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脳神経外科医に向いている人|最も多い手術の74.7%は75歳以上

2026年10月15日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。

診療科ごとの「向いている人」を数字で考えるシリーズ、精神科・外科・麻酔科・小児科・整形外科・救急科・産婦人科に続いて8本目は脳神経外科です。

脳神経外科医というと、顕微鏡をのぞきながら何時間も続く脳の手術を思い浮かべる人が多いと思います。ただ、国の手術のデータを見ると、脳神経外科の毎日はかなり違う形をしています。

先に、いちばん伝えたい数字を書きます。脳と神経の手術でいちばん多いのは「慢性硬膜下血腫」の手術で、1年に5万1,626回。その患者さんの74.7%、およそ4人に3人は75歳以上です(厚生労働省・NDBオープンデータ)。脳神経外科は、高齢の患者さんの手術がいちばん多い科の1つです。

この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。

− 脳外科医に向いてる人って、どんな性格の人?

− 脳神経外科医はきついって本当? 女性でもやっていける?

− 脳神経外科医って、実際にどんな手術をしているの?

ひとつずつ、国の一次資料の数字で確かめていきます。

 

 

脳神経外科医に向いてる人は?|3つの条件を手術の数字で見る

結論から書きます。脳神経外科医に向いているのは、①高齢の患者さんの手術を、そのあとの暮らしまで含めて考えられる人、②脳卒中のように一刻を争う場面で、夜中でも駆けつけて短い時間で決められる人、③開頭とカテーテルの細かい技術を、何年もかけて磨き続けられる人です。そう考える根拠を、先に5つの数字で並べます。

見るもの 数字 そこから分かる向き不向き
脳・神経でいちばん多い手術(慢性硬膜下血腫)の患者のうち75歳以上 74.7% 患者の多くは高齢。手術のあとの暮らしまで考える
脳梗塞の血栓回収(カテーテル) 1日約52回 詰まった血管を急いで開ける治療。急な呼び出しに応える
動脈瘤のクリッピングの患者のうち40〜64歳 40.2% 働き盛りの人の、予定を立てて行う大きな手術もある
年1,860時間を超えて時間外に働く医師(2022年) 5.8% 調査の19科で2番目に多い
専門研修の年数/専門医試験の合格率 4年以上/79.5% 合格率は19領域で低いほうから3番目。技術を長く磨く

脳神経外科は「脳腫瘍を取る科」と思われがちですが、数字で見ると、高齢の人の血腫の手術・脳卒中の急な治療・働き盛りの人の動脈瘤の手術が大きな割合を占めています。以下、1つずつ見ていきます。

なお、脳神経外科医の年収や仕事内容の全体像は脳神経外科医の年収は?仕事内容や向いている性格も解説に書いているので、ここでは手術と働き方の数字に絞ります。

 

脳と神経の手術は年21万6,031回|65歳以上の患者が67.0%

厚生労働省のNDBオープンデータは、全国の保険診療のレセプト(診療報酬の明細)から、手術ごとの回数を年齢別に数えて公開しています。2023年4月〜2024年3月の1年間に、入院で行われた「神経系・頭蓋」の手術は21万6,031回でした。脳だけでなく、脊髄や手足の神経の手術も含む数字です。

脳と神経の主な手術の年間回数。慢性硬膜下血腫51,626回、脳血管内手術19,223回、血栓回収18,898回、脳腫瘍の摘出16,215回、水頭症の手術13,385回、動脈瘤クリッピング10,709回
出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院・2023年4月〜2024年3月診療分)より太宰府アカデミー作成
手術(分類コード) 1年の回数 65歳以上 75歳以上 女性
慢性硬膜下血腫の手術(穿頭による洗浄・除去)(K164-2) 51,626回 92.5% 74.7% 31.4%
脳血管内手術(動脈瘤のコイル塞栓など)(K178) 19,223回 54.3% 29.3% 70.5%
脳梗塞の血栓回収(経皮的脳血栓回収術)(K178-4) 18,898回 88.6% 69.8% 48.2%
脳腫瘍の摘出(頭蓋内腫瘍摘出術)(K169) 16,215回 50.9% 24.1% 53.7%
水頭症の手術(シャント手術など)(K174) 13,385回 70.4% 45.7% 52.6%
開頭して行う血腫の除去(頭蓋内血腫除去術)(K164) 12,042回 66.5% 44.9% 38.9%
脳動脈瘤のクリッピング(開頭)(K177) 10,709回 57.8% 27.1% 71.3%

