こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
「藤田医科大学 偏差値」。この検索、うちのサイトにも年間5万回以上届いています。ところが調べてみると、出てくるのは偏差値の数字だけ。その数字が何点取れば届くのか、入ってから6年で医師になれるのかまで書いてあるページが、ほとんど無いんです。
先に、このページで答える4つを置いておきます。
− 藤田医科大学の偏差値って、結局どのくらい?昔は入りやすかったって本当?
− 何点取れば受かるの?共通テスト利用は何割いる?
− 学費は?2026年度入学者から下がったって本当?
− 入ってから、ちゃんと6年で卒業できるの?
このページでは、4つとも数字で答えます。2027年度入試の配点・科目は大学の公表資料から、合格最低点は大学の公表値から、進級率と国試合格率は文部科学省・厚生労働省の資料から取っています。順に見ていきましょう。
この記事の目次
- 1 藤田医科大学医学部の偏差値は65.0|合格ラインは得点率56.5%
- 2 偏差値の50年推移|40.0から65.0へ、50年で+25.0
- 3 科目と配点|2027年度一般前期は英語と数学が各200点
- 4 合格最低点は一般56.5%|共通テスト利用は91.1%(2025年度)
- 5 実質倍率は7.0倍|2,871名が受けて407名が合格
- 6 女子の合格率は12.4%|男子との差は3.1ポイント
- 7 繰り上げ合格は補欠14〜89番|年でここまで違います
- 8 面接は40点|MMI(多面的面接)を実施しています
- 9 地域枠は10名|入学定員122名のうち8.2%を占めます
- 10 2027年度入試の変更点|医工共創学科の新設と「情報Ⅰ」追加
- 11 共通テスト利用のボーダー|750点満点、国語と情報Ⅰが必要
- 12 国試合格率は98.1%|進級率75.8%と学費30%減の中身
- 13 藤田医科のレベルは全81校中35位|私立31校では9位
- 14 多浪・再受験でも合格できるか|卒業年度別の合格率で見る
- 15 太宰府アカデミーの視点|藤田医科大学はどんな受験生に向くか
- 16 藤田医科大学医学部のよくある質問
- 17 まとめ|藤田医科大学医学部を受けるなら押さえる3つ
藤田医科大学医学部の偏差値は65.0|合格ラインは得点率56.5%
最初に結論を。藤田医科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で65.0(2026年度入試)。私立医学部31校の中で、ちょうど真ん中あたりです。
そして2025年度の一般前期の合格最低点は339点/600点満点。得点率にすると56.5%でした。「6割取れなくても受かる」と聞くと簡単そうに感じるかもしれませんが、これは問題が難しいからであって、易しいからではありません。この点は後で詳しく書きます。
入学後は、医師国家試験の合格率98.1%(受験106人中104人)と全国トップ級。ただし6年ストレートの進級率は75.8%で、入学者120人のうち約4人に1人は途中で足踏みしています。
そして2026年度入試で最大のニュースが、学費の30%引き下げです。6年間の学納金が2,980万円から2,152万円になり、私立医学部31校の中で4番目に安い水準になりました。この変化が意味することは、後半で詳しく書きます。
合格者平均偏差値は66.0|私立31校中9位
もうひとつ、今回から新しい物差しを足します。河合塾の入試結果調査(2026年度)で、全統模試を受けて藤田医科大学医学部に合格した人の記述模試平均は66.0(英65.5・数66.1・理66.4)でした。ボーダーでは同じ65.0の大学がいくつも横並びになりますが、平均で並べ直すと私立31校中9位・国公立を含む全81校中35位(防衛医科大学校を除く)です。

前年の65.8から+0.2。すぐ上の昭和医科(65.9)とは0.1差の9位で、その先に大阪医科薬科(66.2)・東京医科(66.4)が見える位置です。学費を約30%下げた直後の年にこの水準を保っているのは、志望者層の変化を追ううえで注目に値します。
| 私立順位 | 大学 | 英 | 数 | 理 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7位 | 東京医科大学 | 66.2 | 66.1 | 67.0 | 66.4 |
| 8位 | 大阪医科薬科大学 | 64.6 | 67.0 | 67.1 | 66.2 |
| 9位 | 藤田医科大学 | 65.5 | 66.1 | 66.4 | 66.0 |
| 10位 | 昭和医科大学 | 65.5 | 66.0 | 66.1 | 65.9 |
| 11位 | 東邦大学 | 66.4 | 64.6 | 65.4 | 65.5 |
| 12位 | 近畿大学 | 63.5 | 65.5 | 66.2 | 65.1 |
