こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
先に書いた国公立編に続いて、こちらは私立医学部の2027年度(令和9年度)入試変更点です。
私立31校に防衛医科大学校を加えた32校を、大学が公表している学生募集要項・入試概要・変更予告で1校ずつ確認しました。8月18日に一度まとめていますが、そのあとに東京女子医科大学の募集要項(8月4日更新)や愛知医科大学の募集要項(7月31日)が出て数字が動いたので、全面的に作り直しています。
結論から言うと、私立のほうが国公立よりはるかに大きく動いています。国公立は50校中19校(38.0%)でしたが、私立は32校中21校(65.6%)。しかも今年は、日程そのものの前提が変わりました。
− 1月入試が無くなるって本当?
− 一般選抜の枠が減っているのはどこ?
− 面接がMMIになるって、何が変わるの?
一つずつ、深掘りしていきます。
この記事の目次
私立医学部の入試変更点は32校中21校|結論から
2027年度入試で医学科の内容が変わるのは、私立31校+防衛医科大学校の32校のうち21校・40件でした。残る11校は、2026年8月31日の時点で医学科の変更が公表されていません。

| 変わったところ | 件数 | 中身 |
|---|---|---|
| 募集人員・定員 | 11件 | 一般選抜から年内入試へ枠が移っている |
| 試験日・日程 | 8件 | 「2月1日以降」ルールで7校が動いた |
| 科目・配点・面接 | 8件 | 統計的な推測/MMI/集団討論 |
| 新しい入口の新設 | 7件 | 総合型・共テ利用・特別選抜 |
| 出願資格・要件 | 3件 | 年齢・卒業年・英語資格 |
| 試験会場・学費 | 3件 | 北里・近畿の会場/東京女子医科の学費 |
いちばん多いのは募集人員・定員の11件。次が試験日・日程と科目・配点・面接がそれぞれ8件、新しい入口の新設が7件です。
2027年度の私立を1行でまとめるなら、「一般選抜の席が年内入試に移り、1月の一次試験が消えた年」です。この2つが同時に起きているので、去年の受験計画をそのまま流用すると組み立てが崩れます。
もう1つ、先に言っておきたいことがあります。私立は、横断的な変更点一覧の網羅性が国公立より低いということです。河合塾が公表している「2027年度 私立大入試変更点」に載っている医学部は31校中12校で、そのうち医学科の変更が載っているのは愛知医科・近畿・久留米の3校だけでした(2026年8月31日に全件照合)。東京医科・東京女子医科・北里・岩手医科・国際医療福祉・大阪医科薬科・川崎医科・東海・獨協医科・順天堂・東邦・藤田医科の変更は載っていません。私立は、大学公式を1校ずつ当たるしかないのが実情です。
変更があった21校の一覧|2026年度との比較
21校ぶんを、北から南の順で並べました。数字はすべて各大学が公表した2027年度(令和9年度)学生募集要項・入試概要・変更予告から取っています。
| 大学(区分) | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 岩手医科
一般/総合型/日程 |
一般73名・総合型8名程度/1次 1月21日 | 一般66名・総合型15名以内/1次 2月3日 |
| 東北医科薬科
一般(修学資金枠) |
修学資金枠A方式(宮城)+B方式(東北5県) | 一般選抜の内側に「東北5県定着枠」25名を新設(定員100名は不変) |
| 自治医科
総合型/入学定員 |
総合型は富山・山梨・山口・佐賀の4県 | 栃木県を追加して5県/臨時定員増23名を許可申請中 |
| 獨協医科
総合型/栃木県地域枠 |
総合型は30歳未満・条件4項目/指定校推薦5名以内・一般前期5名 | 25歳以下・条件6項目(研究経験を追加)/指定校推薦7名以内・一般前期3名 |
| 埼玉医科
一般前期 |
第1次試験 2月8日 | 第1次試験 2月4日(第2次 2月14日) |
| 国際医療福祉
総合型(専願制) |
総合型は実施なし | 総合型選抜(専願制)10名を新設(1次11/21・2次12/5) |
| 順天堂
一般(数学) |
数学Bは「数列」 | 数学Bに「統計的な推測」を追加 |
| 東京医科
一般/共テ利用/推薦 |
一般70名・共テ利用9名以内・全国ブロック別6名以内/2次は個人面接 | 一般65名・共テ利用8名以内・全国ブロック別12名以内/2次はMMI |
| 東京女子医科
総合型/一般/推薦/学費 |
