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私立大学医学部医学科入試情報【まとめ】

東京慈恵会医科大学の偏差値70.0と合格最低点47%|2027年度入試

2026年08月19日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

「慈恵の合格最低点は5割以下」。初めて聞いた受験生は、たいてい耳を疑います。偏差値70.0の私立御三家が、2025年度の2次正規最低点188点/400点=47.0%。数字だけ見れば半分取れなくても受かる計算です。

もちろんカラクリがあります。低いのは合格者のレベルではなく、問題の難度です。それを裏づけるのが、今回から使える新しいデータ——実際に合格した人の模試偏差値です。慈恵の合格者平均は私立31校中2位。慶應に次ぐ水準の受験生たちが、5割を取れない問題で競っている。それが慈恵の入試の実像です。

− 47%という最低点を、どう受け止めればいい?

− 繰り上げ合格はどれくらい動く?

− 東京都地域枠はまだあるの?

誤解の多いポイントを中心に、数字で整理していきます。

 

東京慈恵会医科大学の偏差値は70.0|合格者平均は私立2位

河合塾の予想ボーダー偏差値は70.0(2027年度入試・6月時点の予想値)。長年この水準で動いていません。

河合塾の入試結果調査(2026年度)で、全統模試を受けて慈恵に合格した人の記述模試平均を見ると69.5(英68.5・数69.4・理70.6)私立31校中2位、国公立を含む全81校中11位(防衛医科大学校を除く)です。私立で上にいるのは慶應(72.1)だけ。国公立を混ぜても、横浜市立や九州大学と並ぶ位置にいます。

東京慈恵会医科大学の合格者平均偏差値69.5は私立31校中2位(河合塾 入試結果調査2026年度・全統模試)
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

理70.6が最も高く、理科で圧倒できる受験生が集まるのが慈恵の合格者層です。前年の70.2からは-0.7でしたが、2位の座は揺らいでいません。

順位 大学 総合
1位 慶應義塾大学 70.5 71.9 73.9 72.1
2位 東京慈恵会医科大学 68.5 69.4 70.6 69.5
3位 順天堂大学 69.2 67.4 68.1 68.2
4位 日本医科大学 68.3 67.7 68.4 68.1
5位 関西医科大学 66.4 68.4 69.0 67.9
6位 国際医療福祉大学 68.4 66.6 67.7 67.6

※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

全国81校の中での位置を確かめたい方は、医学部偏差値ランキング2027(全81校の一覧表)をご覧ください。東京慈恵会医科大学を含む全大学を1つの表にしています。

 

合格最低点は2次正規で47.0%|低さの意味を間違えないでください

慈恵は合格最低点を得点率で公表しています。2025年度の2次正規合格は得点率47.0%=400点満点で188点でした。

東京慈恵会医科大学 一般選抜の2次正規合格最低点推移(2025年度は得点率47.0%=188点/400点)
出典:東京慈恵会医科大学 公表の得点率より太宰府アカデミー算出(2019〜2025年度入試)

推移を見ると、ここ7年は47〜52%の帯で安定。2016年度以前は6割前後の年もあったので、問題は長期的にむしろ難化傾向です。

年度 2次正規最低点
(400点満点)
得点率
2025年度 188 47.0%
2024年度 196 49.0%
2023年度 198 49.5%
2022年度 207 51.8%
2021年度 202 50.5%
2020年度 198 49.5%
2019年度 207 51.8%

この47%を「半分でいいなら楽勝」と読むのは、順序が逆です。私立2位の学力層が挑んで、平均が5割に届かない問題設計だということ。過去問演習では「6割取れたら上出来、5割強で勝負になる」という独特の採点感覚に慣れる必要があります。他大学の過去問の得点率をそのまま持ち込むと、自己評価を大きく間違えます。

落ちた場合の話も書いておきます。東京慈恵会医科は不合格だった人が自分の得点を確認できます。返ってくるのは1次の総得点と順位ランクです。申請の時期と方法はその年の大学発表で確認してください。