※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
藤田医科大学の全国順位と、同じ帯の大学は、医学部偏差値ランキング2027(全81校・国公立と私立)の一覧表で確かめられます。
偏差値の50年推移|40.0から65.0へ、50年で+25.0
まず、皆さんの親世代がおっしゃるかもしれない「藤田は入りやすい」について。それは40年前の話です。

| 年 | 偏差値 | 前の時点からの変化 |
|---|---|---|
| 1975年 | 47.5 | — |
| 1985年 | 40.0 | -7.5(過去最低) |
| 1995年 | 60.0 | +20.0 |
| 2010年 | 65.0 | +5.0 |
| 2015年 | 65.0 | ±0.0 |
| 2023年 | 65.0 | ±0.0 |
| 2026年 | 65.0 | ±0.0 |
| 2027年(予想) | 65.0 | ±0.0 |
1985年の偏差値は40.0。当時の藤田保健衛生大学(2018年に藤田医科大学へ改称)は、確かに入りやすい大学でした。それが1995年に60.0、2010年に65.0。50年で+25.0ポイントです。
この上がり幅は、私立医学部31校の中で愛知医科大学(+27.5)に次ぐ2位。つまり藤田医科大学は、この半世紀で最も難化した私立医学部の一つ、ということになります。「昔は入りやすかった」は事実ですが、その事実はもう、いまの受験には1ミリも関係ありません。
ちなみに検索候補に「藤田医科大学 恥ずかしい」という言葉が出てくることがあります。年間737回ほど検索されています。でも偏差値65.0というのは、模試受験者の中で上位およそ7%にあたる数字です。恥ずかしがる理由は、どこにも見当たりません。
科目と配点|2027年度一般前期は英語と数学が各200点
次は「何をどれだけ勉強すればいいか」です。配点を見ると、この大学の性格がはっきり出ています。

| 区分 | 科目 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1次 | 英語 | 200点 | マーク式+記述式 |
| 1次 | 数学 | 200点 | 数ⅠA・ⅡBC・Ⅲ(全範囲) |
| 1次 | 理科① | 100点 | 物理・化学・生物から2科目選択 |
| 1次 | 理科② | 100点 | 同上 |
| 1次 | 合計 | 600点 | 英数で全体の67% |
| 2次 | 面接 | 40点 | 2/12・13・14の3日間(希望日選択) |
1次試験は英語200点・数学200点・理科2科目で200点(各100点)の計600点満点。2次試験は面接40点です。
ここが重要です。英語と数学だけで満点の67%を占めます。 理科2科目を合わせても200点にしかならないのに、英語1科目で200点。理科が得意な受験生より、英数が安定している受験生のほうが有利な配点です。志望校を決めるときは、必ずここを見てください。
数学の出題範囲は数ⅠA・ⅡBC・Ⅲの全範囲、理科は物理・化学・生物から2科目選択です。2027年度からは数Bの「統計的な推測」が出題範囲に加わりました。新課程への対応で、2026年度までは範囲外だった分野です。ここは対策から抜け落ちやすいので注意してください。
そしてもう一つ、必ず知っておくべき仕様があります。英語と数学のマーク式問題には基準点が設定されており、各教科の得点および合計得点が基準に満たない場合は不合格となることがあります。いわゆる足切りです。理科でどれだけ稼いでも、英数のマーク式で基準を下回れば先に進めません。
試験時間と問題形式
1次試験の時間配分は英語90分・数学100分・理科2科目で120分。形式は次のとおりです。
英語(90分・大問6題)は、前半がマーク式(短文完成・語句整序・長文読解)、後半が記述式で、日本語での内容説明と和文英訳が出ます。マークだけの対策では届きません。
数学(100分・大問3題)は、大問1がマーク式の小問集合(幅広い単元から10問前後)、大問2・3が記述式。小問集合を確実に取り切れるかが、基準点の突破と直結します。
理科(2科目120分)は記述と穴埋めの併用。難度の高い設問も含まれるため、全部を解こうとせず標準的な問題を取り切るという戦い方になります。
まとめると、マークと記述の両方を、限られた時間で処理する形式です。配点が英数に寄っているからといって、英数が得意なだけで有利になるとは限りません。過去問で形式との相性を必ず確かめてください。
合格最低点は一般56.5%|共通テスト利用は91.1%(2025年度)
「何点取れば受かるのか」。ここが一番知りたいところだと思います。

| 方式 | 合格最低点 | 満点 | 得点率 |
|---|---|---|---|
| 一般 前期(2次) | 339点 | 600点 | 56.5% |
| 一般 後期(2次) | 356点 | 600点 | 59.3% |