総合型なし・一般約72名・推薦の評定4.1以上/学費6年4,534万円(2020年発表の額)で流通 | 総合型 約20名を新設・一般約50名・評定4.0/学費3,914万円 |
| 東邦
同窓生子女/推薦/総合入試 |
卒業年の下限なし/総合入試の配点は非公表 | 2022年3月以降に卒業した者/配点180点を公開・基礎学力試験60分→70分 |
| 日本医科
一般前期 |
第1次試験 2月2日 | 第1次試験 2月1日 |
| 北里
共テ利用(前期)/一般 |
共テ利用(前期)なし/会場は横浜と相模原 | 共テ利用(前期)5名を新規実施/会場は横浜のみ |
| 東海
特別選抜/一般 |
「展学のすすめ」を実施/一般60名 | 「展学のすすめ」は2027年度が最後/一般70名へ振替 |
| 愛知医科
一般/共テ利用/新選抜 |
1次 1月20日・小論文は2次日/2次は2月5日・6日 | 1次 2月9日・小論文も1次日/2次は2/18・19・20から1日/外国にルーツを持つ生徒特別選抜を新設 |
| 藤田医科
ふじた未来/一般/地域枠 |
ふじた未来の数学は数Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C/愛知県地域枠10名以内 | ふじた未来に数学Ⅲと「統計的な推測」を追加/一般も「統計的な推測」/地域枠8名以内 |
| 大阪医科薬科
学校推薦型 |
英語資格・検定試験の従来基準 | 出願基準を変更(2026年11月1日時点・2年以内のスコア) |
| 関西医科
一般前期 |
1次 1月31日/2次 2月14日の1日 | 1次 2月2日/2次 2月20日・21日の2日間 |
| 近畿
一般前期A/推薦/地域枠 |
推薦25名・一般前期A 55名・地域枠13名/会場に宮崎あり | 推薦30名・一般前期A 50名・地域枠12名/大宮会場を新設・宮崎を廃止 |
| 兵庫医科
一般選抜A |
第1次試験 1月28日 | 第1次試験 2月4日 |
| 川崎医科
総合型/地域枠 |
総合型の2次は面接等/地域枠は岡山県のみ | 総合型2次に集団討論を追加/静岡県・長崎県の地域枠を設置協議中 |
| 久留米
共テ利用 |
医学科に共テ利用なし | 共テ利用選抜を新設(A日程約5名・B日程約3名) |
表が長いので、志望校のところだけ探して読んでもらえれば大丈夫です。ここから先は、受験計画への効き方が大きい順に見ていきます。
1月入試が消える|一次を1月に行う私立は9校から4校へ
2027年度でいちばん大きい変化は、日程そのものです。

文部科学省の大学入学者選抜実施要項は、個別学力検査を2月1日から3月25日までの間に行うと定めています。2024年12月にはこの日程を守るよう改めて要請が出ており、それを受けた形で、1月に一次試験を行う私立医学部は2026年度の9校から2027年度は4校に減りました(帝京・国際医療福祉・自治医科・近畿の4校)。

| 大学 | 2026年度 | 2027年度 | 動いた日数 |
|---|---|---|---|
| 愛知医科大学 | 1/20 | 2/9 | +20日 |
| 岩手医科大学 | 1/21 | 2/3 | +13日 |
| 兵庫医科大学 | 1/28 | 2/4 | +7日 |
| 近畿大学 | 1/25 | 1/31 | +6日 |
| 関西医科大学 | 1/31 | 2/2 | +2日 |
| 日本医科大学 | 2/2 | 2/1 | -1日 |
| 埼玉医科大学 | 2/8 | 2/4 | -4日 |
いちばん大きく動いたのは愛知医科大学で、1月20日から2月9日へ20日ぶん後ろ倒しになりました。岩手医科大学も1月21日から2月3日へ。この2校は例年「1月の腕試し」として受ける人が多かったので、その使い方はもうできません。
そして、動いた先で何が起きるかというと、こうなります。
| 一次試験日 | 大学 | 校数 |
|---|---|---|
| 1/21〜23 | 帝京 | 1校 |
| 1/25・26 | 自治医科 | 1校 |
| 1/25 | 国際医療福祉 | 1校 |
| 1/31 | 近畿 | 1校 |
| 2/1 | 東京女子医科・日本・日本医科・川崎医科・久留米 | 5校 |
| 2/2 | 杏林・北里・関西医科・福岡 | 4校 |
| 2/2・3 | 東海 | 1校 |
| 2/3 | 岩手医科・順天堂 | 2校 |
| 2/3・4 | 金沢医科 | 1校 |
| 2/4 | 東北医科薬科・埼玉医科・聖マリアンナ医科・藤田医科・兵庫医科 | 5校 |
| 2/5 | 昭和医科 | 1校 |
| 2/6 | 東京医科 | 1校 |