出典:各大学の成績開示要領をもとに太宰府アカデミー集計(実施の有無と開示内容は2022年度調査。申請期間は毎年変わるため、その年の大学公式発表で確認してください)

 

繰り上げ合格は補欠67番まで|近年は65〜80番で安定しています

慈恵は補欠に番号を付けて発表し、繰上の状況もHPで開示する誠実な運用です。2025年度は3月31日に「67番で繰上終了」と掲載されました。

東京慈恵会医科大学の補欠繰上番号の推移(2021年度から65〜80番で安定、2025年度は67番で繰上終了)
出典:大学公表の繰上情報・受験生からの聞き取りを太宰府アカデミー集計

面白いのは水準の変化です。2019・2020年度は140〜150番まで回っていたのに、2021年度からは65〜80番の狭い幅で4年連続安定。入学手続きの歩留まりを大学側が読み切れるようになった、と解釈できる動きです。

ただし2026年度は3月18日時点で84番まで進んでいました(受験生からの聞き取りによる参考値で、大学の公表値ではありません)。最終の終了番号までは確認できていませんが、65〜80番の帯を初めてわずかに超えた年です。「安定」を前提にしすぎないほうがよい、という新しい材料になります。

実務的には、補欠60番台までなら現実的な期待、80番台に届く年もある、100番台なら厳しい——それが直近5年の相場です。ただし2020年度以前のような年もあったので、番号が大きくても手続きの準備だけは3月末まで維持してください。

年度 繰上終了の補欠番号 備考
2025年度 67番 3/31に「繰上終了」とHP掲載
2024年度 67番 3/29に67番が繰上
2023年度 65番
2022年度 79番
2021年度 73番
2020年度 150番
2019年度 142番

表のとおり、繰上終了の番号が4年連続でほぼ同じ帯に収まっています。私立医学部でここまで「読める」補欠は珍しい部類です。

ここで単位を確かめておきます。これは補欠番号です。「◯名が繰り上がった」という意味ではありません。東京慈恵会医科大学もHPで繰上終了の番号を出します。番号の意味がはっきりしている大学です。番号は連絡が届いた範囲を表します。そのうち何人が入学したかは、公表されていません。

人数で公表する大学と混ぜて比べると、まったく意味のない比較になります。

 

2027年度の日程と合格発表|一次はまだ未公表です

2026年7月時点で、慈恵は2027年度の一次試験日をまだ公表していません(私立31校で未公表は岩手医科・慈恵・日本医科の3校)。例年どおりなら2月上旬〜中旬の実施が見込まれますが、確定日程は募集要項(例年9〜10月公表)で必ず確認してください。合格発表日を含むスケジュールも、公表され次第この節に追記します。

選抜内容についても、2027年度の変更は現時点で公表されていません(2026年度からの継続見込み)。

 

学費は6年間約2,250万円|私立で安い順6位の水準です

予備校各社の集計では6年間約2,250万円。国際医療福祉(1,850万)・順天堂(2,080万)・関西医科(2,100万)・藤田医科(2,152万)・日本医科(2,200万)に次ぐ、私立で安い順6位の水準です。確定額と諸会費は2027年度の学生募集要項で確認してください。大学公式で確定額が取れ次第、内訳つきでこの節を更新します。

 

実質倍率は7.6倍|1,730名が受けて227名が合格

「東京慈恵会医科の倍率は18倍」という数字を見たことがあるかもしれません。あれは出願した人数を募集人員で割った志願倍率のほうです。実際に会場に来た人と合格者で計算した実質倍率は7.6倍。同じ「倍率」でも10.4ポイント違います。

区分 人数 読み方
募集人員 105名
志願者数 1,895名 志願倍率 18倍
受験者数 1,730名 志願者の91%が受験
合格者数 227名 実質倍率 7.6倍
入学者数 105名 定員充足率 100%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計。※一般・共通テスト利用・学校推薦型・総合型を合わせた医学科全体の数字です。方式別・年度別の倍率は、このページの他の節で扱っています

