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医学部地域枠の難易度は?メリットとデメリットをご紹介!

2022年01月30日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。

「医学部の地域枠の難易度が知りたい」
「地域枠にはどのようなメリットがあるのか知りたい」

医学部に受験しようと思っていて、このようなお悩みをお持ちの方はいませんか。
今回は、医学部地域枠のメリットやデメリット、どのような人に向いているのかも合わせてご紹介します。
ぜひ参考になれば幸いです。

 

医学部の地域枠受験とは?

以前のブログでも書きましたが、医学部の「地域枠受験」とは、医学部を卒業した後に僻地(へきち)医療や小児科・産科医療といった、人材確保が難しい領域で医師として働く代わりに、学費の一部または全額を奨学金として貸与してもらえる制度です。
加えて、大学卒業後は原則規定の年数(約9年)、地方自治体や大学から指定された地域で医師として従事することが出願条件となっています。

およそ9年間の勤務地の制限がある代わりに、地方自治体や大学によって就学資金の支援があったり奨学金制度が充実していたりします。
地域枠はそれぞれ、修学資金の支援金額や返還免除条件は異なります。

例えば、東北医科薬科大学(A方式)では、 宮城県が修学資金を3000万円負担してくれる制度があります。
そして、大学卒業後は県知事が指定する地域で10年間働くことになります。
10年間医師として働いたら、修学資金3000万円は返還する必要がなくなるということです。
しかし、もしこの10年間の間に地域枠から離脱することになれば、3000万円はすぐに返還する義務が生じます。

地域枠は一般選抜と比べて「入学しやすい」と言われることがしばしばありますが、一概にそうとは限りません。
確かに、修学資金の支援がない(or 少ない)地域枠では、一般選抜よりも入学がしやすくなっているのが一般的です。
しかし、修学資金の支援や奨学金制度が整っている地域枠では、金額によっては一般選抜よりも受験合格が難しいこともあります。
例えば、先ほど例に挙げた東北医科薬科大学では3000万円の資金支援があるため、一般入試(偏差値65)より地域枠(偏差値67.5)の方が偏差値が高くなっています。

このように地域枠といってもさまざまなので、地域枠選抜を検討している方は各大学の募集要項を詳しくチェックしてみてください。

 

医学部地域枠のメリットとデメリット

 

医学部地域枠のメリット

1つ目のメリットは、入学後の勉強の質が保証されることです。
先ほどお伝えしたように、修学資金の支援がない地域枠では、一般選抜よりも地域枠の方が入学しやすくなっています。
入学しやすいということは、学力が低くストレート卒業率や国試の現役合格率も低いのでは?といった心配も出てくるのではないでしょうか。

地域枠は一般選抜よりも学力が低いという誤解はしばしば言われますが、実際は地域枠の方がストレート卒業率も国試の合格率も高いというデータが出ています。

例えば2016年度のデータでは、全地域枠の平均ストレート卒業率が85.9%、国試の平均現役合格率が94.7%なのに対し、全一般枠の平均ストレート卒業率は83.2%、国試の平均現役合格率は91.4%となっています。
(文部科学省 地域枠入学制度と地域医療支援センターの実情に関する調査報告)
つまり、地域枠での医学部入学であっても入学後の勉強の質は担保されており、高い進学率や合格率の環境で勉学に励むことができます。この話には地域枠の制約部分(1年留年すると、1.5年指定地域での勤務が伸びる)も関わっているので、一概には言えませんが。

2つ目は、学費が抑えられることです。
学費減免制度や奨学金がセットになっている大学もあるため、学費が抑えられることもメリットです。
比較的学費が高額になる私立大学の医学部であっても、地域枠受験を使うことで経済的な負担を大きく軽減できます。

例えば、東京の私立大学である順天堂大学では、地域枠選抜の合格者に対して修学費(入学金、6年間の授業料・施設設備費・教育充実費の全額)、生活費(月額10万円)の貸与制度を設けています。
また、一定の要件を満たすことで、奨学金の返還も免除されます。

