こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
ここからは地元・福岡の最高峰、九州大学医学部です。太宰府の塾として、いつか正面から書かなければと思っていた大学に、ようやく順番が回ってきました。
書く前にデータを並べて、手が止まりました。2026年度の合格最低点が853.75点/1175点=72.7%。前年は978.75点=83.3%でしたから、1年で125点下がっています。そして追加合格(繰上)は5年連続で0人。この2つの数字だけで、九大医の入試がどういう場所なのか、輪郭が見えてきます。
− 偏差値と共通テストは、どのくらい必要?
− 最低点の急落で、何が起きた?
− 推薦や地域枠はある?
− 何浪まで受けられる?
出典を付けて、1つずつ確認していきます。
この記事の目次
- 1 九州大学医学部の偏差値|合格者平均69.1・国公立8位
- 2 共通テストの合格者平均869点|得点率86.9%です
- 3 合格最低点は853.75点=72.7%|前年から125点急落
- 4 倍率は実質2.0倍|足切りは2年連続で不実施
- 5 入試日程と募集人員|前期105名のみ・後期なし
- 6 合格発表は3月8日です|2027年度は要項で確定
- 7 繰り上げ合格は5年連続0人|正規合格で決まります
- 8 科目と配点|共テ475点+個別700点の計1175点
- 9 面接に配点はありません|それでも二次で評価されます
- 10 地域枠・推薦はありません|医学科は前期一本
- 11 学費は6年間で約350万円|国立の標準額どおり
- 12 女子の合格率は47.8%|男子を6.0ポイント上回ります
- 13 進級率と国試合格率|6年で医師になる確率は75.5%
- 14 九大のレベルは全81校中10位|国公立50校では11位
- 15 多浪・再受験でも受けられるか|年齢要件はありません
- 16 太宰府アカデミーの視点|九州大学医学部の受け方
- 17 九州大学医学部のよくある質問
- 18 まとめ|九州大学医学部を受けるなら押さえる3つ
九州大学医学部の偏差値|合格者平均69.1・国公立8位
河合塾の入試結果調査(2026年度)で、全統模試を受けて九大医学部に合格した人の記述模試平均は69.1(英68.4・数69.0・理69.9)。国公立50校中8位、私立を含む全81校では10位です(防衛医科大学校を除く)。

上を見ると10位に横浜市立(69.3)、下には12位の北海道(68.9)。九州・沖縄の国公立8校では、2位の熊本(66.0)に3ポイント以上の差をつけた単独トップです。科目別では理69.9がいちばん高く、英数理がほぼ横一列。穴のない合格者層だと読めます。
| 順位 | 大学 | 英 | 数 | 理 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5位 | 千葉大学 | 70.8 | 69.3 | 68.9 | 69.7 |
| 8位 | 横浜市立大学 | 69.6 | 69.0 | 68.7 | 69.1 |
| 8位 | 九州大学 | 68.4 | 69.0 | 69.9 | 69.1 |
| 10位 | 東北大学 | 70.8 | 67.1 | 68.4 | 68.8 |
| 11位 | 神戸大学 | 69.2 | 67.8 | 68.9 | 68.6 |
※読み方の注意:この「合格者平均偏差値」は、その年に全統模試を受けて合格した人の記述模試平均です。合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違うため、自分の偏差値と1対1で比べるものではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
共通テストの合格者平均869点|得点率86.9%です
同じ河合塾の調査で、2026年度に九大医学部へ合格した人の共通テスト平均は869点(1000点換算)=86.9%です。
「9割ないと九大医は無理」という声を耳にしますが、実データの平均は86.9%。もちろん9割あれば強い。ただ、共テで87%前後に踏みとどまり、2次の英数理で取り返す——合格者の実像はそちらに近い構図です。後述のとおり九大は配点の6割が2次にあるので、共テの1〜2%を悲観しすぎないでください。
合格最低点は853.75点=72.7%|前年から125点急落
2026年度・一般選抜(前期)の合格最低点は853.75点/1175点満点=72.7%でした。前年(2025年度)は978.75点=83.3%。125点、得点率にして10.6ポイントの急落です。

下がった年を見て「入りやすくなった」と読むのは危険です。最低点は問題の難しさと受験者層で毎年動きます。2年分の数字しか手元にないので、この振れ幅がどちらに向かうかは断定しません。過去問で自己採点するときは、「7割強で受かる年も、8割強が必要な年もある」という幅で相場観を持ってください。
