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関西の医学部ランキング|12校の1位は物差しで3校|2027年度入試

2026年09月27日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。

本日のブログは、関西で医学部を目指している受験生と保護者の方に向けた回です。関西の医学部は、どこがどのくらいの位置にあるのか。

先日、九州・沖縄の11校を並べた記事を書いたところ、「関西版はないのか」という声をいただきました。調べてみると、関西の12校だけを切り出して、入口と出口の両方で比べた表は、うちのサイトに1本もありませんでした。そこで、偏差値・共通テスト・学費・医師国家試験・6年で医師になる割合の5つで、2府4県の12校を並べ直しました。

結果から言うと、1位は物差しによって3校に分かれました。偏差値の1位は京都大学、医師国家試験の合格率の1位は兵庫医科大学、6年で医師になる割合の1位は大阪公立大学です。しかも、3つすべてで4位以内に入った大学は1校もありませんでした。「関西の医学部ランキング」に、1本の正解はありません。

− 関西でいちばん難しい医学部はどこ?

− 国家試験に強いのは、どの大学?

− 国公立なら、学費はどこも同じでしょ?

3つめの答えから先に言うと、違います。関西には公立大学が4校あり、そのうち1校は6年間で466万円かかります。ひとつずつ、河合塾・文部科学省・厚生労働省と大学が公表している数字で見ていきます。

 

 

関西の医学部は12校|国立4・公立4・私立4で定員は1,316人

先に全体像です。関西2府4県(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)には医学部が12校あり、国立4校・公立4校・私立4校ときれいに分かれます。入学定員を足すと1,316人で、全国9,393人の14.0%にあたります。

大学 所在地 区分 定員
京都大学 京都府 京都市 国立 108人
大阪大学 大阪府 吹田市 国立 108人
神戸大学 兵庫県 神戸市 国立 118人
滋賀医科大学 滋賀県 大津市 国立 110人
京都府立医科大学 京都府 京都市 公立 106人
大阪公立大学 大阪府 大阪市 公立 94人
奈良県立医科大学 奈良県 橿原市 公立 113人
和歌山県立医科大学 和歌山県 和歌山市 公立 100人
関西医科大学 大阪府 枚方市 私立 127人
大阪医科薬科大学 大阪府 高槻市 私立 112人
近畿大学 大阪府 堺市 私立 108人
兵庫医科大学 兵庫県 西宮市 私立 112人
合計 1,316人

関西の特徴は公立大学の多さです。医学部を置く公立大学は全国に8校しかなく、そのうち半分の4校が関西に集まっています(京都府立医科大学・大阪公立大学・奈良県立医科大学・和歌山県立医科大学)。この4校は入学料が住んでいる場所で変わるので、学費の章で別に扱います。

もうひとつ目を引くのが大阪府です。5校・定員549人が大阪府にあり、関西の医学部定員の4割を占めます。なお、近畿大学医学部は2025年11月に大阪狭山市から堺市(おおさかメディカルキャンパス)へ移転しました。定員は令和7年度(2025年度)の文部科学省の一覧の数字で、2027年度入試の募集人員は大学によってまだ動きます。

 

関西の医学部を偏差値で並べると|1位は京都大学(全国2位)

まず、いちばんよく見られている偏差値です。ここでは河合塾の入試結果調査にもとづく合格者平均偏差値(実際に受かった人の、全統記述模試の英語・数学・理科の平均)で並べました。

