こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。
「国公立の医学部は、共通テストで9割ないと話にならない」——そう思い込んでいませんか。先に2026年度入試の実データで答えを出します。国公立医学部50校の合格者平均偏差値(河合塾 全統記述模試)は、1位が東京大学(理科III類)の74.9、いちばん低い島根大学が61.0。共通テストの合格者平均は東京の919点から弘前の762点まで、157点の幅があります。900点(9割)を超えるのは東京だけで、800点未満の帯にも9校が実在します。
国公立はボーダー偏差値が方式ごとに分かれ、50校を1つの物差しで並べられません。そこでこの記事は、実際に合格した人の全統模試平均=合格者平均偏差値で、国立42校+公立8校=50校の序列を1枚の表にしました。そのうえで、国立42校と公立8校を分けたランキングと、公立だけにある「入学料が居住地で3倍変わる」という論点まで載せています。
− 自分の共テの持ち点で、どの帯の大学まで届くのか
− 偏差値が低い国公立は、本当に「入りやすい」のか
− 共テと2次、どちらで決まる大学なのか
この記事の目次
国公立医学部偏差値ランキング2027|50校の一覧表
まず50校すべての一覧です。2026年度入試で実際に合格した人の全統記述模試平均(河合塾 入試結果調査)を順位化し、英・数・理の内訳と共通テストの合格者平均(1000点換算)まで1つの表に入れています。大学名から各校の個別ページ(配点・最低点・倍率・出口データ)へ飛べます。
▶ 私立を含めた医学部偏差値ランキング(全81校)/私立医学部偏差値ランキング(31校)
| 順位 | 大学 | 記述総合 | 英 | 数 | 理 | 共テ平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京大学(理科III類) | 74.9 | 74.7 | 74.7 | 75.4 | 919点 |
| 2 | 京都大学 | 72.7 | 72.7 | 72.8 | 72.7 | 897点 |
| 3 | 大阪大学 | 72.2 | 71.7 | 72.7 | 72.2 | 877点 |
| 4 | 東京科学大学 | 70.5 | 71.3 | 69.5 | 70.6 | 892点 |
| 5 | 千葉大学 | 69.7 | 70.8 | 69.3 | 68.9 | 870点 |
| 5 | 名古屋大学 | 69.7 | 70.7 | 69.2 | 69.1 | 873点 |
| 5 | 奈良県立医科大学 | 69.7 | 69.6 | 68.6 | 70.8 | 862点 |
| 8 | 九州大学 | 69.1 | 68.4 | 69.0 | 69.9 | 869点 |
| 8 | 横浜市立大学 | 69.1 | 69.6 | 69.0 | 68.7 | 861点 |
| 10 | 東北大学 | 68.8 | 70.8 | 67.1 | 68.4 | 858点 |
| 11 | 神戸大学 | 68.6 | 69.2 | 67.8 | 68.9 | 863点 |
| 12 | 山梨大学 | 68.6 | 70.0 | 67.5 | 68.2 | 853点 |
| 13 | 大阪公立大学 | 68.3 | 68.1 | 68.6 | 68.3 | 844点 |
| 14 | 京都府立医科大学 | 67.6 | 68.5 | 67.5 | 66.8 | 840点 |
| 15 | 岡山大学 | 67.5 | 68.3 | 66.5 | 67.7 | 841点 |
| 16 | 金沢大学 | 66.6 | 67.5 | 66.0 | 66.2 | 807点 |
| 17 | 広島大学 | 66.5 | 66.1 | 66.1 | 67.4 | 819点 |
| 18 | 北海道大学 | 66.3 | 67.3 | 65.5 | 66.0 | 846点 |
| 19 | 筑波大学 | 66.1 | 68.3 | 64.4 | 65.5 | 841点 |
| 20 | 新潟大学 | 66.0 | 65.6 | 66.0 | 66.5 | 805点 |
| 20 | 熊本大学 | 66.0 | 66.5 | 66.3 | 65.3 | 826点 |