| 年度 | 満点 | 合格最低点 | 得点率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 1175 | 853.75 | 72.7% |
| 2025年度 | 1175 | 978.75 | 83.3% |
受験年度の途中でこの数字は分かりません。だからこそ、目標は最低点ではなく合格者平均(共テ86.9%)側に置くのが安全です。
倍率は実質2.0倍|足切りは2年連続で不実施
2026年度の志願者は224名、受験者215名、合格者106名で実質倍率は2.0倍(前年は2.3倍)。国公立医学部としてはかなり低い倍率です。ただしこれは「受かりやすい」ではなく、出願の段階で共テ上位層に絞り込まれているという意味です。
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 224 | 215 | 106 | 2.0倍 |
| 2025年度 | 252 | 243 | 106 | 2.3倍 |
第1段階選抜(足切り)は募集人員の2.5倍と予告されていますが、2026年度の志願者224名は募集105名の約2.1倍。予告倍率に届かず、2年連続で足切りは実施されていません(共テの第1段階選抜最低点なし)。共テで多少転んでも、出願すれば2次で勝負できる状態が続いています。
入試日程と募集人員|前期105名のみ・後期なし
九大医学部医学科の一般選抜は前期日程のみ、募集人員105名です。後期日程はありません。
2027年度の共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)(大学入試センター公表の実施期日)。個別学力検査は、2026年度実績で2月25日から27日までの3日間(面接を含む)でした。前期日程の開始日は全国共通のため2027年度も2月25日開始の見込みですが、確定情報は2027年度の選抜要項公表後にこの節を更新します。
合格発表は3月8日です|2027年度は要項で確定
2026年度の合格発表は3月8日でした(旺文社・大学受験パスナビ掲載の入試日程より)。国公立前期は発表日もほぼ全国横並びで、九大は例年3月8日前後です。2027年度の正式な日付は、選抜要項の公表後にここへ追記します。
繰り上げ合格は5年連続0人|正規合格で決まります
私立医学部では「補欠が何番まで回るか」が一大テーマですが、九大医は事情がまったく違います。追加合格(繰上)は2022〜2026年度の5年間で0人。定員は正規合格で埋まり切ります。
理由は構造的なものです。国公立前期は1人1校しか受けられず、合格者はほぼ全員が入学します。私立のように「上位校へ抜けて席が空く」ことが起きません。3月に敗者復活はない前提で、私立の併願を含めた受験設計を組んでください。
私立医学部の「補欠」とは別物なので、その説明をします。国公立は補欠に番号を付けません。欠員が出たときだけ連絡が来る仕組みで、0人が続くのは「合格した人がそのまま入学している」ということです。
待っていても電話は来ないという前提で、私立の手続き期限を判断してください。
科目と配点|共テ475点+個別700点の計1175点
満点の構成は共通テスト475点+個別学力検査700点=1175点(2026年度実績)。共テ1000点は475点に圧縮されるため、配点の約6割(59.6%)が2次試験にあります。
共テ475点のうち「情報」は25点(全体の5.3%)。情報の配点比率が10%ある熊本・大分・宮崎などと比べると、九州の国公立では軽い部類です。個別学力検査は英語・数学・理科2科目。科目別の配点内訳は、2027年度の募集要項公表後にこの節へ追記します。
面接に配点はありません|それでも二次で評価されます
九大の面接は点数化されません(段階評価などの扱いです)。国公立の前期69区分のうち29区分が同じ形です。数字が出ないので、要項の書きぶりから扱いを読み取ります。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 面接の配点(前期) | 点数化しない(段階評価等) | — |
| 小論文 | 一般選抜の前期では課しません | — |
| 提出書類 | 志願理由書 | 面接の参考に使われます |
| 第1段階選抜の予告 | 2.5倍 | 面接の前にある関門です |
出典:各大学の2027年度(令和9年度)入学者選抜要項をもとに太宰府アカデミー集計(河合塾 Kei-Net の大学別入試科目・配点を機械読み取り。東北大学は大学公式で照合)
提出書類は志願理由書です。名前が違えば書く中身も変わります。面接はこの書類を見ながら進むので、書いたことは聞かれる前提で書いておくのが安全です。点数が出ない大学でも、面接は合否の判定に使われます。私立では募集要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」と書いている大学が多くあります。配点の有無だけで軽重を決めないほうがいい部分です。面接で何を見られているかは、医学教育モデル・コア・カリキュラムが定める「医師に求められる10の資質・能力」が土台になります。10個のうち純粋な知識はひとつだけで、残りは姿勢・態度・社会性です。あわせて、その大学が公表しているアドミッション・ポリシーを読んでおいてください。配点も形式も年度で変わります。出願の前に、必ず最新の募集要項でご確認ください。