関西の医学部12校の合格者平均偏差値ランキング。1位京都大学72.7、2位大阪大学72.2、3位奈良県立医科大学69.7、12位兵庫医科大学63.8
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度入試)にもとづく全統記述模試の合格者平均偏差値(英語・数学・理科の単純平均)を太宰府アカデミーが集計。ボーダーは河合塾 2027年度入試難易予想ランキング表(9月版・方式別ランク)
大学(12校の順位) 合格者平均 全国81校の順位 ボーダー
1. 京都大学 72.7 2位 70.0
2. 大阪大学 72.2 3位 70.0
3. 奈良県立医科大学 69.7 6位 ―
4. 神戸大学 68.6 13位 67.5
5. 大阪公立大学 68.3 15位 67.5
6. 関西医科大学 67.9 18位 67.5
7. 京都府立医科大学 67.6 19位 65.0
8. 大阪医科薬科大学 66.2 26位 67.5
9. 和歌山県立医科大学 65.1 41位 62.5
9. 近畿大学 65.1 41位 65.0
11. 滋賀医科大学 64.6 48位 65.0
12. 兵庫医科大学 63.8 59位 62.5

1位は京都大学で72.7。全国81校の中でも2位です。2位の大阪大学(72.2・全国3位)とあわせて、関西の2校が全国のトップ3に入っています。3位は奈良県立医科大学の69.7(全国6位)でした。

いちばん下は兵庫医科大学の63.8で、1位との差は8.9ポイント。私立4校は関西医科大学67.9(6位)、大阪医科薬科大学66.2(8位)、近畿大学65.1(9位)、兵庫医科大学63.8(12位)です。この12位の大学については、兵庫医科大学の偏差値は62.5|合格者平均63.8で科目別の内訳と50年の推移まで見られます。

表の右端は、河合塾が出している2027年度入試のボーダー偏差値(合格の可能性が50%になる線)です。奈良県立医科大学だけ「―」になっているのは、データが無いからではありません。この大学の前期日程は共通テスト900点+小論文100点・面接で、学科試験そのものがないためです(関西の国公立8校でここだけ)。前期の募集人員は22人で、学科試験のある後期に53人と、多くを後期で採る形になっています。

国公立8校の共通テスト|ボーダーは81〜89%

国公立の8校は、共通テストの得点率も大きく効きます。河合塾の2027年度入試のボーダー得点率(前期)と、2026年度入試で実際に受かった人の共通テストの平均(1000点満点に換算)を並べました。

大学 共テのボーダー 合格者の共テ平均 実質倍率
京都大学 89% 897点 2.63倍
大阪大学 87% 877点 2.76倍
奈良県立医科大学 86% 862点 4.20倍
神戸大学 86% 863点 2.61倍
大阪公立大学 85% 844点 2.90倍
京都府立医科大学 83% 840点 2.56倍
滋賀医科大学 82% 820点 3.75倍
和歌山県立医科大学 81% 799点 2.49倍

ボーダーは京都大が89%、いちばん下の和歌山県立医科大が81%です。差は8ポイント。受かった人の平均で見ても、京都大の897点から和歌山県立医科大の799点まで、98点の開きがあります。

右の実質倍率は2025年度入試の数字で、国公立は2.49〜4.20倍です。私立4校はこのあと別に並べますが、9.25〜14.62倍と一桁大きく出ます。ただし、倍率は難しさを表す数字ではありません。私立は1人が何校も受けるので、倍率は大きく出やすいからです。難しさは、上の合格者平均で見てください。

私立4校 合格者平均 ボーダー 実質倍率
関西医科大学 67.9 67.5 9.25倍
大阪医科薬科大学 66.2 67.5 11.66倍
近畿大学 65.1 65.0 14.62倍
兵庫医科大学 63.8 62.5 11.09倍

私立4校を見ると、ボーダー偏差値では関西医科大学と大阪医科薬科大学が同じ67.5で並びますが、実際に受かった人の平均は関西医科大学が67.9、大阪医科薬科大学が66.2と1.7ポイント差がつきます。ボーダーは2.5きざみなので、大学どうしの細かい差は見えません。

 

