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私立大学医学部医学科入試情報【まとめ】

岩手医科大学医学部の偏差値62.5と学費3,400万円|2027年度入試

2026年08月19日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

岩手医科大学のページを、また作り直しました。理由ははっきりしていて、2026年5月に大学が令和8年度(2026年度)入試の結果を公表し、数字が動いたからです。1次の合格最低点は64.6%から70.6%へ。「もう回らなくなった」と書いた繰上合格は、17名から38名へ戻しました。

岩手の大学をなぜ福岡の予備校が追いかけるのか、と思われるかもしれません。岩手医科大学は1次試験を福岡会場で受けられる東北の医大で、九州の受験生の併願リストに毎年名前が入ってくるからです。

このページで答えるのは、たとえばこんな疑問です。

− 結局いま、何点取れば受かるの?

− 補欠は回るの? 回らないの?

− 地域枠のほうが受かりやすいって本当?

− 浪人が長いと不利になる?

2026年度の大学公表データと、河合塾の入試結果調査。この2つを軸に、全部数字で答えていきます。

岩手医科大学医学部の偏差値は62.5|合格者平均は私立24位

河合塾の予想ボーダー偏差値は62.5です(2027年度入試)。ただ、ボーダーは2.5刻みで発表されるので、62.5の大学はほかにもいくつも並びます。これだけでは「その中で岩手医科はどのあたりなのか」までは分かりません。

そこでこのページでは、河合塾の入試結果調査にある「合格者平均偏差値」を使います。2026年度に全統模試を受けた生徒のうち、岩手医科大学医学部に合格した人の記述模試平均は62.6(英62.0・数62.6・理63.1)。この数字で並べ直すと、私立31校中24位(福岡大学と同率)、国公立を含めた全81校中71位です(防衛医科大学校を除く)。前年の62.4からほぼ横ばいで、立ち位置は安定しています。

岩手医科大学医学部の合格者平均偏差値62.6は私立31校中24位(河合塾 入試結果調査2026年度・全統模試)
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

読み方の注意を1つだけ。合格者平均は、ボーダー(合格可能性50%のライン)より高く出るのが普通です。「平均の62.6に届いていないから無理」と読むのは間違いで、62.6は“受かった人たちの真ん中あたり”。模試の判定はボーダー基準なので、62.5前後の力があれば十分勝負になります。

私立順位 大学 総合
21位 聖マリアンナ医科大学 64.4 62.4 62.6 63.1
22位 北里大学 63.4 63.1 62.8 63.1
23位 帝京大学 64.4 62.3 62.4 63.0
24位 岩手医科大学 62.0 62.6 63.1 62.6
24位 福岡大学 62.0 63.1 62.6 62.6
26位 東海大学 63.1 61.8 61.4 62.1
27位 埼玉医科大学 62.8 61.6 61.2 61.9

余談をひとつ。手元の1975年からの偏差値推移を見ると、岩手医科大学は1975年時点で偏差値52.5、1990年までずっと50台前半でした。親世代の「岩手は入りやすかった」という記憶は、この頃の話です。50年かけて10ポイント上がってきた大学だと知ると、いまの62.5の見え方も少し変わりませんか。

全国81校の中での位置を確かめたい方は、医学部偏差値ランキング2027(全81校の一覧表)をご覧ください。岩手医科大学を含む全大学を1つの表にしています。

合格最低点は1次247点=70.6%|2年連続で上がっています

一般前期の1次は350点満点。2026年度の合格最低点は247点=70.6%でした。2025年度の226点(64.6%)から、1年で21点、得点率にして6ポイントの上昇です。

岩手医科大学 医学部 一般前期の1次合格最低点 得点率推移(2020年度47.7%から2026年度70.6%へ22.9ポイント上昇)
出典:岩手医科大学 公表の入試結果(2019〜2026年度入試)/太宰府アカデミー調べ

2020年度の47.7%を底に、ここまで6年間で22.9ポイント上がりました。年による上下はあっても、方向は一度も変わっていません。ここまで一方向に動き続ける私立医学部は多くありません。

