こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
「日本医科大学 偏差値」。この検索語だけで、うちのサイトには年間3万5千回以上の表示があります。ところが実際にクリックされているのは0.3%ほど。つまり、ほとんどの受験生が知りたい数字にたどり着けていないということです。
調べてみて驚いたのですが、日本医科大学は入試データをかなり丁寧に公開しています。志願者数も、1次合格者数も、2次の補欠者数も、男女比も、入学者の浪人年数まで大学のサイトに出ています。それなのに、それを1ページにまとめたものが見当たりませんでした。
知りたいのは、たぶんこのあたりですよね。
− 偏差値70.0って、私立でどのくらいの位置なの?
− 学費2,200万円は本当? 特待生になるとどうなるの?
− 後期って、どれくらいきついの?
− 合格発表はいつ? 補欠から回ってくるの?
2027年度(令和9年度)の入学者選抜実施要項と、2026年度入試の結果データをもとに、一つずつ数字でお答えします。
この記事の目次
- 1 日本医科大学の要点|偏差値70.0・学費2,200万円・14.5倍
- 2 日本医科大学医学部の偏差値は70.0|私立2位タイ
- 3 学費は6年間2200万円|特待生なら1700万円まで下がる
- 4 合格最低点は非公表|ただし1次試験の成績開示がある
- 5 倍率は全体14.5倍|後期37.7倍と前期9.3倍の差
- 6 女子の合格率は5.3%|男子6.2%とほぼ同じです
- 7 2027年度の日程と募集人員116名
- 8 合格発表はいつか|前期2月16日、後期3月15日
- 9 科目と配点|1000点満点、理科が400点で最重量
- 10 面接・小論文の形式と配点|後期だけ小論文が長い
- 11 繰上合格は何番まで回るか|補欠は成績順に発表される
- 12 地域枠は5都県20名|新潟県は6年で2160万円
- 13 入学後:進級率88.9%、国試の新卒合格率98.3%
- 14 日本医科大学のレベルはどれくらいか
- 15 多浪・再受験でも受けられるか|一般選抜に年齢要件はありません
- 16 太宰府アカデミーの視点|日本医科大学はどんな受験生に向くか
- 17 日本医科大学医学部のよくある質問
- 18 まとめ|日本医科大学医学部を受けるなら押さえる3つ
日本医科大学の要点|偏差値70.0・学費2,200万円・14.5倍
最初に、数字の骨格だけ置いておきます。
- 偏差値70.0(河合塾 全統模試・2027年予想値)。私立31校で慶應義塾(72.5)に次ぐ2位タイ
- 学費は6年間2,200万円。平成30年度に2,770万円から570万円引き下げられました
- 2026年度の実質倍率は14.5倍。1次試験受験者3,374人に対し、2次試験合格者は233人
- 合格最低点は非公表。ただし一般選抜の1次試験は成績開示が行われています
- 2027年度の募集人員は116名。前期の1次は令和9年2月1日(月)、後期の1次は2月28日(日)
いちばん意外なのは、偏差値70.0の大学でありながら学費が2,200万円だという点です。私立医学部で偏差値70.0の水準にある大学は慶應義塾・順天堂・東京慈恵会医科・日本医科の4校だけですが、その中で日本医科大学の学費は決して高いほうではありません。ここから詳しく見ていきます。
他大学との比較は、医学部偏差値ランキング2027|全81校の一覧にまとめています。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値の両方を載せた表です。
日本医科大学医学部の偏差値は70.0|私立2位タイ
河合塾 全統模試の偏差値を、長期で並べたのが次の図です。

読み取れることは2つあります。1つめは、直近5年(2023年〜2027年予想)はずっと70.0で動いていないこと。難化も易化もしていません。志望校を決めるうえでは、この安定性はむしろ扱いやすい情報です。
2つめは、1975年の60.0から50年で10.0ポイント上がっていること。1985年に65.0、1995年にいったん62.5まで下げ、2010年に70.0へ。私立医学部全体の2027年予想平均が65.2ですから、平均を4.8ポイント上回っています。
| 年 | 日本医科大学 | 私立31校の平均 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2027年(予想) | 70.0 | 65.2 | 私立2位タイ |
| 2026年 | 70.0 | 65.4 | ― |