医師国家試験の合格率で並べると|1位は兵庫医科大学

次は出口です。2026年2月の第120回医師国家試験の、大学ごとの合格率で並べました(全体=新卒と既卒の合計)。

関西の医学部12校の第120回医師国家試験の合格率。1位兵庫医科大学97.0%、2位京都大学95.8%、3位大阪医科薬科大学95.5%
出典:厚生労働省『第120回医師国家試験の合格発表について』(2026年3月16日)学校別合格者状況。合格率は新卒と既卒の合計。第119回(新卒)は文部科学省『医学部医学科の入学状況及び医師国家試験の合格状況等』(2025年12月・令和元年度入学者)
大学(12校の順位) 第120回(全体) 第120回(新卒) 第119回(新卒)
1. 兵庫医科大学 97.0% 97.0% 99.1%
2. 京都大学 95.8% 100.0% 93.1%
3. 大阪医科薬科大学 95.5% 96.3% 97.9%
4. 滋賀医科大学 94.8% 98.1% 96.7%
5. 関西医科大学 93.6% 97.2% 90.3%
6. 大阪大学 93.1% 96.8% 96.8%
7. 大阪公立大学 92.9% 93.7% 99.0%
8. 奈良県立医科大学 92.7% 97.0% 97.2%
9. 京都府立医科大学 90.7% 92.4% 96.9%
10. 神戸大学 90.7% 97.2% 94.1%
11. 和歌山県立医科大学 90.1% 94.3% 91.1%
12. 近畿大学 87.6% 89.5% 91.7%

1位は兵庫医科大学で97.0%。全国81校の中でも7位です。2位は京都大95.8%、3位は大阪医科薬科大95.5%でした。全国の合格率は91.6%で、関西の12校のうち8校がこれを上回っています。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。合格者平均偏差値では12位だった兵庫医科大学が、医師国家試験では1位に立っています。100人が受けて97人が合格しました。入口の順位と出口の順位が、11位ぶん入れ替わったことになります。

同じことは滋賀医科大学にも言えます。偏差値では11位ですが、国家試験は94.8%で4位。逆に、偏差値4位の神戸大学は国家試験では10位でした。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ、入口の偏差値の順番がそのまま出口の順番になるわけではない、ということは表から読み取れます。

細かい点をひとつ。京都府立医科大と神戸大はどちらも表では90.7%ですが、小数第2位まで見ると京都府立医科大(90.74%)がわずかに上です。順位はそちらで付けています。

一方で、国家試験の合格率は1年で大きく動きます。表の右端は1年前の第119回(新卒)の合格率です。近畿大は91.7%から89.5%(新卒)へ、和歌山県立医科大は91.1%から94.3%へ動いています。この表は「どの大学が強いか」を決める表ではなく、1年ぶんの結果として読んでください。志望校を比べるときは、2年以上を並べて見るのが確実です。

 

6年で医師になる割合で並べると|1位は大阪公立大学(全国5位)

国家試験の合格率には、見えないものがあります。国家試験を受ける前に、留年や休学で卒業が遅れた人は入っていないのです。そこで、入学した人のうち何割が6年で卒業し、そのまま医師になったかを見ます。2019年度(令和元年度)に入学した人を、文部科学省が6年間追いかけた数字です。

関西の医学部12校の6年で医師になる割合。1位大阪公立大学92.7%、2位滋賀医科大学89.2%、3位大阪大学89.1%
出典:文部科学省『医学部医学科の入学状況及び医師国家試験の合格状況等』(2025年12月・令和元年度入学者)をもとに太宰府アカデミー算出(6年で卒業した割合×国家試験の新卒合格率)
大学(12校の順位) 6年で医師になる割合 全国81校の順位 6年で卒業した割合
1. 大阪公立大学 92.7% 5位 93.6%
2. 滋賀医科大学 89.2% 16位 92.2%
3. 大阪大学 89.1% 17位 92.0%
4. 神戸大学 87.7% 23位 93.2%
5. 京都大学 86.9% 29位 93.3%
6. 和歌山県立医科大学 84.7% 35位 93.0%
7. 京都府立医科大学 83.3% 37位 86.0%
8. 奈良県立医科大学 79.3% 51位 81.6%
9. 関西医科大学 77.7% 59位 86.1%
10. 兵庫医科大学 74.3% 68位 75.0%
11. 近畿大学 73.0% 71位 79.6%
12. 大阪医科薬科大学 72.5% 72位 74.1%