| 22 | 鹿児島大学 | 66.0 | 66.0 | 65.5 | 66.5 | 823点 |
| 23 | 名古屋市立大学 | 65.9 | 66.8 | 65.4 | 65.6 | 820点 |
| 24 | 信州大学 | 65.9 | 66.8 | 65.4 | 65.4 | 831点 |
| 25 | 長崎大学 | 65.8 | 66.3 | 65.7 | 65.3 | 797点 |
| 26 | 三重大学 | 65.7 | 65.6 | 64.8 | 66.6 | 828点 |
| 27 | 山口大学 | 65.6 | 66.6 | 65.3 | 65.0 | 825点 |
| 28 | 浜松医科大学 | 65.3 | 66.7 | 65.1 | 64.1 | 801点 |
| 29 | 徳島大学 | 65.2 | 65.9 | 64.5 | — | 822点 |
| 30 | 和歌山県立医科大学 | 65.1 | 65.9 | 64.4 | 64.9 | 799点 |
| 31 | 鳥取大学 | 65.0 | 66.6 | 63.4 | 65.1 | 803点 |
| 32 | 岐阜大学 | 64.9 | 66.8 | 63.3 | 64.7 | 810点 |
| 33 | 大分大学 | 64.7 | 64.6 | 62.8 | 66.6 | 805点 |
| 33 | 札幌医科大学 | 64.7 | 67.6 | 62.8 | 63.6 | 807点 |
| 35 | 旭川医科大学 | 64.6 | 66.5 | 62.7 | — | 767点 |
| 36 | 滋賀医科大学 | 64.6 | 66.0 | 62.7 | 65.0 | 820点 |
| 37 | 香川大学 | 64.3 | 64.6 | 64.2 | 64.2 | 795点 |
| 38 | 高知大学 | 64.3 | 66.9 | 62.9 | 63.0 | 783点 |
| 39 | 愛媛大学 | 64.2 | 65.6 | 63.5 | 63.4 | 784点 |
| 40 | 山形大学 | 64.1 | 65.9 | 62.4 | 64.0 | 812点 |
| 41 | 佐賀大学 | 64.0 | 65.1 | 63.5 | 63.4 | 813点 |
| 42 | 宮崎大学 | 63.9 | 65.4 | 63.0 | 63.4 | 816点 |
| 43 | 群馬大学 | 63.7 | — | 64.3 | 63.1 | 814点 |
| 44 | 福井大学 | 63.6 | 65.2 | 62.3 | 63.3 | 817点 |
| 45 | 富山大学 | 63.4 | 65.0 | 61.5 | 63.7 | 805点 |
| 46 | 福島県立医科大学 | 63.1 | 65.9 | 60.0 | 63.3 | 798点 |
| 47 | 秋田大学 | 63.0 | 65.4 | 60.6 | — | 807点 |
| 48 | 琉球大学 | 62.5 | 64.1 | 60.6 | 62.9 | 813点 |
| 49 | 弘前大学 | 61.3 | 64.2 | 58.3 | — | 762点 |
| 50 | 島根大学 | 61.0 | 63.3 | 58.7 | — | 776点 |
※河合塾 入試結果調査(2026年度入試)。記述総合=全統記述模試の英数理の平均、共テ平均=合格者の共通テスト平均(1000点換算)。理は徳島・旭川医科・秋田・弘前・島根の5校、英は群馬が非公表(—)で、その校の記述総合は残り科目の平均です
頂点は東京大学(理科III類)の74.9。2位京都72.7、3位大阪72.2、4位東京科学70.5と続き、「70超え」はこの4校だけです。5位には名古屋・千葉・奈良県立医科の3校が69.7で並び、以下69〜64の帯に大集団が続きます。この序列は上下の1〜2校差なら実力差はほぼ誤差で、偏差値による格付けは「帯」でざっくり読むのが正しい使い方です。
※記述総合・英・数・理・共テ平均は、いずれも河合塾 入試結果調査(2026年度入試)の合格者平均です。
科目の内訳はそれ自体が読みどころです。たとえば弘前は英64.2に対して数58.3、福島県立医科は英65.9に対して数60.0と、どちらも差5.9の英語型。逆に大阪は数72.7が英71.7を上回る数学型です。同じ偏差値帯でも「どの科目で受かっている集団か」がまるで違います。
