受付時間:7:00~22:00(年中無休) 092-918-0666 ご相談・資料請求 LINE公式アカウント X
お知らせ・ブログTOPICS / BLOG

国公立医学部の足切り一覧|50校の予告倍率と実施校|2027年度入試

2026年10月17日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

共通テストの出願が終わると、国公立志望の受験生から必ず出てくる質問があります。「志望校、足切りはあるんですか」。1月の共通テストのあと、自己採点の点数を見ながら出願先を決めるときに、いちばん怖いのがこの足切り(2段階選抜の第1段階)です。

先に答えを書きます。国公立医学部は50校すべてが、2027年度の要項で足切りを予告しています。ただ、予告と実際は別物です。前期日程の49校を2025・2026年度の2年で見ると、足切りが実際に出たのは40校、2年とも出なかったのが9校でした。

この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。

− 志望校は何倍で足切りをするの? 実際に切られたことはある?

− 「共通テスト何点未満は不合格」という大学はどこ?

− 2027年度に変わった大学はある?

50校の令和9年度の入学者選抜要項を1校ずつ開き、予告の文面とページを確かめました。順に見ていきます。

この記事の目次

 

▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【何割必要?】医学部 共通テストボーダー|国公立50校ランキング

 

国公立医学部の足切り一覧|2027年度の予告と2年の実施状況

結論です。2027年度入試で、国公立医学部の足切りの予告がない大学はありません。前期日程のある49校はすべて前期で予告し、後期日程だけの山梨大学も後期で予告しています。表は北から南の順で、2027年度の予告と、2026・2025年度に実際に足切りが出たかを並べました。