| 2/7 | 東邦 | 1校 |
| 2/9 | 慶應義塾・愛知医科 | 2校 |
| 2/10 | 大阪医科薬科 | 1校 |
| 2/11 | 東京慈恵会医科 | 1校 |
| 2/12・13 | 獨協医科 | 1校 |
| 2/14 | 産業医科 | 1校 |
2月1日から4日までの4日間に、31校中18校の一次試験が入っています。2月1日は東京女子医科・日本・日本医科・川崎医科・久留米の5校、2月4日は東北医科薬科・埼玉医科・聖マリアンナ医科・藤田医科・兵庫医科の5校。体力的に受けられるのは、この4日間で3〜4校が限界だと思います。
ここで効いてくるのが、年内入試(総合型・学校推薦型)と共通テスト利用です。1月に受けられる大学が4校しかない以上、2月より前に1つ決めておくか、共テ利用で一次免除の枠を確保しておくかのどちらかを、去年より強く意識する必要があります。
一般選抜の席が年内入試へ移った5校|東京女子医科は約72→約50名
日程と並ぶもう1つの流れが、一般選抜の募集人員が年内入試へ移っていることです。

| 大学 | 一般選抜 | 年内入試へ |
|---|---|---|
| 東京女子医科大学 | 約72名 → 約50名 | 総合型選抜 約20名を新設(一般枠約19+外国医療人材最大1) |
| 東京医科大学 | 70名 → 65名 | 学校推薦型(全国ブロック別)6名以内→12名以内 |
| 岩手医科大学 | 73名 → 66名 | 総合型(地域医療医師育成特別枠)8名程度→15名以内 |
| 近畿大学 | 55名(前期A) → 50名 | 学校推薦型(一般公募)25名→30名 |
| 東海大学 | 60名 → 70名 | 特別選抜「展学のすすめ」は2027年度が最後 |
いちばん大きいのは東京女子医科大学です。総合型選抜を新設して約20名(一般枠 約19名+外国医療人材育成促進事業 最大1名)を配り、一般選抜は約72名から約50名へ22名減りました。学校推薦型(一般推薦)は約40名で、合計は約110名。入学定員そのものは変わっていません。
東京医科大学は一般70名→65名・共通テスト利用9名以内→8名以内で、そのぶん学校推薦型の全国ブロック別が6名以内→12名以内になりました。6ブロック(北海道・東北/関東/中部/近畿/中国・四国/九州・沖縄)が各1名以内から各2名以内になった形です。地方の現役生にとっては入口が倍になりました。
岩手医科大学も一般73名→66名、総合型(地域医療医師育成特別枠)8名程度→15名以内。近畿大学は学校推薦型(一般公募)25名→30名、一般前期A日程55名→50名です(近畿大学の募集人員は令和9年度入学試験要項が2026年9月中旬に公表予定なので、そこで確定します)。
逆に動いているのが東海大学です。大学在学者・卒業者を対象にした特別選抜「展学のすすめ」が2027年度で最後の募集となり、そのぶん一般選抜が60名から70名へ増えます。再受験を考えている人にとっては、2027年度が「展学のすすめ」を使える最後の年です。
新しい入口ができた7校|共テ利用と総合型が増えている
枠が移っただけでなく、そもそも無かった選抜が新設された大学が7つあります。
| 大学 | 新しい入口 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 国際医療福祉大学 | 総合型選抜(専願制) | 10名 |
| 東京女子医科大学 | 総合型選抜 | 約20名 |
| 北里大学 | 共通テスト利用選抜(前期) | 5名 |
| 久留米大学 | 共通テスト利用選抜 | A日程 約5名/B日程 約3名 |
| 愛知医科大学 | 外国にルーツを持つ生徒特別選抜 | — |
| 自治医科大学 | 総合型選抜(栃木県) | 2名 |
| 東京医科大学 | 学校推薦型(全国ブロック別) | 12名以内 |
国際医療福祉大学の総合型選抜(専願制)10名は、この記事のなかでも大きい新設です。一次選考が2026年11月21日(学力試験・小論文・集団面接)、二次選考が12月5日(個別面接)。出願は10月26日から11月9日必着です。学費が6年で1,850万円と私立でいちばん安い大学なので、第一志望なら検討する価値があります。
北里大学と久留米大学は、どちらも共通テスト利用選抜を新設しました。北里は前期5名で、1次が共通テスト(理科200点・数学150点・外国語150点)、2次が2月13〜15日から選択で論文100点・面接100点。久留米はA日程 約5名・B日程 約3名で、B日程は出願が2月6日から2月25日と最後まで残ります。2月の日程が過密になったぶん、共テ利用の価値が上がったと読めます。