| 2025年 | 70.0 | 65.3 | ― |
| 2024年 | 70.0 | 65.5 | ― |
| 2023年 | 70.0 | 65.9 | ― |
| 2015年 | 67.5 | 65.9 | ― |
| 2010年 | 70.0 | 66.3 | ― |
| 1995年 | 62.5 | 60.2 | ― |
| 1985年 | 65.0 | 51.3 | ― |
| 1975年 | 60.0 | 51.5 | ― |
なお2027年の数値は予想値です。確定値ではありませんので、出願の判断に使うときは河合塾の最新版を必ず見てください。2026年の確定値も70.0でした。
合格者平均偏差値は68.1|私立31校中4位
ボーダー70.0は「私立2位タイ」ですが、もう1段細かい物差しでも見ておきます。河合塾の入試結果調査(2026年度)で、全統模試を受けて日本医科大学医学部に合格した人の記述模試平均は68.1(英68.3・数67.7・理68.4)。私立31校中4位、国公立を含む全81校中18位(防衛医科大学校を除く)です。

順天堂(68.2)とは0.1差の4位で、慈恵(69.5)を追う位置。英数理の凸凹がほとんどない、バランス型の合格者層です。前年の68.5からは-0.4でした。
| 順位 | 大学 | 英 | 数 | 理 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2位 | 東京慈恵会医科大学 | 68.5 | 69.4 | 70.6 | 69.5 |
| 3位 | 順天堂大学 | 69.2 | 67.4 | 68.1 | 68.2 |
| 4位 | 日本医科大学 | 68.3 | 67.7 | 68.4 | 68.1 |
| 5位 | 関西医科大学 | 66.4 | 68.4 | 69.0 | 67.9 |
| 6位 | 国際医療福祉大学 | 68.4 | 66.6 | 67.7 | 67.6 |
| 7位 | 東京医科大学 | 66.2 | 66.1 | 67.0 | 66.4 |
※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です(一般・推薦・総合型を含む)。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
学費は6年間2200万円|特待生なら1700万円まで下がる
大学が公表している学費です。6年間の合計は2,200万円。内訳は1年次が450万円(入学金150万円+授業料250万円+施設整備費50万円)、2年次以降が毎年350万円(授業料250万円+施設整備費100万円)です。

注目してほしいのは特待生制度です。一般選抜の成績上位者は前期35名・後期3名が特待生となり、1年次の授業料250万円が免除されます。6年間では1,950万円。さらにグローバル特別選抜の成績上位10名は1年次と2年次の授業料500万円が免除され、6年間1,700万円になります。
| 区分 | 1年次 | 2年次 | 3年次以降(年) | 6年間合計 |
|---|---|---|---|---|
| 一般の入学者 | 450万円 | 350万円 | 350万円 | 2,200万円 |
| 前期・後期の特待生(38名) | 200万円 | 350万円 | 350万円 | 1,950万円 |
| グローバル特待生(10名) | 200万円 | 100万円 | 350万円 | 1,700万円 |
| 内訳:入学金150万円(初年度のみ)/授業料250万円(年)/施設整備費 1年次50万円・2年次以降100万円(年) | ||||
| 別途、諸経費が6年間で29万7,800円(学友会費6万円・父母会費9万円・同窓会費14万円・保険料7,800円) |
合わせて48名分の特待生枠があるわけで、募集人員116名に対する比率としてはかなり大きい部類です。また、学費とは別に諸経費が6年間で29万7,800円(学友会費6万円、父母会費9万円、同窓会費14万円ほか)必要になります。
もう1つ、前期を受ける人だけに関係する話があります。納入した入学金150万円は、後期の1次試験日の前日までに入学辞退を申請すれば半額が返還されます。国公立の後期日程を待つ受験生には効いてくる条件です。後期・グローバルの入学金は返還されません。
合格最低点は非公表|ただし1次試験の成績開示がある
ここは正直に書きます。日本医科大学は合格最低点を公表していません。予備校の集計にも確定値は出てきません。「6割程度が目安」と語られることはありますが、大学の公表値ではないので、この記事では数字として断定しません。