国公立医学部の足切り一覧(旭川医科大学から大阪大学まで)。2027年度の予告と、2026年度・2025年度に足切りが実施されたか
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
国公立医学部の足切り一覧(大阪公立大学から琉球大学まで)。2027年度の予告と、2026年度・2025年度に足切りが実施されたか
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
大学 2027年度の予告 2026年度 2025年度
旭川医科大学 4倍 実施(志願5.7倍→4.0倍) なし(志願3.7倍)
札幌医科大学(公立) 5倍 なし(志願2.9倍) なし(志願4.0倍)
北海道大学 3.5倍 なし(志願2.6倍) なし(志願3.5倍)
弘前大学 6倍 一般枠:なし(志願5.9倍)
青森県定着枠:なし(志願4.8倍)
一般枠:実施(志願9.2倍→8.0倍)
青森県定着枠:実施(志願8.1倍→8.0倍)
東北大学 3.5倍 実施(志願4.0倍→3.5倍) なし(志願3.0倍)
秋田大学 5倍 実施(志願5.9倍→5.0倍) 実施(志願7.0倍→5.0倍)
山形大学 5倍 一般枠:なし(志願3.7倍)
地域枠:なし(志願4.3倍)
一般枠:なし(志願5.8倍)
地域枠:なし(志願3.4倍)
福島県立医科大学(公立) 4倍 実施(志願6.0倍→4.5倍) なし(志願2.7倍)
筑波大学 2.5倍(一般枠の単願) 実施(志願3.0倍→2.6倍) 実施(志願3.0倍→2.5倍)
群馬大学 3倍(一般枠187名・地域医療枠32名程度) 一般枠:なし(志願2.3倍)
地域医療枠:なし(志願4.1倍)
一般枠:実施(志願5.2倍→3.1倍)
地域医療枠:なし(志願4.1倍)
千葉大学 3倍 一般枠:実施(志願3.7倍→3.0倍)
千葉県地域枠:実施(志願3.3倍→3.0倍)
一般枠:なし(志願2.9倍)
千葉県地域枠:実施(志願4.0倍→3.0倍)
東京大学 2.8倍(理科三類) 実施(志願3.9倍→2.8倍) 実施(志願4.0倍→3.0倍)
東京科学大学 4倍 非公表(志願3.6倍) 実施(志願4.4倍→4.0倍)
横浜市立大学(公立) 750点以上かつ3倍 実施(志願3.3倍→2.9倍) 実施(志願4.1倍→3.0倍)
新潟大学 4倍 実施(志願4.6倍→4.0倍) なし(志願4.0倍)
富山大学 5倍 なし(志願3.0倍) 実施(志願8.0倍→5.0倍)
金沢大学 3倍 実施(志願4.0倍→3.0倍) なし(志願3.0倍)
福井大学 5倍 実施(志願9.1倍→5.0倍) なし(志願3.8倍)
信州大学 4倍 なし(志願3.6倍) なし(志願3.2倍)
岐阜大学 3倍 実施(志願4.3倍→3.0倍) なし(志願2.8倍)
浜松医科大学 4倍 一般枠:実施(志願6.1倍→4.2倍)
地域枠:実施(志願6.5倍→4.2倍)
一般枠:実施(志願4.9倍→4.0倍)
地域枠:実施(志願3.7倍→4.0倍)
名古屋大学 650/950点(倍率なし) 一般枠:実施(志願2.8倍→2.6倍)
地域枠:実施(志願3.0倍→2.6倍)
一般枠:実施(志願2.9倍→2.7倍)
地域枠:実施(志願2.4倍→2.7倍)
名古屋市立大学(公立) 600点の概ね73%以上かつ3倍 実施(志願2.5倍→2.3倍) 実施(志願3.5倍→3.0倍)
三重大学 5倍 なし(志願3.7倍) なし(志願3.3倍)
滋賀医科大学 4倍 なし(志願4.6倍) 実施(志願6.5倍→4.4倍)
京都大学 700/1000点かつ3倍 実施(志願2.6倍→2.5倍) 実施(志願2.9倍→2.8倍)
京都府立医科大学(公立) 3倍 実施(志願3.3倍→3.0倍) なし(志願2.7倍)
大阪大学 700/1000点かつ3倍 実施(志願2.7倍・人数は非公表) 実施(志願2.9倍・人数は非公表)
大阪公立大学(公立) 700/1000点かつ3倍 実施(志願2.8倍→2.6倍) 実施(志願2.5倍→2.4倍)
神戸大学 3倍 なし(志願2.7倍) 実施(志願3.2倍→3.0倍)
奈良県立医科大学(公立) 730/900点かつ15倍 実施(志願2.2倍→2.1倍) 実施(志願2.2倍→1.8倍)
和歌山県立医科大学(公立) 630/900点かつ3.4倍 一般枠:実施(志願2.8倍→2.5倍)
県民医療枠計:実施(志願2.5倍→2.5倍)
一般枠:実施(志願4.5倍→3.4倍)
県民医療枠計:実施(志願4.5倍→3.4倍)
鳥取大学 650/920点(倍率なし) 実施(志願5.6倍→5.2倍) 実施(志願4.9倍→4.6倍)
島根大学 8倍 なし(志願7.4倍) なし(志願5.9倍)
岡山大学 374/550点かつ3倍 実施(志願3.1倍→2.9倍) 実施(志願3.6倍→3.0倍)
広島大学 3倍 なし(志願4.2倍) 実施(志願5.3倍→5.0倍)
山口大学 7倍 実施(志願8.2倍→7.0倍) なし(志願3.7倍)
徳島大学 630/950点かつ5倍 実施(志願2.5倍→2.5倍) 実施(志願3.7倍→3.5倍)
香川大学 4倍 実施(志願4.9倍→4.0倍) なし(志願4.3倍)
愛媛大学 6倍 実施(志願8.6倍→6.0倍) 実施(志願9.4倍→6.0倍)
高知大学 4倍 一般枠:実施(志願5.5倍→4.9倍)
地域枠:実施(志願4.6倍→4.9倍)
一般枠:実施(志願6.2倍→4.7倍)
地域枠:実施(志願5.2倍→4.7倍)
九州大学 2.5倍 なし(志願2.1倍) なし(志願2.4倍)
佐賀大学 5倍 なし(志願5.5倍) なし(志願4.8倍)
長崎大学 5.5倍 実施(志願7.5倍→5.5倍) 実施(志願5.9倍→5.0倍)
熊本大学 4倍 なし(志願3.7倍) 実施(志願5.4倍→4.0倍)
大分大学 3倍 実施(志願4.9倍→3.0倍) 実施(志願4.4倍→3.0倍)
宮崎大学 6倍 なし(志願2.7倍) 実施(志願8.5倍→6.0倍)
鹿児島大学 5倍 なし(志願4.4倍) 実施(志願6.4倍→5.0倍)
琉球大学 5倍 なし(志願4.5倍) なし(志願4.7倍)

