こんにちは、太宰府アカデミーで総務・広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
本日のブログは、2026年8月15日に公開した年内入試カレンダーを、大学公式の令和9年度学生募集要項で全面的に作り直した話です。
8月に出した版は、正直に言えば半分が予想でした。私立医学部の学生募集要項は8月から11月にかけて順に公表されるので、8月中旬の時点では「大学がまだ出していない」欄のほうが多かったからです。ところがこの2週間で要項が一気に出そろい、31校のうち23校を大学公式の令和9年度要項そのもので確定できるようになりました。出願受付36回のうち32回は、もう予想ではありません。
そして置き換えてみて、前の版に読者が出願機会を取り違えかねない誤りが3か所あることが分かりました。産業医科大学の総合型を「既卒可」と書いていたこと、兵庫医科大学の学校推薦型の出願期間に総合型の日付を当てていたこと、日本大学の推薦を「現役のみ」としていたことです。3つとも大学公式の要項どおりに直しました。どこをどう直したかは、それぞれの節にそのまま書いています。
いま、いちばん近い締切は2026年9月14日です。東海大学の総合型選抜「希望の星育成」の第一次選考で、出願受付は2日後の9月1日に始まります。高校生が出せる年内入試のなかで、今年いちばん早い出願です。
− 推薦って、評定4.0くらい無いと出せないんでしょ?
− 浪人したら、もう推薦は関係ないよね?
− どうせ専願だから、行きたい大学が別にあるなら出せないよね?
この3つ、全部が全部そうではありません。私立31校の年内入試33件を出願開始が早い順に並べ直しながら、1つずつ確認していきます。
この記事の目次
結論|本番は9月1日に始まり、11月2日で出願はほぼ出そろう
先に答えを書きます。2027年度の私立医学部の年内入試は、次の5点を押さえれば全体像がつかめます。
- 高校生にとっての本番は2026年9月1日から。東海大学の総合型選抜「希望の星育成」(10名)の第一次選考で、締切は9月14日必着です。この入試は出願手続が3回あり、第二次選考の出願(10月5日〜10月12日23時59分)と最終選考の出願(12月11日〜12月18日)が別にあります。一次に受かっても、二次の出願を忘れるとそこで終わります。
- いちばん早い出願だった獨協医科大学の総合型(3名以内・8月10日〜8月25日)はすでに受付を終えています。ただしこの枠は4年制以上の大学の卒業(見込み)者と大学2年次までの課程を修了した在籍者が対象で、令和9年4月1日現在25歳以下、研究経験があることが条件でした。高校生と一般の浪人生はもともと出願できません。
- 出願の山は11月1日と11月2日。33件のうち17件がこの2日間で受付を始めます。
- 年内入試を実施しないのは4校。慶應義塾・東京慈恵会医科・日本医科・杏林です。
- いちばん遅い締切は2027年1月15日(大阪医科薬科大学の総合型選抜「至誠仁術」・共通テスト利用・併願可)。
ここから先は、この5点の根拠になる一覧を全部出します。
カレンダー①|9月〜10月に出願が始まる13件
まず、これから2か月のあいだに動くぶんです。公募制の年内入試を出願開始が早い順に並べました。指定校制・系列校・附属校の枠は、対象校に直接通知される性質のものなので外しています。

| 出願開始 | 大学・方式 | 締切 | 試験日(発表) | 募集人員 | 確認度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/10 | 獨協医科 総合型(受付終了) | 8/25 | 1次9/5・2次9/18(最終発表9/30) | 3名以内 | ◎ |
| 9/1 | 東海 総合型「希望の星育成」第一次選考 | 9/14【必着】 | 書類審査(発表10/5) | 10名 | ◎ |
| 9/14 | 東北医科薬科 総合型(東北地域定着枠) | Web 10/2 13:00/書類10/4【必着】 | 2次10/24・25(最終11/2) | 20名 | ◎ |
| 9/16 | 東京女子医科 総合型【一般枠】(新設) | 9/30【必着】 | 1次10/18・2次10/31(最終11/6) | 約19名 | ◎ |
| 9/28 | 帝京 総合型 一次選考 | 10/7【必着】 | 1次10/17(発表11/2) | 10名 | ◎ |
| 10/1 | 兵庫医科 総合型(一般枠・卒業生子女枠ほか) | 10/15(消印有効) | 1次11/15・2次12/6 | 約5名ほか | ◎ |