国立医学部42校と公立医学部8校|分けると景色が変わる
国公立医学部50校の内訳は、国立42校と公立8校です。ひとまとめに「国公立」と呼んでしまいますが、この2つは合格者平均の散らばり方も、共通テストの点の幅も、入学時に払うお金も別物です。まず全体を並べます。

| 項目 | 国立42校 | 公立8校 |
|---|---|---|
| 合格者平均の平均 | 66.1 | 66.7 |
| いちばん高い校 | 74.9(東京) | 69.7(奈良県立医科) |
| いちばん低い校 | 61.0(島根) | 63.1(福島県立医科) |
| 共テ平均の幅 | 762〜919点(157点幅) | 798〜862点(64点幅) |
| 実質倍率の平均 | 3.23倍 | 2.75倍 |
| 入学料 | 282,000円(全校同額) | 282,000〜846,000円(居住地で変わる) |
※合格者平均・共テ平均=河合塾 入試結果調査(2026年度入試)、実質倍率=文部科学省公表(2025年度入試)、入学料=各大学公式(2026年度)。合格者平均の平均は各校の値の単純平均です
意外に思われるかもしれませんが、合格者平均は公立8校のほうが高い(66.7 対 66.1)。差が出ているのは上ではなく下です。公立8校には合格者平均63.0未満の大学が1校もありません。いちばん低い福島県立医科でも63.1です。いっぽう国立42校には琉球・弘前・島根の3校(62.5/61.3/61.0)があり、共通テストの合格者平均も762点まで下がります。国公立50校のうち「学力帯の下側」は、実質すべて国立側にあります。
実質倍率は逆向きです。国立42校の平均3.23倍に対し、公立8校は2.75倍(2025年度)。公立は人が集まりにくいぶん倍率は低めなのに、受かる人の学力は高いところで揃っている——これが8校をまとめて見たときの姿です。ここから、それぞれのランキングを分けて出します。
国立医学部の偏差値ランキング|42校
国立だけで並べ直した順位です。50校通しの順位とは別物なので、志望校が「国立の中で何番目か」を見たいときはこちらを使ってください。
| 国立順位 | 大学 | 合格者平均 | 共テ平均 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京大学(理科III類) | 74.9 | 919点 |
| 2 | 京都大学 | 72.7 | 897点 |
| 3 | 大阪大学 | 72.2 | 877点 |
| 4 | 東京科学大学 | 70.5 | 892点 |
| 5 | 千葉大学 | 69.7 | 870点 |
| 5 | 名古屋大学 | 69.7 | 873点 |
| 7 | 九州大学 | 69.1 | 869点 |
| 8 | 東北大学 | 68.8 | 858点 |
| 9 | 神戸大学 | 68.6 | 863点 |
| 10 | 山梨大学 | 68.6 | 853点 |
| 11 | 岡山大学 | 67.5 | 841点 |
| 12 | 金沢大学 | 66.6 | 807点 |
| 13 | 広島大学 | 66.5 | 819点 |
| 14 | 北海道大学 | 66.3 | 846点 |
| 15 | 筑波大学 | 66.1 | 841点 |
| 16 | 新潟大学 | 66.0 | 805点 |
| 16 | 熊本大学 | 66.0 | 826点 |
| 18 | 鹿児島大学 | 66.0 | 823点 |
| 19 | 信州大学 | 65.9 | 831点 |
| 20 | 長崎大学 | 65.8 | 797点 |
| 21 | 三重大学 | 65.7 | 828点 |
| 22 | 山口大学 | 65.6 | 825点 |
| 23 | 浜松医科大学 | 65.3 | 801点 |
| 24 | 徳島大学 | 65.2 | 822点 |
| 25 | 鳥取大学 | 65.0 | 803点 |
| 26 | 岐阜大学 | 64.9 | 810点 |
| 27 | 大分大学 | 64.7 | 805点 |
| 28 | 旭川医科大学 | 64.6 | 767点 |