愛知医科大学は「外国にルーツを持つ生徒特別選抜」を新たに導入しました。私立医学部では珍しい枠です。
対策が変わる8つ|「統計的な推測」とMMI
ここからは勉強のしかたが変わる変更です。2027年度の私立は、テーマが2つに絞れます。

| 大学(区分) | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 順天堂
一般(数学) |
数学Bは「数列」 | 数学Bに「統計的な推測」を追加 |
| 藤田医科
ふじた未来入試(数学) |
数Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C | 数学Ⅲと数学B「統計的な推測」を追加 |
| 藤田医科
一般入試(数学) |
数学Bは「数列」 | 数学Bに「統計的な推測」を追加 |
| 東京医科
一般・共テ利用の2次 |
個人面接(40点) | MMI(2月13日または14日・配点40点は据え置き) |
| 川崎医科
総合型の2次 |
面接等 | 面接・集団討論(2026年11月14日) |
| 東京女子医科
一般の1次 |
理科200点・英語150点 | 数学100点/英語150点/理科150点(75点×2)=400点 |
| 東邦
総合入試・同窓生子女 |
配点は非公表・基礎学力試験60分 | 出願書類40/基礎学力60(70分)/適性30/面接50=180点 |
| 愛知医科
一般の1次 |
小論文は2次試験日に実施 | 小論文も1次試験日に実施(評価は2次で利用) |
8件のうち3件が数学の出題範囲、2件が面接方式、2件が配点、1件が試験の実施日です。大学の数を数えると7校——志望校がこの7校に入っているかどうかで、秋からの勉強の組み立てが変わります。
1つ目|数学Bの「統計的な推測」が入る
順天堂大学と藤田医科大学が、一般入試の数学Bに「統計的な推測」を追加します。新課程で数学Bの内容そのものが変わったことへの対応で、国公立でも北海道大学が同じ追加をしています。
とくに注意したいのが藤田医科大学です。一般入試だけでなく、年内入試の「ふじた未来入試」でも数学の範囲が広がります。こちらは「統計的な推測」に加えて数学Ⅲが追加されます。ふじた未来入試を受けるなら、夏までに数学Ⅲを終わらせておく必要があるということです。年内入試は「学力試験が軽い入口」だと思われがちですが、この変更はその逆を行っています。
2つ目|面接がMMIと集団討論に変わる
東京医科大学は、一般選抜と共通テスト利用選抜の第2次試験をMMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)に変えます。試験日は2027年2月13日または14日、配点40点は据え置きです。学校推薦型では2024年度からMMIを導入していたので、それが全区分に広がった形です。
MMIは、複数の小部屋を回りながら短い課題に答えていく面接方式です。志望動機を暗記していくタイプの練習だけでは対応できません。「その場で示された状況に、どう考えてどう答えるか」を問われます。
川崎医科大学は、総合型選抜(専願)の第2次試験に集団討論を追加しました(2026年11月14日)。こちらも1人で受け答えする練習だけでは足りません。
そして配点の変更が2つ。東京女子医科大学は一般選抜の第1次試験を数学100点・英語150点・理科150点(75点×2)・小論文=合計400点に組み替えました。理科は200点から150点に軽くなり、英語がいちばん重い科目になります。東邦大学は総合入試・同窓生子女入試の配点を公開し、出願書類40点・基礎学力試験60点(60分→70分)・適性試験30点・面接50点=180点としました。出願書類が全体の22%を占めるので、書類の作り込みがそのまま点になります。
出願資格が変わった4校|獨協医科は30歳未満から25歳以下へ
見落とすと出願そのものができなくなるのが、この出願資格の変更です。
| 大学(区分) | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 獨協医科
総合型選抜 |
入学年度の4月1日現在で30歳未満・条件4項目 | 25歳以下・条件6項目(教育・研究機関での研究経験を追加) |
| 東邦
同窓生子女/推薦(千葉県・新潟県地域枠) |
卒業年の下限なし | 高等学校等を2022年3月以降に卒業した者 |
| 東京女子医科
学校推薦型(一般推薦) |
全体の学習成績の状況 4.1以上 | 4.0以上 |