1位は大阪公立大学で92.7%。全国81校でも5位です。入学した94人のうち88人が6年で卒業しています。2位は滋賀医科大学89.2%(全国16位)、3位は大阪大学89.1%(全国17位)でした。

ここでもう一度、順位が大きく動きます。合格者平均偏差値で11位だった滋賀医科大学が、この物差しでは2位。9位ぶん上がっており、関西で最大の動きです。国家試験も4位なので、入口と出口の差がいちばん大きい大学ということになります。

逆に、偏差値3位の奈良県立医科大学はこの物差しで8位、偏差値8位の大阪医科薬科大学は12位です。ただ、この割合には留年だけでなく、留学や研究、病気などで休学して6年を超えた人も含まれます。数字の低さは「大学が厳しい」とも「学生が苦労した」とも読めるので、入口の偏差値と並べて、入学後の6年間をイメージする材料として使ってください。

計算の方法は「6年で卒業した割合 × その年の国家試験(新卒)の合格率」です。1学年ぶんの数字なので、毎年12月に文部科学省の資料が更新されたら入れ替えます。

 

学費で並べると|公立4校は住んでいる場所で変わります

最後はお金です。ここが関西でいちばん誤解されやすいところだと思います。「国公立なら6年間で約350万円」は、関西では半分の大学にしか当てはまりません。

関西の医学部12校の6年間の学費。国立4校349.7万円、公立は地元以外で359.7万〜466.0万円、私立は関西医科2,100万〜近畿3,754万円
出典:各大学の公式サイト・学生募集要項(2026年9月27日確認)。学納金ベース(入学料+授業料等)で寮費・諸会費は含まない。公立4校は地元以外(県外・府外)の入学料で計算
大学 6年間(地元以外) 6年間(地元) 授業料 年額
国立4校 349.7万円 349.7万円 535,800円
京都府立医科大学 370.8万円 349.7万円 535,800円
大阪公立大学 359.7万円 349.7万円 535,800円
奈良県立医科大学 466万円 414万円 642,960円
和歌山県立医科大学 396.7万円 349.7万円 535,800円

国立の4校(京都大学・大阪大学・神戸大学・滋賀医科大学)は、入学料282,000円+授業料535,800円×6年で6年間349.7万円。これは国の標準額どおりで、4校とも大学公式で確認しました。

変わるのは公立4校です。公立大学は入学料に地元/地元以外の区分を設けており、関西の4校はすべてこの区分を持っています。地元なら4校とも入学料は282,000円ですが、地元以外だと大阪公立大が382,000円、京都府立医科大が493,000円、和歌山県立医科大が752,000円、奈良県立医科大が802,000円。同じ「公立」でも、地元以外の入学料は2.8倍の開きがあります。

「地元」の判定は大学ごとに違いますが、どこも入学の1年以上前から住んでいることを求めます。たとえば奈良県立医科大学は「本人、一親等の親族または配偶者が、入学の日(4月1日)の1年前から引き続き県内に住所を有する者」。受験のために引っ越しても間に合いません。出願前に必ず要項で確認してください。

奈良県立医科大学は2026年度の入学者から授業料が上がりました

表のいちばん下、奈良県立医科大学だけ金額が飛び抜けています。理由は入学料だけではありません。この大学は2025年10月16日に授業料の改定を発表し、令和8年度(2026年度)の入学者から年額535,800円を642,960円に上げました(年107,160円・6年で64.3万円)。

入学料と合わせると、6年間の学費は県内生で414万円、県外生で466万円。関西の国立4校(349.7万円)と比べると、県外生で116.3万円高い計算です。医学部は6年あるので、年10万円ほどの差が6年で数十万円に積み上がります。