| 10/1 | 産業医科 総合型(ラマツィーニ選抜) | 10/16(消印有効) | プレゼン11/21→共通テスト(最終2/12) | 10名以内 | ◎ |
| 10/1 | 東京女子医科 総合型【外国医療人人材育成促進事業】 | 10/20 | 10/26〜11/4の間で1日(発表11/6) | 最大1名 | ◎ |
| 10/1 | 藤田医科 総合型「ふじた未来入試」 | ネット10/30/書類の郵送11/2【必着】 | 1次11/8・2次11/22(発表11/30) | 12名 | ◎ |
| 10/5 | 東海 総合型 第二次選考の出願(再掲) | 10/12 23:59厳守 | 2次10/24(発表10/30) | — | ◎ |
| 10/14 | 自治医科 年内入試 総合型(栃木・富山・山梨・山口・佐賀) | 10/20 17:00【必着】 | 11/18(発表12/1) | 計9名 | ◎ |
| 10/19 | 川崎医科 総合型(中国四国枠ほか) | 10/30 15:00(Web) | 1次11/7・2次11/14(発表11/17) | 約25名 | ◎ |
| 10/26 | 国際医療福祉 総合型(専願制・新設) | 11/9【必着】 | 1次11/21・2次12/5(最終12/14) | 10名 | ◎ |
この表で最初に見てほしいのは、右端の確認度です。13行すべてが◎=大学公式の令和9年度学生募集要項で確認したものになりました。8月15日の版では、ここに△(大学が未公表のため予想)が7つ並んでいました。
とくに直した2件を書いておきます。1つは東海大学です。前の版は「2027年度の日程は未公表」としたまま、前年度の実績である9月1日〜9月16日を目安として載せていました。実際の令和9年度の要項では9月1日〜9月14日(締切日必着)で、締切が2日早くなっています。もう1つは藤田医科大学です。前の版は出願を「10月1日〜10月30日」とだけ書いていましたが、これはインターネット出願の期間で、提出書類の郵送締切は11月2日【必着】が別にあります。ネット出願だけ済ませて安心すると、出願そのものが成立しません。
カレンダー②|11月以降に出願する23件
続いて11月以降です。件数はこちらが圧倒的に多くなります。

| 出願開始 | 大学・方式 | 締切 | 試験日(発表) | 募集人員 | 確認度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11/1 | 久留米 推薦(一般A日程・特別枠ほか) | 11/5 | 11/14(発表12/1) | 一般A約8名ほか | ◎ |
| 11/1 | 兵庫医科 学校推薦型(一般公募制・地域指定制) | 11/6(消印有効) | 11/15(発表12/1) | 約23名ほか | ◎ |
| 11/1 | 産業医科 学校推薦型(全国3ブロック制) | 11/7(消印有効) | 12/2(発表12/11) | 25名以内 | ◎ |
| 11/1 | 自治医科 年内入試 学校推薦型(富山県のみ) | 11/7 17:00【必着】 | 11/18(発表12/1) | 1名 | ◎ |
| 11/1 | 大阪医科薬科 推薦(公募制) | 11/7(Web登録は13時まで・郵送は消印有効) | 11/21(発表12/1) | 10名 | ◎ |
| 11/1 | 昭和医科 学校推薦型/卒業生推薦 | 11/8【郵送必着】 | 11/14(発表12/1 15:00) | 17名/10名 | ◎ |
| 11/1 | 福岡 推薦(A方式・地域枠) | 11/10 | 11/29(発表12/9) | 50名 | △ |
| 11/1 | 関西医科 推薦型(特別枠・一般枠・特色選抜) | 11/11(郵送11/12消印有効) | 1次11/28・2次12/5(発表12/10) | 計20名 | ◎ |
| 11/1 | 近畿 推薦(一般公募) | 11/13(消印有効) | 1次11/22・2次12/6(発表12/16) | 30名 | ◎ |
| 11/1 | 愛知医科 推薦(公募) | 11/13 | 11/28(発表12/10) | 約20名 | ◎ |
| 11/2 | 聖マリアンナ医科 推薦(一般公募) | 11/5(書類は11/6郵送必着) | 11/14(発表12/1) | 約20名 | ◎ |
| 11/2 | 獨協医科 推薦(公募・指定校・県地域枠) | 11/9 | 1次11/14(最終12/1) | 公募10名ほか | ◎ |
| 11/2 | 岩手医科 推薦(公募・地域枠)/総合型(地域医療医師育成特別枠) | 11/11 | 11/21(発表12/2) | 公募12名程度・総合型15名以内ほか | ◎ |
