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専門医は何年かかる?19科の研修年数一覧|最短29歳

2026年10月05日 更新

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詳しくは 医師の資格おすすめ8つ|専門医・産業医・指定医は免許から何年 をご覧ください。

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。

これまで外科・救急・小児科・麻酔科・皮膚科と、診療科ごとに「◯◯医になるには」という記事を書いてきました。書くたびに、受験生や保護者の方から同じことを聞かれます。「で、結局どの科がいちばん長いんですか?」

正直に言うと、1本ずつ書いていたので、横に並べた表を僕自身も持っていませんでした。そこで今回は、専門医の土台になる「基本領域」19科の研修年数を、各学会の公式資料で1科ずつ確かめて、1枚の表にしました。あわせて、最短で何歳になるのか、2026年度にどの科に何人の若手医師が進んだのかも並べています。

この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。

− 専門医って、医師免許を取ったらすぐなれるんでしょ?

− 外科とか脳外科とか、手術する科ほど長いんでしょ?

− 何科にするか、医学部に入る前から決めておかないといけないの?

ひとつずつ、数字で確かめていきます。

 

専門医は何年かかる?|医学部入学から最短11〜13年、専門研修は3〜5年

結論から書きます。専門医になるには、医学部6年+初期臨床研修2年のあとに、診療科ごとの専門研修が3〜5年かかります。医学部に入ってから数えると最短11〜13年。18歳で入学して留年がなければ、最短29歳です。

専門研修の年数は科によって違い、5年は皮膚科だけ、4年が7科、3年が11科です。医師免許を取った時点ではまだ専門医ではなく、初期研修の2年を終えてから「専攻医」として1つの科を選び、そこから研修が始まります。

基本領域19科の専門研修の年数。5年は皮膚科の1科、4年は整形外科・脳神経外科・眼科・麻酔科など7科、3年は内科・外科・小児科・救急科など11科
出典:日本皮膚科学会・日本整形外科学会・日本内科学会ほか各基本領域学会、日本専門医機構の公表資料(2026年10月確認)。プログラム制の標準年数
研修年数 科の数 診療科
5年 1科 皮膚科
4年 7科 整形外科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科頭頸部外科、泌尿器科、形成外科、麻酔科
3年 11科 内科、小児科、精神科、外科、産婦人科、放射線科、病理、臨床検査、救急科、リハビリテーション科、総合診療
計 19科 ―

表を見ると、どの科を選んでも3年より短い基本領域はありません。いちばん多いのは3年の科で、19科のうち11科(58%)。4年の科が7つあり、皮膚科だけが1年抜けて5年です。日本皮膚科学会も、研修期間の5年を「基本領域学会の中でも最長の研修期間」と説明しています。

 

専門医の研修年数一覧|基本領域19科を年数順に並べました

19科を、研修年数の長い順に並べました。同じ年数の中は、2026年度に専攻医になった人数の多い順です。科の名前がリンクになっているものは、その科の「なるには」記事に飛べます。

診療科(基本領域) 研修年数 最短の年齢 専攻医(2026年度)
皮膚科 5年 31歳 259人
整形外科 4年 30歳 773人
麻酔科 4年 30歳 495人
泌尿器科 4年 30歳 352人
眼科 4年* 30歳 341人
脳神経外科 4年* 30歳 269人
耳鼻咽喉科頭頸部外科 4年 30歳 262人
形成外科 4年 30歳 210人
内科 3年 29歳 3,129人
外科 3年* 29歳 996人
精神科 3年* 29歳 547人
小児科 3年* 29歳 543人
救急科 3年 29歳 527人
産婦人科 3年 29歳 478人
放射線科 3年* 29歳 290人
総合診療 3年 29歳 282人
リハビリテーション科 3年 29歳 129人
病理 3年 29歳 91人
臨床検査 3年* 29歳 25人

※研修年数はプログラム制の標準年数。*は学会の書きぶりが「◯年以上」の科(小児科・精神科・外科・放射線科・臨床検査・眼科・脳神経外科)。最短の年齢は、18歳で医学部に入学し、留年・浪人がなく、初期研修のあとすぐ専門研修に入った場合の目安。出典:各基本領域学会・日本専門医機構の公表資料(2026年10月確認)、専攻医の人数は厚生労働省 医師専門研修部会 資料1(2026年7月15日)。

