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国公立医学部の入試変更点30校|2027年度入試

2026年10月06日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。

10月に入って、国公立大学の推薦・総合型の学生募集要項がほぼ出そろいました。そこで、8月31日にまとめたこの記事を、国公立50校ぶん1校ずつ大学の公式資料で確かめ直しました。

結果から言うと、8月の時点で「変更なし」としていた大学のうち11校に変更が見つかりました。多くは募集人員と地域枠です。7月の入学者選抜要項では見えなかったものが、9〜10月の募集要項と文部科学省の定員の資料で見えてきました。なので今回は数字を足すだけでなく、どこを読めば自分に関係あるか分かる形に作り直しています。

− 自分の志望校は、結局どこが変わったの?

− 定員が減るって聞いたけど、前期の席は何人減るの?

− 「調整中」って書いてある大学は、いつ決まるの?

一つずつ、深掘りしていきます。

 

 

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国公立医学部の入試変更点は50校中30校|3分でわかる結論

先に結論です。2027年度入試で医学科の入試・募集が変わると公表しているのは、国公立50校のうち30校でした(2026年10月6日時点)。残る20校は、科目・配点・募集人員とも2026年度と同じか、国の認可待ちで数字が動いていない大学です。

2027年度 国公立医学部の入試変更点。募集人員が20校で最多、年内入試・地域枠が15校
出典:各大学の令和9年度入学者選抜要項・学生募集要項・変更予告、文部科学省「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」(2026年10月6日確認)より太宰府アカデミー集計
変わったところ 大学数 中身
募集人員・入学定員 20校 国の臨時定員(地域枠)の見直しが背景
年内入試・地域枠の条件 15校 全国枠の新設・浪人可否・卒後の勤務年数
科目・配点・面接 6校 旭川医科・北海道・弘前・広島・佐賀・神戸
第1段階選抜(足切り) 3校 広島・鳥取・鹿児島(後期)
共通テスト「情報Ⅰ」 3校 徳島・香川・筑波

いちばん多いのは募集人員・入学定員の20校です。次が年内入試・地域枠の条件の15校。配点や科目そのものが変わる大学は6校しかありません。

つまり2027年度の国公立は「問題の中身」より「席の数」と「出願の条件」が動く年です。背景には国の医学部定員の見直しがあります。2027年度の医学部の総定員は、2025年度の9,393人を上限に「全体として削減」する方針が示されています(厚生労働省 医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会・文部科学省 中央教育審議会 大学分科会 2026年6月11日 資料)。

受験生への効き方が大きい順に、5つだけ挙げます。

  • 旭川医科・弘前・広島の配点が変わる。旭川医科は共テの比率が62.0%→48.5%、弘前は53.8%→63.6%
  • 広島と鳥取の足切りが厳しくなる。広島は約5倍→約3倍、鳥取は613点→650点
  • 国立10校で入学定員が動く。新潟は140→132人、東京科学は101→97人、福井は110→114人(文部科学省の予定)
  • 地域枠の人数の多くが、まだ国の認可待ち。鳥取・金沢は10月、和歌山県立医科・長崎・熊本は11月に決まる
  • 年内入試の入口が全国に開く。山梨・徳島に全国枠、熊本は居住要件を撤廃、山梨は2浪まで

▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【2027年度】国公立医学部30校の入試変更|推薦・定員削減も

 

あなたに関係ある変更はどれ?|タイプ別の早見表

30校ぶんを全部読む必要はありません。自分に当てはまる行だけ見てください。

こんな人 まず見る変更
共通テストで稼ぎたい 弘前(共テの比率 53.8%→63.6%)・徳島(情報Ⅰ50点)・香川(情報Ⅰ20点)
2次で逆転したい 旭川医科(2次に理科150点)・広島(面接200点)
共通テストがボーダーぎりぎり 広島(足切り 約5倍→約3倍)・鳥取(613点→650点)
浪人している 山梨の推薦Ⅱが1浪まで→2浪まで
地元以外で推薦・総合型を狙う 山梨(全国枠10)・徳島(全国枠5)・熊本(みらい医療枠の居住要件を撤廃)
地域枠を考えている 横浜市立(県内勤務が短縮)・岡山(出願が共テの後へ)・山口(4枠まで併願)・東京科学(人数減)
情報Ⅰが苦手 筑波(上乗せが50点→25点)・徳島・香川(点数になる)
数学の範囲が気になる 北海道(統計的な推測)・佐賀(整数)
英語以外の外国語で受ける 北海道(英語のみに)