患者さんの年齢を見ると、65歳以上が67.0%、80歳以上が29.7%でした。入院で行われる手術全体では65歳以上が60.6%なので、脳と神経の手術は、それより高齢の患者さんに寄っています。

ただ、手術の種類ごとに見ると、患者さんの顔ぶれはまったく違います。慢性硬膜下血腫や脳梗塞の血栓回収は高齢の人がほとんど、動脈瘤や脳腫瘍は40〜64歳の働き盛りにも多い。1つの科の中に、性格の違う仕事が並んでいるのが脳神経外科です。

出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院)性年齢別算定回数(2023年4月〜2024年3月診療分)。回数は分類ごとの総計。年齢と性別の割合は、10未満で「‐」と表示された欄を0として足した値で太宰府アカデミーが計算。

 

最も多い手術は慢性硬膜下血腫|患者の74.7%は75歳以上

慢性硬膜下血腫は、脳を包む膜(硬膜)の下に、時間をかけて血がたまっていく病気です。頭を軽くぶつけたあと、しばらくたってから物忘れや歩きにくさとして出てくることがあります。手術は、頭の骨に小さな穴を開けて(穿頭)、たまった血を洗い流す方法が中心です。

慢性硬膜下血腫の手術を受けた患者の年齢。64歳以下7.5パーセント、65から74歳17.8パーセント、75から79歳17.1パーセント、80から84歳22.2パーセント、85から89歳20.9パーセント、90歳以上14.4パーセント
出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院・2023年4月〜2024年3月診療分)より太宰府アカデミー作成
年齢 割合
64歳以下 7.5%
65〜74歳 17.8%
75〜79歳 17.1%
80〜84歳 22.2%
85〜89歳 20.9%
90歳以上 14.4%
75歳以上(計) 74.7%
80歳以上(計) 57.5%

この手術は1年に5万1,626回、1日あたり約141回行われていて、神経系・頭蓋の手術の23.9%を占めます。2位の脳血管内手術(1万9,223回)の約2.7倍です。患者さんの74.7%が75歳以上、57.5%が80歳以上で、90歳以上の人も7,432回ありました。男性が68.6%です。

80歳を超えた患者さんの手術では、手術そのものよりも、手術のあとに元の暮らしに戻れるかが大きな問いになります。家族への説明、ほかの持病との兼ね合い、退院後のリハビリや介護の相談まで、脳神経外科医が関わる場面は手術室の外にも広がっています。高齢の患者さんとその家族に、時間をかけて向き合えることは、脳神経外科医の大事な適性の1つです。

出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院)K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術。1日あたりは総計を366日(2023年4月〜2024年3月)で割った値。

 

脳梗塞の血栓回収は1日約52回|脳卒中は死因の4位

脳神経外科のもう1つの顔は、脳卒中の急な治療です。2024年に脳血管疾患(脳卒中)で亡くなった人は102,821人で、死因の4位(全死亡の6.4%)でした。1日に約281人です。内訳はいちばん多いのが脳梗塞です。

2024年の死亡 人数 メモ
脳血管疾患(脳卒中)の計 102,821人 死因の4位・全死亡の6.4%・1日に約281人
うち脳梗塞 56,129人 血管が詰まる
うち脳内出血 32,566人 脳の中の血管が破れる
うちくも膜下出血 11,070人 女性が62.7%
うちその他の脳血管疾患 3,056人

脳梗塞は、脳の血管が血のかたまり(血栓)で詰まる病気です。足の付け根などの血管からカテーテルを入れて、詰まった血栓を取り出す「血栓回収」は、1年に1万8,898回、1日あたり約52回行われていました。患者さんの88.6%が65歳以上です。