| 11/2 | 東邦 総合入試ほか | 11/11 | 1次11/20・2次12/5(発表12/9) | 約10名 | ◎ |
| 11/2 | 帝京 学校推薦型(公募制) | 11/11【必着】 | 11/21(発表12/1) | 15名 | ◎ |
| 11/2 | 東京女子医科 推薦(一般推薦) | 11/12【必着】 | 11/21・11/22(発表12/4) | 約40名 | ◎ |
| 11/2 | 東京医科 推薦(公募・全国ブロック別) | 11/13(消印有効) | 11/28(発表12/3)。ブロック別は基礎学力の合格者だけ12/12に面接(最終発表12/17) | 20名以内ほか | ◎ |
| 11/5 | 埼玉医科 推薦(指定校・公募・県地域枠) | 11/12 | 11/22(発表12/1) | 地域枠19名ほか | ◎ |
| 11/9 | 金沢医科 総合型AO(学校推薦型 指定校も同じ日程) | 11/14 15:00 | 1次11/21・2次12/6(発表12/10) | 15名(指定校4名) | ◎ |
| 11/17 | 日本 推薦(公募10・公募地域枠13・校友枠5) | 11/27 | 12/12(発表12/23 16:00) | 計28名 | ◎ |
| 12/9 | 大阪医科薬科 総合型「至誠仁術」 | 2027/1/15(Web登録は13時まで・郵送は消印有効) | 共通テスト+2次(最終2027/3/16) | 5名 | ◎ |
| 12/11 | 東海 総合型 最終選考の出願(再掲) | 12/18【必着】 | 共通テスト(発表2027/2/7) | — | ◎ |
| 12/14 | 帝京 総合型 二次選考の出願(再掲) | 12/21【必着】 | 共通テスト(発表2027/2/13) | — | ◎ |
ここでも大きく直したところがあります。兵庫医科大学の学校推薦型(一般公募制・地域指定制)です。前の版は「推薦・総合型 一斉出願」として10月1日〜10月15日と書いていましたが、それは総合型の日程でした。学校推薦型は11月1日〜11月6日(消印有効)で、1か月ずれています。総合型のほうを見て「推薦もまだ先だ」と読むと、ちょうど締切をまたぎます。
また、8月の版では「募集要項が未公表」として表から外していた昭和医科・金沢医科・関西医科・帝京(推薦)・国際医療福祉の5つが、今回そろって表に入りました。8月30日の時点で日程を確認できていなかった岩手医科大学の総合型(15名以内)は、9月3日に大学公式の令和9年度入試概要で推薦と同じ日程(出願11月2日〜11日・試験11月21日)と確認できたので、岩手医科の行にまとめています。△が残っているのは、要項を「9月中旬に掲載予定」としている福岡大学の1行だけです。北里大学の医学部推薦は指定校制のみで、要項が対象校にしか配られないため、この表には入れていません。
出願受付の半分は11月1日と2日の2日間に始まる
33件の出願開始を月ごとに数え直すと、年内入試という制度の形がはっきり見えます。

| 出願開始の月 | 件数 | 大学 |
|---|---|---|
| 2026年8月 | 1件 | 獨協医科(総合型) |
| 2026年9月 | 4件 | 東海(総合型1次)・東北医科薬科・東京女子医科(総合型)・帝京(総合型1次) |
| 2026年10月 | 7件 | 兵庫医科・産業医科・東京女子医科(外国医療人枠)・藤田医科・自治医科・川崎医科・国際医療福祉 |
| 2026年11月 | 20件 | 久留米・兵庫医科・産業医科・自治医科・大阪医科薬科・昭和医科・福岡・関西医科・近畿・愛知医科・聖マリアンナ医科・獨協医科・岩手医科・東邦・帝京・東京女子医科・東京医科・埼玉医科・金沢医科・日本 |
| 2026年12月 | 1件 | 大阪医科薬科(総合型「至誠仁術」) |
8月は1件、9月は4件、10月は7件。ところが11月に入った途端、20件が一気に動き出します。しかもその内訳は11月1日が10件、11月2日が7件で、33件のうち17件=半分がたった2日間で受付を始める形です。
ここから逆算すると、準備の締切は出願日より1か月前です。学校推薦型選抜には調査書と推薦書が要ります。推薦書は高校の先生が書くもので、こちらの都合だけでは進みません。11月1日に出すなら、9月末から10月初旬には担任の先生に相談を始めておく必要があります。年内入試で間に合わなくなるのは、たいてい試験の準備ではなく書類のほうです。
2027年度の変更点|総合型が広がり、実施しないのは4校のまま
2027年度は、年内入試が広がる方向に動いた年です。前年度と同じつもりで見ていると取りこぼします。