| 共通テスト利用 前期(2次) | 638点 | 700点 | 91.1% |
| 【2024年度】一般 前期 | 334点 | 600点 | 55.7% |
| 【2024年度】共テ利用 前期 | 571点 | 700点 | 81.6% |
2025年度の2次合格最低点は、一般前期339点/600点=56.5%、一般後期356点/600点=59.3%。共通テスト利用は638点/700点=91.1%でした。
同じ大学なのに、必要な得点率が34.6ポイントも違います。 これは矛盾ではありません。一般入試は藤田医科大学が独自に作った難しい問題で、共通テスト利用は全国共通の標準的な問題だからです。
だから「56.5%でいい」と気を抜くのは危険ですし、逆に「91.1%も必要なのか」と共テ利用を諦めるのも早すぎます。自分の得意な戦い方で選ぶのが正解です。共通テストで9割取れるタイプなら共テ利用、記述型の難問に強いなら一般。そういう選び方ができる大学です。
参考までに、2024年度の合格者の科目別平均点も公表されています。前期は英131.2/数117.6/物58.8/化72.6/生65.9、後期は英134.1/数158.0/物53.2/化62.7/生69.0。後期の数学が158.0と突出して高いのが分かります。後期を狙うなら、数学が勝負どころです。
落ちた場合の話も書いておきます。藤田医科は不合格だった人が自分の得点を確認できます。返ってくるのは総合得点です。申請の時期と方法はその年の大学発表で確認してください。
出典:各大学の成績開示要領をもとに太宰府アカデミー集計(実施の有無と開示内容は2022年度調査。申請期間は毎年変わるため、その年の大学公式発表で確認してください)
実質倍率は7.0倍|2,871名が受けて407名が合格
「藤田医科の倍率は25.1倍」という数字を見たことがあるかもしれません。その数字は志願倍率——出願段階の人数で計算したものです。実際に会場に来た人と合格者で計算した実質倍率は7倍。同じ「倍率」でも18.1ポイント違います。
| 区分 | 人数 | 読み方 |
|---|---|---|
| 募集人員 | 122名 | — |
| 志願者数 | 3,061名 | 志願倍率 25.1倍 |
| 受験者数 | 2,871名 | 志願者の94%が受験 |
| 合格者数 | 407名 | 実質倍率 7倍 |
| 入学者数 | 120名 | 定員充足率 98.4% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計。※一般・共通テスト利用・学校推薦型・総合型を合わせた医学科全体の数字です。方式別・年度別の倍率は、このページの他の節で扱っています
出願した人の94%が実際に受験しています。受けに来る人はほぼ全員が本気、と考えたほうが実態に近い数字です。倍率の数字がそのまま実感に近くなります。
女子の合格率は12.4%|男子との差は3.1ポイント
2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。藤田医科の2025年度入試は、男子15.5%・女子12.4%。男子の合格率のほうが3.1ポイント高いという結果です。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 男子 | 1,641名 | 255名 | 15.5% |
| 女子 | 1,230名 | 152名 | 12.4% |
| 合計 | 2,871名 | 407名 | 14.2% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計
1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。
| 年度 | 男子合格率 | 女子合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 最新年 | 15.5% | 12.4% | -3.1pt |
| 前年 | 15.0% | 11.3% | -3.7pt |
| 前々年 | 11.8% | 10.7% | -1.1pt |
出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計
3年とも男子のほうが高く出ています。ただし合格率は受験者層にも左右されるため、この数字だけで「女子が不利」とは言えません。
入学者で見ると女子は55名・45.8%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「藤田医科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。
繰り上げ合格は補欠14〜89番|年でここまで違います
「藤田医科大学 繰り上げ合格」「藤田医科大学 補欠」も検索されます。藤田医科大学は2次試験の合格発表で正規合格者を出すのと同時に、成績上位者へ番号付きの補欠を通知します。自分が何番目かが分かる方式です。

