こんにちは、福岡の医学部予備校で英語講師をしている小手川です。
入試本番まであと2か月を残すのみとなりました。焦らずに、科目・分野・単元を絞っての冷静な対策をこの時期にもやれる人は、着実に合格可能性を引き上げることができます。英作文を出題する大学を受験予定の方は、ぜひ、この講座を役立てていただきたいと思います。
今回は前回に続き、兵庫医科大の過去問を使っての解説になりますが、今回は比較的最近の過去問を使うことにします。
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
兵庫医科大学の過去問に挑戦してみませんか？（2019年度）
問題 次の和文を英訳しなさい。（兵庫医科大2019）
背筋を伸ばし、足の裏を床にしっかりつけてまっすぐ立ちます。次に、左足の裏を右足のひざの内側あたりに押し当てて、片足でバランスを取ります。下半身が安定したら、胸の前で両手を合わせます。両手を合わせたまま、ひじを伸ばし両手を頭の上へあげます。肩の力を抜いて、腕を伸ばした状態でゆっくりと深呼吸を繰り返します。反対側も同じようにしましょう。
下の解説を読む前に、自分なりに思い切って作ってみるのをお勧めします。苦労して作ったものには愛着が沸き、それを解説を見て改善したものはさらに記憶として残りやすいものです。
・・・皆さん、答案はできましたか？
では、解説に入ります。
兵庫医科大学の過去問（解説）
兵庫医科大は形式を変えずに英作文問題を出題し続けている数少ない大学だと前回述べましたが、分量の多少は若干の変動があります。この問題はどちらかというと分量が多いほうです。前回解説した2012年度と比較するとおよそ1.5倍です。
内容も身体部位の動きに関する表現で、珍しい出題だと言えます。
しかし、どのような英作文でも、パーツから成り立っているので、パーツをしっかり基本的な知識で表現し、それらを接続詞や前置詞でつないでいくことに変わりはありません。
この問題も、パーツから考えていきましょう。
「～を伸ばす」はstretch、「まっすぐ立つ」はstand up straight、「AをBに押し当てる」はpush A against B、「バランスをとる」は keep balance、「下半身が安定する」はyour lower body is stable、「両手を合わせる」はhold your hands together、「両手を頭の上にあげる」はraise them over your head、「肩の力を抜く」はrelax your shoulders、「深呼吸を繰り返す」はrepeat a deep breath、「反対側も同じようにする」はdo the same thing for the other side…などがパーツ情報になりますが、もちろん、日本語の解釈によって、場面設定によって、違う表現はたくさんあります。生徒たちにやらせても、感心するようなアイディアが続々と出てきます。
次にこれらのパーツをどのようにつなぐかです。
この問題では「～して…する」というように違う動作を順々に表現しなければなりません。命令文を等位接続詞andでつないでいく方法がまず考えられますが、同じ表現を使いすぎると、英語に限らずどのような言語でも読む側にぎこちない印象を与えがちです。
英作文の採点は、もちろん文法や語法の正しさも一つの基準になりますが、文調を整えることも大切です。この場合は、Then, ~ や ~ after…などを使ったり、「～しながら」にはwith＋目的語＋補語（現在分子・過去分子・形容詞・前置詞句・etc.）の付帯状況表現を使うのもいいアイディアでしょう。
それでは、一つ解答例を作ってみましょう。
解答例
Stretch your back and stand up straight on your both feet. Next, push your left foot sole against the inside of your right knee and then keep balance on your right leg. After your lower body becomes stable, hold your hands together. Keeping them together, stretch your elbows and raise them above your head. Then relax your shoulders and repeat a deep breath slowly with your arms stretched. Do the same thing for the other side.
どうでしょうか？ 要するに、「自分の目の前にいる人に実際にこれらの動作をさせる」という意識で作れば、さらに高い部分点がもらえるでしょう。
自作の英文を下記アドレスまで送ってくだされば、喜んで添削させていただきます。
次回は慶應義塾大学の過去問を使って、英作文演習をしましょう。
太宰府アカデミー
英語科講師兼オンラインコース長
小手川巧光（Yoshiteru Kotegawa）
アドレス：office@dazaifu.academy
◆過去記事
東海大学医学部の英作文に挑戦してみませんか？｜医学部入試英作文のコツ③
兵庫医科大学医学部の英作文に挑戦してみませんか？｜医学部入試英作文のコツ④
慶應義塾大学医学部の英作文に挑戦してみませんか？Part 1｜医学部入試英作文のコツ⑥
慶應義塾大学医学部の英作文に挑戦してみませんか？ Part 2｜医学部入試英作文のコツ⑦
久留米大学医学部の英作文に挑戦しませんか？｜医学部入試英作文のコツ⑧
◆太宰府アカデミーの自己PR
本校は福岡にある全寮制の医学部予備校です。1年間、約30名の生徒たちが切磋琢磨し、医学部の合格を勝ち取ります。
おかげさまで創設から17年目となり、これまで医学科に360名以上の合格者を輩出しました。そんな卒業生たちが大学を卒業し、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師となり、現在の日本の医療を支えてくれています。
◆筆者プロフィール
小手川 巧光（Kotegawa Yoshiteru）／仕事：総務と英語講師／好きな言葉：最後まで残るのは愛です（聖書）／大好物：白米／趣味：山歩きしながら小説を聴く／取組中：ブログ執筆。このブログだけでなく、趣味や研究テーマ「時間と文学」などについてもブログを立ち上げたい／自己PR:毎日生徒たちの「合格したい」という切実な思いに接しながらとても充実した日々を過ごしています。どうしたら少しでも効果的に生徒の学力を上げられるかをいつも考えいます。
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