| 29 | 滋賀医科大学 | 64.6 | 820点 |
| 30 | 香川大学 | 64.3 | 795点 |
| 31 | 高知大学 | 64.3 | 783点 |
| 32 | 愛媛大学 | 64.2 | 784点 |
| 33 | 山形大学 | 64.1 | 812点 |
| 34 | 佐賀大学 | 64.0 | 813点 |
| 35 | 宮崎大学 | 63.9 | 816点 |
| 36 | 群馬大学 | 63.7 | 814点 |
| 37 | 福井大学 | 63.6 | 817点 |
| 38 | 富山大学 | 63.4 | 805点 |
| 39 | 秋田大学 | 63.0 | 807点 |
| 40 | 琉球大学 | 62.5 | 813点 |
| 41 | 弘前大学 | 61.3 | 762点 |
| 42 | 島根大学 | 61.0 | 776点 |
※河合塾 入試結果調査(2026年度入試)。合格者平均=全統記述模試の英数理の平均、共テ平均=合格者の共通テスト平均(1000点換算)。順位は国立42校の中での順位で、50校通しの順位は上の一覧表に載せています
上位4校(東京・京都・大阪・東京科学)は50校通しの順位と変わりません。動くのは中位から下で、たとえば岡山は50校では15位ですが、国立だけなら11位。公立4校(奈良県立医科・横浜市立・大阪公立・京都府立医科)が上位に食い込んでいるぶん、国立の順位はここで前に出ます。国立42校のうち25校が合格者平均65.0以上で、60台後半に大集団があるのは50校で見たときと同じです。
公立医学部の偏差値ランキング|8校
公立は8校しかありません。全国的な知名度で言えば数は少ないのですが、4校が50校通しでも15位以内に入ります。
| 公立順位 | 大学 | 合格者平均 | 共テ平均 | 50校中 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 奈良県立医科大学 | 69.7 | 862点 | 5位 |
| 2 | 横浜市立大学 | 69.1 | 861点 | 8位 |
| 3 | 大阪公立大学 | 68.3 | 844点 | 13位 |
| 4 | 京都府立医科大学 | 67.6 | 840点 | 14位 |
| 5 | 名古屋市立大学 | 65.9 | 820点 | 23位 |
| 6 | 和歌山県立医科大学 | 65.1 | 799点 | 30位 |
| 7 | 札幌医科大学 | 64.7 | 807点 | 33位 |
| 8 | 福島県立医科大学 | 63.1 | 798点 | 46位 |
※河合塾 入試結果調査(2026年度入試)。「50校中」は国公立50校を通した順位です
1位は奈良県立医科の69.7で、これは50校通しでも5位。2位の横浜市立69.1は8位、大阪公立68.3が13位、京都府立医科67.6が14位と続きます。共テ平均も862〜798点の64点幅に収まっており、国立の157点幅と比べると、公立8校は「狭い帯にぎゅっと固まっている」のが特徴です。8校のどこを受けても、求められる共テの水準はだいたい同じ、と考えて大きく外れません。
公立医学部は入学料が住んでいる場所で3倍変わる
国立と公立を分けて見るいちばん実用的な理由が、実はここです。公立大学の多くは入学料に「県内/県外」(市内/市外)の区分を設けていて、同じ大学に入るのに払う額が変わります。
| 大学 | 入学料(地元) | 入学料(地元以外) | 6年総額 |
|---|---|---|---|
| 福島県立医科大学 | 282,000円 | 846,000円 | 406.1万円 |
| 奈良県立医科大学 | 282,000円 | 802,000円 | 401.7万円 |
| 和歌山県立医科大学 | 282,000円 | 752,000円 | 396.7万円 |
| 横浜市立大学 | 141,000円 | 282,000円 | 372.0万円 |
| 京都府立医科大学 | 282,000円 | 493,000円 | 370.8万円 |
| 大阪公立大学 | 282,000円 | 382,000円 | 359.7万円 |
| 名古屋市立大学 | 232,000円 | 332,000円 | 354.7万円 |