| 年度 | 一般前期 | 一般後期 | 共通テスト利用(前期) |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 89番(3月19日時点) | — | 50番(3月16日時点) |
| 2025年度 | 14番(3月31日) | — | 36番(3月16日) |
| 2024年度 | 50番(3月29日) | 2番 | 32番(3月31日) |
| 2023年度 | 15番 | 3番 | — |
| 2022年度 | 番号なしの補欠まで | 10番 | — |
| 2021年度 | 40番台 | 10番台 | — |
ここで単位を確かめておきます。上に並んでいるのは補欠番号——何番まで連絡が回ったかで、繰り上がった人数ではありません。番号のなかには連絡を受けたあとに他大学へ進んだ人が含まれるので、実際に入学した人数は、番号よりも少なくなります。
出典:受験生・卒業生からの聞き取りをもとに太宰府アカデミー集計。大学の公表値ではありません。参考値としてご覧ください
数字を見ると、一般前期は14番で止まる年もあれば、89番まで進んだ年もある。2022年度のように番号のない補欠まで回った例外的な年もありました。正規合格を毎年230〜250名と多めに出す大学なので例年は浅めに終わりますが、2026年度のように深く回る年が挟まります。浅い前提でも深い前提でも組まない——読めない数字として扱ってください。
面白いのは共通テスト利用のほうが深く回る年があることです。2025年度は一般前期が14番で止まったのに対し、共テ利用は36番まで進みました。共テ利用は上位層が国公立へ抜けるぶん、辞退が出やすいからです。
結論は変わりません。狙うべきは正規合格です。補欠の連絡が来た場合も、他大学の手続き期限と照らして冷静に判断してください。
面接は40点|MMI(多面的面接)を実施しています
面接の配点は40点です。私立医学部31校のうち、一般選抜の面接配点を公表しているのは14校しかありません。藤田医科はその1つで、数字で比べられます。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 面接の配点 | 40点 | 個人面接2回+MMI 2回(5段階評価) |
| 総合点に占める比率 | 2次は面接のみ/総合640点の6% | — |
| 小論文 | 一般選抜では課しません | — |
出典:各大学の2027年度(令和9年度)募集要項・入試概要をもとに太宰府アカデミー集計
MMI(多面的面接)を公式に実施しています。総合型(ふじた未来入試)の2次はMMI+グループディスカッションで、課題文を1分黙読して5分プレゼンする形式を複数回おこないます。
地域枠は10名|入学定員122名のうち8.2%を占めます
藤田医科の募集人員は、地域枠を含めた数字です。内訳を出します。
| 区分 | 人数 | 割合・注記 |
|---|---|---|
| 入学定員 | 122名 | — |
| 地域枠等 | 10名 | 定員の8.2% |
| うち臨時定員の地域枠 | 10名 | 期限付きで増員されている枠 |
| 地域枠を除いた枠 | 112名 | — |
出典:文部科学省医学教育課「大学医学部における地域枠等の導入状況(令和7年度)」をもとに太宰府アカデミー集計
全国80大学では定員9,270名のうち地域枠が1,847名=19.9%。ほぼ5人に1人です。藤田医科は8.2%で全国63位。私立大学の平均14.3%と同じくらいの水準です。 このうち10名は臨時定員の枠です。臨時定員は期限を区切って増やされているもので、制度が変われば減る可能性があります。 なお文部科学省の定義では、地域枠には奨学金と連動しない枠も含まれます。地域枠=必ず修学資金がもらえる、ではありません。出願前に、その枠に貸与制度が付いているかを大学の要項で確かめてください。
ここまでは人数の話でした。なぜその枠が要るのかも見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、愛知県は240.2で全国28位、中程度の県です。 地域枠も専攻医のシーリングも、この指標を根拠に動いています。枠の増減を予想したいなら、見るべきはこの指標です。
出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計
一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。
2027年度入試の変更点|医工共創学科の新設と「情報Ⅰ」追加
2027年度は、藤田医科大学の医学部そのものが変わります。