ただし、代わりになるものがあります。一般選抜の1次試験については、受験者本人への成績開示が実施されています。2026年度入試でも実施され、2026年6月に受付が終了しました。自分の得点が分かれば、翌年の戦略はかなり立てやすくなります。再受験・多浪の方は、この制度を使わない手はありません。
合格最低点が出ていない大学を判断するときは、「何点で受かるか」ではなく「何人が受かるか」で見るのが実用的です。次の倍率の項目が、その代わりになります。
倍率は全体14.5倍|後期37.7倍と前期9.3倍の差
2026年度(令和8年度)入試の結果を、区分別に並べました。

いちばん大きいのは、同じ大学の中で倍率が4倍違うという事実です。一般選抜(前期)は1次受験1,535人に対し2次合格165人で9.3倍。一方、一般選抜(後期)は1次受験1,018人に対し2次合格27人で37.7倍。募集人員が前期62名・後期27名と倍以上違うのに、志願者は1,649人対1,146人とそれほど変わらないためです。
| 選抜区分 | 募集 | 志願者 | 1次受験 | 1次合格 | 2次合格 | 2次補欠 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般選抜(前期) | 62 | 1,649 | 1,535 | 349 | 165 | 157 | 9.3倍 |
| グローバル特別選抜(前期) | 10 | 198 | 187 | 35 | 15 | 12 | 12.5倍 |
| 一般選抜(後期) | 27 | 1,146 | 1,018 | 142 | 27 | 64 | 37.7倍 |
| 東京都地域枠 | 5 | 79 | 71 | 15 | 5 | 2 | 14.2倍 |
| 千葉県地域枠 | 7 | 214 | 197 | 43 | 7 | 15 | 28.1倍 |
| 埼玉県地域枠 | 2 | 136 | 122 | 31 | 2 | 13 | 61.0倍 |
| 静岡県地域枠 | 4 | 161 | 148 | 33 | 4 | 11 | 37.0倍 |
| 新潟県地域枠 | 2 | 98 | 90 | 27 | 2 | 11 | 45.0倍 |
| 学校推薦型選抜 | 6 | 6 | 6 | ― | 6 | ― | 1.0倍 |
| 合計 | 125 | 3,687 | 3,374 | 675 | 233 | 285 | 14.5倍 |
もう1つ知っておきたいのが、1次と2次の落ち方が違うことです。全体で見ると志願3,687人→1次受験3,374人→1次合格675人→2次合格233人。1次で約5人に1人まで絞られ、2次でさらに3分の1になります。2次は小論文と面接だけですが、「1次を通れば安心」という試験ではありません。
入学者125名の内訳も公表されています。現役64名(51%)、1浪42名(34%)、2浪9名(7%)、3浪以上10名(8%)。男女比は男性55%・女性45%です。浪人生が半数を占める一方で、2浪以上も15%いる。年齢で門前払いされる大学ではない、という読み方ができます。
女子の合格率は5.3%|男子6.2%とほぼ同じです
2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。日本医科の2025年度入試は、男子6.2%・女子5.3%。差は0.9ポイント。ほぼ横並びです。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 男子 | 2,129名 | 131名 | 6.2% |
| 女子 | 1,630名 | 87名 | 5.3% |
| 合計 | 3,759名 | 218名 | 5.8% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計
1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。
| 年度 | 男子合格率 | 女子合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 最新年 | 6.2% | 5.3% | -0.9pt |
| 前年 | 7.0% | 4.9% | -2.1pt |
| 前々年 | 7.4% | 6.3% | -1.1pt |
出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計
3年とも男子のほうが高く出ています。ただし合格率は受験者層にも左右されるため、この数字だけで「女子が不利」とは言えません。