脳の血管が詰まると、時間がたつほど脳の傷みが広がるため、血栓回収は病院に着いてからできるだけ早く始める治療です。発症は時間を選ばないので、夜中や休日でも呼ばれれば駆けつけ、検査の画像を見て、治療するかを短い時間で決める。ここに向き不向きがはっきり出ます。救急の側から見た話は救急医に向いている人にも書いています。

出典:死亡数は厚生労働省「令和6年(2024) 人口動態統計(確定数)の概況」第8表・第9表。血栓回収は同「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院)K178-4 経皮的脳血栓回収術。1日あたりは太宰府アカデミーが計算。

 

動脈瘤と脳腫瘍は働き盛りにも多い|クリッピングの患者は女性が71.3%

手術ごとの65歳以上の患者の割合。慢性硬膜下血腫92.5パーセント、血栓回収88.6パーセント、水頭症70.4パーセント、動脈瘤クリッピング57.8パーセント、脳血管内手術54.3パーセント、脳腫瘍の摘出50.9パーセント
出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院・2023年4月〜2024年3月診療分)より太宰府アカデミー作成
手術 40〜64歳 65歳以上 女性
慢性硬膜下血腫 7.1% 92.5% 31.4%
血栓回収 10.8% 88.6% 48.2%
水頭症の手術 19.8% 70.4% 52.6%
開頭血腫除去 28.5% 66.5% 38.9%
動脈瘤クリッピング 40.2% 57.8% 71.3%
脳血管内手術 42.1% 54.3% 70.5%
脳腫瘍の摘出 38.0% 50.9% 53.7%

高齢の人の手術ばかりではありません。脳動脈瘤を頭の骨を開けて留める「クリッピング」は1年に1万709回で、患者さんの40.2%が40〜64歳でした。65歳以上は57.8%で、血腫や血栓回収の9割前後とは大きく違います。動脈瘤などをカテーテルで治す脳血管内手術(1万9,223回)も、40〜64歳が42.1%です。

性別にも特徴があります。クリッピングの患者さんの71.3%、脳血管内手術の70.5%が女性でした。2024年にくも膜下出血で亡くなった人も、62.7%が女性です。ここでは事実として並べるだけにして、理由は決めつけないでおきます。

脳腫瘍の摘出は1年に1万6,215回で、40〜64歳が38.0%、15歳未満の子どもも2.5%ありました。水頭症の手術(1万3,385回)では、0〜4歳の赤ちゃん・幼児が482回です。90歳の血腫から、働き盛りの動脈瘤、子どもの脳腫瘍まで。急な手術と、日程を決めて準備する大きな手術の両方を、1つの科で受け持っています。

出典:厚生労働省「第10回NDBオープンデータ」K 手術(入院)K177・K178・K169・K174。くも膜下出血は「令和6年(2024) 人口動態統計(確定数)の概況」第9表。割合は太宰府アカデミーが計算。

 

脳神経外科の医師は7,574人・女性8.1%|時間外は19科で2番目

患者さんの側を見たので、次は脳神経外科という科の側の数字です。

脳神経外科という科 数字 年・出典
主たる診療科が脳神経外科の医師 7,574人 2024年(全医師の2.3%)
脳神経外科の医師の平均年齢 51.5歳 2024年
病院で働く脳神経外科医のうち女性 8.1% 2024年
脳神経外科の専攻医 224人→269人 2018年度→2026年度(2026年度は全専攻医の1.3%)
専門研修の年数 4年以上 初期研修2年のあと
専門医試験の合格率 79.5% 令和6年度(受験268人・合格213人)
時間外・休日労働が年1,860時間を超える医師 5.8% 2022年(1,321人中76人・19科で2番目)

主たる診療科が脳神経外科の医師は7,574人(2024年)で、医師全体の2.3%です。病院で働く脳神経外科医のうち女性は8.1%で、女性が1割に満たない数少ない科の1つです。専攻医は2018年度の224人から2026年度の269人へ増えましたが、2026年度に専門研修を始めた医師のうち脳神経外科を選んだのは1.3%です。