表の読み方を1つだけ。「予告」は「志願者がこの倍率を超えたら第1段階選抜をすることがある」という線で、実際に切るかどうかは志願者が出そろってから決まります。たとえば九州大学は予告2.5倍で全国でいちばん厳しい線ですが、志願倍率が2.1倍(2026年度)・2.4倍(2025年度)だったので、2年とも足切りは出ていません。

志望校の入試全体(配点・合格最低点)は、表の大学名から各大学のページに飛べます。

出典:2027年度の予告は各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項(大分大学はPDF p50、九州大学は入学者選抜概要)。2025・2026年度の実績は河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026年10月13日に全行を照合)。志願倍率=志願者数÷募集人員、→の後は第1段階選抜の合格者数÷募集人員。名古屋大学・高知大学・和歌山県立医科大学などは、枠を合わせた第1段階の合格者で→の後の倍率が出ているため、枠ごとの数字が同じになっている。

▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【要注意】国公立医学部の足切り|50校・点数11校と倍率38校

 

足切りが2年続けて出た20校と、2年とも出なかった9校

前期日程49校の2年の結果。2年続けて足切りが出たのは20校、2026年度だけ10校、2025年度だけ9校、2年とも出なかったのは9校
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
2年の結果 校数 大学
2年続けて足切りが出た 20校 秋田大学、筑波大学、千葉大学、東京大学、横浜市立大学、浜松医科大学、名古屋大学、名古屋市立大学、京都大学、大阪大学、大阪公立大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学、鳥取大学、岡山大学、徳島大学、愛媛大学、高知大学、長崎大学、大分大学
2026年度だけ出た 10校 旭川医科大学、東北大学、福島県立医科大学、新潟大学、金沢大学、福井大学、岐阜大学、京都府立医科大学、山口大学、香川大学
2025年度だけ出た 9校 弘前大学、群馬大学、富山大学、滋賀医科大学、神戸大学、広島大学、熊本大学、宮崎大学、鹿児島大学
2年とも出なかった 9校 札幌医科大学、北海道大学、山形大学、信州大学、三重大学、島根大学、九州大学、佐賀大学、琉球大学
2025年度は出た・2026年度は非公表 1校 東京科学大学

前期日程の49校を、2025・2026年度の2年の結果で分けました。2年続けて足切りが出たのは20校。このうち11校は、共通テストの点数そのものを基準にする大学か、それを倍率と組み合わせる大学です(次の章)。

反対に、2年とも足切りが出なかったのは9校(北海道・山形・信州・三重・島根・九州・佐賀・琉球・札幌医科)。ただし「足切りがない大学」ではありません。9校とも2027年度も予告しています。志願者が予告の線を超えれば、切られることがあります。

1年だけ出た大学が19校あるのも見ておいてください。福井大学は2025年度の志願倍率3.8倍から2026年度は9.1倍になり、2026年度は228人が第1段階を通りませんでした。同じ大学でも、年によって足切りが出たり出なかったりするので、去年の結果だけで「この大学は足切りがない」と決めるのは危ないです。なぜ年によって志願者が動くのかは、2年分のデータからは言い切れません。

出典:河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026・2025年度)。東京科学大学は2026年度の第1段階選抜の結果が「詳細非公表」のため、実施したかどうかが分からず別の行にしました。