出願した人の91%が実際に受験しています。受けに来る人はほぼ全員が本気、と考えたほうが実態に近い数字です。母集団の質が高いぶん、同じ倍率でも通りにくくなります。

 

女子の合格率は10.9%|男子との差は3.5ポイント

2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。東京慈恵会医科の2025年度入試は、男子14.4%・女子10.9%。男子の合格率のほうが3.5ポイント高いという結果です。

区分 受験者数 合格者数 合格率
男子 1,098名 158名 14.4%
女子 632名 69名 10.9%
合計 1,730名 227名 13.1%

出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計

1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。

年度 男子合格率 女子合格率
最新年 14.4% 10.9% -3.5pt
前年 13.6% 10.5% -3.1pt
前々年 13.1% 13.9% +0.8pt

出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計

年によって上下が入れ替わっています。単年の数字で判断しないでください。

入学者で見ると女子は33名・31.4%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「東京慈恵会医科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。

 

科目と配点|学科は400点満点・詳細は要項で

一般選抜の学科試験は400点満点(上の最低点の母数)で、英語・数学・理科2科目の構成です。科目別の配点、2次の面接・小論文の評価方法は、2027年度の募集要項の公表後にこの節へ追記します。

 

面接は30点|MMI(多面的面接)を実施しています

面接の配点は30点です。私立医学部31校のうち、一般選抜の面接配点を公表しているのは14校しかありません。東京慈恵会医科はその1つで、数字で比べられます。

項目 内容 補足
面接の配点 30点 MMI:1対1を異なる課題・異なる評価者で計6回/約60分/評価者6名が5段階評価
総合点に占める比率 2次80点の37.5%/総合480点の6%
小論文の配点 25点 300字+1,200字

出典:各大学の2027年度(令和9年度)募集要項・入試概要をもとに太宰府アカデミー集計

ここでいちばん大事なのは配点そのものではありません。募集要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」という条項があることです。「配点が小さいから軽い」という読み方は、この一文で崩れます。MMI(多面的面接)を公式に実施しています。二次でMMIを正式採用しています。生命倫理などの課題が出て、難度は高めです。

 

地域枠について|東京都地域枠は2021年度で終了しています

1つ、訂正情報を。ネット上には「慈恵には東京都地域枠がある」という古い記述が残っていますが、慈恵の東京都地域枠は2021年度入試で終了済みです。現在、東京都の地域医療医師奨学金(修学費全額+生活費の貸与)を使えるのは順天堂・杏林・日本医科の3大学。地域枠前提で慈恵を検討していた方は、この3校のページをあわせて確認してください。

ここまでは人数の話でした。なぜその枠が要るのかも見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、東京都は353.9で全国1位、上位16県に入る医師多数県です。 東京都は医師が多い側です。指標が高くても枠があるのは、医師が都市部に寄っているためです。都道府県単位で足りている=どこでも足りている、ではありません。

出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計

一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。

 

多浪・再受験でも受けられるか|一般に年齢制限はありません

一般選抜に年齢や浪人年数の制限はありません。浪人年数別の合格率(大学公表の卒業年度別合格率)は、取得でき次第この節に追記します。

浪人年数と合格率の関係は、6校の実データを並べた医学部再受験は何浪まで可能かにまとめています。

 

国試合格率は99.0%|6年で医師になる確率89.9%は私立3位

出口も御三家の名に恥じない数字です。令和元年度に入学した109名のうち、6年間ストレートで卒業したのは99名で90.8%。第119回医師国家試験の新卒合格率は99.0%。「6年で医師になる確率」は89.9%で私立31校中3位です。

東京慈恵会医科大学の6年ストレート卒業率90.8%・国試合格率99.0%・6年で医師になる確率89.9%(私立3位)
出典:文部科学省医学教育課調べ・厚生労働省(令和元年度入学者/第119回医師国家試験)