※参照:河合塾医進塾 給費生・特待生・奨学生入試を実施する私立大学一覧2022

このように、大学によっては修学資金の支援や奨学金の返還免除などありがたい特典を享受できるのは、地域枠の大きなメリットです。

 

医学部地域枠のデメリット

一方、地域枠にはデメリットも存在します。

1つ目は、卒業後の勤務先に制限があることです。
地域枠は、医師不足が深刻な地域において、原則卒業後規定の年数(約9年)県や大学から指定された地域で働くことを出願条件にしている入試制度ですので、大学卒業後の勤務先は約9年間制限されます。
自治体によっては、診療科の制限があることもあります。

勤務先や診療科は、医者としてのその後のキャリアやライフスタイルに大きく影響を与えるものです。
そのため、希望の診療科がある場合は、その診療科で働けるのかを事前に確認しておきましょう。

2つ目は、地域枠を離脱する場合は奨学金の一括返済が求められることです。
先ほどお伝えしたように、地域枠では卒業後の約9年間、指定された地域で勤務することが求められます。
しかし、大学卒業後の約9年間で結婚や妊娠などライフステージが変化する可能性は大いにあります。
その変化に伴い、どうしても地域枠から離脱した環境で働かなければならないこともあるでしょう。

その場合、利子つきで奨学金を一括返済することが義務付けられています。
途中離脱を防ぐために奨学金の利子も10%などと高く設定されていることが多いです。
つまり、途中で地域枠から離脱しないことを前提とした制度であることを認識して、慎重に決める必要があるということです。

 

医学部地域枠受験に向いている人ってどんな人?

ここまで医学部地域枠受験とはどういった受験方法なのか、どのようなメリットがあるのかご紹介しました。
では、この地域枠受験に向いている人はどんな人なのでしょうか。
ここからは、地域枠受験に向いている人についてご紹介します。

 

経済的に医学部への進学が難しい人

国公立大学の医学部は、授業料はその他の学部とほとんど変わりません。
しかし、私立大学の医学部の授業料は、国公立大学や他の学部と比べてかなり高額(6年間の学費は約2000〜5000万円)であることがほとんどです。
そのため、私立大学の医学部への入学を希望していたとしても、経済的な理由から諦めざるを得ない受験生もいます。
こういった受験生は地域枠を使って入学することで、奨学金を借りられるだけでなく、要件を満たせば返済の義務がなくなることもあります。
つまり、家庭の経済的理由で一般選抜での医学部進学が難しい方には向いている制度と言えます。

 

人手が少ない診療科に興味がある人

地域枠を利用して医学部に入学をして奨学金を借りる場合、卒業後指定された勤務先で約9年間働くことになります。
指定される勤務先は、医師が足りていない地域や診療科です。
救急、小児科、産婦人科といった診療科が多く、離島や僻地で勤務することが条件になることもあるでしょう。
よって、これらの診療科や地域で医療に従事して地域に貢献したいと考える人にとっては、とてもメリットがある入学方法と言えます。

 

まとめ

今回は、医学部地域枠のメリットとデメリット、向いている人についてご紹介しました。
医学部地域枠について、一般枠との違いについて理解していただけたでしょうか。
医学部受験をお考えの方は、ぜひ当校までお気軽にお問い合わせください。

 

本日の記事は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

 

 

 

総務/広報 後藤 登

 

◆太宰府アカデミーの自己PR

本校は福岡にある全寮制の医学部予備校です。1年間、約30名の生徒たちが切磋琢磨し、医学部の合格を勝ち取ります。
おかげさまで創設から17年目となり、これまで医学科に378名以上の合格者を輩出しました。そんな卒業生たちが大学を卒業し、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師となり、現在の日本の医療を支えてくれています。

◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)/仕事:総務と広報/好きな言葉:為せば成る/夢:日本一の医学部入試情報サイトを運営すること/自己PR:高校大学ボクシング部。新卒で当校に勤めて9年目。毎日医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagramTwitterを更新しています。生徒たちのおかげで仕事はやりがいの塊です。医学部受験のご相談は下記の連絡先にてお待ちしています。

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