この表で押さえておきたいのは、次の3つです。

  • 3年の科が11科でいちばん多い。内科・外科・小児科・精神科・産婦人科・救急科など、専攻医の多い科はほとんどがここに入ります
  • 4年の科は7つ。整形外科・脳神経外科・眼科・耳鼻咽喉科頭頸部外科・泌尿器科・形成外科・麻酔科です
  • 5年は皮膚科だけ。2番目に長い4年ですら7科あるので、皮膚科だけが飛び抜けて長い形です

科ごとの中身も少しだけ紹介します。総合診療は、内科・小児科・救急の研修を合わせて18か月以上、総合診療そのものの研修を18か月以上、合計36か月(3年)で組むと日本専門医機構の整備基準に書かれています。病理は3年の間に剖検(病理解剖)24体。整形外科はカリキュラム制で進む場合は3年9か月で45単位。同じ「3年」「4年」でも、科ごとに求められるものは違います。

 

専門医は最短何歳でなれる?|3年の科で29歳、皮膚科で31歳

18歳で医学部に入学し、留年なく進んだ場合、専門医になれる最短の年齢は3年の科で29歳、4年の科で30歳、皮膚科で31歳です。専攻医として研修を始めるのは最短26歳です。

18歳で医学部に入学し留年がない場合の年齢。医師国家試験24歳、専攻医26歳、専門医は3年の科で29歳、4年の科で30歳、皮膚科で31歳
出典:各基本領域学会・日本専門医機構の公表資料より太宰府アカデミー作成。浪人・留年・休職・専門医試験の時期でずれる
段階 かかる年数 年齢の目安(最短)
医学部 6年 18歳→24歳
医師国家試験に合格・医師免許 ― 24歳
初期臨床研修(必修) 2年 24歳→26歳
専門研修(専攻医) 3〜5年 26歳→29〜31歳
専門医(3年の11科) 入学から11年 29歳
専門医(4年の7科) 入学から12年 30歳
専門医(皮膚科) 入学から13年 31歳

図で見ると、18歳から29歳までの11年のうち、何科に進むかを決めるのは26歳の手前だと分かります。全国81大学の医学部はすべて6年制で、医学部の6年と初期研修の2年は、どの科に進む人も同じ道を通ります。初期研修では内科や救急などいくつもの科を回り、そのうえで専門研修の科を選びます。研修医が何歳から始まるかは研修医は何歳から?で詳しく書いています。

ただし、これはあくまで最短です。浪人や留年が1年あれば、そのまま1年後ろにずれます。専門医試験の時期の関係で、研修を終えた翌年度に専門医になる科もありますし、出産・育児・留学などで研修を休めばそのぶん延びます。医学部が何年で、医師免許までにどんな関門があるかは医学部は何年?にまとめています。

 

手術する科ほど研修は長い?|外科は3年、整形外科・脳神経外科は4年

「メスを持つ科ほど研修が長い」と思われがちですが、一覧を見る限りではそうとは言えません。外科は3年で、内科や小児科と同じです。一方で、整形外科・脳神経外科・形成外科・泌尿器科・耳鼻咽喉科頭頸部外科は4年。手術のイメージが強くない眼科や麻酔科も4年です。

年数は「手術をするかどうか」ではなく、それぞれの領域が身につけてほしいことの量で決まっています。皮膚科の学会は5年の理由を、皮膚の病気は全身の病気と関わり、専門性が高く学ぶことが多いから、と説明しています。外科は、まず3年で外科専門医を取り、そのあと消化器外科や心臓血管外科などのさらに細かい専門(サブスペシャルティ)に進む流れです。外科の専門医に必要な手術の数は外科医に向いている人で取り上げました。

つまり、「外科医になるのに何年かかるか」と「その先の細かい専門まで何年かかるか」は別の話です。この記事の年数は、どの医師もまず取る基本領域の専門医までの年数です。サブスペシャルティの年数は領域ごとに違うので、この記事では数字を出していません。

 

2026年度の専攻医9,998人|7割は研修3年の科を選んでいます

では、若手の医師は実際にどの科を選んでいるのでしょうか。2026年度に専門研修を始めた専攻医は9,998人で、そのうち7,037人(70.4%)が研修3年の科でした。

2026年度の専攻医9,998人を研修年数で分けた人数。3年の11科が7,037人で70.4パーセント、4年の7科が2,702人で27.0パーセント、5年の皮膚科が259人で2.6パーセント
出典:厚生労働省 医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会 資料1「令和8年度の専攻医採用と令和9年度の専攻医募集について」(2026年7月15日)
研修年数 科の数 専攻医(2026年度) 割合
3年 11科 7,037人 70.4%
4年 7科 2,702人 27.0%
5年 1科 259人 2.6%
計 19科 9,998人 100%