怖いのは、ネット上に古い数字のページが残っていることです。「5割取れれば通る」は2020年度の話で、いま同じ感覚で対策すると350点満点で70点以上足りません。目標は2026年度の247点を基準に置いてください。

年度 1次最低点
(350点満点)
得点率 2次正規最低点
(400点満点)
得点率
2026年度 247 70.6% 283.5 70.9%
2025年度 226 64.6% 279 69.8%
2024年度 219 62.6% 275 68.8%
2023年度 216 61.7% 276 69.0%
2022年度 205 58.6% 269 67.3%
2021年度 205 58.6% 260 65.0%
2020年度 167 47.7% 230 57.5%
2019年度 188 53.7% 255 63.8%

2次正規合格の最低点は283.5点/400点=70.9%。1次を通っても、最終合格には7割の水準が要ります。この「400点」の中身は後の「科目と配点」の節で説明します。

もう1つ、落ちたときの話をしておきます。岩手医科は不合格だった人が自分の得点を確認できます。返ってくるのは各科目の得点と評価(面接・小論文を含む)です。私立の中でもいちばん詳しい部類です。受験票の原本が要ります。申請の時期と方法はその年の大学発表で確認してください。

出典:各大学の成績開示要領をもとに太宰府アカデミー集計(実施の有無と開示内容は2022年度調査。申請期間は毎年変わるため、その年の大学公式発表で確認してください)

倍率は12.8倍|志願者3,001名は6年前から約600名増

2026年度の一般前期は、志願者3,001名・受験者2,923名。1次合格448名、最終的な合格者は229名で、実質倍率12.8倍でした(大学公表値)。2020年度の志願者が2,406名でしたから、6年で約600名増えたことになります。合格最低点が上がり続けている背景に、この志願者増があります。

方式(2026年度) 募集人員 志願者 受験者 合格者 実質倍率 合格最低点
一般前期 73 3,001 2,923 229 12.8倍 1次247/2次283.5
地域枠C・D C5+D7 122 118 21 C11.8倍・D10.7倍 1次221/2次282
推薦(公募制) 12名程度 61 60 13 4.6倍 306.6/450点
推薦(地域枠A) 15 48 48 15 3.2倍 308.8/450点
推薦(地域枠B) 8 35 35 8 4.4倍 291.6/450点
推薦(秋田県枠) 2 4 4 1 4.0倍 非公表(合格1名)
総合型選抜 8名程度 25 25 8 3.1倍 302.2/500点
医学部 計 130 3,296 3,213 295 10.9倍

医学部全体(推薦・総合型・地域枠を含む)では志願3,296名・合格295名で10.9倍。方式別でいちばん倍率が穏やかだったのは総合型選抜の3.1倍でした。倍率だけで方式を選ぶのは危険ですが、「一般だけが入口ではない」ことは押さえておいて損がありません。

公表資料でもう1つ目を引いたのが、入学者の卒業年度別内訳です。2026年度の医学部入学者130名のうち、現役は18%。1浪が35%、2浪が25%、3浪以上も19%います。約8割が浪人経験者という構成で、浪人の長さがそのまま不利になる入試ではないことが、データに表れています。

繰り上げ合格は38名|「17名まで急減」から少し戻しました

前回の版でこのページは、「補欠を当てにした併願設計は危ない」と書きました。繰上合格が2023年度81名→2024年度43名→2025年度17名と、2年で5分の1になっていたからです。

2026年度は38名でした。大学公表の合格者229名から初回発表の191名を引いた数字です。地域枠Cで5名、Dで4名も回っています。

岩手医科大学 医学部 一般前期の繰上合格者数の推移(2025年度17名から2026年度38名へ)
出典:岩手医科大学 公表資料より太宰府アカデミー集計(2019〜2026年度入試)

「もう回らない」は言い過ぎになりました。ただし、2019〜2023年度の80〜106名という水準にはまだ遠い。10年分を並べて見えてくるのは、岩手医科の補欠が「よく回る」から「年によって大きく振れる」に変わった、ということです。