 

共通テストの点数で足切りする国公立医学部|11校は66.3〜81.1%

共通テストの点数で足切りする11校の基準の得点率。奈良県立医科大学81.1パーセントから徳島大学66.3パーセントまで
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
大学 基準点(2027年度) 得点率 倍率も見るか
奈良県立医科大学 730/900点 81.1% かつ15倍
横浜市立大学 750/1,000点 75.0% かつ3倍
名古屋市立大学 438/600点(概ね73%) 73.0% かつ3倍
鳥取大学 650/920点 70.7% 見ない(点数だけ)
京都大学 700/1,000点 70.0% かつ3倍
和歌山県立医科大学 630/900点 70.0% かつ3.4倍
大阪公立大学 700/1,000点 70.0% かつ3倍
大阪大学 700/1,000点 70.0% かつ3倍
名古屋大学 650/950点 68.4% 見ない(点数だけ)
岡山大学 374/550点 68.0% かつ3倍
徳島大学 630/950点 66.3% かつ5倍

足切りは倍率だけで決まるわけではありません。2027年度は11校(13の入試区分)が、共通テストの点数そのものを基準にしています。基準点がいちばん高いのは奈良県立医科大学の730/900点(81.1%)、いちばん低いのは徳島大学の630/950点(66.3%)です。名古屋大学と鳥取大学は倍率を使わず、点数だけで切ります。

点数で切る大学では、志願倍率が予告の倍率に届かなくても、基準点に足りない人は第1段階で不合格になります。2026年度の実際の数字がこれです。

大学(2026年度) 志願者 第1段階の合格者 志願倍率 予告倍率
京都大学 267人 254人 2.6倍 3倍
徳島大学 151人 145人 2.5倍 5倍
名古屋市立大学 148人 139人 2.5倍 3倍
大阪公立大学 212人 200人 2.8倍 3倍
奈良県立医科大学 48人 46人 2.2倍 15倍

京都大学は志願倍率2.6倍で予告の3倍に届いていませんが、志願者267人のうち第1段階の合格者は254人でした。奈良県立医科大学は2.2倍で予告の15倍にはほど遠いのに、48人中46人です。点数型の大学では「倍率が低い年だから安心」は通用しないということです。

ただし、ここを取り違えないでください。この基準点は「第2段階に進める最低ライン」であって、合格ラインではありません。合格の目安は各大学の共通テストボーダーで、たとえば京都大学は足切り70.0%に対し、2027年度の予想ボーダーは89%です。ボーダーは国公立医学部の共通テストボーダー一覧に50校ぶん並べています。

自己採点の得点率だと、基準を超える点数型の大学は何校か

11校の基準を低い順に並べて、自己採点の得点率ごとに数えました。たとえば自己採点が70.0%なら、基準を超える点数型の大学は11校のうち7校です。共通テストの得点率は、その大学の配点で計算し直した値で見てください(素点の得点率とは違います)。

自己採点の得点率(その大学の配点で計算) 新たに基準を超える大学 基準を超える点数型の大学(累計)
66.3%以上 徳島大学 1校
68.0%以上 岡山大学 2校
68.4%以上 名古屋大学 3校
70.0%以上 京都大学、和歌山県立医科大学、大阪公立大学、大阪大学 7校
70.7%以上 鳥取大学 8校
73.0%以上 名古屋市立大学 9校
75.0%以上 横浜市立大学 10校
81.1%以上 奈良県立医科大学 11校

66.3%を下回ると、点数型の11校はどこも出願後に第1段階で不合格になる可能性があります。ここで数えているのは「第2段階に進める最低ライン」を超えた大学の数で、合格できる大学の数ではありません(合格の目安は各大学のボーダー)。

出典:各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項。得点率=基準点÷満点(小数第2位を四捨五入)。名古屋市立大学は要項の表記が「総配点600点中の概ね73%以上」(2026年度の表記は438/600点)。京都大学のボーダーは河合塾「2027年度入試難易予想ランキング表」。

