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東海大学医学部の英作文に挑戦してみませんか?|医学部入試英作文のコツ③

2021年10月19日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で英語講師している小手川です。

先々週の第1回と先週の第2回では、「比較構文」を想定した英作文問題にチャレンジしました。最初のテーマに比較構文を選んだのは、「比較」を苦手にしている受験生が多いからです。

そのように一つ一つの文法単元を特集しながら英作文演習を進めるのもいい方法ですが、「受験が近づいているこの時期(10月下旬)だから、もっと実戦的な問題、特に過去問などを使って解説・演習をやってください」という声もきているので、今回は先週出題の類題を解説した後に、東海大学の過去問演習をやってみたいと思います。

 

 

英作文類題②(前回ブログで出題)

次の日本語を英訳してください。

「医療技術が進歩すればするほど、私たちの寿命が延びるとは限らない。」

「~すればするほど…」には「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」を使ってほしいと思いますが、接続詞のas「~するにつれて」も使えますよということでしたね。

「医療技術」は普通に medical technology 、「寿命」はlife-span, lifetimeなどが使えます。

 

そこで解答例をお示しすると…

 

【解答例】

・The farther medical technologies improve, the longer our life-span doesn’t always become.

・Even if medical technologies improve farther, our life-span doesn’t always become longer.

 

後者では「医療技術が進歩しても…」と逆接的に捉えて作ってみました。

 

東海大学医学部 過去問演習①

それでは今回は東海大学医学部の過去問を使って「過去問演習」をやってみたいと思います。東海大学医学部はずいぶん以前から英作文を出題し続けています。形式も難易度もほぼ変化がありません。ですので、『赤本』などで解答例を探しにくい10年以上前のものを使わせていただきます。

東海医の英作文は、英文構造を想起しやすい問題が多いので、過去問中心の練習を通して、既習の英文法や構文の知識を使えば十分作れるという自信をつけておくことが重要だと言えます。市販の問題集なら中級程度の問題集でたくさん英文を作る練習をしましょう。

次の下線部(1)と(2)を英語に訳しなさい。〔東海医2005〕

(1)考える力を伸ばすには,我々の見聞きすることが本当に正しいか検討することが重要である。我々は多くのことをマスメディアを通して見聞きするが,メディアが語ることは現実の一部であって現実の全てではない。また,その切り取られた現実も間違っていることがある。(2)この授業の目的は,テレビ、ラジオ,新聞,インターネットのようなマスメディアに批判的に対処することを学ぶことで,考える力を伸ばすことである。

 

東海大学医学部の英作文問題の形式は「久しくほぼ変化なし」と言いましたが、正確には、以前は上記例題のように日本文の一部(2か所)を英訳する形式だったのが、2013年度からは英文の一部に日本文が組み込まれていて、その部分を英訳する形式に変わりました。

 

しかし、いずれにせよ政治・経済・社会についての文章が中心であることに違いはありませんので、以前のものを使ってどんどん練習をやりましょう。

 

まず下線部(1)ですが、「考える力」はthinking ability, thinking skill, ability to thinkなどが考えられます。

 

全体の構造としては、「~かどうか検討することが重要である」ですので、It is important to examine whether ~ でいきましょう。この場合whether節はexamineの目的節として使うことになるので、if「~かどうか」をwhetherの代わりに使うことができます。

 

そこで解答例を作ってみると

 

(1)【解答例】

・In order to improve your thinking ability, it is important to examine whether what you see and hear is true.

・It is crucial to think about if what you see and hear is true to develop the ability to think.

 

パーツの表現は他にも色々ありますし、その組み合わせも考えると、解答例が無数あると言っても言い過ぎではありません。他にもアイディアがあればお寄せください。

東海医の英作文は一見難しそうですが、『target 1900 』や『システム英単語』の基礎レベルの単語で十分表現可能ですので、できる限り場数を踏んで、英訳になれることが一番重要だと思います。

 

東海大学医学部 過去問演習②

次の日本文を読み、下線部(1)と(2)を英語に訳しなさい。〔東海医2009〕

日本では, (1)経済的な理由から小学校に通うことができない子どもの数が近年増加している。このような子どもの中には、外国人や日系人の子どもも含まれ、彼らは長期間日本に滞在する傾向にある。(2)このような状況の中、日本政府は外国人の子ども達の中学校進学を許可し,日本社会にもっと参加する機会を与えようと計画している。