国公立の授業料は、国が一律に決めているわけではありません。標準額(535,800円)は2005年から動いていませんが、各大学が標準額の120%(642,960円)までの範囲で自分で決められます。うちで確認できているかぎり、6年間の学費が450万円を超える国公立の医学部は、いまのところ奈良県立医科大学の県外生だけです。「国公立はどこも同じ」で志望校を選ぶと、ここを見落とします。

なお、京都府立医科大は医学科だけ入学時に120,000円(学外実習費・共用試験受験料・保険料)が別に要ります。大阪公立大は大阪府の授業料等支援制度があり、要件を満たすと入学料と授業料が全額免除になりますが、大阪府民なら自動で適用される制度ではありません。申請が必要で、府内在住3年以上・高校卒業後2年以内(3浪以上は対象外)などの条件があります。2027年度ぶんの内容は2027年3月ごろに大学が公表する予定なので、出願前に必ず最新版を確認してください。

私立4校は1,654万円ちがいます

私立4校 6年間の学費 関西医科との差 全国31校(安い順)
関西医科大学 2,100万円 ― 3位
大阪医科薬科大学 2,841万円 +741万円 11位
兵庫医科大学 3,700万円 +1,600万円 21位
近畿大学 3,754万円 +1,654万円 25位

私立は幅がもっと大きくなります。いちばん安い関西医科大の2,100万円と、いちばん高い近畿大の3,754万円で、1,654万円の差です。

関西医科大学の2,100万円は、全国の私立31校の中で3番目に安い金額です。2023年度入学者から2,770万円を670万円下げたことによるもので、そのまま2027年度入試の学費表にも載っています。さらに一般選抜(前期)の合格者上位30名は初年度納入金のうち190万円が免除され、6年間で1,910万円になります。

反対に近畿大学は2027年度から授業料が年580万円→609万円に上がり、6年総額が3,580万円から3,754万円になりました。同じ関西の私立でも、いま学費は下がっている大学と上がっている大学の両方があります。金額は寮費・諸会費を含まない、大学に納めるお金(学納金)で比べています。

 

物差しを替えると1位は3校に分かれる|12校の順位一覧

ここまでの5つの物差しを、1枚にまとめます。数字はすべて、関西の12校の中での順位です。

関西の医学部12校の、偏差値・共通テスト・学費・医師国家試験・6年で医師になる割合の5つの物差しでの順位一覧。3つの物差しすべてで4位以内の大学は0校
出典:河合塾 入試結果調査(2026年度入試)にもとづく全統記述模試の合格者平均偏差値(英語・数学・理科の単純平均)を太宰府アカデミーが集計/厚生労働省『第120回医師国家試験の合格発表について』(2026年3月16日)学校別合格者状況/文部科学省『医学部医学科の入学状況及び医師国家試験の合格状況等』(2025年12月・令和元年度入学者)/各大学の公式サイト・学生募集要項(2026年9月27日確認)。学納金ベース(入学料+授業料等)で寮費・諸会費は含まない。順位は関西12校の中での順位

入口の順位(偏差値・共通テスト・倍率)

大学 偏差値 共テ 倍率の低い順
京都大学 1位 1位 4位
大阪大学 2位 2位 5位
奈良県立医科大学 3位 3位 8位
神戸大学 4位 3位 3位
大阪公立大学 5位 5位 6位
関西医科大学 6位 ― 9位
京都府立医科大学 7位 6位 2位
大阪医科薬科大学 8位 ― 11位
和歌山県立医科大学 9位 8位 1位
近畿大学 9位 ― 12位
滋賀医科大学 11位 7位 7位
兵庫医科大学 12位 ― 10位

入口の3つは、おおむね同じ並びになります。偏差値の上位が共通テストでも上位で、倍率だけは順番がばらばらです(和歌山県立医科大が2.49倍で最も低く、近畿大が14.62倍で最も高い)。くり返しますが、倍率は難しさの順番ではありません。私立が下に来るのは、1人が何校も受けるからです。