入学者で見ると女子は62名・49.6%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「日本医科が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。
2027年度の日程と募集人員116名
大学が公表している令和9年度(2027年度)入学者選抜実施要項の内容です。
- 一般選抜(前期)61名/出願 令和8年12月21日(月)〜令和9年1月21日(木)/1次 令和9年2月1日(月)/2次 2月10日(水)または2月12日(金)※出願時に希望日を選択
- グローバル特別選抜(前期)10名/共通テスト「国語」(令和9年1月16日)が必須/1次・2次の日程は前期と同じ
- 一般選抜(後期)25名/出願 令和9年2月1日(月)〜2月19日(金)/1次 令和9年2月28日(日)/2次 3月9日(火)
- 一般選抜(地域枠)20名/東京都5名・千葉県7名・埼玉県2名・静岡県4名・新潟県2名
試験会場は、1次が日本医科大学 武蔵境校舎(東京都武蔵野市)とベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)、2次が千駄木校舎(東京都文京区)です。後期の1次は武蔵境校舎のみになります。受験料は6万円、地域枠を併願しても6万円のままで、前期とグローバル特別選抜を併願する場合だけ9万円です。
なお、2026年度に実施された学校推薦型選抜(募集6名)については、今回公表された実施要項に記載がありません。この要項は一般選抜4区分を扱ったものなので、推薦を考えている方は大学サイトの最新情報を確認してください。地域枠の募集人員も、文部科学省への入学定員増員認可申請中のため予定値だと明記されています。
合格発表はいつか|前期2月16日、後期3月15日
検索需要のわりに、まとめて書かれていない項目です。2027年度の発表日時は次のとおりです。
- 前期・グローバル 1次合格発表:令和9年2月8日(月)18時(大学ホームページ、掲載1週間)
- 前期・グローバル 2次合格発表:令和9年2月16日(火)正午。同時に補欠者を繰上げ合格順に発表
- 後期 1次合格発表:令和9年3月6日(土)18時
- 後期 2次合格発表:令和9年3月15日(月)正午。同時に補欠者を繰上げ合格順に発表
時刻まで決まっているのが特徴で、1次は18時、2次は正午です。手続きの締切も速く、前期は入学金150万円が2月19日(金)まで、初年度学費300万円が2月24日(水)まで。後期は3月18日(木)までに入学金と学費を一括で納入します。併願校の締切と重なる時期なので、出願の段階でカレンダーに書き込んでおいてください。
科目と配点|1000点満点、理科が400点で最重量
前期・後期・グローバル特別選抜とも、1次試験の配点は共通です。
- 外国語 300点(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)/9時00分〜10時30分
- 数学 300点(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A〈図形の性質、場合の数と確率〉、数学B〈数列〉、数学C〈ベクトル、平面上の曲線と複素数平面〉)/11時25分〜12時55分
- 理科 400点(物理・化学・生物から2科目選択、各200点)/14時10分〜16時10分
合計1,000点満点で、理科の比重が40%と最も重い構成です。理科2科目で120分という時間配分も特徴で、1科目あたり60分に相当します。理科の選択科目は出願時に登録し、あとから変更できません。
もう1つ、要項に明記されている重要な一文があります。「上記すべての出題科目において、記述式問題も出題します」。マーク式だけの対策では足りない、と大学が宣言しているわけです。過去問で答案の書き方まで確認しておく必要があります。
グローバル特別選抜だけは、これに加えて共通テストの「国語」200点(近代以降の文章+古文・漢文)と、英語民間試験の基準が必要です。基準は英検準1級、ケンブリッジ英語検定150、GTEC1,100、IELTS5.0、TEAP280、TOEFL iBT60のいずれか。自宅受験型のスコアは対象外です。
面接・小論文の形式と配点|後期だけ小論文が長い
2次試験は小論文と面接です。配点は公表されていません。
- 前期・グローバル:小論文 9時00分〜10時00分(60分)/面接は小論文終了後、およそ1時間後から受験番号順
- 後期:小論文 9時00分〜10時30分(90分)/面接は同様