地域枠・推薦はありません|医学科は前期一本
九大医学部医学科は、学校推薦型選抜・総合型選抜のどちらも実施していません(保健学科は総合型を実施)。地域枠もなく、入口は一般選抜(前期)ただ1つです。
1点、地元で誤解の多い話を。福岡県の医師修学資金(地域枠)は九大ではなく久留米大学の「福岡県特別枠」に設定されています(月10万円・県公式)。「九州の地域枠」を考えるなら、九大は最初から候補に入りません。地域枠の仕組みと損得は地域枠は入りやすいのか|一般枠との差と9年の義務で詳しく書いています。
枠の是非を考える材料として、国の指標を1つ置いておきます。厚生労働省の医師偏在指標——人口10万対医師数を、地域の年齢構成と医師の年齢・性別で補正した公式の指標です。全国平均255.6に対し、福岡県は313.3で全国3位、上位16県に入る医師多数県です。 地域枠が置かれていないのは、この福岡県の指標の高さと無関係ではありません。地域枠も専攻医のシーリングも、この指標を根拠に動いています。
出典:厚生労働省「医師偏在対策について」(第4回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会 資料1・令和7年9月11日)の都道府県別医師偏在指標をもとに太宰府アカデミー集計
学費は6年間で約350万円|国立の標準額どおり
学費は国立大学の標準額どおり、入学金28万2,000円+授業料53万5,800円×6年=6年間349万6,800円です。私立医学部の6年総額は最も安いグループでも約2,200万円台ですから、差はおよそ6倍。「学費の心配なく医師になる」最短の選択肢が国公立医学部で、九州ではその頂点が九大です。
女子の合格率は47.8%|男子を6.0ポイント上回ります
2018年に医学部入試の男女差が問題になって以降、各大学は男女別の合格率を公表しています。九大の2025年度入試は、男子41.8%・女子47.8%。女子の合格率のほうが6.0ポイント高いという結果です。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 男子 | 177名 | 74名 | 41.8% |
| 女子 | 67名 | 32名 | 47.8% |
| 合計 | 244名 | 106名 | 43.4% |
出典:文部科学省「令和7年度 医学部医学科入学者選抜実施状況」(2025年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計
1年だけの数字では振れます。3年ぶんを並べます。
| 年度 | 男子合格率 | 女子合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 最新年 | 41.8% | 47.8% | +6.0pt |
| 前年 | 42.4% | 52.6% | +10.2pt |
| 前々年 | 43.3% | 45.0% | +1.7pt |
出典:文部科学省「医学部医学科入学者選抜における男女別合格率」(直近3年)をもとに太宰府アカデミー集計
3年とも女子のほうが高く出ています。単年の振れではありません。
入学者で見ると女子は32名・30.2%です。合格率は受験する層によって動くので、この数字は「九大が男女どちらを採りやすいか」ではなく「実際にこうなった」という結果として読んでください。
進級率と国試合格率|6年で医師になる確率は75.5%
出口の数字です。令和元年度に入学した112名のうち、6年間ストレートで卒業したのは89名=79.5%。第119回医師国家試験の新卒合格率は95.0%。掛け合わせた「6年で医師になる確率」は75.5%で、国公立50校中47位です。

入試の難しさ(11位)に対して、この順位は意外に映ると思います。九大は基礎研究医の養成に伝統のある大学で、6年ストレートの数字だけでは測れない側面があります。ただ、「現役で入って6年後に医師」を家族の計画に置いているなら、この数字も知ったうえで選んでください。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 6年ストレート進級率 | 82.1% | 令和元年度入学112名中 |
| 6年ストレート卒業率 | 79.5% | 卒業89名 |
| 新卒 国試合格率 | 95.0% | 第119回(令和7年2月) |
| 6年で医師になる確率 | 75.5% | 国公立50校中47位 |
全81大学の同じ物差しの順位は「6年でストレートに医師になれる確率」ランキングで公開しています。
九大のレベルは全81校中10位|国公立50校では11位