倍率で予告する38校|いちばん厳しいのは九州大学と筑波大学の2.5倍

予告倍率(2027年度) 大学
2.5倍 九州大学、筑波大学(一般枠の単願)
2.8倍 東京大学(理科三類)
3倍 群馬大学、千葉大学、金沢大学、岐阜大学、京都府立医科大学、神戸大学、広島大学、大分大学
6倍 弘前大学、愛媛大学、宮崎大学
7倍 山口大学
8倍 島根大学

倍率だけで予告する38校の中で、いちばん厳しいのは九州大学と筑波大学(一般枠の単願)の2.5倍、次が東京大学(理科三類)の2.8倍です。3倍の大学が8校あり、反対にいちばん緩いのが島根大学の8倍、次が山口大学の7倍です。

同じ「3倍」でも、群馬大学は一般枠187名程度・地域医療枠32名程度と人数で書いています。千葉大学は一般枠と千葉県地域枠で別々に3倍、高知大学と浜松医科大学は一般枠と地域枠を合わせて判定、と枠の扱いも大学ごとに違います。地域枠で出す人は、自分の枠が別に判定されるのか、まとめて判定されるのかを要項で確かめてください。

出典:各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項。前期日程。点数基準を持つ11校は上の表。

 

2027年度に足切りが変わった大学|広島・鳥取・徳島・鹿児島

2027年度に足切りの予告が変わった4校。広島大学5倍から3倍、鳥取大学613点から650点、徳島大学600/900点から630/950点、鹿児島大学後期10倍から11倍
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
大学 2026年度 2027年度
広島大学 5倍 3倍
鳥取大学 613/920点 650/920点
徳島大学 600/900点かつ5倍 630/950点かつ5倍
鹿児島大学(後期) 10倍 11倍

2026年度から予告が変わったのは4校です。いちばん大きいのは広島大学で、前期の予告が5倍から3倍に下がりました(志願倍率が募集人員の約3倍を超える場合に、共通テスト1,000点満点の合計点で第1段階選抜)。2026年度の広島大学の志願倍率は4.2倍で、5倍の線には届かず足切りは出ていませんが、新しい3倍の線は上回る水準です。

鳥取大学は基準点が920点満点中613点から650点に上がり、得点率は66.6%から70.7%になりました。徳島大学は共通テストに情報Ⅰを50点で入れたため満点が900点から950点になり、基準点も600点から630点になっています(倍率5倍は同じ)。鹿児島大学は後期の予告が10倍から11倍に緩みました。ほかの大学の変更点は国公立医学部の入試変更点30校にまとめています。

出典:広島大学 令和9年度入学者選抜要項 p29、鳥取大学 同 p28、徳島大学 同 p13、鹿児島大学 同 p8。

 

予告を超えても切らない大学、予告より多く通す大学

要項の多くは「第1段階選抜を行うことがあります」と書いています。実際、予告どおりにならなかった例が2年でこれだけあります。

年度 大学 予告 実際
2026 滋賀医科大学 4倍 志願4.6倍だが実施せず
2026 佐賀大学 5倍 志願5.5倍だが実施せず
2026 福島県立医科大学 4倍 募集の4.5倍まで通過(志願6.0倍)
2026 高知大学 4倍 募集の4.9倍まで通過(志願5.5倍)
2025 山形大学 5倍 志願5.5倍だが実施せず
2025 香川大学 4倍 志願4.3倍だが実施せず
2025 滋賀医科大学 4倍 募集の4.4倍まで通過(志願6.5倍)
2025 高知大学 4倍 募集の4.7倍まで通過(志願6.1倍)

滋賀医科大学は2026年度、志願倍率4.6倍で予告の4倍を超えていましたが、足切りはしていません。反対に高知大学は2年続けて、予告の4倍より多い4.7〜4.9倍まで第1段階で通しています。三重大学のように「倍率については緩和することがあります」と要項に書く大学もあります。