1つ目は、医学部に「医工共創学科」が新設されること。2027年度入試から募集が始まり、一般選抜10名・共通テスト利用5名の計15名を募集します。医師を養成する医学科とは別に、医学と工学の両方をまたぐ人材を育てる学科が、医学部の中に置かれる形です。1次試験は2027年2月4日(木)、出願は2026年12月8日〜2027年1月23日、試験会場は愛知・東京・大阪です。
この医工共創学科は、配点の作り方も特徴的です。数理重視型A(数500点・理50点・英50点)、数理重視型B(数275点・理275点・英50点)、一般型(数200点・理200点・英200点)の3つの配点で同時に判定し、AとBの上位から各20%、一般型から60%の合格者を決めます。数学が突出して得意な受験生には、他にあまり例のない入口です。
2つ目は、数学の出題範囲の拡大です。一般選抜の数Bに「統計的な推測」が加わりました。総合型選抜(ふじた未来入試)でも、数Ⅲと数B「統計的な推測」が新たに範囲に入っています。
3つ目は、共通テスト利用の科目構成です。後述しますが、2027年度は「情報Ⅰ」50点が配点に含まれる形になっています。
なお2026年度入試では、一般前期が82名→90名に増員される一方で、一般後期が廃止されました。この構成は2027年度も引き継がれる見込みです。後期が無いぶん、前期一本に賭ける受験生が集まります。前期の枠が増えたからといって、競争が緩くなるとは考えないほうがよさそうです。
共通テスト利用のボーダー|750点満点、国語と情報Ⅰが必要
共通テスト利用選抜は、2027年度の配点が英語200点(リーディング150+リスニング50)・数学200点(数ⅠA+数ⅡBC)・理科200点・国語100点・情報Ⅰ50点の計750点という構成になっています。1次通過者には2次試験として面接が課されます。
国語(近代以降の文章のみ)と情報Ⅰが必要な点に注意してください。理科は物理・化学・生物から2科目選択です。私立専願で国語や情報を捨てている受験生には、この方式は使えません。逆に国公立との併願なら、追加の負担なしで出願できます。
国試合格率は98.1%|進級率75.8%と学費30%減の中身
ここからが、他の大学紹介サイトがあまり書かない部分です。入ってからどうなるか。

| 指標 | 数値 | 内訳 |
|---|---|---|
| 入学者数 | 120人 | — |
| 6年ストレート進級率 | 75.8% | 在籍91人 |
| 卒業率(卒業試験の合格率) | 75.0% | 卒業90人 |
| 医師国家試験 合格率 | 98.1% | 受験106人・合格104人 |
| 6年でストレートに医師になれる確率 | 73.6% | 進級×卒業×国試 |
まず良い数字から。医師国家試験の合格率は98.1%(受験106人・合格104人)。全国平均が91.6%(第120回)ですから、これは相当に高い。出口の面倒見が良い大学だと言っていいと思います。
一方で厳しい数字もあります。6年間ストレートの進級率は75.8%(入学者120人に対し在籍91人)。卒業率(卒業試験の合格率)は75.0%。これらを掛け合わせると、入学した120人のうち6年間ストレートで医師になれるのは約73.6%という計算になります。
言い方を変えると、4人に1人は、どこかで1年以上余分にかかるということです。私立医学部の学費を考えると、留年1年の重みは相当なものです。
学費についても、大きな動きがあります。藤田医科大学は2026年度の入学者から、6年間の学納金を2,980万円→2,152万円へ、約30%引き下げることを決定しました(2025年5月、大学が公表)。これにより私立医学部31校の中で国際医療福祉大学・順天堂大学・関西医科大学に次いで4番目に学費が安い水準になります。

| 区分 | 6年間の学納金 | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年度まで | 2,980万円 | 従来の学納金 |
| 2026年度から | 2,152万円 | ▲828万円(約30%減) |
| 私立31校での位置 | 4番目に安い | 国際医療福祉・順天堂・関西医科に次ぐ |
828万円の減額は、私立医学部の受験地図を動かすインパクトがあります。順天堂大学が2008年度に学費を大幅に下げたあと偏差値を大きく伸ばしたように、学費の引き下げは志願者層を押し上げる要因になり得ます。偏差値65.0という数字は、今後上がる方向に動く可能性があると見ておいたほうがいいでしょう。
※学費は改定されることがあります。出願前に必ず大学公式サイトで最新の金額をご確認ください。奨学金・特待生制度についても同様です。
藤田医科のレベルは全81校中35位|私立31校では9位
「藤田医科のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。同じ数字でも、上に何校いるかで意味が変わります。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は66.0。私立31校中9位・全81校中35位で、全国81校のちょうど中ほどです。
| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均偏差値 | 区分別順位 |
|---|---|---|---|
| 32位 | 和歌山県立医科大学 | 66.2 | 国公立24位 |
| 34位 | 熊本大学 | 66.0 | 国公立26位 |
| 35位 | 藤田医科大学 | 66.0 | 私立9位 |
| 35位 | 鹿児島大学 | 66.0 | 国公立27位 |
| 37位 | 昭和医科大学 | 65.9 | 私立10位 |
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計
上の表は藤田医科の前後2校ぶんです。偏差値66.0の前後には和歌山県立医科・熊本・鹿児島・昭和医科大学が並んでいます。1つ上・1つ下の大学を知っておくと、出願直前に迷いにくくなります。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
多浪・再受験でも合格できるか|卒業年度別の合格率で見る
「何浪まで見てもらえるのか」は、医学部受験でいちばん多い不安の1つだと思います。藤田医科は卒業年度別の合格率を公表しています。感覚ではなく、その数字で見ます。
| 区分 | 受験者数 | 最終合格 | 合格率 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|
| 現役 | 1,115 | 141 | 12.6% | 47 |
| 1浪 | 855 | 169 | 19.8% | 38 |
| 2浪 | 357 | 57 | 16.0% | 20 |
| 3浪以上・その他 | 416 | 31 | 7.5% | 13 |
| 合計 | 2,743 | 398 | 14.5% | 118 |
出典:各大学公表の入試結果をもとに太宰府アカデミー集計/2026年度入試(全選抜合計・合格者は繰上を含む)
1浪の合格率19.8%が、現役の12.6%を大きく上回っています。2浪の16.0%も現役より高い数字です。3浪以上では7.5%まで下がりますが、それでも合格者31名・入学者13名が出ています。入学者の内訳は現役39.8%・1浪32.2%・2浪17.0%・3浪以上11.0%。6割が浪人経験者です。合格率は受験する層によっても動きます。浪人年数ごとに難易度が同じ、という意味ではありません。なお合否とは別に、学費支援の面ではっきりした線があります。国の「高等教育の修学支援新制度」は、高校を初めて卒業した年度の翌年度末から入学日までが2年を超えていないことを要件にしています。3浪以上はこの時点で対象外です(高卒認定の場合は別の起算になります)。多浪で受けるなら、合格可能性だけでなく学費の設計も一緒に考えておいてください。
太宰府アカデミーの視点|藤田医科大学はどんな受験生に向くか
藤田医科大学を受験校に入れるかどうか。検討するうえで注意したいポイントを、3つ挙げます。
1つ目は、配点だけで判断しないことです。一般前期は英語200点・数学200点に対し、理科は2科目で200点。英数だけで満点の67%を占めます。この数字を見ると「英数が得意なら有利」と考えたくなりますが、そこで止まるのは危険です。配点が合っていても、問題との相性が合わなければ点は取れません。配点だけを根拠に押し切るのは、避けたほうがいいと思います。
2つ目は、出題形式との相性です。英語は90分・大問6題で、前半はマーク式、後半は日本語での内容説明と和文英訳という記述問題。数学は100分・大問3題で、大問1がマーク式の小問集合、大問2・3が記述式。理科は2科目あわせて120分です。マークと記述の両方を、限られた時間で処理する形式だと分かります。どちらか片方だけが得意という状態だと、配点が合っていても届きにくい。
そしてもう一点。英語と数学のマーク式には基準点が設定されており、これを下回ると不合格となる場合があります。他の科目でどれだけ取っていても、ここを越えられなければ先へ進めません。「英数が得意だから藤田」ではなく、「英数のマーク式で、安定して基準を超えられるか」を過去問で先に確かめる。順番はこちらだと思います。
3つ目は、入学後のデータの読み方です。6年間ストレート進級率75.8%、卒業率75.0%、そして医師国家試験の合格率98.1%。これらのデータを見る限りは、在学中にいくつかの関門があり、そのうえで出口の国試実績が高い水準にあるという形になっています。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ、志望校を決める段階で入口の偏差値だけでなく、6年間のデータもあわせて見ておくと、入学後の生活がイメージしやすくなるはずです。
この3点は、藤田医科大学に限った話ではありません。配点・出題形式・入学後のデータ。この3つをセットで見ていくと、偏差値表だけでは分からない「自分に合う大学」が見えてきます。