ここで早合点しないでほしいのは、「研修が短い科ほど人気がある」とは言えないということです。3年の科の人数が多いのは、内科1科だけで3,129人(全体の31.3%)を占めているからです。内科を除くと、3年の残り10科は3,908人。4年の7科(2,702人)より多いものの、科の数あたりで見ると大きな差ではありません。

研修5年の皮膚科も、2026年度に259人が選んでいます。研修の長さだけで科が決まっているというより、何を診たいか、どこで働きたいかで選ばれていると見るほうが自然だと思います。

 

どこでも研修できる6科は、すべて研修3年の科|2027年度のシーリング

専門研修には、もう1つ知っておきたい仕組みがあります。シーリング(採用数の上限)です。医師が多い都道府県で特定の科に専攻医が集まりすぎないよう、都道府県×診療科ごとに採用できる人数に上限をかける制度です。

2027年度は19科のうち13科にシーリングがかかり、外科・救急科・産婦人科・総合診療・病理・臨床検査の6科にはかかりません。この6科は、すべて研修3年の科です。

2027年度にシーリング(採用上限)がない6科の2026年度の専攻医数。外科996人、救急科527人、産婦人科478人、総合診療282人、病理91人、臨床検査25人。6科とも研修3年
出典:厚生労働省 医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会 資料1(2026年7月15日)p7 専攻医採用数・p22 令和9年度シーリング対象都道府県診療科の一覧
上限がない6科 研修年数 専攻医(2026年度) 2018年度比
外科 3年 996人 +23.7%
救急科 3年 527人 +97.4%
産婦人科 3年 478人 +8.4%
総合診療 3年 282人 +53.3%
病理 3年 91人 -20.2%
臨床検査 3年 25人 6人→25人

6科の専攻医は合わせて2,399人(2026年度・全体の24.0%)。救急科は2018年度の267人から527人へとほぼ倍になり、外科も2026年度に996人まで増えました。上限がないぶん、どの都道府県の研修プログラムでも人数の上限を気にせず選べます。

九州に住む受験生には、ここが意外かもしれません。福岡県は2027年度、内科・精神科・整形外科・泌尿器科・放射線科・麻酔科・形成外科・リハビリテーション科 の8科でシーリングの対象です。国の基準では、福岡は医師が足りている側に入っているということです。地元の福岡で専門研修まで受けたいと考えているなら、上限がない6科と、上限がかかる8科があることを頭の片隅に置いておくとよいと思います。

 

年数どおりにいかない3つのケース|「◯年以上」・カリキュラム制・初期研修の扱い

一覧の年数を読むときに、誤解しやすい点を3つ挙げます。

①学会の書きぶりが「◯年以上」の科がある。
小児科・精神科・外科・放射線科・臨床検査・眼科・脳神経外科は、学会の資料に「3年以上」「4年以上」と書かれています。脳神経外科は、長崎大学病院の2027年度の研修プログラムにも「4年以上の定められた研修」「研修期間4年間のうち脳神経外科の臨床に専従する期間が3年以上」と書かれています。標準の年数で修了するように組まれていますが、最短の年数として読んでください。

②プログラム制とカリキュラム制で年数が変わる科がある。
専門研修には、決まった病院群を順に回る「プログラム制」と、単位を積み上げる「カリキュラム制」があります。整形外科はプログラム制なら4年、カリキュラム制なら3年9か月で45単位と学会が定めています。出産・育児や介護と両立するためにカリキュラム制で進むと、年数はプログラム制と同じにならないことがあります。

③初期臨床研修の2年を専門研修に数えられるかは、科によって扱いが違う。
同じ学会の資料でも、時期によって書きぶりが分かれていることがあります(皮膚科の例は皮膚科医になるにはで紹介しました)。この記事の年齢は、初期研修2年を専門研修とは別に数えて計算しています。

 

太宰府アカデミーの視点|高校生のうちに知っておくと役に立つ3つ

専門研修の話は、医学部に入ってからでも十分に間に合います。それでも、高校生のうちに知っておくと判断が変わる場面が3つあります。

①志望理由で「◯◯科医になりたい」と書くなら、その科の年数と流れを1行で言えるようにしておく。
面接で「なぜその科なのか」を掘られたとき、「医学部6年と初期研修2年のあと、小児科の専門研修が3年あって…」と道筋まで話せると、その科で働くまでの道のりを調べたことが、言葉の具体性で伝わります。もちろん、医学部に入ってから志望の科が変わるのは自然なことです。