年度 一般前期 地域枠C 地域枠D 補欠がどこまで回ったか
2026年度 38 5 4 合格者229名−初回発表191名(大学公表PDFから算出)
2025年度 17 4 4 3月31日に補欠32番が繰り上がり
2024年度 43 3 5 最終繰上は4月4日ごろ/130番台後半まで
2023年度 81 190番前半まで
2022年度 92
2021年度 88 補欠200番ほどが全員繰上。2次不合格者からも追加
2020年度 76 この年から補欠に番号が付くように
2019年度 106

補欠番号の参考情報です(受験生・卒業生からの聞き取りで、大学の公表値ではありません)。2023年度は190番前半まで、2024年度は130番台後半まで、2025年度は3月31日時点で32番まで。さかのぼれば、2021年度のように補欠200番まで全員が繰り上がった年もありました。

結論は前回から変えません。正規合格を取りに行く設計を組み、繰上は「来たら嬉しいもの」に格下げしておく。岩手医科に限らず、いまの私立医学部全体に通用する構えだと思います。

地域枠C・Dの「逆転」は解消|2次はほぼ同水準です

2025年度にこのページでいちばん反響があったのは、「地域枠のほうが難しくなった」という話でした。2次正規の最低点で、地域枠CDの291点が一般の279点を12点上回った年です。

2026年度は一般283.5点に対して地域枠CDは282点。逆転は1年で解消し、ほぼ同水準に戻りました。

岩手医科大学 医学部 地域枠CDと一般の2次正規合格最低点の差(2025年度の逆転は2026年度に解消)
出典:岩手医科大学 公表の入試結果(2022〜2026年度入試)/太宰府アカデミー調べ

むしろ面白いのは1次です。地域枠CDの1次最低点は221点で、一般の247点より26点低い。一般ほど志願者が集中しなかったぶん、1次通過のハードルには差がつきました。ただし2次で絞られるため、最終的な合格水準はほぼ同じ。「地域枠だから楽」とも「地域枠のほうが難しい」とも言い切れない——これが2026年度の実像です。

年度 一般 2次正規 地域枠CD 2次正規 一般 1次 地域枠CD 1次
2026年度 283.5 282 地域枠が−1.5点 247 221
2025年度 279 291 地域枠が+12点 226 220
2024年度 275 268 地域枠が−7点 219 201
2023年度 276 264 地域枠が−12点 216 208
2022年度 269 260 地域枠が−9点 205 205

制度のおさらいを短く。C・Dとも岩手県の医師修学資金の貸与を前提にした全国枠で、Dには診療科の指定がつきます。卒業後の従事条件は年度ごとに見直されることがあるので、点数の損得を考える前に、岩手県の募集ページで卒業後の条件を読み切ってから出願を決めてください。

最後に、なぜここに枠が置かれているのかを国の数字で見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、岩手県は182.5で全国47位、下位16県に入る医師少数県です。 岩手県は医師が足りていない側です。地域枠が厚く置かれているのは、この数字が背景にあります。卒業後9年前後の勤務という条件は重いですが、その条件が付く理由は数字で説明できる、ということでもあります。

出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計

学費は6年間3,400万円|1年次は全寮制で寮費88万円

学費は大学が内訳まで公表しています。初年度は900万円(入学金200万円+授業料250万円+実験実習費50万円+施設整備費100万円+教育充実費300万円)。次年度以降は年500万円で、6年間の合計は3,400万円。別途、諸会費が40万円かかります。

項目 金額 備考
入学金 200万円 初年度のみ
授業料 250万円/年
実験実習費 50万円/年
施設整備費 100万円/年
教育充実費 初年度300万円
次年度以降100万円
初年度納入額 900万円 分割納入可(入学手続時550万+9月下旬350万)
次年度以降 500万円/年
6年間合計 3,400万円 別途 諸会費40万円
寮費(1年次) 年額88万円 入寮時一時金8.8万+寮費44万+食費16.5万+管理費18.7万