だからといって、「どうせ切らない」と読むのは危険です。同じ滋賀医科大学が、2025年度は6.5倍の志願者に対して足切りをしています(4.4倍まで通過)。どの年にどうなるかは、志願者が出そろうまで大学にも分かりません。

出典:河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026・2025年度)。倍率型の大学のみ。高知大学・滋賀医科大学などは枠を合わせた志願者数・合格者数÷募集人員で計算。「予告より多く通した」は、通過者が募集人員の(予告+0.4)倍以上だったもの。

 

2026年度に足切りで通らなかった人数|前期で約1,800人

2026年度の前期日程で第1段階選抜を通らなかった人数。福井大学228人、愛媛大学141人、浜松医科大学135人、長崎大学134人、大分大学120人
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項、河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」より太宰府アカデミー作成
大学(2026年度・前期) 志願者−第1段階の合格者
福井大学 228人
愛媛大学 141人
浜松医科大学 135人
長崎大学 134人
大分大学 120人
東京大学 105人
福島県立医科大学 102人
金沢大学 82人

2026年度の前期日程で、志願者数から第1段階選抜の合格者数を引くと、1,763人になります(人数を公表していない大阪大学・東京科学大学を除く)。2025年度は1,956人でした。いちばん多かったのは福井大学の228人で、愛媛大学141人、浜松医科大学135人、長崎大学134人と続きます。

九州の大学では、2026年度に前期で足切りが出たのは長崎大学(134人)と大分大学(120人)の2校です。九州大学・佐賀大学・熊本大学・宮崎大学・鹿児島大学・琉球大学は2026年度は出ていません。

国の公式の数字と突き合わせました

この人数は河合塾の表からの計算なので、国の公表とも照らしました。文部科学省は2026年2月18日に、前期日程の2段階選抜の実施状況を大学ごとに公表しています。国公立の全大学・全学部の合計では、第1段階選抜で不合格になった人は4,135人(前年は4,459人)。予告どおりに実施していれば4,528人が不合格になるところ、取り止めや緩和で393人が第1段階を通ったと国が集計しています(国立270人・公立123人)。

文部科学省の集計(国公立の全大学・全学部、前期日程) 2026年度入試 2025年度入試
足切りを予告した大学・学部等 66大学176学部等 67大学180学部等
実際に足切りをした大学・学部等 35大学55学部等 36大学61学部等
第1段階選抜で不合格になった人 4,135人 4,459人
予告どおりに実施した場合の不合格者 4,528人 —
取り止め・緩和で第1段階を通った人 393人(国立270人・公立123人) —

大学ごとの表で不合格者が0人の大学は、その大学のどの学部も足切りをしていません。医学部のある国公立では17校(北海道・弘前・山形・群馬・富山・信州・三重・滋賀医科・神戸・島根・広島・九州・佐賀・宮崎・鹿児島・琉球・札幌医科)が0人で、河合塾の表で「医学部は実施せず」とした大学と一つ残らず合っています。熊本大学は大学全体では58人ですが、河合塾の表では医学部は実施していません(医学部以外の学部で足切りが出たことになります)。

19大学では、河合塾の表から計算した医学部の人数が、文科省の大学全体の数字とぴったり一致しました(その大学で足切りが出たのは医学部だけだったことになります)。一方、東北大学(38人と36人)・山口大学(67人と66人)・横浜市立大学(27人と24人)・名古屋市立大学(9人と8人)・大阪公立大学(12人と10人)の5大学は、河合塾の表からの計算のほうが1〜3人多くなりました(合計9人)。理由は公表資料からは確かめられないため、1,763人は「約1,760人」くらいの数字として読んでください。