| 札幌医科大学 | 282,000円 | 282,000円 | 349.7万円 |
※各大学公式(2026年度)。6年総額は「地元以外の入学料+授業料×6年」で揃えた学納金ベース。授業料は横浜市立の医学科だけ573,000円で、ほかの7校は国の標準額535,800円です。横浜市立は施設設備費・実験実習費まで入れると市外413万円・市内394万円になります。諸会費(後援会費・保険料など)は別途
いちばん大きいのが福島県立医科で、県外からだと846,000円——県内の282,000円の3倍です。奈良県立医科802,000円、和歌山県立医科752,000円と続きます。一方、札幌医科には区分そのものがありません(道内外とも282,000円)。「公立だから地元が有利」は、8校すべてには当てはまりません。
横浜市立は逆の形で例外です。入学金は市内141,000円と標準額の半額なのに、授業料が573,000円で8校中いちばん高い(国の標準額は535,800円)。施設設備費と実験実習費まで入れると市外で413万円になり、8校で最も高くなります。入学金だけを見て「安い」と判断してはいけない見本です。
なお「地元」の判定は、どの大学も入学の1年以上前から住民票があることを求めます。京都府立医科にいたっては本人の住所で判定します(親の住所は見ません)。受験のために引っ越しても間に合いません。国立側は42校とも入学料282,000円で全国どこから受けても同じ、というのと対照的です。
※入学料・授業料はいずれも各大学公式(2026年度)。国立42校は入学料282,000円・授業料535,800円が標準ですが、東京・千葉・東京科学・山口の4校は授業料642,960円で6年総額414.0万円になります。
共通テストの合格者平均|東京919点から762点まで
国公立医の入口でいちばん知りたいのは「共テで何点必要か」だと思います。2026年度入試に合格した人の平均点を帯にして並べました。

| 帯 | 校数 | 大学 |
|---|---|---|
| 900点以上 | 1校 | 東京 |
| 850〜899点 | 11校 | 京都/東京科学/大阪/名古屋/千葉/九州/神戸/奈良県立医科/横浜市立/東北/山梨 |
| 800〜849点 | 29校 | 北海道/大阪公立/岡山/筑波/京都府立医科/信州/三重/熊本/山口/鹿児島/徳島/名古屋市立/滋賀医科/広島/福井/宮崎/群馬/佐賀/琉球/山形/岐阜/金沢/札幌医科/秋田/新潟/大分/富山/鳥取/浜松医科 |
| 800点未満 | 9校 | 和歌山県立医科/福島県立医科/長崎/香川/愛媛/高知/島根/旭川医科/弘前 |
※合格者平均であってボーダー(合格可能性50%ライン)ではありません。平均より下の得点にも合格者はいます
最高は東京の919点(91.9%)、最低は弘前の762点(76.2%)。その差は157点です。「国公立医学部=9割必須」が合格者平均として当てはまるのは東京の1校だけ。850点以上でも12校しかなく、過半数の29校は800〜849点の帯、800点未満の帯にも和歌山県立医科・長崎・愛媛・高知など9校があります。8割前後から勝負になる国公立は、現実に存在します。
この帯を国立42校と公立8校に分けると、下の帯の中身がはっきりします。
| 帯 | 国立42校 | 公立8校 |
|---|---|---|
| 900点以上 | 1校 | — |
| 850〜899点 | 9校 | 2校 |
| 800〜849点 | 25校 | 4校 |
| 800点未満 | 7校 | 2校 |
※河合塾 入試結果調査(2026年度入試)の合格者平均(1000点換算)
800点未満の9校のうち7校が国立で、公立は和歌山県立医科(799点)と福島県立医科(798点)の2校だけ。しかもその2校も790点台で、公立でいちばん低い798点と、国立でいちばん低い762点では36点ひらいています。「8割前後から勝負になる国公立」を探すなら、候補はほぼ国立側にあります。
注意点はひとつ。これは合格者の平均なので、実際の合格ラインはこれより下にあります。平均に届いていない=諦める、ではありません。
偏差値が低い国公立はどこか|「入りやすい」への正面回答
検索でよく見かける「偏差値の低い国公立医学部」「入りやすい国公立」に、データで正面から答えます。合格者平均が低い順に10校です。