藤田医科大学医学部のよくある質問
Q. 藤田医科大学は「入りやすい」ですか?
A. いいえ。偏差値65.0は模試受験者の上位およそ7%です。1985年の40.0から+25.0ポイント上がっており、私立31校の中で2番目に難化した大学です。
Q. 一般と共通テスト利用、どちらが有利ですか?
A. 得意な戦い方で決めてください。一般は独自の難問で合格最低点56.5%、共テ利用は標準的な問題で91.1%です。国公立と併願していて共テで9割取れるなら共テ利用、記述型に強ければ一般が向いています。ただし共テ利用は国語が必要です。
Q. 地域枠はありますか?
A. 一般選抜に愛知県地域枠が設定されています(配点・科目は一般と同じ600点満点)。総合型選抜(ふじた未来入試)は2026年度が12名でした。地域枠の設定は年度により変わるため、出願前に必ず最新の募集要項をご確認ください。
Q. 繰上合格(補欠)は回りますか?
A. 藤田医科大学は2次試験の合格発表で正規合格者を発表し、あわせて成績上位者に番号付きの補欠を通知します。一般前期で回った補欠番号は2026年度89番(3月19日時点)、2025年度14番、2024年度50番、2023年度15番(聞き取りによる参考値)。正規合格を毎年230〜250名と多めに出す大学のため例年は浅めですが、2026年度のように90番近くまで回る年もあります。この番号は人数ではなく順番です。補欠の連絡が来た場合も、他大学の手続き期限と照らして冷静に判断してください。狙うべきは正規合格です。
Q. 倍率はどのくらいですか?
A. 2025年度の一般選抜は志願者1,625名・受験者1,495名。2次試験の受験者は346名で、そこから正規合格251名。実質倍率は約5.6倍でした。裏を返せば2次に進めれば7割以上が正規合格しています。1次の学力試験が最大の関門です。
まとめ|藤田医科大学医学部を受けるなら押さえる3つ
最後に、数字で整理します。
1. 偏差値65.0。「昔は入りやすかった」は40年前の話。1985年の40.0から+25.0で、私立31校中2番目の難化幅です。
2. 一般前期は600点満点で339点(56.5%)、共テ利用は700点満点で638点(91.1%)。同じ大学で34.6ポイント違います。自分の得意な方式を選んでください。
3. 2026年度入学者から学費が2,152万円へ、約30%減。2027年度は医学部に医工共創学科が新設されます。私立31校で4番目に安い水準です。国試合格率98.1%、6年ストレート進級率75.8%。入学120人のうち6年で医師になれるのは約73.6%です。
あなたが明日やることは1つです。直近の模試の成績表を開いて、英語と数学の得点だけを見てください。 藤田の一般前期は、この2科目で満点の67%が決まります。英数がすでに安定しているなら、藤田は配点の面では相性が良い大学です。ただし、そこで決めずに必ず過去問で形式との相性を確かめてください。英数のマーク式には基準点があり、ここを越えられるかが最初の関門になります。
このページを作り直したのは、「藤田医科大学 偏差値」と検索した人が、偏差値の数字だけ見て帰っていくのが、ずっともったいないと思っていたからです。偏差値は入口の話でしかありません。何点必要で、どの科目が重くて、入ってから6年どうなるのか。 そこまで分かって初めて、志望校は「決められる」のだと思います。この1ページで、その全部が分かるようにしたつもりです。
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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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