2つ以上に当てはまる人は、両方の行の大学を見てください。たとえば「共通テストがボーダーぎりぎりで、2次で逆転したい」人にとって、広島は足切りが厳しくなるのに、面接に200点が付くという、両方に効く大学です。

どの行にも志望校が入っていなければ、科目と配点は2026年度のままと考えて大丈夫です。ただし募集人員だけは11月の学生募集要項まで動くので、後半の「まだ決まっていないこと」の表も見ておいてください。

 

変更があった30校の一覧|2026年度との比較

30校を北から南の順に並べました。数字はすべて各大学の令和9年度入学者選抜要項・学生募集要項・変更予告と、文部科学省「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」(2026年8月28日)から取っています。大学名を押すと、その大学の合格最低点と入試情報のページに飛びます。

大学(区分) 2026年度 2027年度
旭川医科
一般前期
個別=数150・英150・面接50/共テ理科200 個別に理科2科目150点を新設/共テ理科100・総点920→970
北海道
一般前期
個別の外国語=英・独・仏・中から1/数B「数列」 外国語は英語のみ/数Bに「統計的な推測」を追加
弘前
一般前期/総合型Ⅱ
面接300点(総点1,950)/総合型Ⅱは評定4.3以上 面接は点数化せず段階評価(総点1,650)/評定基準を廃止
東京科学
地域特別枠推薦
15人(茨城5・長野5・埼玉5) 11人(茨城3・長野3・埼玉5)/茨城は保護者が3年以上県内居住、長野は県への事前申込が必要に
東京
一般前期
理科三類 97人 理科三類 92人(入学定員 110→108人の予定)
筑波
共テ情報Ⅰ(全学)
一律50点+実際の得点×0.5 一律25点+実際の得点×0.75
横浜市立
推薦(地域医療枠)
卒業後の県内勤務=臨床研修2年+7年 「YCU地域医療枠」に。臨床研修2年+3年(卒業後5年)に短縮
新潟
一般前期/推薦/帰国生
前期80人/推薦の地域枠40人/帰国生徒選抜なし 前期70人/地域枠42人/帰国生徒特別選抜を新規実施(入学定員 140→132人の予定)
富山
総合型Ⅱ
20人(富山大学地域枠10・富山県特別枠10) 22人(新潟県特別枠2人を新設)/入学定員 105→107人の予定
金沢
一般前期/推薦(県枠)
前期79人/石川県枠10・富山県枠2 前期77人(予定)/県枠は「未定」で10月下旬に公表(入学定員 111→108人の予定)
福井
推薦Ⅱ
30人(地元出身者枠10人程度) 34人(地元出身者枠14人)/2年次編入を停止(入学定員 110→114人の予定)
山梨
推薦Ⅱ
地域枠のみ・山梨県内の高校に限る・1浪まで 全国募集枠10人以内を新設・2浪まで出願可
三重
一般前期/総合型
前期75人・総合型なし 前期70人・総合型選抜Ⅱ5人を新設
京都府立医科
一般前期
93人 92人(入学定員 105→104人)
神戸
一般前期の面接
受験の条件の定めなし 2月25日の試験科目をすべて受けた人だけが面接へ(入学定員 113→112人の予定・内訳は未公表)
奈良県立医科
推薦(地域枠ほか)
地域枠21人 地域枠20人/緊急医師確保枠の面接で「適性を欠く」場合は不合格と明記
和歌山県立医科
一般前期/推薦