忘れやすいのが寮費です。岩手医科大学は医学部の第1学年が全寮制で、矢巾キャンパス内の学生寮「ドミトリー圭友館」(定員220名・男女別)に入ります。寮費は年額88万円(寮費・食費・管理費込み)。つまり初年度に動くお金は、学納金900万円+諸会費40万円+寮費88万円=1,028万円です。

なお、学校推薦型の地域枠A(岩手県出身者枠)は、奨学金の貸与時期に合わせて納入期日が別に設定されています。該当する方は募集要項の日付を必ず確認してください。

 

女子の合格率は9.0%|男子との差は3.3ポイント

2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。岩手医科の2025年度入試は、男子12.3%・女子9.0%。男子の合格率のほうが3.3ポイント高いという結果です。

区分 受験者数 合格者数 合格率
男子 1,519名 187名 12.3%
女子 955名 86名 9.0%
合計 2,474名 273名 11.0%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計

1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。

年度 男子合格率 女子合格率
最新年 12.3% 9.0% -3.3pt
前年 12.3% 10.9% -1.4pt
前々年 11.3% 13.5% +2.2pt

出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計

年によって上下が入れ替わっています。単年の数字で判断しないでください。

入学者で見ると女子は44名・33.6%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「岩手医科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。

2027年度の日程と募集人員|一般66名・総合型15名以内

大学の受験生サイトに、令和9年度(2027年度)の日程と募集人員が出ています。

一般選抜は出願が2026年12月4日(金)〜2027年1月8日(金)、1次試験が2月3日(水)、2次試験は2月12日(金)・13日(土)のどちらか1日を選択。1次の会場は矢巾・札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の6か所、2次は矢巾・東京・大阪の3か所です。福岡で1次を受けられますが、2次には移動が必要になります。

募集人員は計130名。一般66名・地域枠C5名・地域枠D7名、学校推薦型は公募制12名程度・地域枠A15名・地域枠B8名・秋田県地域枠2名。総合型選抜(地域医療医師育成特別枠)が15名以内、学士編入学は若干名です。

見逃せないのは枠の動きです。2026年度に73名だった一般が66名に減り、8名程度だった総合型が15名以内に広がりました。年内に合格を決めにいく受験生への配分が増えた形です。正式な募集要項は例年9〜10月公表なので、出願要件は必ず最新版で確認してください。

合格発表はいつ?|1次は2月9日・最終は2月18日

2027年度の一般選抜は、1次試験の合格発表が2月9日(火)、2次試験(最終)の合格発表が2月18日(木)と案内されています。1次試験(2月3日)から発表まで6日、そこから2次試験(2月12日・13日)まで中2〜3日という短いサイクルです。2次会場への移動と宿は、1次の自己採点が終わった時点で仮押さえしておくと慌てません。発表方法の詳細は募集要項でご確認ください。

繰上合格の連絡は、例年3月下旬から4月上旬まで動きます(2025年度は3月31日時点で補欠32番まで、2024年度は4月4日ごろまで)。

科目と配点|1次は350点満点・2次は面接を加えて400点満点

一般選抜の1次は英語・数学・理科2科目の学科試験で350点満点です。2次で新しい学科試験があるわけではなく、1次の350点に面接を加えた400点満点で最終合否が決まります(大学公表の配点は1次350点・2次400点。差の50点が面接分です)。2026年度の2次正規合格最低点283.5点は、この合算後の点数です。

この方式で大事なのは、1次の学科の点がそのまま最終合否まで持ち越されること。たとえば1次を最低点ぎりぎりの247点で通過した場合、2次最低点283.5点との差は36.5点。持ち点が少ないほど、面接に残された挽回幅は小さくなります。1次で1点でも多く取ることが、そのまま2次対策になる大学です。

科目別の配点(英・数・理の内訳)は、2027年度の学生募集要項(例年9〜10月公表)で確認でき次第、このページに追記します。

面接は2次の50点|小論文はありません

岩手医科大学の一般選抜に小論文はありません。2次で課されるのは面接で、400点満点のうち50点、全体の12.5%にあたります。合否ライン付近では数点で順位が入れ替わるので、「学科で通れば面接はおまけ」と考えてよい大学ではありません。

