度前期の合格最低点を公表していません

共通テストの出願は9月15日からです。「9割」という言葉ではなく、志望校の総合配点と合格最低点という2つの実数で目標を置き直してください。この記事の表がそのまま使えます。

大学を出てから医師を目指す人向けに、共通テストの要らない入口もまとめています。→ 医学部の学士編入18校|出願は4月から10月に散らばる

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では、本日の記事は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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