総募集100人/前期一般枠64人程度/県民医療枠A 5人程度 総募集99人/前期一般枠60人程度/県民医療枠A 8人程度
鳥取
一般前期
第1段階選抜=共テ920点中613点以上/兵庫県枠2人 650点以上/総合点75%未満は「合格者となりえない」旨を追記/兵庫県枠を廃止
岡山
一般前期/推薦(地域枠)
地域枠は共通テストの前(12月)に出願 前期の3人を地域枠(岡山県)へ/地域枠の出願が共通テストの後(1月中旬〜下旬)に(入学定員 108→107人の予定)
広島
一般前期
面接は段階評価(総点2,800)/第1段階 約5倍 面接200点(総点3,000)/第1段階 約3倍
山口
推薦Ⅱ(地域枠・特別枠)
3枠まで併願できる 4枠まで順位を付けて併願(入学定員 109→108人の予定・内訳は未公表)
徳島
一般前期/総合型/推薦Ⅱ
前期61人(臨時定員を含む最終値)/情報Ⅰは点数化せず/総合型8人 前期50人(調整中)/情報Ⅰ50点/総合型13人(全国枠5を新設)/推薦Ⅱに卒後要件
香川
一般前期/推薦Ⅱ
情報Ⅰは配点なし(共テ700)/推薦Ⅱの県内高校出身枠13人程度 情報Ⅰ20点(共テ720)/県内高校出身枠10人程度・小論文は「総合問題」に
愛媛
推薦ⅡA・ⅡB
入学定員110人(推薦ⅡB 20人) 確定分は95人(ⅡB 5人)で、110人に戻す増員を申請中/ⅡAに卒後3年以上の県内所属
高知
一般前期/国際バカロレア
前期59人/国際バカロレアは若干名 前期55人・国際バカロレア4人に調整中/2年次編入を停止し1年次後期の編入4人を新設
長崎
一般前期/推薦Ⅱ
前期66人/ⅡB 12・ⅡC 佐賀2・宮崎2・ⅡD 7 前期60人/ⅡB「6+α」・ⅡC未定・ⅡD「4+α」
佐賀
一般前期(数学)
数Aは図形の性質・場合の数と確率 数Aに「数学と人間の活動(整数の性質)」を追加
熊本
一般前期/推薦Ⅱ
前期86人/一般枠5・地域枠8・みらい医療枠10 前期83人/熊本医療枠10を新設・地域枠11・みらい医療枠5(保護者の居住要件を撤廃)
鹿児島
一般後期
第1段階選抜 約10倍 約11倍
琉球
推薦Ⅱ
17人(地域枠14人程度・離島北部枠3人程度) 現時点7人(入学定員 110→100人)。増員を申請中

8月31日の版から増えたのは、東京科学・横浜市立・富山・金沢・福井・京都府立医科・神戸・奈良県立医科・岡山・山口・高知の11校です。どれも7月の要項では見えず、9〜10月の募集要項や文部科学省の資料で初めて出てきた変更でした。ここから先は、効き方の大きい順に見ていきます。

 

配点・科目が変わる9校|旭川医科・弘前・広島と情報Ⅰ

何が変わる:共通テストと2次の重み、出題範囲、情報Ⅰの扱いです。同じ点を取っても、合否の出方が去年と変わります。

共通テストの比率が動く3校。旭川医科は62.0%から48.5%、弘前は53.8%から63.6%へ
出典:旭川医科大学・弘前大学・広島大学の令和9年度入学者選抜要項(2026年10月6日確認)
大学 2026年度 2027年度
旭川医科
2次に理科2科目150点を新設
共テ62.0%
総点920点
共テ48.5%
総点970点
弘前
面接300点を段階評価へ
共テ53.8%
総点1,950点
共テ63.6%
総点1,650点
広島
面接を200点で点数化
共テ35.7%
総点2,800点
共テ33.3%
総点3,000点