| 低い順 | 大学 | 合格者平均 | 共テ平均 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 島根大学 | 61.0 | 776点 | 4.09倍 |
| 2 | 弘前大学 | 61.3 | 762点 | 5.15倍 |
| 3 | 琉球大学 | 62.5 | 813点 | 3.50倍 |
| 4 | 秋田大学 | 63.0 | 807点 | 2.91倍 |
| 5 | 福島県立医科大学 | 63.1 | 798点 | 2.46倍 |
| 6 | 富山大学 | 63.4 | 805点 | 3.49倍 |
| 7 | 福井大学 | 63.6 | 817点 | 2.97倍 |
| 8 | 群馬大学 | 63.7 | 814点 | 2.53倍 |
| 9 | 宮崎大学 | 63.9 | 816点 | 3.66倍 |
| 10 | 佐賀大学 | 64.0 | 813点 | 3.39倍 |
※合格者平均・共テ平均は河合塾 入試結果調査(2026年度入試)、実質倍率は文部科学省公表の2025年度入試(大学単位)。年度の違う数字なので引き算はできません
いちばん低いのは島根の61.0、次いで弘前61.3、琉球62.5。ただし表の右2列を見てください。島根の合格者は共テで平均776点(77.6%)を取っており、弘前の実質倍率5.15倍(2025年度)は50校で最高です。合格者平均が下から2番目なのに、倍率はトップ——この事実だけでも、「偏差値が低い=入りやすい」とは言い切れません。
※合格者平均・共テ平均=2026年度入試/実質倍率=文部科学省(2025年度入試)。
もうひとつ大事な注意です。倍率には隔年現象(高倍率の翌年に敬遠されて下がる動き)がよく見られ、1年分の数字から「この大学は入りやすい」という因果は書けません。倍率は「その年に何人が来たか」、合格者平均は「実際に受かった人の学力」——見るべきは後者です。この考え方は入りやすい医学部はどこか|倍率ではなく合格者平均偏差値で見るで、私立も含めた81校ぶん書いています。
共テで決まる大学、2次で決まる大学
同じ国公立でも、共テと2次(個別試験)の配点比率は大学ごとにまるで違います。全50校の満点構成(2026年度)から算出した両極端がこちらです。
| 型 | 大学(比率) |
|---|---|
| 2次で決まる型 (2次比率が高い) |
東大(80.0%)/東北大(80.0%)/京大(78.4%)/阪大(75.0%)/奈良県立医科・後期(75.0%) |
| 共テで決まる型 (共テ比率が高い) |
奈良県立医科・前期(共テ90.0%)/佐賀(68.1%)/群馬(51.4%)など |
※比率は満点構成から当塾算出。全50校の個別の配点は各大学ページに掲載しています
東京と東北は2次が80.0%——共テは実質「足切りを通る試験」で、勝負は記述です。一方、奈良県立医科の前期は共テが90.0%(共テ900点+個別100点)で、配点上は共テでほぼ決まります。同じ「国公立医学部」を受けるのに、求められる力が正反対です。
共テで安定して取れる型か、記述で伸びる型か。自分の得点の取り方に合う比率の大学を選ぶ——偏差値の高低より、こちらのほうが合否を動かします。全50校の満点構成は各大学の個別ページに載せています。
「情報」の配点比率|同じ科目で重みが6倍違う
共通テスト「情報Ⅰ」の扱いは、大学による差がいちばん大きいところです。共テ配点に占める比率で6倍の開きがあります。

| 比率 | 大学(前期) |
|---|---|
| 9〜11%(重い) | 旭川医科(10.0%)/札幌医科(10.0%)/福島県立医科(10.0%)/東京(10.0%)/東京科学(10.0%)/富山(10.0%)/福井(10.0%)/信州(10.0%)/京都府立医科(10.0%)/広島(10.0%)/愛媛(10.0%)/熊本(10.0%)/大分(10.0%)/宮崎(10.0%)/琉球(10.0%)/岡山(9.1%)/東北(9.0%)/京都(9.0%) |