| 大学 | 2027年度の変更 | 内容 |
|---|---|---|
| 国際医療福祉 | 総合型(専願制)を新設=日程まで確定 | 10名・出願10/26〜11/9【必着】。この枠で入ると初年度授業料が190万円→100万円(90万円の減免)で、要項の6年間総額は17,400,000円。説明会・オープンキャンパス・Web説明動画のいずれかに本人が参加または視聴していることが出願資格そのもの |
| 東京女子医科 | 総合型選抜を新設 | 一般枠 約19名+外国医療人人材育成促進事業枠 最大1名。学校推薦型は約38名→約40名、評定も4.1→4.0へ。2028年度から指定校推薦と共通テストを導入予定 |
| 藤田医科 | 出願の締切が2段構えであることが判明 | ネット出願は10/30まで、提出書類の郵送締切は11/2【必着】。ネット出願だけ済ませて書類を10/30締切と思い込むと出願が成立しない |
| 岩手医科 | 総合型を拡大 | 地域医療医師育成特別枠を8名程度→15名以内へ。出願11/2〜11/11・試験11/21(推薦と同じ日程)。令和7年3月以降の卒業=2浪まで出願できる |
| 東京医科 | 全国ブロック別推薦を拡大 | 12名以内(各ブロック2名以内)へ。出願できるのは2025年4月1日以降の卒業=現役+1浪まで |
| 近畿 | 推薦を増員 | 25名→30名(令和9年度入学試験要項で確定) |
| 大阪医科薬科 | 地域指定校推薦を新設 | 従来の公募制推薦・総合型「至誠仁術」に加えて |
| 自治医科 | 年内入試を一部県で開始 | 栃木2・富山2(推薦1+総合型1)・山梨2・山口2・佐賀2=計10名。複数の県に出願すると当該年度の受験資格を失う |
| 東海 | 「展学のすすめ」の募集終了 | 2027年度入試をもって募集を終了。総合型「希望の星育成」は続く |
| 久留米 | 共通テスト利用選抜を導入予告 | A日程・B日程を新設(2027年度) |
今回いちばん大きく動いたのは国際医療福祉大学です。8月の版では「新設の予告だけで募集人員も日程も未公表」と書いていましたが、総合型選抜(専願制)の学生募集要項が追補版として公開されていました。10名・出願10月26日〜11月9日必着で、さらにこの枠で入学すると初年度授業料が190万円から100万円へ、90万円減免されます。要項の表にある6年間の総額は17,400,000円です(初年度340万円+2年次以降280万円×5年で検算が合います)。ただし出願資格そのものに「本学指定の医学部説明会、オープンキャンパス、またはWeb説明動画等に志願者本人が参加または視聴した者」という条件があるので、夏のうちに動いていないと出願できません。
東京女子医科大学は総合型選抜を新設し、一般枠で約19名、外国医療人人材育成促進事業枠で最大1名を募集します。学校推薦型も約38名から約40名へ増え、評定の基準は4.1から4.0に下がりました。枠が増えるということは、一般選抜に回る枠が減るということでもあります。年内入試を使わない受験生にとっても、無関係な話ではありません。
一方で、年内入試を実施しない大学は8月の版から変わっていません。
| 大学 | 年内入試 | 受験できる方式 |
|---|---|---|
| 慶應義塾 | 実施なし | 一般選抜のみ |
| 東京慈恵会医科 | 実施なし | 一般選抜のみ |
| 日本医科 | 実施なし | 一般選抜・共通テスト利用 |
| 杏林 | 実施なし | 一般選抜・共通テスト利用 |
| (参考)順天堂 | 年内はなし | 国際臨床医・研究医選抜(共通テスト利用)を2027年2月に実施 |
私立医学部31校のうち、年内に受けられる入試が1つも無いのはこの4校です。順天堂大学も年内の公募推薦は行わず、共通テストを使う国際臨床医・研究医選抜が2027年2月にあるのみなので、実質的には「年内に受けられない大学」に近い扱いになります。逆に言えば、残る26校では何かしらの年内入試が動いているということです。
評定が足りなくても出せる年内入試は13件・合わせて約150名
冒頭の「− 推薦って評定4.0くらい無いと出せないんでしょ?」に答えます。評定の基準を設けていない年内入試は、要項が出そろった結果8月の版の6件から13件に増えました。

| 大学・方式 | 募集人員 | 評定 | 現浪 | 専願/併願 | 出願期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 近畿 推薦(一般公募) | 30名 | 基準なし | 1浪可 | 併願可 | 11/1〜11/13 |