質問の中身は年度や面接官によって幅がありますが、志望理由、岩手や地域医療への考え、1年次の寮生活への理解あたりは、一度自分の言葉で文章にしておく価値があります。地域枠C・Dや総合型(地域医療医師育成特別枠)で受ける場合は、修学資金の条件と自分の将来像がつながっているか、必ず整理しておいてください。

推薦・総合型の結果|公募4.6倍・総合型3.1倍でした

年内入試も2026年度の結果が公表されています。学校推薦型(公募制)は志願61名・合格13名で4.6倍、合格最低点は306.6点/450点=68.1%。地域枠Aは3.2倍(最低308.8点)、地域枠Bは4.4倍(最低291.6点)、秋田県地域枠は志願4名で合格1名でした。総合型選抜は志願25名・合格8名の3.1倍で、最低302.2点/500点=60.4%です。

2027年度は、この総合型が15名以内へ広がります。数字の上では一般(12.8倍)よりはるかに穏やかな入口ですが、出願資格や卒業後の条件が細かく定められています。要項が出たら、点数より先に条件面から確認してください。

国試合格率は95.8%|6年で医師になる確率は71.1%

入ったあとの6年間も見ておきます。

岩手医科大学 医学部の6年ストレート進級率74.2%・国試合格率95.8%と6年で医師になる確率71.1%
出典:文部科学省医学教育課調べ・厚生労働省(令和元年度入学者/第119回医師国家試験)

令和元年度に入学した124名のうち、6年間ストレートで進級・卒業したのは92名で74.2%。第119回医師国家試験の新卒合格率は95.8%でした。この2つを掛けた「6年で医師になる確率」は71.1%で、私立31校中25位です。

読み方には注意が要ります。国試の合格率95.8%は、私立の中でも高いほうです。数字が下がっているのは進級・卒業の段階で、そこを通過した学生の国試実績は良好、という構造になっています。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ「入学後の6年間に、途中の関門がある」という前提を持って入学すると、イメージのずれは小さくなるはずです。

 

岩手医科のレベルは全81校中71位|私立31校では24位

「岩手医科のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。知りたいのは数字そのものではなく、どのあたりの大学なのかだと思います。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は62.6。私立31校中24位・全81校中71位で、全81校で下から数えると11番目にあたります。

全81校順位 大学 合格者平均偏差値 区分別順位
69位 北里大学 63.1 私立22位
70位 帝京大学 63.0 私立23位
71位 岩手医科大学 62.6 私立24位
71位 福岡大学 62.6 私立24位
73位 琉球大学 62.5 国公立48位

出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

上の表は岩手医科の前後2校ぶんです。偏差値62.6の前後には北里大学・帝京大学・福岡大学・琉球が並んでいます。模試の判定は、この並びと重ねて読むと意味が出ます。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

「本当のところどう見られているのか」という点は、別の記事で検索データから検証しています。岩手医科大学は「やばい」のかもあわせてどうぞ。

 

多浪・再受験でも合格できるか|卒業年度別の合格率で見る

「何浪まで見てもらえるのか」は、医学部受験でいちばん多い不安の1つだと思います。岩手医科は卒業年度別の合格率を公表しています。感覚ではなく、その数字で見ます。

区分 受験者数 合格者数 合格率
現役 777 49 6.3%
1浪 966 116 12.0%
2浪 602 62 10.3%
3浪 321 33 10.3%
4浪以上 509 29 5.7%
合計 3,213 295 9.2%

出典:各大学公表の入試結果(卒業年度別合格率)をもとに太宰府アカデミー集計/2026年度入試(医学部全体・全方式合計)

3浪の合格率10.3%は2浪とまったく同じでした。4浪以上でも5.7%で、現役の6.3%とほぼ変わりません。3浪以上の合格者は62名。合格者全体の21.0%にあたります。入学者で見ると現役18%・1浪35%・2浪25%・3浪8%・4浪以上11%。約8割が浪人経験者です。合格率は受験する層によっても動きます。浪人年数ごとに難易度が同じ、という意味ではありません。なお合否とは別に、学費支援の面ではっきりした線があります。国の「高等教育の修学支援新制度」は、高校を初めて卒業した年度の翌年度末から入学日までが2年を超えていないことを要件にしています。3浪以上はこの時点で対象外です(高卒認定の場合は別の起算になります)。多浪で受けるなら、合格可能性だけでなく学費の設計も一緒に考えておいてください。