後期の小論文と面接が前期より長いのは偶然ではなく、要項に「学力の3要素をより多面的、総合的に評価するため、前期より試験時間が長くなります」と理由が書かれています。後期を受けるなら、前期と同じ準備では足りません。
選抜の仕組みも明記されています。1次は学力試験の成績のみで合格者を決定し、2次は小論文と面接の結果に調査書等を総合して合格者を決定する。つまり1次に学力以外の要素は入りません。裏を返せば、2次に進んだあとは学力以外の部分で判断されるということです。東京都地域枠だけは、大学の面接に加えて東京都の地域医療への意志を確認する面接が別に実施されます。
繰上合格は何番まで回るか|補欠は成績順に発表される
日本医科大学の補欠は分かりやすい仕組みです。2次試験の合格発表と同時に、補欠者を繰上げ合格順(成績順)に発表します。自分が何番目かが最初から分かる形式で、欠員が出れば上位から順に電話で連絡が来ます。ただし電話等による繰上げ状況の問い合わせには一切応じないと要項に明記されています。
2026年度入試では、2次試験の補欠者が全区分で285名出ています。内訳は一般前期157名、一般後期64名、地域枠5都県で計52名、グローバル特別選抜12名。正規合格233名に対して補欠285名ですから、補欠のほうが多いという状態です。
過去に何番まで回ったかも、当校で追いかけてきた記録があります。以下は受験生・卒業生からの聞き取りによる参考値で、大学の公表値ではありません。前期の繰上到達番号は2025年度が100番台前半、2024年度が70番台前半、2023年度が70番台前半、2022年度と2021年度が120番台中盤。さらに遡ると2020年度159番、2018年度172番、2017年度189番と、年によって2倍以上の幅があります。2025年度の2次補欠者は144名でした。2026年度は3月19日時点で前期80番台後半まで確認できており、最終は前年(100番台前半)に近い水準まで進んだとみられます。
ここから言えるのは、補欠の100番前後までは現実的な射程に入る年があるということです。ただし70番台で止まる年もあるので、番号だけで進学先を決めてしまわないほうが安全です。
念のため、この数字が何を数えているかを書きます。これは補欠番号です。「◯名が繰り上がった」という意味ではありません。連絡が届いた人がみな入学するわけではありません。だから入学した人数は、番号より少ないと考えてください。
他大学の「繰上◯名」と、この「◯番」を並べても比較になりません。
地域枠は5都県20名|新潟県は6年で2160万円
日本医科大学の地域枠は、東京都・千葉県・埼玉県・静岡県・新潟県の5都県、合計20名です。別枠方式で選抜され、一般選抜との併願も可能(前期は5都県すべて、後期は4県が併願可)です。
- 東京都 5名(前期のみ)/修学費全額+生活費月10万円。都内在住または都内の高校卒業(見込み)が条件。義務年限9年で、小児・周産期・救急・へき地のいずれかに4年6か月以上
- 千葉県 7名(前期4・後期3)/月20万円=6年間1,440万円。出身地・出身高校を問わない
- 埼玉県 2名(前期1・後期1)/月20万円=1,440万円。返還時は年10%の利息が付く条項あり
- 静岡県 4名(前期3・後期1)/月20万円=1,440万円。県指定の公的医療機関で9年間
- 新潟県 2名(前期1・後期1)/月30万円=6年間2,160万円。5年生まで毎年、県内で地域医療実習に参加
金額だけ見れば新潟県地域枠の2,160万円が突出しています。学費2,200万円のほぼ全額に相当する額です。ただし卒業後9年間の勤務義務がつき、留年・休学した期間は貸与されません。2026年度の地域枠は志願688人・正規合格20人で、単純計算34.4倍。「地域枠は入りやすい」という一般論が、この大学では当てはまらない点にも注意してください。
最後に、なぜここに枠が置かれているのかを国の数字で見ておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、東京都は353.9で全国1位、上位16県に入る医師多数県です。 東京都は医師が多い側です。指標が高くても枠があるのは、医師が都市部に寄っているためです。都道府県単位で足りている=どこでも足りている、ではありません。
出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計
一般枠との点差と、卒業後9年の義務については医学部の地域枠は入りやすいのかにまとめています。
入学後:進級率88.9%、国試の新卒合格率98.3%
入試の数字だけでなく、入ったあとの6年間も見ておきます。