| 川崎医科 総合型 | 約25名 | 基準なし | 22歳以下 | 専願 | 10/19〜10/30 |
| 久留米 久留米大学特別枠推薦型選抜 | 約20名 | 基準なし | 2浪まで | 専願(A日程・福岡県特別枠とは併願可。合格は1つ) | 11/1〜11/5 |
| 藤田医科 総合型「ふじた未来入試」 | 12名 | 基準なし | 現役のみ | 専願(国公立に合格したときだけ辞退可) | 10/1〜10/30(郵送11/2) |
| 帝京 総合型 | 10名 | 基準なし | 現役+1浪 | 併願可 | 9/28〜10/7 |
| 東海 総合型「希望の星育成」 | 10名 | 基準なし | 現役のみ | 併願可 | 9/1〜9/14 |
| 産業医科 総合型(ラマツィーニ選抜) | 10名以内 | 基準なし | 現役+1浪 | 学内の全選抜と併願可 | 10/1〜10/16 |
| 国際医療福祉 総合型(専願制) | 10名 | 基準なし | 現役+1浪 | 専願 | 10/26〜11/9 |
| 久留米 推薦(公募)A日程 | 約8名 | 基準なし | 1浪可 | 専願(学内の特別枠とは併願可) | 11/1〜11/5 |
| 兵庫医科 総合型(一般枠) | 約5名 | 基準なし | 1浪可 | 推薦と併願可 | 10/1〜10/15 |
| 大阪医科薬科 総合型「至誠仁術」 | 5名 | 基準なし | 現役+1浪 | 併願可 | 12/9〜1/15 |
| 久留米 福岡県特別枠推薦型選抜 | 3名 | 基準なし | 2浪まで | 専願(A日程・久留米大学特別枠とは併願可。合格は1つ) | 11/1〜11/5 |
| 関西医科 特色選抜 | 2名 | 基準なし | 現役+1浪 | 併願可 | 11/1〜11/11 |
新しく確定した4件が、どれも小さくありません。藤田医科大学のふじた未来入試(12名)・産業医科大学の総合型(10名以内)・国際医療福祉大学の総合型(10名)・関西医科大学の特色選抜(2名)です。さらに、久留米大学の特別枠2つ(久留米大学特別枠 約20名・福岡県特別枠 3名)と大阪医科薬科大学の総合型「至誠仁術」(5名)も、出願資格に評定の条件がありません。合わせると、評定基準のない年内入試だけで約150名分の枠があることになります。
注目してほしいのは久留米大学です。学校推薦型選抜(公募)A日程は、募集要項に「学習成績の状況を出願資格としない」と書かれています。評定という言葉が出てこないのです。2026年3月卒業者も出願できるので1浪まで対象、久留米大学特別枠・福岡県特別枠との併願も可能(合格はいずれか1つ)。その特別枠2つも「高等学校の全体の学習成績の状況を出願資格としない」と明記していて、こちらは2025年3月卒業者まで=2浪まで出願できます。ただし、久留米大学特別枠は卒業後に福岡県内の病院で臨床研修を受けたあと久留米大学病院で4年働くことを誓約する枠、福岡県特別枠は福岡県の奨学金(月10万円・6年間)に応募する枠です。日程は3つともA日程と同じで、出願は11月1日〜5日、試験は11月14日、発表は12月1日です。
それから、評定基準そのものは4.3と高いのに「評定の代わり」が用意されている入試もあります。産業医科大学の学校推薦型です。令和8年3月卒業(=1浪)の人は、卒業前に受けた共通テストで大学が指定する900点満点の80%以上=720点以上を取っていれば、評定4.3を満たしていなくても出願資格が認められます。しかもその評定4.3は、①全体の学習成績の状況 ②5教科(国数理社英)の平均 ③3教科(数理英)の平均のどれか1つが届いていればよい形です。「全体が4.3に届かない」だけで諦める必要はありません。
もう1つ、数学が苦手な人向けの受け皿として昭和医科大学を挙げておきます。学校推薦型選抜の基礎学力試験は、数学Ⅰの代わりに国語(現代の国語・言語文化。古文漢文を除く)を選べます。理科も「物理」「化学」「生物」ではなく「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」から2科目です。ただし科目は出願時に選び、出願後の変更はできません。
浪人・既卒でも出願できる年内入試|前の版の「既卒可」を1件訂正します
次は「− 浪人したら、もう推薦は関係ないよね?」です。ここで先に訂正を書きます。
8月15日の版で「年齢や卒業年に上限を設けていない枠」の1つとして挙げていた産業医科大学の総合型選抜は、現役+1浪までです。令和9年度の学生募集要項は出願資格を「令和9年3月卒業見込みの者および令和8年3月に卒業した者」と定めており、2浪以上は出願できません。前の版の記述は事実と逆で、いちばん影響が大きい種類の誤りでした。訂正しておわびします。

