こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
「日本医科大学 偏差値」で調べると、70.0という数字が出てきます。河合塾の2027年度入試の予想ボーダー偏差値です。
ただ、この数字だけ見て「70.0ないと無理だ」と考えると、判断を誤ります。2026年度入試で実際に合格した人の記述模試平均は68.1で、ボーダーより1.9低いからです。この記事では、その2つの数字の違いから始めて、科目別・同じ偏差値帯の大学・地域枠まで、日本医科大学の偏差値だけをまとめました。
この記事は、次の3つに答えるつもりで書きました。
− 日本医科大学の偏差値70.0って、どれくらい難しいの?
− 実際に受かった人はどれくらいの成績だったの?
− 同じ偏差値の大学はどこ?地域枠はあるの?
学費・面接・倍率の話は、この記事では扱いません。偏差値だけを、河合塾が公表している数字だけで最後まで書きます。
この記事の目次
日本医科大学の偏差値は70.0|河合塾ボーダー(2027年度予想)
日本医科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で70.0です(2027年度入試の予想ボーダー偏差値。河合塾の方式別ランク9月版です)。2026年度入試の実績も70.0でした。
先に1つだけ。この記事の数字は、すべて医学部医学科のものです。日本医科大学は医学部だけの単科大学ですが、「日本大学」「日本医科大学」は名前が似ていて取り違えが起きやすいので、調べるときは大学名を最後まで確かめてください。
ボーダー偏差値というのは、合格可能性がちょうど50%になるラインのことです。そこに届いていれば半分は受かる、という意味の数字で、「実際に合格した人がどのくらいだったか」とは別物です。その別物のほうが、下の表の3行目にある68.1です。

| 項目 | 数値 | 何を測っているか |
|---|---|---|
| ボーダー偏差値(2027年度予想) | 70.0 | 合格可能性50%のライン |
| ボーダー偏差値(2026年度実績) | 70.0 | 前年の実績値 |
| 合格者平均偏差値(2026年度入試) | 68.1 | 実際に合格した人の記述模試平均 |
| 私立31校中の順位 | 4位 | 合格者平均で並べたとき |
| 全81校中の順位 | 17位 | 国公立50校を含めたとき |
表の1行目と3行目を見くらべてください。ボーダーは70.0、実際に合格した人の平均は68.1で、平均のほうが1.9低くなっています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「受かった人の実際の記述模試平均」で、測っているものが違います。ボーダーに届いていないと受からない、という意味の数字ではありません。
合格者平均は68.1|私立31校中4位・全81校中17位
河合塾の入試結果調査(2026年度入試)によると、全統模試を受けて日本医科大学に合格した人の記述模試平均は68.1でした。この物差しで並べ直すと、私立医学部31校の中で4位、国公立50校を含めた全81校では17位です(防衛医科大学校を除く)。
ボーダーだけを見ていると、同じ70.0の大学がいくつも横並びになって順番が付きません。合格者平均で並べ直すと、その横並びがほどけます。
| 私立順位 | 大学 | 合格者平均 | ボーダー |
|---|---|---|---|
| 1位 | 慶應義塾大学 | 72.1 | 72.5 |
| 2位 | 東京慈恵会医科大学 | 69.5 | 70.0 |
| 3位 | 順天堂大学 | 68.2 | 70.0 |
| 4位 | 日本医科大学 | 68.1 | 70.0 |
| 5位 | 関西医科大学 | 67.9 | 67.5 |
| 6位 | 国際医療福祉大学 | 67.6 | 67.5 |
| 7位 | 東京医科大学 | 66.4 | 67.5 |
私立31校を合格者平均で並べると、日本医科大学は4位です。上に慶應義塾(72.1)・東京慈恵会医科(69.5)・順天堂(68.2)が並び、順天堂との差は0.1しかありません。5位の関西医科(67.9)とも0.2差で、この帯は数字がほとんど団子になっています。順位そのものより、2位から6位までが1.9のなかにひしめいているという形を見てください。
科目別は英68.3・数67.7・理68.4|どこで点を作るか
合格者平均は、英語・数学・理科の3つに分けて公表されています。日本医科大学の合格者でいちばん高いのは理科(68.4)でした。ただし全81校の平均からいちばん離れているのは数学(+2.9)で、図ではそちらを赤くしています。

| 科目 | 合格者平均 | 全81校平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 68.3 | 66.2 | +2.1 |
| 数学 | 67.7 | 64.8 | +2.9 |
| 理科 | 68.4 | 65.6 | +2.8 |
| 総合 | 68.1 | 65.5 | +2.6 |
3科目とも全81校平均を上回っていて、いちばん差が大きいのは数学の+2.9(67.7に対し平均64.8)です。理科も+2.8(68.4/平均65.6)、英語は+2.1(68.3/平均66.2)。3科目の差が0.7しかなく、凸凹の小さい形です。どこか1科目で稼いで受かった人が多い大学ではなく、3科目を平らに積んだ人が合格しています。
偏差値の50年推移|1975年度の60.0から+10.0
「昔は入りやすかった」という話を、親世代から聞いたことがあるかもしれません。河合塾のボーダー偏差値をさかのぼると、日本医科大学の1975年度は60.0。そこから2027年度予想の70.0まで、+10.0動いています。