令和元年度に入学した126名のうち、6年間ストレートで進級したのは112名で88.9%、卒業したのは109名で86.5%。第119回医師国家試験の新卒合格率は95.0%でした。掛け合わせた「6年で医師になる確率」は82.2%で、私立31校中7位、全81校中67位です。私立の平均が77.0%なので、私立の中では上位グループに入ります。
| 指標 | 日本医科大学 | 実数 | 私立31校の平均 |
|---|---|---|---|
| 6年間ストレート進級率 | 88.9% | 126人中112人 | ― |
| 6年間ストレート卒業率 | 86.5% | 126人中109人 | ― |
| 第119回 国試合格率(新卒) | 95.0% | 119人中113人 | ― |
| 6年で医師になる確率 | 82.2% | 私立7位/全国67位 | 77.0% |
| 第120回 国試合格率(新卒) | 98.3% | 120人中118人 | 94.6% |
| 第120回 国試合格率(総数) | 96.1% | 128人中123人 | 92.5% |
さらに新しいデータもあります。2026年3月に発表された第120回医師国家試験では、日本医科大学の新卒合格率は98.3%(120人受験・118人合格)。私立31校の新卒平均94.6%、全国平均94.7%を大きく上回りました。既卒を含めた総数でも96.1%です。第119回の95.0%から3.3ポイント上がっています。
進級率88.9%と卒業率86.5%の差が2.4ポイントしかない点も、読み方としては大事です。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありませんが、6年目の卒業試験で大きく人数が減る形ではないということは、データから言えます。
日本医科大学のレベルはどれくらいか
検索候補に「日本医科大学 レベル」「日本医科大学 難易度」が出てきます。合わせて年間800回近く検索されています。実際のところ、どのくらいなのか。
数字で言えば、私立医学部31校で偏差値2位タイ(70.0)。これは早稲田大学・慶應義塾大学の主要学部と同じか、それ以上の水準です。1次受験3,374人のうち2次に合格するのは233人で、通過率は6.9%。10人受けて1人も受からない計算になります。
歴史の面でも独特です。前身は1876年に創立された済生学舎で、創立150年を超える日本で最も古い私立医科大学です。学是は「克己殉公」。野口英世が学んだ学校としても知られています。
「レベルが高いのは分かったけど、入学後についていけるのか」という不安もあると思います。それについては前の項目のとおりで、第120回国試の新卒合格率は98.3%。入学後のサポートという意味でも、数字は悪くありません。
多浪・再受験でも受けられるか|一般選抜に年齢要件はありません
「何浪まで受け入れてもらえるのか」は、多くの受験生が気にするところです。はっきりしていることから書きます。日本医科の一般選抜に年齢の要件はありません。何浪でも、社会人からの再受験でも出願できます。
| 区分 | 年齢の条件 | 補足 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 年齢の要件はありません | 何浪でも・再受験でも出願できます |
| 推薦・総合型 | 推薦・総合型は実施していません。一般選抜だけです | 年内入試は年齢条件が付くことがあります |
| 卒業年度別の合格率 | 本ページでは未掲載 | 大学公表データを取得しだい追記します |
出典:各大学の2027年度(令和9年度)学生募集要項・入試ガイドをもとに太宰府アカデミー集計
年齢で線が引かれるのは、一般選抜ではなく推薦・総合型のほうです。日本医科は卒業年度別の合格率を公表していないため、このページでは「何浪の合格率が何%」という数字を出していません。他校の数字や、うわさで埋めることはしません。公表され次第、実数に置き換えます。なお合否とは別に、学費支援の面ではっきりした線があります。国の「高等教育の修学支援新制度」は、高校を初めて卒業した年度の翌年度末から入学日までが2年を超えていないことを要件にしています。3浪以上はこの時点で対象外です(高卒認定の場合は別の起算になります)。多浪で受けるなら、合格可能性だけでなく学費の設計も一緒に考えておいてください。
他大学もあわせて見るなら、6校ぶんの実数を並べた医学部再受験は何浪まで可能かにまとめています。
太宰府アカデミーの視点|日本医科大学はどんな受験生に向くか