| 大学・方式 | 出願できる範囲 | 評定 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 自治医科 年内入試 総合型 | 要項に卒業年の条件がない | 4.0 | 計9名。学校推薦型のほうは「令和8年3月〜令和9年3月卒業」と明記されており、総合型だけ書かれていない |
| 金沢医科 総合型AO | 「令和8年4月1日現在、25歳以下」 | — | 15名・専願。学校推薦型(指定校)は「令和9年4月1日現在19歳以下」で基準日が1年ずれている |
| 獨協医科 総合型 | 25歳以下(令和9年4月1日現在) | — | 3名以内。4年制以上の大学の卒業(見込み)者・2年次修了者が対象で、研究経験が要件。高校生と一般の浪人生は出願できない |
| 東北医科薬科 総合型(東北地域定着枠) | 「令和4年3月以降に卒業」=5浪相当まで | 3.8 | 20名・専願。宮城以外の東北5県の修学資金への応募が必須 |
| 東京女子医科 総合型【一般枠】 | 「2022年3月以降に卒業」=5浪相当まで | 3.8 | 約19名・専願。2027年4月1日までに18歳に達すること |
| 川崎医科 総合型 | 22歳以下(4浪相当) | 基準なし | 約25名・専願。2次に集団討論を新設 |
| 岩手医科 総合型(地域医療医師育成特別枠) | 「令和7年3月以降に卒業」=2浪相当まで | 3.8 | 15名以内。圭陵会正会員の推薦が必要。卒業後、附属病院・関連病院で通算7年以上働き岩手の地域医療に従事することを確約 |
| 久留米 久留米大学特別枠・福岡県特別枠 | 「2025年3月卒業者」まで=2浪まで | 基準なし | 約20名/3名・専願(A日程との併願可・合格は1つ)。どちらも卒業後に福岡県内で働く条件つき |
訂正したうえで数え直すと、要項で確かめられた枠のなかで、卒業年にも年齢にも上限を書いていないのは自治医科大学の総合型だけです。そのほかは上限つきですが、多浪でも届く枠が並びます。金沢医科大学の総合型AOは25歳以下、東北医科薬科大学の総合型と東京女子医科大学の総合型【一般枠】はどちらも2022年3月以降の卒業=5浪相当まで、川崎医科大学の総合型は22歳以下(4浪相当)、岩手医科大学の総合型(地域医療医師育成特別枠)と久留米大学の特別枠2つは2浪までです。
この表に入っていない枠は、ほとんどが1浪までです。岩手医科(推薦)・愛知医科・東邦(総合入試)・帝京(総合型)・産業医科(総合型・推薦)・東京医科(全国ブロック別・英語検定試験利用・県地域枠)・東京女子医科(推薦)・埼玉医科(推薦の一般公募・指定校・特別枠)・自治医科(推薦・富山県)・近畿・関西医科・兵庫医科・久留米(A日程)・日本(公募・地域枠)・国際医療福祉・大阪医科薬科(至誠仁術)・金沢医科(指定校)は1浪までです。獨協医科(公募)・帝京(推薦)・東京医科(一般公募)・大阪医科薬科(公募制推薦)・昭和医科・聖マリアンナ医科・東海・藤田医科は現役のみです(福岡のA方式は要項の公表待ち)。
ここで1つ、要項を読むときの注意を書いておきます。金沢医科大学は、同じ令和9年度なのに枠によって年齢の基準日が違います。総合型AOは「令和8年4月1日現在、25歳以下」、学校推薦型(指定校)は「令和9年4月1日現在19歳以下」です。基準日が1年ずれているので、「何浪まで」という言い方に置き換えると必ずどこかで数がずれます。年齢の条件は、大学が書いた原文のまま読んでください。卒業年の書き方にも同じ落とし穴があります。東京医科の「2025年4月1日から」は2025年3月の卒業者を含まないので1浪まで、東北医科薬科の「令和4年3月以降」は2022年3月の卒業者を含むので5浪相当まで。起点が「3月」か「4月1日」かで、数えられる浪人の年数が1年ずれます。
多くの推薦が1浪までで線を引いているのは事実です。ただ、「年内入試=現役生のもの」という一般論は、少なくともこの8つの枠には当てはまりません。年齢を理由に最初から見ないでいると、受験機会を1回、自分で減らすことになります。
試験日が重なる日と、併願できる8つの年内入試
最後は「− どうせ専願だから出せないよね?」です。ここは2つに分けて考えます。まず物理的な話、試験日の重なりから。

| 試験日 | 校数 | 実施する大学・方式 |
|---|---|---|
| 11/7(土) | 1校 | 川崎医科(総合型1次) |
| 11/8(日) | 1校 | 藤田医科(総合型1次) |
| 11/14(土) | 5校 | 獨協医科(推薦1次)・聖マリアンナ医科(推薦)・昭和医科(学校推薦型/卒業生推薦)・久留米(推薦A日程)・川崎医科(総合型2次) |