②地域枠・特別枠で受けるなら、卒業後の勤務と専門研修の年数を並べてみる。
たとえば関西医科大学の特別枠学校推薦型選抜(2027年度は10名)は、初期研修2年のあと、医師が不足する診療科(産婦人科・救急・外科・麻酔科・内科・小児科)の医師として大学に3年以上勤めることが条件です。この6科のうち5科は研修3年の科、麻酔科は4年の科です。年数の上では専門研修の期間と重なりますが、その勤務を専門研修としてどう組めるかは、出願前に要項と大学の説明で確かめてください。選べる科と勤務の条件は、大学ごとに違います。

③浪人の1年は、専門医の年齢も1年後ろにずらす。ただ、それで道が閉じるわけではない。
現役なら最短29歳、1浪なら30歳です。数字だけ見ると焦るかもしれませんが、専門研修の年数そのものは、何歳で始めても変わりません。何科に進むかを決めるのは26歳前後なので、高校生のいまは医学部に入ることに集中して大丈夫です。

 

よくある質問

Q. 専門医は医師になって何年目に取れますか?
A. 最短で、研修3年の科なら医師5年目の終わり、4年の科なら6年目、皮膚科なら7年目の終わりです。医師1〜2年目が初期研修、3年目から専門研修という流れです。専門医試験の時期によっては、研修を終えた翌年度に専門医になる科もあります。

Q. 専門医を取らないと、医師として働けないのですか?
A. いいえ。医師免許があれば診療はできます。専門医は日本専門医機構と各学会が認定する資格で、医師免許とは別のものです。ただ、2026年度は9,998人が専攻医になっており、多くの若手医師が初期研修のあと専門研修に進んでいます。

Q. いちばん研修が短い診療科はどこですか?
A. 3年の科が11科あり、これがいちばん短い年数です。内科・外科・小児科・精神科・産婦人科・救急科・放射線科・病理・臨床検査・リハビリテーション科・総合診療です。3年より短い基本領域はありません。

Q. 専攻医は何歳くらいですか?
A. 現役で入学して留年がなければ、専攻医1年目は26歳です。研修は3〜5年なので、専攻医の時期は最短で26歳から29〜31歳まで。浪人・留年・研修の中断があれば、そのぶん後ろにずれます。

Q. 専門医になりやすい大学はありますか?
A. 専門研修は初期研修のあとに全国のプログラムから選ぶので、出身大学で決まるものではありません。研修プログラムの中心になる病院(基幹施設)は、大学病院のこともあれば、大学以外の病院のこともあります。大学選びの段階で見るとしたら、臨床実習で回る大学病院に、興味のある科がどれだけそろっているかです。

 

まとめ|専門医までの年数と5つの数字

  • 専門医までは、医学部6年+初期研修2年+専門研修3〜5年。入学から最短11〜13年です
  • 19科のうち、5年は皮膚科だけ、4年が7科、3年が11科。3年より短い科はありません
  • 18歳で入学・留年なしなら、最短29歳(3年の科)・30歳(4年の科)・31歳(皮膚科)
  • 2026年度の専攻医9,998人のうち70.4%が3年の科。ただし内科だけで3,129人(31.3%)です
  • 2027年度、採用の上限がない6科(外科・救急科・産婦人科・総合診療・病理・臨床検査)は、すべて研修3年の科。福岡県は8科で上限の対象です

結論です。専門医は、どの科を選んでも医学部入学から最短11年。内科や外科のような3年の科で29歳、整形外科や麻酔科のような4年の科で30歳、皮膚科で31歳です。手術をする科ほど長いわけではなく、外科は3年、眼科は4年と、年数は領域ごとに決まっています。いま高校生なら、気になる科を1つ選んで、上の一覧からその科の「なるには」記事を開き、医師になるまでの道のりを一度通して読んでみてください。関西医科大学の特別枠のように卒業後の勤務が決まっている枠を考えているなら、その勤務の年数と専門研修の年数を並べて、出願の前に要項で確かめてください。

「医者になるまで何年かかるの?」という質問には、これまで「医学部6年+研修2年」と答えることが多かったのですが、一人の専門医として働くまでには、その先にもう3〜5年あります。長い道のりですが、道のりを知ったうえで目指す人のほうが、途中で迷ったときに強いと僕は思っています。その全体像を1枚で渡したくて、この記事を書きました。

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後藤 登(Goto Noboru)
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