太宰府アカデミーの視点|岩手医科大学はどんな受験生に向くか

今年いちばん考えさせられたのは、繰上の「17名→38名」よりも、1次最低点の「226点→247点」のほうでした。得点率7割という数字は、少し前なら私立中位より上の水準です。偏差値の順位(私立24位)だけ見れば「私立の中では手が届きやすい側」でも、要求される素点は6年前とは別の入試になっています。過去問で年度をさかのぼるときは、当時の合格ラインではなく、いまの247点を横に置いて解いてください。

併願設計については、38名に戻ったとはいえ、僕は「正規で取る前提」を崩さないほうがいいと考えています。17名という年を一度見たあとで、80名時代の感覚に戻す材料はまだありません。振れ幅の大きい大学として扱う。それが2026年度時点で誠実な結論です。

九州の受験生には、会場の話をもう一度だけ。1次は福岡で受けられて、2次は矢巾・東京・大阪のいずれか。1次発表(2月9日)から2次(2月12日・13日)まで中2〜3日しかありません。合格を見てから慌てて移動を組むのではなく、出願の時点で2次の交通と宿を仮決めしておく。それだけで直前期の消耗が目に見えて減ります。

岩手医科大学医学部のよくある質問

Q1. 2027年度入試で変わることはありますか?
A. 大学の受験生サイトによると、一般選抜が73名→66名に減り、総合型選抜(地域医療医師育成特別枠)が8名程度→15名以内に拡大します。日程は1次2月3日・2次2月12日/13日(選択)・最終発表2月18日。正式な募集要項は例年9〜10月公表なので、最終確認はそちらでお願いします。

Q2. 地域枠C・Dはどう違いますか?
A. どちらも岩手県の医師修学資金を前提にした全国枠で、Dは診療科の指定がつきます。2026年度の合格最低点は、C・D合算で1次221点・2次282点。1次は一般より26点低い一方、2次はほぼ同水準でした。卒業後の従事条件は岩手県の募集ページと募集要項で必ず確認してください。

Q3. 検索すると「岩手医科大学 やばい」と出てきます。実際どうなのですか?
A. 検索候補に出るのは事実ですが、データで見る限り「やばい」大学ではありません。合格者平均偏差値62.6は模試受験者の上位およそ10%の水準ですし、国試の新卒合格率は95.8%あります。この話は別の記事で正面から検証していますので、気になる方はそちらをどうぞ。

Q4. 学士編入学もありますか?
A. あります(3年次編入・若干名)。2026年度は志願9名・最終合格2名で、配点が変わり1次250点満点(最低103.9点=41.6%)、2次300点満点(最低158.1点)でした。参考までに、2022〜2025年度の1次は300点満点で122.3点→140.3点→151.3点→147.5点。学納金は一般入試の合格者より初年度で50万円高い950万円です。

まとめ|岩手医科大学医学部を受けるなら押さえる3つ

  • 1次の合格ラインは“7割”。2026年度は247点/350点=70.6%。6年で22.9ポイント上がっており、「5割台で通る」という古い情報は使えません
  • 繰上合格は17名→38名と戻したものの、80〜100名の時代とは別の大学。正規合格を取りに行く設計で臨んでください
  • 学費は6年3,400万円+諸会費40万円。1年次は全寮制(寮費88万円)で、初年度に動くお金は約1,028万円です

前回この記事を作ったときの核は、「補欠はもう回らない」という数字でした。1年経って、その数字がまた動きました。書き直すたびに思うのは、結論そのものより「最新の数字で前提を組み直す習慣」のほうが、受験ではずっと役に立つということです。次に大きく動いたときも、このページを最初に更新します。

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本日の記事は以上です。
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◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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