| 大阪医科薬科
学校推薦型(指定校制・公募制) |
英語資格・検定試験の従来基準 | 2026年11月1日時点で基準を満たすスコア(2年以内・有効期限内) |
獨協医科大学の総合型選抜は、年齢の条件が「入学する年度の4月1日現在で30歳未満」から「25歳以下」に変わりました。条件も4項目から6項目に増え、「教育・研究機関などの施設において、文理・専攻を問わず研究経験を有し、本学を第一志望として入学を志す者」が加わっています。26歳以上の再受験生は、この枠では出願できなくなります。
東邦大学は、同窓生子女入試と推薦入試(公募制・千葉県地域枠・新潟県地域枠)の出願要件に「2022年3月以降に卒業した者」という卒業年の下限が入りました。これまで下限は無かったので、2021年3月以前の卒業者は出願できなくなります。
逆に緩んだのが東京女子医科大学で、学校推薦型(一般推薦)の評定平均が4.1以上から4.0以上になりました。0.1の差ですが、推薦は出願できるかどうかがすべてなので、対象は確実に広がります。
大阪医科薬科大学は学校推薦型(指定校制・公募制)の英語資格・検定試験の基準を変更しました。2026年11月1日時点で基準を満たすスコアが必要で、しかも2年以内に受験したものに限られます。推薦を狙うなら、英語資格の受験計画を前倒しする必要があります。
太宰府アカデミーの視点|この21校をどう使うか
観点を3つ挙げます。
1. 併願プランは「2月1日〜4日をどう割るか」から先に決める
2027年度は、この4日間に31校中18校が集中します。去年までのように「1月に何校か受けて感触を掴んでから2月を決める」という組み立てが成り立ちません。先に2月1〜4日の4日間で受ける大学を決めて、そこから逆算するほうが破綻しにくいと思います。そのうえで、11月の年内入試と共通テスト利用をどう挟むかを考える順番です。
2. 年内入試は「入りやすい入口」ではない
一般の席が年内に移ったと聞くと、年内入試のほうが通りやすくなったように見えます。ただ、データを見る限りではそう単純ではありません。藤田医科大学のふじた未来入試は数学Ⅲが範囲に入り、川崎医科大学の総合型は集団討論が追加され、獨協医科大学の総合型は年齢の上限が5歳下がりました。枠は広がっているが、通る条件も上がっている——これが2027年度の年内入試の実像です。受けると決めたら、一般選抜と同じ密度で準備するつもりで臨んでください。
3. 同じ大学の資料でも、いちばん新しいものを見る
これは調べていて痛感したことです。東京医科大学の面接方式は、入試概要(2026年6月23日公開)では「個人面接(40点)」のままで、変更点のお知らせとプレスリリース(2026年8月3日)でMMIと書かれています。同じ大学の公式資料どうしが食い違っていて、片方は更新されていません。大学のサイトを見るときは、入試概要だけでなく「お知らせ」「変更点」まで開く——手間ですが、ここを飛ばすと2027年度は間違えます。
よくある質問
Q. 学費が変わった大学はありますか
A. 東京女子医科大学が2027年度から下がります。入学金200万円→160万円、授業料280万円→250万円(年)に改定され、6年間の総額は3,914万円になりました。減額は6年で220万円で、在学生も対象です。他サイトで「4,534万円」「4,621万円」という数字を見かけますが、これは2020年に大学が発表した額(施設設備費・年200万円を6年間ぶん取る前提)です。その後に第5〜6年ぶん400万円が対象から外れ、今回の減額220万円が入って3,914万円になっています。
Q. 変更が無かった11校は、去年と同じでいいですか
A. 科目・配点についてはそう考えて構いません。とくに慶應義塾大学は、大学公式の「入試の変更点」で2027年度以降の対象が経済学部・総合政策学部・環境情報学部のみとなっており、医学部の変更予告は2029年度(一般選抜の数学の出題範囲)です。産業医科大学も同じで、医学部の変更は令和10年度(2028年度)から(総合型選抜の廃止・一般選抜Aを約60→約65名・Bを5→10名以内)。ただし、募集人員は学生募集要項で確定するので、出願前にもう一度だけ確認してください。
Q. 防衛医科大学校はどうなりますか
A. 2026年8月31日時点で、令和9年度入校(第54期)の受験要項に前年からの変更は記載されていません。募集人員だけが「決定次第、自衛官募集ホームページ等でお知らせします」となっています(令和8年度は約85名)。日程は受付が2026年7月1日〜10月8日(締切日必着)、第1次試験が10月24日、第2次試験が12月16〜18日、最終合格発表が2027年1月29日です。出願先は最寄りの自衛隊地方協力本部で、学校では受け付けていません。ここは間違えやすいので注意してください。