出口とお金の順位(学費・国家試験・6年で医師)

大学 学費の安い順 国家試験 6年で医師
京都大学 1位 2位 5位
大阪大学 1位 6位 3位
奈良県立医科大学 8位 8位 8位
神戸大学 1位 10位 4位
大阪公立大学 5位 7位 1位
関西医科大学 9位 5位 9位
京都府立医科大学 6位 9位 7位
大阪医科薬科大学 10位 3位 12位
和歌山県立医科大学 7位 11位 6位
近畿大学 12位 12位 11位
滋賀医科大学 1位 4位 2位
兵庫医科大学 11位 1位 10位

並べてみて驚いたのは、偏差値・国家試験・6年で医師になる割合の3つすべてで4位以内に入った大学が、12校に1校も無かったことです。九州・沖縄の11校では鹿児島大学が1校ありました。6位以内まで広げても、京都大と大阪大の2校だけです。

動きの大きい大学をもう一度まとめます。滋賀医科大は偏差値11位から6年で医師2位・国家試験4位へ。兵庫医科大は偏差値12位から国家試験1位へ。逆に奈良県立医科大は偏差値3位・共テ3位と入口は上位ですが、6年で医師は8位、学費は8位(=関西で最も高い国公立)です。

つまり、「関西の医学部ランキング」は、どの物差しで並べるかで1位が入れ替わります。偏差値の表だけを見て志望校を決めると、入学後の6年間と、その先の国家試験と、6年ぶんのお金という大事な情報を見落とすことになります。

 

太宰府アカデミーの視点|関西の受験生がこの表をどう使うか

ここまでの数字を、関西で医学部を目指す受験生と保護者の方がどう使えばいいかを書きます。

1. 偏差値の表は「入口」、6年で医師になる割合は「出口」の表として分けて見る。偏差値は、受かるために必要な学力の目安です。一方、6年で医師になる割合は、入ったあとの6年間がどう進んだかの記録です。関西の12校では72.5%から92.7%まで開いています。受ける大学を決める前に、両方の表で同じ大学を見比べてみてください。

2. 公立4校を受けるなら、入学料の区分を最初に調べる。関西は全国の公立医学部8校のうち4校が集まっている、全国でいちばん公立の多い地域です。地元かどうかで入学料が282,000円から802,000円まで変わり、判定はどこも「入学の1年以上前から住んでいること」。併願校を決める段階で調べておくと、あとで計算が狂いません。

3. 国家試験の合格率は、2年以上並べる。上で見たとおり、1年で10ポイント前後動く大学があります。1年だけの数字で「強い・弱い」を決めると、翌年には逆になっていることがあります。大学のサイトや厚生労働省の発表で、過去の年の数字も確かめると安心です。

4. 奈良県立医科大学を受けるなら、前期と後期の中身が別物であることを先に押さえる。前期は共通テスト900点+小論文100点・面接で学科試験がなく、募集人員は22人。後期は共通テストを300点に換算したうえで学科試験900点(英語225・数学225・理科450)と面接で、募集人員は53人です。配点が有利に見えても、それだけで受験校を決めないでください。小論文と面接で差がつく前期と、記述の学力で差がつく後期では、準備の中身がまるで違います。必ず過去問で形式との相性を確かめてから決めてください。

5. 2027年度入試の募集人員は、秋から冬に出る学生募集要項で確かめる。2027年度は国が医学部の臨時定員を見直す年で、募集人員が動く大学があります。この記事の定員は2025年度の数字です。学費も、私立の2027年度の金額は大学によって公表時期が違います。出願の前には、必ず最新の要項で確認してください。

ランキングは、志望校を絞るための道具です。どの物差しを重く見るかは、受験生一人ひとりの事情で変わります。学力の目安なのか、入学後の進み方なのか、家計なのか。自分にとって大事な物差しを先に決めてから表を見ると、迷いにくくなります。

 