| 年度 | ボーダー偏差値 | 前の時点との差 |
|---|---|---|
| 2027年度(予想) | 70.0 | ±0.0 |
| 2026年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2025年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2024年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2023年度 | 70.0 | +2.5 |
| 2015年度 | 67.5 | -2.5 |
| 2010年度 | 70.0 | +7.5 |
| 1995年度 | 62.5 | -2.5 |
| 1985年度 | 65.0 | +5.0 |
| 1975年度 | 60.0 | — |
ボーダーは2026年度も2027年度予想も70.0で動いていません。私立でボーダー70.0以上が付くのは慶應義塾・東京慈恵会医科・順天堂・日本医科の4校だけで、この4校の顔ぶれは近年変わっていません。
地域枠は定員125人中20人(16.0%)|偏差値は公表されていない
日本医科大学の入学定員125人のうち、地域枠等は20人です。割合にすると16.0%で、80大学のなかで41位。同じ区分(私立)の平均14.3%と比べると+1.7ポイント、全体の19.9%と比べると-3.9ポイントです。残る105人が一般の枠になります。
| 項目 | この大学 | 同じ区分の平均 | 全80大学 |
|---|---|---|---|
| 入学定員 | 125人 | 119.6人 | 9,270人 |
| 地域枠等の募集人数 | 20人 | 17.1人 | 1,847人 |
| 地域枠の割合 | 16.0% | 14.3% | 19.9% |
| うち臨時定員ぶん | 15人 | — | 933人 |
| 割合の順位 | 80大学中41位 | — | — |
地域枠20人は、私立31校のなかでは日本医科大学を含めて上から11番目にあたります。うち15人は臨時定員ぶんで、国の医師確保対策として上乗せされた枠です。臨時定員は年度ごとに国の認可を受ける仕組みなので、来年も同じ人数とはかぎりません。受ける年の募集要項で人数を確かめてください。
2つ注意があります。1つめは、地域枠のボーダー偏差値はどこも公表していないということです。河合塾が出しているボーダー偏差値は一般選抜のもので、枠ごとの数字ではありません。国公立の地域枠は合格者が10人に満たない大学が多く、合格最低点も「非開示」で止まっています。ですから地域枠については、偏差値ではなく募集人数と割合で見ることになります。2つめは、地域枠は「お金がもらえる枠」とはかぎらないことです。文部科学省の定義では、都道府県の奨学金と連動した枠に加えて、奨学金とは連動しない枠も地域枠等に含まれます。条件は大学と都道府県ごとに違うので、必ず各大学の募集要項で確かめてください。
同じ偏差値帯に並ぶ大学|併願先の決め方
偏差値を調べる目的は、たいてい「この大学を受けるなら、ほかにどこを受けるか」を決めるためだと思います。合格者平均が68.1の前後1.2以内にある大学を、国公立も含めて並べました。

| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 10位 | 九州大学 | 69.1 | 国立 |
| 10位 | 横浜市立大学 | 69.1 | 公立 |
| 12位 | 東北大学 | 68.8 | 国立 |
| 13位 | 神戸大学 | 68.6 | 国立 |
| 14位 | 山梨大学 | 68.6 | 国立 |
| 15位 | 大阪公立大学 | 68.3 | 公立 |
| 16位 | 順天堂大学 | 68.2 | 私立 |
| 17位 | 日本医科大学 | 68.1 | 私立 |
| 18位 | 関西医科大学 | 67.9 | 私立 |
| 19位 | 京都府立医科大学 | 67.6 | 公立 |
| 20位 | 国際医療福祉大学 | 67.6 | 私立 |
| 21位 | 岡山大学 | 67.5 | 国立 |
合格者平均68.1の前後1.2には、日本医科大学を含めて12校が入ります。ほかの11校のうち8校が国公立です(九州・横浜市立・東北・神戸・山梨・大阪公立・京都府立医科・岡山)。私立は順天堂・関西医科・国際医療福祉の3校だけ。この帯は「私立の上位を狙う人と、国公立を狙う人が同じ学力で交差する場所」だと考えてください。併願先を選ぶときは、共通テストを受けるかどうかで候補ががらりと変わります。
ボーダーと合格者平均は何が違うのか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、別のものを測っています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「実際に受かった人の記述模試の平均」。土台が違うので、自分の模試の偏差値と1対1で比べられるのはボーダーのほうです。
この違いは、数字にすると分かりやすくなります。私立31校を河合塾のボーダー別にまとめ、同じボーダーの大学どうしで合格者平均がどこまで開くかを出しました。