| 5〜9% | 秋田(8.3%)/名古屋市立(8.3%)/三重(7.7%)/滋賀医科(7.7%)/新潟(6.3%)/奈良県立医科(5.6%)/和歌山県立医科(5.6%)/山形(5.3%)/筑波(5.3%)/群馬(5.3%)/千葉(5.3%)/金沢(5.3%)/岐阜(5.3%)/浜松医科(5.3%)/名古屋(5.3%)/神戸(5.3%)/山口(5.3%)/高知(5.3%)/九州(5.3%)/横浜市立(5.0%)/大阪(5.0%) |
| 5%未満(軽い) | 北海道(4.8%)/弘前(4.8%)/大阪公立(3.7%)/島根(3.2%)/長崎(3.2%)/鹿児島(2.7%)/鳥取(2.2%)/佐賀(1.6%) |
※「情報」に配点のある前期47校を掲載しています(山梨は前期募集なし、徳島・香川は2026年度時点で配点なし)。2027年度は筑波が付与点を50→25点に変更、徳島(50点)と香川(20点)が新たに配点します(いずれも令和9年度入学者選抜要項で公表済み)
重いのは旭川医科・札幌医科・福島県立医科・東京・東京科学など=10%前後。軽いのは佐賀の1.6%・鳥取2.2%・鹿児島2.7%です。情報が苦手なら佐賀型の大学で影響をほぼ消せますし、得意なら10%組で差をつけられます。2027年度は筑波が付与点を50→25点に変更し、これまで配点のなかった徳島(50点)と香川(20点)が新たに配点します(いずれも令和9年度入学者選抜要項で公表済み)。この表は2026年度の配点で、11月ごろの学生募集要項が出たら2027年度の配点に更新します。
募集人員が「調整中」の大学がある|臨時定員削減
2027年度入試には、偏差値表の外に大きな変数があります。国の医学部臨時定員の削減です。この影響で、徳島・長崎・筑波・熊本・愛媛の5校は、2026年8月時点で募集人員が確定していません。
| 大学 | 公式の書きぶり |
|---|---|
| 徳島 | 「医学部医学科の募集人員は調整中です。確定次第、本学ホームページ等でお知らせします」(令和9年度選抜要項) |
| 長崎 | 臨時定員19人(うち地域枠増員16人)の令和9年度の扱いは「現時点では未定」 |
| 筑波 | 医学類地域枠は「国による所定の審査を経て、募集の有無及び定員が確定次第公表します」 |
| 熊本 | 臨時定員4人を維持する計画。ただし「3人以下となった場合は一般選抜(前期)の募集人員を改めて変更します」 |
| 愛媛 | 入学定員95人は「現時点での予定」 |
※各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項・公式発表の記載。確定は例年11月ごろ公表の学生募集要項です
このほか和歌山県立医科も臨時定員1人減で総募集100→99人となる見込みです。確定するのは例年11月ごろに出る学生募集要項。この5校を出願候補にしている方は、夏時点の定員数で倍率を見積もらず、11月の要項を必ず確認してください。募集人員が数人動くだけで、ボーダー付近の景色は変わります。
※2026年8月時点の各大学公表資料より。確定は例年11月ごろの学生募集要項。
太宰府アカデミーの視点|国公立の偏差値表はこう使う
国公立の大学選びで僕がいつも伝えているのは、「順位で選ばず、帯と配点で選ぶ」です。合格者平均のランキングは現在地の確認には役立ちますが、順位が2つ3つ違う大学の難易度差は誤差の範囲。序列の細かい上下より、共テ90%型か2次80%型か、情報10%か1.6%か——この構造の違いのほうが、1年間の勉強計画と本番の勝率をはるかに大きく動かします。
使い方は3段階です。まず共テ平均の帯の表で、模試の持ち点から届く帯を確認する。次に共テと2次の比率で、自分の型(安定型か記述型か)に合う大学へ絞る。最後に各大学の個別ページで合格最低点と出口(国試合格率・6年で医師になれる確率)まで確かめる。共テ本番の自己採点が出てからの出願先変更にも、この表はそのまま使えます。リサーチの判定に迷ったら、合格者平均と自分の素点の差を見てください。
模試の数字が届いていなくて不安な人にひとつだけ。この表の数字はどれも「受かった人の平均」であって、合格ラインではありません。平均より下で受かる人は毎年必ずいます。悲観する材料ではなく、出願先を賢く選ぶ地図として使ってほしいです。秋には河合塾の予想値改定、11月には募集要項の確定と、数字が動く節目が続きます。そのたびにこのページを最新に保ちます。
国公立医学部の偏差値についてよくある質問
Q1. いちばん偏差値が低い国公立医学部はどこですか?