旭川医科大学は、2次に理科2科目150点を新設しました。そのぶん共通テストの理科は200点から100点に半分になり、総点は920点から970点へ。共通テストの比率は62.0%から48.5%に、13.5ポイント下がります。マークで取れる理科より、記述で書ける理科を見る形です。

弘前大学は逆です。300点あった面接を点数にせず段階評価に変え、2次は数学300+英語300の600点だけになりました。共通テストの比率は53.8%から63.6%に上がります。

広島大学は、段階評価だった面接を200点で点数化しました。総点3,000点のうち6.7%が面接です。

情報Ⅰが点数になる・重くなる3校

大学 2026年度 2027年度
徳島 点数化しない(共テ900点) 50点(共テ950点)
香川 配点化しない(共テ700点) 20点(共テ720点)
筑波 一律50点+得点×0.5(0点でも50点) 一律25点+得点×0.75(0点なら25点)

徳島大学は情報Ⅰを50点で点数化し、第1段階選抜の基準も600点(900点満点)から630点(950点満点)に変わります。香川大学は20点です。そして見落とされやすいのが筑波大学で、情報Ⅰの「上乗せ」が2026年度の一律50点+得点×0.5から、2027年度は一律25点+得点×0.75になります。0点でももらえる点が半分になり、実力の差が点の差に出やすくなります。これは筑波大学の全学のルールなので、医学類の変更点の一覧には出てきません(根拠は2023年12月の「共通テスト『情報』の負担軽減にかかる経過措置について」)。

出題範囲と面接の条件が変わる3校

北海道大学は2次の外国語が「英・独・仏・中から1つ」から英語だけになり、数学Bに「統計的な推測」が入ります。佐賀大学は数学Aに「数学と人間の活動(整数の性質に関する部分)」が加わります。整数の問題が範囲に入るので、過去問だけでは穴が残ります。神戸大学は、前期の面接を受けられるのが「2月25日に実施する試験科目をすべて受験した者に限る」と要項に書き加えました。

誰に効く:この9校が志望校に入っている人全員です。どうする:前年の配点で「何点取れば届くか」を計算していたら、2027年度の配点で計算し直してください。とくに旭川医科と弘前は10ポイント以上動いています。

 

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足切りが厳しくなる3校|広島は約5倍→約3倍、鳥取は650点へ

何が変わる:第1段階選抜(足切り)の基準です。配点と違って、2次を受ける前に効いてきます。

足切りが変わる3校。広島は約5倍から約3倍、鳥取は613点から650点へ
出典:広島大学・鳥取大学・鹿児島大学の令和9年度入学者選抜要項・変更予告(2026年10月6日確認)
大学・日程 2026年度 2027年度
広島
前期
志願倍率が約5倍を超えたら実施 約3倍を超えたら実施
鳥取
前期
共テ920点中613点以上(66.6%) 650点以上(70.7%)
鹿児島
後期
募集19人の約10倍まで 約11倍まで

広島大学は、足切りを行う目安を「志願倍率が約5倍を超えたら」から「約3倍を超えたら」に変えました。2026年度の広島大学は前期の募集90人に376人が出願(4.2倍)で、足切りを行っていません。同じ人数が出願すると、約3倍なら270人までになり、計算上は100人ほどが2次に進めなくなります。

鳥取大学は点数の基準です。共通テスト920点満点中613点以上(66.6%)から650点以上(70.7%)へ37点上がります。あわせて「共通テストと個別試験の総合点が75%に満たない場合は、合格者となりえないことがある」と要項に書き加えました。

鹿児島大学の後期は、募集19人の約10倍から約11倍に広がります。こちらは2次に進める人が増える方向です。

誰に効く:共通テストがボーダー付近の人です。どうする:共通テストの自己採点の段階で、「その大学の足切りが去年と同じか」を確かめてから出願先を決めてください。予告倍率と実際に切られたかどうかの実績は、後期日程の記事にもまとめています。

 