出典:文部科学省「令和8年度国公立大学入学者選抜の確定志願状況及び2段階選抜実施状況(前期日程)について」(2026年2月18日)添付2「令和8年度国公立大学2段階選抜実施状況の概要」。大学ごとの人数は大学全体(全学部)の数字です。河合塾 Kei-Net「国公立大学 2段階選抜実施状況」(2026・2025年度)より太宰府アカデミーが計算。志願者数には共通テストを欠席した人なども含まれるため、「足切りで不合格になった人数」とぴったり同じではありません。

 

後期日程の足切りは10〜15倍|2026年度は13校中9校で実施

大学(後期) 2027年度の予告 2026年度
宮崎大学 14倍 実施(志願29.7倍→22.3倍)
山口大学 15倍 実施(志願24.3倍→15.0倍)
千葉大学 7倍 実施(志願22.9倍→19.1倍)
奈良県立医科大学 12倍 実施(志願20.5倍→12.1倍)
福井大学 7倍 実施(志願20.1倍→13.9倍)
鹿児島大学 11倍 実施(志願16.3倍→10.0倍)
浜松医科大学 10倍 実施(志願15.4倍→13.3倍)
山梨大学 10倍 実施(志願14.7倍→10.1倍)
秋田大学 10倍 実施(志願11.5倍→10.0倍)
東京科学大学 12倍 非公表(志願14.0倍)
三重大学 15倍 なし(志願14.1倍)
名古屋大学 12倍 なし(志願12.0倍)
琉球大学 10倍 なし(志願9.2倍)

後期日程は募集が少ないぶん、予告の倍率が10倍前後と大きくなります。それでも志願者がそれを上回り、2026年度は予告のある13校のうち9校で足切りが出ました(東京科学大学は非公表)。宮崎大学は志願29.7倍に対して22.3倍まで、千葉大学は22.9倍に対して19.1倍まで通しています。

後期日程の入りやすさや偏差値は、医学部の後期日程は入りやすいのかと医学部後期の偏差値と共テボーダーで詳しく見ています。

出典:2027年度の予告は各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項、2026年度の実績は河合塾 Kei-Net。秋田大学は一般枠の行。秋田県地域枠(予告10倍)は2026年度は志願7.2倍で実施なし。

 

太宰府アカデミーの視点|足切りを出願の判断にどう使うか

足切りの数字は、使い方を間違えると出願先を狭めるだけになります。僕が受験生に話していることを3つ書きます。

1. 点数型の大学は、自己採点で決まる

点数で切る11校は、共通テストの自己採点がその大学の配点で基準点を超えているかどうかで、ほぼ答えが出ます。注意したいのは、大学の配点で計算し直すことです。たとえば京都府立医科大学・和歌山県立医科大学・札幌医科大学は、足切りと合否判定で共通テストの配点が違います(共通テストの配点比率|国公立医学部50校)。

2. 倍率型の大学は、出願の締切まで分からない

2027年度の国立大学の出願期間は1月25日から2月3日です。志願倍率は締切までの数日で大きく動き、第1段階選抜の結果は前期日程なら2月10日までに発表されます。去年の志願倍率や「この大学は切られたことがない」という話で決めないこと。決めるときの軸は、あくまでボーダーと自分の得点です。

3. 足切りで落ちたら、検定料の一部が戻る

国立大学の検定料は、2段階選抜をする場合、第1段階選抜が4,000円・第2段階選抜が13,000円を標準にすると省令で決まっています。そのため第1段階で不合格になると、13,000円が返還の対象になります。ただし自動では戻らず、返還の手続きと期限を決めている大学があります。公立大学の金額は大学ごとです。私立の検定料が戻る場合は私立医学部の受験料|検定料と戻る4つの場合にまとめています。

出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第4条(e-Gov法令検索)。出願期間・結果発表の期限は国立大学協会「国立大学の2027年度入学者選抜についての実施要領」。

 

国公立医学部の足切りについてよくある質問

Q. 足切りがない国公立医学部はありますか?

A. 2027年度入試で、足切りを予告していない国公立医学部はありません。前期日程の49校と後期日程だけの山梨大学、50校すべてが予告しています。2025・2026年度の2年とも実際の足切りが出なかったのは、北海道・山形・信州・三重・島根・九州・佐賀・琉球・札幌医科の9校です。