時間外・休日労働が年1,860時間を超える医師の割合。産婦人科7.0パーセント、脳神経外科5.8パーセント、外科5.1パーセント、救急科3.1パーセント、小児科2.8パーセント、全体2.4パーセント
出典:厚生労働省 医政局「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」(令和4年)より太宰府アカデミー作成
診療科 年1,860時間超の医師の割合
産婦人科 7.0%
脳神経外科 5.8%
外科 5.1%
救急科 3.1%
小児科 2.8%
整形外科 2.1%
全体(その他を含む43,718人) 2.4%

働き方の数字は重く出ています。年1,860時間を超える時間外・休日労働をしている医師の割合は、脳神経外科が5.8%で、調査した19科の中で産婦人科(7.0%)に次いで2番目でした(2022年・厚生労働省)。全体の2.4%の約2.4倍です。専門研修は4年以上で、専門医試験の合格率は79.5%(令和6年度)。19領域の中で低いほうから3番目です。

研修年数は専門医の研修年数を19科で比べた記事、試験の合格率は専門医試験の合格率の記事、女性医師の数は医師の男女比の記事にまとめています。

出典:医師数・平均年齢・女性比率は厚生労働省「令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計」。専攻医は厚生労働省 医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会 資料1(令和8年7月15日)。専門医試験の合格率は日本専門医機構の公表値(令和6年度)。1,860時間超は厚生労働省 医政局「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」(令和4年・その他を除く19科)。

 

脳神経外科医に向いていない人|仕事とのずれが出やすい3つ

向いている人の裏返しとして、仕事の形とずれが出やすいタイプも書いておきます。能力の話ではなく、仕事の形との相性の話として読んでください。

1. 手術がうまくいけば仕事は終わり、と考えている人

いちばん多い手術の患者さんの74.7%は75歳以上です。手術が成功しても、まひや物忘れが残ったり、元の家に戻れなかったりすることがあります。手術のあとの暮らしを、本人や家族、リハビリや介護の職種と一緒に考えられるか。手術の腕と同じくらい、ここが問われる科です。

2. 夜は必ず眠りたい人

年1,860時間を超えて時間外に働く医師の割合は5.8%で、19科で2番目でした。当直や呼び出しの形は病院によって違い、働き方改革で少しずつ変わってきていますが、脳卒中がいつ起きるかは誰にも決められないことは変わりません。生活のリズムを最優先にしたい人には、負担の大きい科です。

3. 早く結果が出ないと続かない人

専門研修は4年以上で、専門医試験の合格率は79.5%でした。開頭の手術とカテーテルの治療は、どちらも細かい手の動きを長い時間をかけて身につける技術です。すぐに上達が見えなくても、同じ練習を何年も積み上げられるかが、向き不向きを分けます。

 

太宰府アカデミーの視点|高校生のうちに確かめられる3つ

脳神経外科を選ぶのは、大学の医学部を卒業して初期研修を終えたあとです。高校生のうちに決める必要はまったくありません。ただ、向き不向きの手がかりを今のうちに集めることはできます。

1. 祖父母と、ゆっくり話す時間をつくる

脳神経外科でいちばん多い手術の患者さんは、75歳以上が74.7%です。80代の人がどんな毎日を送っていて、何を大事にしているか。身近な高齢の人の話を聞くことは、将来の患者さんの話を聞く練習になります。面接で「脳の病気で苦しむ人を救いたい」と話すときにも、自分の言葉で語れることが1つ増えます。

2. 生物の「神経」の単元を、医学の目で読み直す

ニューロン、興奮の伝わり方、大脳・小脳・脳幹のはたらきは、高校生物で学ぶ内容です。脳卒中で体のどこにまひが出るかは、脳のどこが傷んだかで決まります。教科書の図が、そのまま脳神経外科の毎日の判断につながっています。

3. 地域枠で入るなら、その県の脳卒中の体制を見ておく

血栓回収は1日約52回、時間との勝負の治療です。地域枠で入るなら、卒業後にその県で脳神経外科を選べるか、県内のどこで脳卒中の急な治療をしているかを、出願の前に要項と県のサイトで確かめてください。志望する大学の附属病院の脳神経外科が公開している専門研修プログラムも、大学病院のサイトで読めます。