募集人員が動く20校|国の定員予定と「調整中」の読み方

何が変わる:席の数です。2027年度の国公立で、いちばん多くの大学が動いているのがここです。

まず大きな流れから。国の医学部の総定員は2017年度・2019年度の9,420人がいちばん多く、2026年度は9,376人でした。そのうち地域枠を条件にした臨時の定員が912人あります(厚生労働省 検討会 2026年7月31日 資料)。2027年度は、この臨時の枠組みを1年延長しつつ、医師が多い県の臨時定員を減らす方針です。

文部科学省の予定で入学定員が動く国立10校

2027年度に入学定員が動く国立10校。新潟は140人から132人、福井は110人から114人
出典:文部科学省「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」(2026年8月28日)
大学 2026年度 2027年度(予定) どこが動くか
新潟 140人 132人(-8) 推薦の地域枠は40→42。臨時定員32人を申請中
東京科学 101人 97人(-4) 地域特別枠推薦 15→11
福井 110人 114人(+4) 推薦Ⅱの地元出身者枠 10人程度→14
金沢 111人 108人(-3) 前期79→77(予定)・県枠は未定
東京 110人 108人(-2) 理科三類 97→92
鳥取 104人 102人(-2) 兵庫県枠2人を廃止
富山 105人 107人(+2) 総合型Ⅱに新潟県特別枠2
神戸 113人 112人(-1) 内訳は未公表
岡山 108人 107人(-1) 前期から地域枠へ3人
山口 109人 108人(-1) 内訳は未公表

これは文部科学省が2026年8月28日に出した「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」です。減るのは8校、増えるのは福井(+4人)と富山(+2人)の2校。減る話ばかりではありません。神戸と山口は、どの区分で1人減るかがまだ公表されていません。

前期の席が減る11校

大学 2026年度 2027年度 メモ
徳島 61人 50人 調整中。61は臨時定員を含む2026年度の最終値
新潟 80人 70人 10人を推薦の地域枠へ
長崎 66人 60人 臨時定員の扱いは未定
三重 75人 70人 総合型選抜Ⅱ5人を新設
東京 97人 92人 理科三類
高知 59人 55人 調整中
和歌山県立医科 64人程度 60人程度 前期の一般枠
熊本 86人 83人 推薦Ⅱに熊本医療枠10
金沢 79人 77人 予定
鳥取 78人 76人 兵庫県枠2人を廃止
京都府立医科 93人 92人 8/18に要項を修正

前期の席がいちばん大きく減るのは新潟大学の10人です(減らした10人は推薦の地域枠へ)。徳島大学は61人→50人ですが、61人は臨時定員を含んだ2026年度の最終の数、50人は臨時定員を除いた「調整中」の数です。2026年度も同じ形で、11月に人数が上乗せされました。

「調整中」「申請中」の大学は、いつ決まるか

大学 何が決まっていないか いつ決まるか
鳥取 推薦Ⅱの特別養成枠6人(申請中) 10月中(大学が明記)
金沢 推薦の石川県枠・富山県枠 10月下旬(大学が明記)
琉球 推薦Ⅱの増員(いまは7人) 前年は10月31日に決定を公表
愛媛 入学定員95→110人・推薦ⅡB 5→20人の増員申請 認可がわかり次第
筑波 前期の地域枠(全国・茨城)の人数 国の審査後。前年の一般選抜要項は10月30日
和歌山県立医科 総募集99人・前期一般枠60人程度 学生募集要項(11月中旬)
長崎 推薦ⅡB・ⅡC・ⅡDの人数 一般選抜の募集要項(11月下旬)
熊本 臨時定員4人の維持(3人以下なら前期を再変更) 募集要項(11月下旬)
徳島 前期・推薦Ⅱの人数(「調整中」) 確定次第
高知 前期55人・推薦Ⅱ20人・国際バカロレア4人への調整 確定次第
山梨 推薦Ⅱの人数(臨時定員増の申請予定) 変更があればHPで
浜松医科 募集人員(数字は2026年度と同じ) 確定次第