上にいるのは自治医科と順天堂だけ。入試の合格者平均2位、出口の実績3位——入口と出口の順位がほぼ一致している、数字の上で最も「ぶれない」私立の1つです。

指標 数値 備考
6年ストレート進級率 90.8% 令和元年度入学109名中
6年ストレート卒業率 90.8% 卒業99名
新卒 国試合格率 99.0% 第119回(令和7年2月)
6年で医師になる確率 89.9% 私立31校中3位

進級・卒業で学生を止める設計ではなく、入口で選び抜く設計。それが数字に表れています。

 

東京慈恵会医科のレベルは全81校中11位|私立31校では2位

「東京慈恵会医科のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。偏差値の数字より、順位のほうが実感に近いはずです。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は69.5。私立31校中2位・全81校中11位で、全国の医学部の中で上位にあたります。

全81校順位 大学 合格者平均偏差値 区分別順位
9位 神戸大学 70.6 国公立8位
10位 大阪公立大学 70.4 国公立9位
11位 東京慈恵会医科大学 69.5 私立2位
12位 横浜市立大学 69.3 国公立10位
13位 九州大学 69.1 国公立11位

出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計

上の表は東京慈恵会医科の前後2校ぶんです。偏差値69.5の前後には神戸・大阪公立・横浜市立・九州が並んでいます。この並びが、模試の判定を読むときの物差しになります。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。

 

太宰府アカデミーの視点|東京慈恵会医科大学はどんな受験生に向くか

慈恵対策の核心は、「5割強で勝てるメンタルと戦略」だと考えています。合格最低点47%の入試では、解けない問題に出会うのが前提。1問に固執して時間を溶かす受験生から脱落していきます。過去問演習では点数そのものより「捨てる判断の速さ」を鍛えてください。模試で偏差値70前後に届いていて、なお過去問で5割しか取れなくても、それは異常ではありません。

併願設計では、補欠番号の「読みやすさ」が武器になります。近年4年は65〜80番で安定して繰上終了。2月末に自分の番号を見た時点で、3月の作戦(待つか、後期に切り替えるか)をかなり正確に立てられる大学です。番号非公表の大学を本命にしている受験生ほど、慈恵の番号は精神的な支柱になります。

1点だけ注意を。学費の安さ(約2,250万円)と知名度で「とりあえず出願」する層も毎年いますが、問題との相性確認なしの出願はおすすめしません。慈恵の問題形式に合うかどうかは、必ず過去問で確かめてから決めてください。

 

東京慈恵会医科大学のよくある質問

Q1. 合格最低点が5割以下なのはなぜですか?
A. 問題の難度が高いからです。合格者の学力は私立2位(合格者平均偏差値69.5)で、その層でも5割前後しか取れない問題設計になっています。「入りやすい」という意味ではまったくありません。

Q2. 補欠は何番まで回りますか?
A. 直近4年(2021〜2025年度)は65〜80番で繰上終了が続いています。2025年度は3月31日に67番で終了と大学HPに掲載されました。2020年度以前は140〜150番まで回る年もありました。

Q3. 東京都地域枠はありますか?
A. ありません。2021年度入試で終了済みです。東京都の奨学金を使える地域枠は現在、順天堂・杏林・日本医科の3大学です。

Q4. 倍率はどれくらいですか?
A. 方式別の実質倍率は大学が入試結果として公表しています。当塾集計への取り込みが済み次第、志願者数・倍率の推移をこのページに追記します。

 

まとめ|東京慈恵会医科大学を受けるなら押さえる3つ

  • 合格最低点47%は「難問の証明」。過去問は点数より「捨てる判断」を鍛える教材と考える
  • 補欠は近年65〜80番で安定。番号で3月の作戦を立てられる、読みやすい大学
  • 東京都地域枠は2021年度で終了。古い情報に注意。奨学金枠なら順天堂・杏林・日医へ

偏差値70.0という数字よりも、「私立2位の層が5割しか取れない問題」という事実のほうが、慈恵という大学をよく説明していると思います。数字が動いたら、このページを最初に更新します。

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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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