*ヒント:(1)では「子ども」を主語にするのか、それとも「数」を主語にするのかをまず決めて取り組むといいでしょう。(2)では「計画している」の目的語は「許可する」と「機会を与える」の両方だと考えるべきでしょう。

 

英作文で大切なことは、①日本文の意味を理解し、その意味を英語彙・英文法・英語構文の知識を使って読み手(採点者)に伝える努力 ②主語と動詞をまず特定して、どのような構造で表現するかを決定することです。

難しく感じる人も、この2点から部分点奪取にトライしましょう。

 

それでは、まず下線部(1)です。

何を主語にするかという問題ですが、本校(太宰府アカデミー)の生徒6人にも出題しましたが、4人は The number of children、1人は「増加している」の意味を含めて There is an increasing number of children、で書き始めていました。みんな優秀ですね。1人だけA number of childrenで始めている生徒がいましたが、これは「多くの子供たち」という意味になり、「増加している」を接続しにくくなるので注意しましょう。

「近年」はthese days, nowadays, recently, latelyなどが考えられますが、原則としてthese daysやnowadaysは現在形、recentlyとlatelyは現在完了形と過去形で使うことになっています。

東海医の英作文は、英文構造を想像しやすい問題が多いので、過去問中心の練習をやっておくのが一番効果的だと言えます。市販の問題集なら中級程度の問題集でたくさん英文を作る練習をしましょう。

 

そこで下線部(1)の解答例は以下の通りです。

・The number of children who cannot go to elementary school is increasing because they are poor these days.

・There is an increasing number of children who can’t go to primary school due to their economic poor condition nowadays.

・Children, who are not able to go to elementary school, have been increasing lately because of their poverty.

 

次に、下線部(2)です。

「このような状況の中」は下記のようにいくつも表現法があります。

In such a situation / In a situation like this / When things go like this / Under these circumstances / etc.

主語は、the Japanese governmentが一番いいでしょう。

述部「~を許可し、~を与えようと計画している」は、plans to / is planning to allow ~ and give ~ でいけますし、admit A to B(Aの入学・入場を許可する)といううってつけの表現もあります。

「参加する」は、join / participate in / take part in / etc. どれでもOKです。

 

それでは下線部(2)の解答例です。

【解答例】

・In a situation like this, the Japanese government is planning to admit foreign children to elementary school and give them more opportunities to join Japanese society.

・Under these circumstances, the Japanese government has a plan to permit children from other countries to enter elementary school in order to give them more chances to take part in Japanese society.

 

難しく感じる人も、この2点から部分点奪取にトライしましょう。

来週は、兵庫医科大の過去問を使って練習します。

 

太宰府アカデミー
英語科講師兼オンラインコース長
小手川巧光(Yoshiteru Kotegawa)
アドレス:office@dazaifu.academy

 

◆過去記事

兵庫医科大学医学部の英作文に挑戦してみませんか?|医学部入試英作文のコツ④

兵庫医科大学医学部の英作文に挑戦してみませんか? Part2|医学部入試英作文のコツ⑤

慶應義塾大学医学部の英作文に挑戦してみませんか?Part 1|医学部入試英作文のコツ⑥ 

慶應義塾大学医学部の英作文に挑戦してみませんか? Part 2|医学部入試英作文のコツ⑦

久留米大学医学部の英作文に挑戦しませんか?|医学部入試英作文のコツ⑧

 


◆太宰府アカデミーの自己PR

本校は福岡にある全寮制の医学部予備校です。1年間、約30名の生徒たちが切磋琢磨し、医学部の合格を勝ち取ります。
おかげさまで創設から17年目となり、これまで医学科に360名以上の合格者を輩出しました。そんな卒業生たちが大学を卒業し、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師となり、現在の日本の医療を支えてくれています。

◆筆者プロフィール

小手川 巧光(Kotegawa Yoshiteru)/仕事:総務と英語講師/好きな言葉:最後まで残るのは愛です(聖書)/大好物:白米/趣味:山歩きしながら小説を聴く/取組中:ブログ執筆。このブログだけでなく、趣味や研究テーマ「時間と文学」などについてもブログを立ち上げたい/自己PR:毎日生徒たちの「合格したい」という切実な思いに接しながらとても充実した日々を過ごしています。どうしたら少しでも効果的に生徒の学力を上げられるかをいつも考えいます。

◆連絡先

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メール:office@dazaifu.academy

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