まとめ
2027年度の私立医学部の変更点を、5つに絞ります。
- 変わるのは32校中21校・40件。国公立(50校中19校)の倍近い割合で動いています
- 1月に一次を行う私立は9校→4校。愛知医科(1/20→2/9)と岩手医科(1/21→2/3)が大きく動き、2月1〜4日に31校中18校が集中します
- 一般選抜の席が年内入試へ移りました。東京女子医科は一般 約72→約50名、東京医科は70→65名。逆に東海の「展学のすすめ」は2027年度が最後の募集です
- 対策が変わるのは8つ。順天堂・藤田医科の「統計的な推測」(藤田医科は年内入試に数学Ⅲも)、東京医科のMMI、川崎医科の集団討論、東京女子医科の理科200→150点
- 出願資格が変わったのは4校。獨協医科の総合型は30歳未満→25歳以下、東邦は「2022年3月以降に卒業した者」。出願そのものができなくなる変更なので最初に確認してください
そして、いま数字が確定していないものが9件あります。
| 大学 | 何が決まっていないか | いつ決まるか |
|---|---|---|
| 近畿大学 | 医学部の募集人員(推薦30・一般前期A 50・地域枠12) | 令和9年度入学試験要項(2026年9月中旬) |
| 藤田医科大学 | 愛知県地域枠 8名以内 | 2027年度学生募集要項(2026年10月予定) |
| 東京女子医科大学 | 一般選抜の区分内に導入予定の地域枠(千葉県と協議中) | 確定後に大学サイトで公表 |
| 川崎医科大学 | 静岡県・長崎県の地域枠(設置協議中) | 学生募集要項 |
| 自治医科大学 | 入学定員(栃木県地域枠3名を含む23名の臨時定員増を申請中) | 決定次第 大学サイトで公表 |
| 獨協医科大学 | 栃木県地域枠の人数(臨時定員増の認可申請予定) | 学生募集要項 |
| 東北医科薬科大学 | 東北5県定着枠25名(入学者選抜ガイドが根拠) | 医学部学生募集要項 |
| 防衛医科大学校 | 募集人員(令和8年度は約85名) | 自衛官募集ホームページ |
| 東海大学 | 「展学のすすめ」の最終募集 | 2027年度 入学試験要項 |
近畿大学は2026年9月中旬、藤田医科大学の地域枠は2026年10月予定です。志望校がこの表に入っている人は、その時期にもう一度だけ見に行ってください。
この記事を書いたのは、私立は「調べても出てこない」ことが多いからです。国公立は令和9年度入学者選抜要項という決まった形の資料が50校ぶん出るので、突き合わせれば分かります。でも私立は、募集要項の公表が7月から10月までばらけていて、変更点を1枚にまとめてくれている大学のほうが少ない。実際に今回も、東京女子医科大学の7項目の変更は募集要項の1ページ目にしか書かれていませんでしたし、藤田医科大学の「ふじた未来入試に数学Ⅲが入る」は入試制度のページの下のほうにありました。受験生が32校ぶんこれをやるのは無理だと思うので、代わりに調べました。
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本日の記事は以上です。
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当校は福岡県にある日本で唯一の全寮制医学部受験予備校です。
【当校の特徴】
定員30名|21年間の累計医学部医学科合格実績518名(のべ数)|田舎の全寮制|全国各地から入学(2026年度生は全国20の都道府県より入学)|異次元の生活サポート|食事が美味しい(土日祝日問わず3食提供)|講師との距離が近い|プロ講師の質問対応が充実|完全個別指導コースあり|選抜国公立コースあり|専用筋トレジムあり|同じ夢を持った仲間と1年間切磋琢磨し、医学部合格を目指す
【校風】アットホームな大家族予備校
◆筆者プロフィール
後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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◆連絡先
TEL:092-918-0666
メール:office@dazaifu.academy
Twitter:twitter.com/dazaifu_academy
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