Q. 医学部の足切りは共通テストで何割ですか?

A. 点数を公表している11校の基準は、2027年度で66.3%(徳島大学 630/950点)から81.1%(奈良県立医科大学 730/900点)です。倍率で予告する38校は、何点で切られるかが志願者の分布で決まるため、事前には分かりません。

Q. 千葉大学の足切りは何倍ですか?

A. 2027年度の前期日程は、一般枠・千葉県地域枠ともに3倍、後期日程(一般枠)は7倍です。2026年度は前期の一般枠が志願3.7倍に対して3.0倍まで、地域枠も3.0倍まで通過、後期は19.1倍まで通過でした。

Q. 予告倍率を超えたら必ず足切りされますか?

A. 必ずではありません。2026年度は滋賀医科大学(志願4.6倍・予告4倍)と佐賀大学(5.5倍・5倍)が、予告を超えても足切りをしていません。ただ、翌年も同じとは限りません。

Q. 足切りで実際に不合格になる人は何人くらいいますか?

A. 文部科学省の集計では、2026年度の前期日程で第1段階選抜に通らなかった人は、国公立の全大学・全学部で4,135人でした。医学部に限ると、河合塾の表からの計算で約1,760人です(人数を公表していない大阪大学・東京科学大学は除く)。予告どおりに実施していれば4,528人が不合格だったところ、取り止めや緩和で393人が通っています。

 

まとめ|国公立医学部の足切り(2027年度入試)

  • 国公立医学部50校すべてが足切りを予告(前期49校+後期だけの山梨大学)
  • 前期49校の2年の実績:2年続けて出たのは20校、2年とも出なかったのは9校
  • 点数で切る大学は11校。基準は66.3%(徳島)〜81.1%(奈良県立医科)。名古屋・鳥取は点数だけ
  • 倍率型でいちばん厳しいのは九州大学・筑波大学の2.5倍、いちばん緩いのは島根大学の8倍
  • 2027年度の変更は4校:広島5→3倍、鳥取613→650点、徳島630/950点、鹿児島(後期)10→11倍

足切りは「予告」と「実際」と「合格ライン」の3つを分けて読む。この3つを混ぜなければ、足切りを怖がりすぎて出願先を狭めることも、甘く見ることもなくなります。

 

あわせて読みたい

この記事を書いたのは、「予告倍率」と「実際に切られた倍率」と「ボーダー」が混ざった説明をよく見かけたからです。要項を50校ぶん開いてみると、予告の書き方も、枠の扱いも、大学ごとにばらばらでした。出願の前に、志望校の要項の「2段階選抜」の欄を一度読んでみてください。

本日の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!


◆太宰府アカデミーの自己PR

当校は福岡県にある日本で唯一の全寮制医学部受験予備校です。

【当校の特徴】
定員30名|21年間の累計医学部医学科合格実績518名(のべ数)|田舎の全寮制|全国各地から入学(2026年度生は全国20の都道府県より入学)|異次元の生活サポート|食事が美味しい(土日祝日問わず3食提供)|講師との距離が近い|プロ講師の質問対応が充実|完全個別指導コースあり|選抜国公立コースあり|専用筋トレジムあり|同じ夢を持った仲間と1年間切磋琢磨し、医学部合格を目指す

【校風】アットホームな大家族予備校

◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

◆資料請求・見学のお申し込み

>>資料請求フォームはこちら(無料)

◆連絡先

TEL:092-918-0666
メール:office@dazaifu.academy
Twitter:twitter.com/dazaifu_academy

◆太宰府アカデミーグループ紹介

詳しく知りたい方は下記をクリック!

福岡県の医学部受験専門予備校 太宰府アカデミー(少人数授業コース)>>トップページはこちら

福岡県の医学部受験専門予備校 太宰府メディカル(完全個別指導コース)>>トップページはこちら