 

よくある質問

Q. 脳神経外科医になるには何年かかりますか?

A. 大学の医学部6年+初期研修2年+脳神経外科の専門研修4年以上で、最短12年です。現役で入学して留年がなければ、30歳ごろに脳神経外科専門医の試験を受けられます。19科の研修年数は専門医は何年かかる?19科の研修年数一覧で比べています。

Q. 脳神経外科医はきついですか?

A. 夜間や休日の呼び出しが多い科であることは確かです。年1,860時間を超える時間外・休日労働をしている医師の割合は5.8%(1,321人中76人)で、調査した19科で2番目に高い結果でした(2022年・厚生労働省)。ただし、救急の脳卒中を多く受ける病院か、予定の手術が中心の病院かで、働き方は大きく変わります。

Q. 女性でも脳神経外科医になれますか?

A. なれます。ただ、病院で働く脳神経外科医のうち女性は8.1%で、女性の少ない科です(2024年)。一方で、動脈瘤の手術を受ける患者さんは女性が7割です。女性医師の数の動きは医師の男女比の記事にまとめています。

Q. 脳外科医に向いてる性格はありますか?

A. 性格と向き不向きを結びつけた公的なデータはありません。仕事の中身から言えるのは、高齢の患者さんの手術後まで考えられること、急な呼び出しで短い時間で決められること、細かい技術を何年も磨き続けられることの3つです。

Q. 脳神経外科医の年収はどのくらいですか?

A. 年収は脳神経外科医の年収は?仕事内容や向いている性格も解説と、医師の年収ランキング2026|診療科別にまとめています。

Q. 脳神経外科医を目指すなら、どの大学を選べばいいですか?

A. 脳神経外科の専門研修は、初期研修のあとに全国のプログラムから選ぶので、出身大学で決まるものではありません。大学選びで見るとしたら、臨床実習で回る附属病院が脳卒中の急な治療をどれだけ受けているかです。附属病院の脳神経外科のサイトに、1年の手術の件数を載せている大学もあります。地域枠で入る場合は、卒業後に選べる診療科もあわせて見てください。

 

まとめ

  • 脳と神経の手術は1年に21万6,031回、65歳以上の患者が67.0%(2023年4月〜2024年3月)
  • いちばん多い慢性硬膜下血腫の手術は5万1,626回で、患者の74.7%が75歳以上です
  • 脳梗塞の血栓回収は1日約52回。脳卒中で亡くなる人は年102,821人で死因の4位です
  • 動脈瘤のクリッピングは40〜64歳が40.2%、女性が71.3%。働き盛りの手術もあります
  • 脳神経外科の医師は7,574人、病院では女性8.1%。時間外が年1,860時間を超える医師は5.8%で19科で2番目です

脳神経外科医に向いているのは、高齢の患者さんの手術をその後の暮らしまで考え、脳卒中の急な呼び出しに短い時間で決められ、細かい技術を何年も磨き続けられる人だと、僕はこのデータを見て思いました。いま高校生なら、まず祖父母とゆっくり話す時間をつくって、生物の「神経」の単元を医学の目で読み直してみてください。そして、志望する大学の附属病院の脳神経外科が公開している専門研修プログラムを1つ読んでみてください。大学ごとに、どんな手術を何件しているかの違いも見えてきます。それが、脳神経外科の毎日にいちばん近い練習です。

 

あわせて読みたい

この記事を書いたのは、「脳の病気で苦しむ人を救いたい」という志望理由を、もう一歩先まで一緒に考えたかったからです。その気持ちは、きっと脳神経外科の入口になります。その先で向き合うのは、80代・90代の患者さんとその家族や、夜中に運ばれてくる脳卒中の人です。いちばん多い手術の患者さんの4人に3人は75歳以上。この数字を知ったうえで「それでもやってみたい」と思えた人に、脳神経外科という道を選んでほしいと思っています。

本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
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