表にない大学でも、地域枠を持つ大学の多くは要項に「認可申請予定」「変更の可能性があります」と書いています。国公立の募集人員は、10月下旬〜11月の学生募集要項で決まると考えてください。前年は、文部科学省が10月16日に申請の一覧、10月28日に予定の一覧を出しています。

誰に効く:表の大学が志望校に入っている人です。どうする:前期の席が数人動くだけで実質倍率は変わります。11月に募集要項が出たら、人数だけもう一度見てください。「調整中」は国の審査待ちという意味で、入試がなくなるわけではありません。

 

年内入試・地域枠の条件が変わる15校|全国枠と浪人可否

何が変わる:推薦・総合型・地域枠の「誰が出せるか」と「卒業後に何年働くか」です。

大学 区分 何が変わるか
山梨 推薦Ⅱ 全国募集枠10人以内を新設。2浪まで出願可(従来は1浪まで)
徳島 総合型 8→13人。全国枠5人を新設(従来は四国4県のみ)
熊本 推薦Ⅱ みらい医療枠の保護者の居住要件を撤廃。熊本医療枠10人を新設
三重 総合型Ⅱ 5人を新設
富山 総合型Ⅱ 新潟県特別枠2人を新設(新潟県の高校の卒業見込み・卒業後2年以内)
福井 推薦Ⅱ 地元出身者枠 10人程度→14人
新潟 帰国生徒特別選抜 医学科で新規実施
横浜市立 推薦(地域医療枠) 卒業後の県内勤務が2年+7年→2年+3年に短縮
岡山 推薦Ⅱ(地域枠) 出願が共通テストの後に(2026年度は12月)
東京科学 地域特別枠推薦 15→11人。茨城は保護者が3年以上県内居住
山口 推薦Ⅱ(地域枠・特別枠) 併願が3枠→4枠まで
香川 推薦Ⅱ 県内高校出身枠 13→10人程度/小論文は「総合問題」に
奈良県立医科 推薦(地域枠・緊急医師確保枠) 地域枠21→20人/面接で「適性を欠く」と不合格と明記
愛媛 推薦ⅡA 「卒業後に県内の医療機関等に3年以上所属」が出願資格に
弘前 総合型Ⅱ 評定の基準を廃止

いちばん大きいのは山梨大学です。学校推薦型選抜Ⅱに全国募集枠10人以内を新設し、出願できるのが1浪までから2浪までに広がります。徳島大学の総合型にも全国枠5人ができ、熊本大学はみらい医療枠の「保護者が3年以上県内に住んでいる」条件をなくしました。どれも、県外の受験生に入口が開いた変更です。

地域枠の中身も動いています。横浜市立大学は地域医療枠を「YCU地域医療枠」にし、卒業後の県内勤務を臨床研修2年+7年から2年+3年(卒業後5年)に短くしました。岡山大学は地域枠の出願を共通テストの後に移すので、自己採点を見てから出せるようになります。逆に東京科学大学の地域特別枠推薦は15人から11人に減り、愛媛大学の推薦ⅡAには「卒業後に県内で3年以上働く」条件が加わりました。

誰に効く:推薦・総合型・地域枠を考えている人です。どうする:年内入試は入りやすい入口ではなく、卒業後の働き方まで決める入口です。出願資格と卒後の条件は、家族と一緒に要項の原文で読んでから出してください。

 

太宰府アカデミーの視点|30校の変更をどう使うか

変更点の一覧は、眺めるだけでは何も変わりません。使うための見方を3つ挙げます。

1. 「配点」より先に「席」と「足切り」を見る

2027年度は、配点が変わる大学が6校なのに対し、募集人員と出願の条件が変わる大学は20校を超えます。対策の中身を変えるのは配点が動いた大学だけで十分ですが、出願先の組み立ては、ほぼ全員が見直す年です。とくに広島と鳥取の足切りは、共通テストの自己採点の時点で効いてきます。共通テストが終わってから考える人ほど、ここで足をすくわれます。