まず配点の見方から。1,000点満点のうち理科が400点で、英語300点・数学300点を上回ります。理科2科目が得意な受験生にとって数字の相性が良いのは事実です。ただし配点が有利だから狙える、という話にはしないでください。要項に「すべての出題科目で記述式問題も出題する」と明記されている以上、記述で得点を積める形かどうかは、過去問を2〜3年分解いて自分で確かめる必要があります。理科120分で2科目という時間配分に、自分の解答速度が合うかどうかも同時に見てください。
次に、前期と後期の使い分けです。データを見る限りでは、前期9.3倍・後期37.7倍と負担がまったく違います。後期は小論文が90分と長くなり、要項にも「より多面的、総合的に評価するため」と理由が書かれています。後期は前期の延長ではなく、別の試験として準備する必要があるという前提で日程を組んでおくと、3月の消耗が少なくて済みます。
3つめに、合格最低点が非公表であることの扱いです。目標点を置けないのは確かに不便ですが、この大学には1次試験の成績開示があります。「点が分からないから対策できない」のではなく、「受けた年の自分の点は必ず分かる」と考えてください。特に再受験・多浪で複数年かけて挑む方にとって、開示のある大学は貴重です。
最後に、補欠の読み方です。2026年度は正規合格233名に対して補欠285名。補欠のほうが多い年があるということは、3月中旬まで結果が動く可能性があるということでもあります。前期の入学金が後期1次試験日の前日まで半額返還されるという条件と合わせて、他大学の手続き締切を1枚の紙に並べておくことをおすすめします。判断が必要になるのは、たいてい締切の前日です。
日本医科大学医学部のよくある質問
Q1. 日本医科大学の合格最低点は何点ですか?
A. 大学は公表していません。予備校の集計にも確定値は出ていません。代わりに、一般選抜の1次試験については受験者本人への成績開示が実施されています(2026年度も実施済み)。目安を探すより、区分別の倍率と1次通過率で見るほうが実用的です。
Q2. 後期はどれくらい厳しいですか?
A. 2026年度は1次受験1,018人に対し2次合格27人で37.7倍。前期の9.3倍と比べて4倍の差があります。ただし2次の補欠者が64名出ているので、繰上まで含めれば数字はもう少し動きます。後期は小論文が90分(前期は60分)になる点にも注意してください。
Q3. 学費2,200万円は私立医学部の中で安いほうですか?
A. 偏差値70.0の水準にある私立4校(慶應義塾・順天堂・東京慈恵会医科・日本医科)の中では、高いほうではありません。平成30年度に2,770万円から2,200万円へ570万円引き下げられた経緯があります。さらに特待生に選ばれれば1,950万円、グローバル特別選抜の上位10名なら1,700万円まで下がります。
Q4. 浪人生でも不利になりませんか?
A. 2026年度の入学者125名の内訳は、現役64名(51%)、1浪42名(34%)、2浪9名(7%)、3浪以上10名(8%)です。浪人生が半数を占めており、2浪以上も15%います。年齢による出願制限も要項にはありません。
まとめ|日本医科大学医学部を受けるなら押さえる3つ
- 偏差値70.0、学費2,200万円。私立31校で偏差値2位タイながら、学費は特待生なら1,700万円まで下がります(前期35名・後期3名・グローバル10名)
- 前期9.3倍、後期37.7倍。2026年度は志願3,687人・1次合格675人・正規合格233人・補欠285人。合格最低点は非公表ですが、1次は成績開示があります
- 2027年度は募集116名。前期1次は令和9年2月1日、2次合格発表は2月16日正午。後期1次は2月28日、2次合格発表は3月15日正午です
冒頭にも書きましたが、日本医科大学は入試データをきちんと公開している大学です。志願者数も補欠者数も入学者の浪人年数も出ている。それなのに、それを読み解いたページがほとんどありませんでした。「偏差値70.0だから無理」で終わらせるには惜しい情報が、大学のサイトには置いてあります。だからこのページを作りました。
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本日の記事は以上です。
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◆筆者プロフィール
後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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