「九大のレベルはどのくらいか」は、偏差値の数字だけでは答えになりません。医学部は全国に81校しかなく、知りたいのはその中の位置だからです。2026年度に全統模試を受けて合格した人の平均は69.1。国公立50校中8位・全81校中10位で、全国の医学部の中で上位にあたります。
| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均偏差値 | 区分別順位 |
|---|---|---|---|
| 11位 | 東京慈恵会医科大学 | 69.5 | 私立2位 |
| 12位 | 横浜市立大学 | 69.3 | 国公立10位 |
| 13位 | 九州大学 | 69.1 | 国公立8位 |
| 14位 | 北海道大学 | 68.9 | 国公立12位 |
| 15位 | 山梨大学 | 68.6 | 国公立13位 |
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度)をもとに太宰府アカデミー集計
上の表は九大の前後2校ぶんです。偏差値69.1の前後には東京慈恵会医科・横浜市立・北海道・山梨が並んでいます。併願先を組むとき、実際に迷う相手はこのあたりになります。 なおこの平均は一般・推薦・総合型を含む「合格した人たち」の記述模試平均で、合格可能性50%を示すボーダー偏差値とは計算の土台が違います。自分の偏差値と1対1で比べるのではなく、大学同士の位置関係をつかむ物差しとして使ってください。
多浪・再受験でも受けられるか|年齢要件はありません
一般選抜に年齢・浪人年数の制限はありません。そして九大の場合、推薦・総合型がそもそも存在しない=全員が同じ前期の学科試験で戦う入試です。現役優遇の入口がない分、多浪・再受験の方にとって土俵の見えやすい大学だと考えています。
浪人年数別の合格率(大学公表の卒業年度別データ)は、取得でき次第この節に追記します。
太宰府アカデミーの視点|九州大学医学部の受け方
福岡の受験生の間では、九大医学部は「九医」の一言で通じます。地元で完結する最高峰として、久留米・福岡大と同じ文脈で語られがちですが、数字を並べると別次元です。合格者平均69.1に対し、久留米63.7・福岡62.6。同じ「福岡の医学部」でも5ポイント以上の開きがあります。
受験設計で押さえるべきは3点です。第一に、共テ86.9%が合格者の実勢。ここから大きく落ちると、足切りがなくても2次での逆転幅が現実的でなくなります。第二に、配点の6割が2次。英数理の記述力、特に横一列に高い合格者層(英68.4・数69.0・理69.9)と戦える完成度が要ります。第三に、繰上のない一発勝負だという事実。私立併願で「3月まで粘る」戦略は九大単願では成立しないので、産業医科・久留米・福岡大あたりの併願で結果の出る日程を先に確保しておくのが、精神面も含めて効きます。
最低点の急落(83.3%→72.7%)を「チャンス」と読む相談を受けますが、僕はそう読みません。難しい年は全員にとって難しい。変わらないのは合格者平均の位置です。模試の判定は、最低点ではなくこの平均(69.1・共テ869点)に対して測ってください。
九州大学医学部のよくある質問
Q1. 偏差値はどのくらい必要ですか?
A. 河合塾の入試結果調査(2026年度)で、合格者の記述模試平均は69.1(国公立8位)。共通テストの平均は869点=86.9%です。
Q2. 何割取れば受かりますか?
A. 2026年度の合格最低点は72.7%ですが、前年は83.3%。年による振れが大きいため、目標は合格者平均(共テ86.9%)側に置くのが安全です。
Q3. 足切り(2段階選抜)はありますか?
A. 募集人員の2.5倍と予告されていますが、志願倍率が届かず2025・2026年度とも実施されていません。
Q4. 補欠・繰り上げ合格はありますか?
A. 追加合格は2022〜2026年度の5年連続で0人です。正規合格で決まる入試として準備してください。
まとめ|九州大学医学部を受けるなら押さえる3つ
- 合格者平均偏差値69.1は国公立8位・九州の単独トップ。共テの実勢は869点=86.9%
- 合格最低点は72.7%(2026年度)⇔83.3%(2025年度)と大きく振れる。最低点ではなく平均に照準を
- 推薦・地域枠・繰上のない前期一本勝負。私立併願(産業医科・久留米・福岡大など)で守りを作る
地元の塾として、九大医の数字はこれからも毎年この場所で更新していきます。
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本日の記事は以上です。
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【校風】アットホームな大家族予備校
◆筆者プロフィール
後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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