| ボーダー偏差値 | 私立の校数 | 合格者平均の幅 | 幅 |
|---|---|---|---|
| 72.5 | 1校 | 72.1 | — |
| 70.0 | 3校 | 68.1〜69.5 | 1.4 |
| 67.5 | 6校 | 64.0〜67.9 | 3.9 |
| 65.0 | 10校 | 62.1〜66.0 | 3.9 |
| 62.5 | 9校 | 59.6〜63.8 | 4.2 |
| 60.0 | 2校 | 55.8〜60.7 | 4.9 |
同じボーダー70.0が付いている私立は3校(東京慈恵会医科・順天堂・日本医科)で、その3校の合格者平均は68.1〜69.5と1.4ひらいています。ボーダーは0.1刻みではなく2.5刻みで付くので、同じ数字のなかに幅があるのは当然のことです。ボーダーが同じ大学を「同じ難しさ」と読まないでください。
もうひとつ、読むときの注意を書いておきます。合格者平均はその年に全統模試を受けて合格した人の平均で、一般選抜だけでなく推薦・総合型で合格した人も含みます。模試を受けていない人は入りません。つまり「68.1を取れば受かる」という意味の数字ではなく、大学同士の位置関係をつかむための物差しです。
太宰府アカデミーの視点|日本医科大学の偏差値をどう使うか
日本医科大学を受けるかどうかで、いちばん見てほしい数字は偏差値ではありません。実質倍率17.24倍です。私立の上位4校を並べると、慶應義塾6.08倍・東京慈恵会医科7.62倍・順天堂13.87倍で、日本医科大学がいちばん高い。偏差値がほぼ同じ順天堂と比べても3.4ポイント上です。
倍率が高いことは、学力が高いことを意味しません(→ 倍率と合格者平均の相関は−0.28で、ほぼ無関係です)。意味するのは「同じ実力でも、その年の巡り合わせで結果が変わりやすい」ということです。17人に1人しか通らない試験では、1点差の下に何十人も並びます。だからこの大学を第一志望にするなら、ここ1校に賭けない組み方が要ります。
具体的には、合格者平均68.1の前後にいる大学のうち、共通テストを受けるかどうかを先に決めてください。この帯は日本医科大学を除く11校中8校が国公立で、共通テストを受けるなら選択肢がほぼ3倍になります。受けないと決めるなら、私立の3校(順天堂・関西医科・国際医療福祉)に絞られます。偏差値表を眺める前に、この分岐を決めるほうが先です。
日本医科大学の偏差値についてよくある質問
日本医科大学の偏差値はいくつですか?
河合塾の2027年度入試予想で、ボーダー偏差値は70.0です。2026年度入試の実績も70.0で変わっていません。ただし2026年度に実際に合格した人の記述模試平均は68.1で、ボーダーより1.9低い数字でした。
ボーダー70.0に届いていないと受かりませんか?
そうとはかぎりません。ボーダーは合格可能性50%のラインで、合格者の平均ではありません。実際、2026年度の合格者平均は68.1でした。ボーダーは目安の1つとして使ってください。
私立のなかで何位ですか?
合格者平均で並べると私立31校中4位、国公立を含めた全81校では17位です。上位は慶應義塾72.1・東京慈恵会医科69.5・順天堂68.2の順で、3位の順天堂とは0.1差です。
同じ偏差値帯にはどんな大学がありますか?
合格者平均68.1の前後1.2には、日本医科大学を含めて12校が入ります。ほかの11校のうち8校が国公立(九州・横浜市立・東北・神戸・山梨・大阪公立・京都府立医科・岡山)、私立は順天堂・関西医科・国際医療福祉の3校です。
日本医科大学に地域枠はありますか?
あります。令和7年度で入学定員125人のうち20人(16.0%)が地域枠等です。うち15人は臨時定員ぶんです。ただし地域枠ごとのボーダー偏差値は公表されていません。人数と条件は募集要項で確かめてください。
倍率はどれくらいですか?
2025年度入試の実質倍率は17.24倍です。私立上位4校(慶應義塾6.08倍・東京慈恵会医科7.62倍・順天堂13.87倍)のなかで最も高い数字です。
まとめ|日本医科大学の偏差値
日本医科大学の偏差値について、この記事で分かったことを並べます。
- 河合塾の2027年度予想ボーダーは70.0(2026年度実績も70.0)
- 2026年度入試の合格者平均は68.1で、ボーダーより1.9低い
- 私立31校中4位・全81校中17位。3位の順天堂とは0.1差
- 科目別は英68.3・数67.7・理68.4で、3科目の差は0.7と凸凹が小さい
- 実質倍率17.24倍は私立上位4校で最も高い
- 地域枠は定員125人中20人(16.0%)。ただし枠別の偏差値は公表されていない
明日からできることを1つだけ挙げるなら、記述模試の判定を「70.0に届いたか」ではなく「68前後を安定して出せているか」で見直してみてください。日本医科大学は倍率が高く、1回の判定では実力が測れません。
この記事を書いたのは、「日本医科大学 偏差値」と調べた人が、数字を1つだけ持ち帰って終わってしまうのがもったいないと思ったからです。70.0と68.1、この2つを並べて初めて、その大学がどのあたりにいるのかが見えます。
日本医科大学全体の入試情報(学費・科目と配点・倍率・繰り上げ合格・面接・国試合格率まで)は、大学ページにまとめています。日本医科大学医学部の入試情報はこちら。
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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