2. 7月の要項だけで判断しない

今回、8月の時点で「変更なし」としていた大学から11校の変更が出てきました。富山の新潟県特別枠、福井の地元出身者枠、岡山の地域枠の出願時期は、どれも9〜10月の募集要項で初めて分かったことです。国公立は「7月の入学者選抜要項→9〜11月の学生募集要項」の二段構えで決まるので、11月にもう一度見るのが安全です。

3. 高校2年生は2028年度の予告も見ておく

2028年度入試(いまの高校2年生)では、もっと大きな変更がすでに予告されています。

大学 いつから 何が変わるか
札幌医科 2028年度 道民枠20→45人・一般枠20→50人・卒後研修枠55人を廃止(10月2日予告)
福井 2028年度 後期日程を廃止し、前期55→70人・推薦Ⅱ34→44人(予定)
大阪 2028年度 推薦の第1次選考を約10人までに絞り、小論文をやめて面接を2回に
香川 2028年度 推薦Ⅱの通常枠を廃止し「次世代枠」を新設
筑波 2028年度 情報Ⅰの上乗せ(経過措置)がゼロに

札幌医科大学は札医大卒後研修枠55人をやめて道民枠と一般枠を大きく増やし、福井大学は後期日程をやめる予定です。志望校がここに入っている高校2年生は、1年後の入試の形が変わる前提で準備してください。

 

よくある質問

Q. 変更がなかった20校は、去年と同じ対策でいいですか

A. 科目・配点・面接については、そう考えて構いません。ただし募集人員は別です。東北・千葉・大阪・京都・信州などは、要項の表が「臨時定員の延長が認められる前の数」で書かれていて、認められれば2026年度と同じ数に戻る形です。出願前に、11月の学生募集要項で人数だけ確かめてください。

Q. 「調整中」の大学は、志望校から外したほうがいいですか

A. その必要はありません。「調整中」「申請中」は国の審査の結果待ちという意味で、入試をやめる話ではありません。たとえば愛媛大学は、確定している推薦ⅡBの5人を20人に戻す申請をしていると9月16日に公表しています。気をつけるのは人数の前提だけです。

Q. 地域枠の人数が減ると、地域枠は入りにくくなりますか

A. 人数だけでは言えません。地域枠は大学ごとに出願できる人の条件が違い、志願者の数も年によって大きく動きます。席の数が減るのは事実ですが、それで合格の難しさがどう変わるかは、出願が締め切られて倍率が出るまで分かりません。地域枠と一般の合格最低点の差は地域枠の記事で36組を比べています。

 

まとめ

2027年度の国公立医学部の変更点を、5つにまとめます。

  • 変わるのは50校中30校。いちばん多いのは募集人員の20校で、「問題の中身」より「席の数」が動く年です
  • 配点が動くのは旭川医科・弘前・広島。旭川医科は共テの比率が62.0%→48.5%、弘前は53.8%→63.6%
  • 足切りが厳しくなるのは広島(約5倍→約3倍)と鳥取(613点→650点)。共通テストの自己採点の時点で効きます
  • 国立10校で入学定員が動きます。新潟・東京科学・金沢などが減り、福井・富山は増えます
  • 地域枠の人数は10〜11月に決まります。鳥取・金沢は10月、和歌山県立医科・長崎・熊本は11月

いま志望校が決まっている人は、タイプ別の早見表で自分の行を探して、30校の一覧で志望校の1行だけ読んでください。それで十分です。入っていなければ、科目と配点は去年のままで大丈夫です。

この記事を作り直したのは、8月の時点で「変更なし」と書いた大学のうち11校が、秋の資料で変わっていたからです。変更は大学のどこかに必ず書いてありますが、7月の要項、9月の募集要項、文部科学省の資料と、置き場所がばらばらです。それを50校ぶん突き合わせるのは受験生がやる仕事ではないと思うので、代わりに調べました。11月に募集要項が出そろったら、もう一度更新します。

 

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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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