A. 2026年度入試の合格者平均でいちばん低いのは島根の61.0、次いで弘前61.3・琉球62.5です。ただし島根の合格者は共テで平均776点(77.6%)を取っており、弘前の実質倍率5.15倍(2025年度)は国公立50校で最高。「低い=入りやすい」ではありません。
Q2. 共通テストは何点あれば国公立医学部に届きますか?
A. 2026年度入試の合格者平均は919点(東京)〜762点(弘前)です。900点超が必要な水準は東京だけで、過半数の29校は800〜849点、800点未満の帯にも9校あります。ただし平均でありボーダーではないので、リサーチの判定と2次力を合わせて判断してください。
Q3. 国立と公立で、難易度や学費は違いますか?
A. 2026年度入試の合格者平均は国立42校が平均66.1・公立8校が平均66.7で、平均としては公立のほうがやや上です。合格者平均63.0未満は島根61.0・弘前61.3・琉球62.5の3校とも国立で、公立の最低は福島県立医科の63.1。学費は入学料が違い、公立8校は地元か地元以外かで282,000〜846,000円と3倍変わります(国立42校は全校282,000円)。
Q4. 国公立医学部の後期は前期より難しいですか?
A. 同じ大学でも前期と後期は配点が別物で、たとえば奈良県立医科は前期が共テ90%、後期は2次75%と正反対です。単純にどちらが難しいとは比べられません。募集の枠組みも方式ごとに違うので、偏差値表の1つの数字ではなく、受ける方式の配点と自分の型の相性で判断してください。
Q5. 私立を含めた全体のランキングはありますか?
A. 国公立50校+私立31校=81校を同じ物差しで並べた医学部偏差値ランキング(全81校)があります。私立だけ見たい方は私立医学部偏差値ランキング(31校)へどうぞ。
まとめ|2027年度 国公立医学部偏差値のポイント
- 合格者平均の1位は東京大学(理科III類)の74.9。2位京都72.7・3位大阪72.2・4位東京科学70.5で、「70超え」は4校だけ。5位に名古屋・千葉・奈良県立医科が69.7で並ぶ
- 共通テストの合格者平均は919〜762点で157点の幅。900点超は東京だけ、過半数の29校は800〜849点、800点未満も9校
- 合格者平均がいちばん低いのは島根の61.0。それでも共テ平均776点、弘前の実質倍率5.15倍(2025年度)は50校で最高。「低い=入りやすい」ではない
- 配点は両極端。東京・東北は2次80%、奈良県立医科の前期は共テ90%。「情報」の重みも10%〜1.6%で6倍差
- 国立42校と公立8校は別物。合格者平均の平均は公立66.7・国立66.1で、63.0未満は国立の3校(島根61.0・弘前61.3・琉球62.5)だけ。公立8校は入学料が282,000〜846,000円と3倍変わる(最高は福島県立医科の県外846,000円)
- 徳島・長崎・筑波・熊本・愛媛の5校は募集人員が「調整中」。11月ごろの学生募集要項で確定
秋のボーダー改定・11月の要項確定のたびに、このページを最新に保ちます。
あわせて読みたい
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- 国公立医学部の共通テストボーダー|50校は79〜93%——合格可能性50%ラインで見たい方はこちら
本日の記事は以上です。
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定員30名|21年間の累計医学部医学科合格実績518名(のべ数)|田舎の全寮制|全国各地から入学(2026年度生は全国20の都道府県より入学)|異次元の生活サポート|食事が美味しい(土日祝日問わず3食提供)|講師との距離が近い|プロ講師の質問対応が充実|完全個別指導コースあり|選抜国公立コースあり|専用筋トレジムあり|同じ夢を持った仲間と1年間切磋琢磨し、医学部合格を目指す
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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