| 11/15(日) | 1校 | 兵庫医科(総合型1次と学校推薦型を同じ日に実施) |
| 11/18(水) | 1校 | 自治医科(基礎学力検査・面接) |
| 11/21(土) | 7校 | 岩手医科(推薦)・帝京(推薦)・大阪医科薬科(推薦)・産業医科(総合型プレゼン)・東京女子医科(推薦1日目)・金沢医科(1次)・国際医療福祉(1次) |
| 11/22(日) | 4校 | 埼玉医科(推薦)・近畿(推薦1次)・藤田医科(総合型2次)・東京女子医科(推薦2日目) |
| 11/28(土) | 3校 | 東京医科(推薦)・愛知医科(推薦)・関西医科(推薦1次) |
| 11/29(日) | 1校 | 福岡(推薦) |
| 12/2(水) | 1校 | 産業医科(学校推薦型) |
| 12/5(土) | 3校 | 東邦(2次)・関西医科(2次)・国際医療福祉(2次) |
| 12/6(日) | 3校 | 兵庫医科(総合型2次)・近畿(推薦2次)・金沢医科(2次) |
| 12/12(土) | 2校 | 日本(推薦)・東京医科(全国ブロック別の面接) |
11月21日は7校、11月14日は5校が同じ日に試験を行います。当然ながら、同じ日に2校は受けられません。年内入試の設計とは、実質的に「11月14日と11月21日に、どの大学を置くか」を決める作業だということです。九州から受ける場合、11月14日の久留米(福岡県久留米市)と聖マリアンナ医科(神奈川県川崎市)は、移動時間を考えると事実上どちらか一方になります。
次に専願・併願の話です。年内入試は専願が原則ですが、併願できる枠は8つあります。
| 大学・方式 | 併願の条件 |
|---|---|
| 帝京 総合型 | 現役+1浪・評定基準なし。指定校制を除く本学の全入試および他大学と併願できると要項に明記 |
| 東海 総合型「希望の星育成」 | 現役のみ・評定基準なし。「他大学との併願は可能です」と要項に明記 |
| 近畿 推薦(一般公募) | 1浪可・評定基準なし・併願可 |
| 関西医科 推薦(一般枠) | 現役+1浪・評定3.5・併願可 |
| 関西医科 特色選抜 | 現役+1浪・評定基準なし・併願可。英語型/国際型/科学型の3区分で計2名 |
| 大阪医科薬科 総合型「至誠仁術」 | 現役+1浪・評定基準なし・併願可(共通テスト利用。英語資格は出願要件ではない) |
| 兵庫医科 総合型(一般枠) | 1浪可・評定基準なし・学校推薦型と併願可 |
| 藤田医科 総合型【一般枠】 | 現役のみ・評定基準なし。専願だが、国公立大学医学科の総合型・学校推薦型・一般選抜前期日程に合格した場合に限り辞退でき、入学金を除く学費と委託徴収金が返還される |
このなかで性格が違うのが藤田医科大学のふじた未来入試【一般枠】です。専願なのですが、国公立大学医学科の総合型選抜・学校推薦型選抜または一般選抜前期日程に合格した場合に限り辞退が認められ、入学金を除く学費と委託徴収金が返還されます。「私立の年内入試を1つ押さえたうえで、国公立本命を貫く」ことができる形です。ただし同じふじた未来入試でも独創一理枠にはこの記載がなく、入学確約のみになります。
逆に、専願の縛りがとくに強いものも書いておきます。関西医科大学の特別枠は出願手続後の辞退をいかなる理由でも認めません。しかも推薦型3方式(特別枠・一般枠・特色選抜)のうち志願できるのは1つだけです。国際医療福祉大学の総合型は入学手続を済ませたあとの辞退ができません。昭和医科大学にいたっては、同じ日・同じ試験内容なのに学校推薦型選抜と卒業生推薦入試の併願すらできません。自治医科大学の年内入試は、複数の都道府県に出願すると当該年度の受験資格そのものを失います。日本大学の校友枠に出願すると、N全学統一方式第1期に出願できなくなります。
太宰府アカデミーの視点|このカレンダーをどう使うか
日程表を配ると、多くの受験生は「締切がいつか」を見ます。でも、この表で本当に見てほしいのは別のところです。判断の材料として3つ挙げます。
1つめ。締切ではなく「準備を始める日」で読む。学校推薦型選抜には調査書と推薦書が必要で、書くのは高校の先生です。志望理由書も、書き直しの時間を入れると2週間はかかります。11月1日出願なら、動き出しは9月末から10月初旬。この記事のカレンダーは、そこから1か月引いた日付を自分の手帳に書き写して、はじめて使える形になります。