関西の医学部についてよくある質問

Q. 関西でいちばん偏差値が高い医学部はどこですか。
A. 京都大学です。合格者平均偏差値は72.7で、全国81校の中で2位。河合塾の2027年度入試のボーダー偏差値も70.0で、関西では最も高くなっています。次が大阪大学(合格者平均72.2・全国3位)です。

Q. 関西の私立医学部は何校ですか。
A. 関西医科大学・大阪医科薬科大学・近畿大学・兵庫医科大学の4校です。大阪府に3校(枚方市・高槻市・堺市)、兵庫県に1校(西宮市)あり、京都・滋賀・奈良・和歌山に私立の医学部はありません。

Q. 関西の国公立医学部の学費はいくらですか。
A. 国立4校は6年間で349.7万円(国の標準額)です。公立4校は入学料が住んでいる場所で変わり、地元以外だと359.7万円(大阪公立)〜466万円(奈良県立医科)になります。奈良県立医科大学は2026年度の入学者から授業料も上がっているため、県内生でも414万円です。

Q. 関西でいちばん学費が安い私立医学部はどこですか。
A. 関西医科大学の6年間2,100万円で、全国の私立31校の中でも3番目に安い金額です。一般選抜(前期)の合格者上位30名に選ばれると1,910万円になります。全国の学費を比べたい方は医学部の学費|国公立350万・私立1,850〜4,550万円をご覧ください。

Q. 関西で入りやすい医学部はどこですか。
A. 合格者平均偏差値でいちばん低いのは兵庫医科大(63.8)、次が和歌山県立医科大・近畿大(どちらも65.1)です。ただ、1位と12位の差は8.9ポイントで、関西の12校はどこも全国の医学部の中で見れば高い水準にあります。全国での位置は入りやすい医学部ランキングで確かめられます。

Q. 地域枠で受けると有利ですか。
A. 地域枠は一般の枠とは別に募集され、卒業後に決められた地域で働く義務があります。有利・不利より、義務の中身(年数と勤務地)が自分に合うかで考えてください。制度の全体像は医学部の地域枠とはにまとめています。

 

まとめ|関西の医学部ランキングで押さえる5点

この記事の要点です。

− 関西2府4県の医学部は12校(国立4・公立4・私立4)で、定員は合計1,316人。全国の公立医学部8校のうち4校が関西にあり、5校・549人が大阪府にあります。

− 偏差値(合格者平均)の1位は京都大学の72.7(全国2位)。2位は大阪大学72.2、3位は奈良県立医科大学69.7で、12位は兵庫医科大学の63.8です。

− 医師国家試験(第120回)の1位は兵庫医科大学の97.0%(全国7位)。偏差値では12位の大学が、出口では1位でした。合格率は1年で動くので2年以上並べて見てください。

− 6年で医師になる割合の1位は大阪公立大学の92.7%(全国5位)。偏差値11位の滋賀医科大学が2位まで上がり、3つの物差しすべてで4位以内に入った大学は1校もありませんでした。

− 学費は国立4校が6年349.7万円、公立は地元以外で359.7万円〜466万円、私立は2,100万円〜3,754万円。奈良県立医科大学は2026年度の入学者から授業料が642,960円に上がっています。

明日からできることは1つです。気になる関西の大学を2〜3校選んで、この記事の順位表でそれぞれ何位かを書き出してみてください。偏差値では近い大学どうしでも、国家試験や6年で医師になる割合、そして学費で見ると、印象が大きく変わることがあります。

この記事を書いたのは、うちのサイトに、関西の医学部を入口(偏差値)と出口(国家試験・6年で医師)とお金の3つで比べられるページが1本も無かったからです。書いている途中で、奈良県立医科大学の授業料が上がっていたことに気づきました。うちの資料も「国公立は6年で約350万円」のままで、そこを直すところから始めることになりました。数字は、こうして資料が更新されるたびに入れ替えていきます。

 

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本日の記事は以上です。
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◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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