2つめ。締切の「性質」まで見る。今回すべての要項を読み直して、いちばん怖いと感じたのはここでした。同じ「11月7日締切」でも、産業医科大学は消印有効、自治医科大学は17時必着です。藤田医科大学はネット出願の締切と書類の郵送締切が3日ずれています。関西医科大学はネット出願が11月11日で郵送が11月12日消印有効、川崎医科大学と金沢医科大学は締切時刻が15時ちょうど、東北医科薬科大学と大阪医科薬科大学はWeb出願の登録が締切日の13時までです。「◯日まで」だけを手帳に書くと、必着なのか消印有効なのかが落ちます。上の表には締切の性質もそのまま入れてあるので、書き写すときは一緒に写してください。
3つめ。「出願できる」と「受かりやすい」は別の話です。評定基準がない、既卒でも出せる、という条件は、あくまで入口が開いているという意味にすぎません。募集人員が2名から10名という枠では、その年の出願状況で難易度が大きく動きます。産業医科大学の総合型のように「志願者が募集人員の4倍を超えたら書類で第1段階選抜を行うことがある」と要項に書いている大学もあります。小論文・面接・基礎学力試験の形式も大学ごとにかなり違うので、出願を決めたら過去の出題形式を必ず確認してください。獨協医科の公募推薦がMMI形式の面接、川崎医科の総合型2次に集団討論が新設されたように、形式そのものが変わることもあります。
そして、この記事の性質として正直に書いておきます。8月30日の改訂で確認度が◎になったのは31校中23校でした。その後、大阪医科薬科大学と近畿大学の令和9年度の要項、岩手医科大学の令和9年度入試概要で日程を確かめられたので、2026年9月10日時点で表に残る△は福岡大学の1行だけです。福岡大学は「今年度の入学試験要項は9月中旬に掲載予定です」と大学自身が書いています。この記事は「いつ何を確認しにいくか」の地図として使い、最終的な数字は募集要項で取り直してください。福岡大学の要項が出たら、もう一度更新します。
まとめ|年内入試で押さえる5点
- 高校生にとっての本番は2026年9月1日〜9月14日の東海大学(総合型「希望の星育成」・10名)。出願手続は3回あり、第二次選考の出願は10月5日〜10月12日23時59分
- 公募制の年内入試は33件。うち17件が11月1日と2日の2日間に出願受付を始める。準備は1か月前の9月末〜10月初旬から
- 評定基準がないのは13件・合わせて約150名。久留米は推薦A日程と特別枠2つのどれも「学習成績の状況を出願資格としない」と明記。産業医科の推薦には1浪生だけの「共通テスト720点以上」という代替ルートがある
- 卒業年にも年齢にも上限がないのは自治医科の総合型だけ。東北医科薬科と東京女子医科の総合型は5浪相当まで、東京医科のブロック別推薦・大阪医科薬科の「至誠仁術」・産業医科の総合型は現役+1浪まで
- 年内入試を実施しないのは慶應義塾・東京慈恵会医科・日本医科・杏林の4校。併願できるのは8件で、藤田医科の一般枠は国公立に合格したときだけ辞退できる
今日やることは1つだけです。志望校がこのカレンダーのどこに載っているかを確認し、出願日の1か月前の日付に印を付ける。それだけで、11月に慌てる確率がかなり下がります。
この記事を2週間で作り直したのは、8月の版が「大学がまだ出していない」を理由に予想の日付を並べていたからです。受験生はその日付で手帳を書きます。東海大学のように締切が2日早くなっていたり、藤田医科大学のように郵送の締切が別にあったりすると、それだけで出願が1つ消えます。評定が足りないから、浪人しているから、専願だから——そう言って年内入試を見ないまま一般選抜に進む受験生を、毎年見ています。少なくとも「自分の志望校にどんな枠があるか」を、大学が書いた数字で知ったうえで選んでほしくて、この一覧を作り直しました。
推薦・総合型の締切だけでなく、共通テストの出願から私立一次・国公立2次・繰上げまで、1年の流れをまとめて見たい方は医学部受験の年間スケジュール2027をどうぞ。この記事の締切も、そちらの年間表に組み込んでいます。
国公立の年内入試で「浪人でも出せるのはどこか」は国公立医学部の推薦・総合型で2浪以上が出せる9方式|2027年度入試にまとめました。出願資格を大学の要項の原文から数え直しています。
あわせて読みたい
- 2027年度 私立医学部 入試日程カレンダー|2月4日に同じ学力層の6校が重なる年(一般選抜の日程はこちら。年内入試と2枚で見てください)
- 医学部は何浪までか|平均は1年前後、入学者の6〜9割が浪人
- 医学部の地域枠は入りやすい?一般枠との合格最低点の差と、卒業後9年の義務
本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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