こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
「東京慈恵会医科大学 偏差値」で調べると、70.0という数字が出てきます。河合塾の2027年度入試の予想ボーダー偏差値です。
この大学には、数字で見たときにはっきりした特徴があります。2026年度入試の合格者平均69.5と同じ帯にいる10校が、すべて国公立だということです。私立は1校も入りません。この記事では、その位置の意味から始めて、科目別・同じボーダーの私立3校・地域枠まで、東京慈恵会医科大学の偏差値だけをまとめました。
この記事は、次の3つに答えるつもりで書きました。
− 東京慈恵会医科大学の偏差値70.0って、どれくらい難しいの?
− 実際に受かった人はどれくらいの成績だったの?
− 同じ偏差値の大学はどこ?地域枠はあるの?
学費・面接・倍率の話は、この記事では扱いません。偏差値だけを、河合塾が公表している数字だけで最後まで書きます。
この記事の目次
東京慈恵会医科大学の偏差値は70.0|河合塾ボーダー(2027年度予想)
東京慈恵会医科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で70.0です(2027年度入試の予想ボーダー偏差値。河合塾の方式別ランク9月版です)。2026年度入試の実績も70.0でした。
先に1つだけ。この記事の数字は、すべて医学部医学科のものです。東京慈恵会医科大学には看護学科もあり、偏差値は別の数字です。また「慈恵医大」という呼び方で検索されることもありますが、同じ大学です。偏差値表を見るときは、医学部医学科の行かどうかを必ず確かめてください。
ボーダー偏差値というのは、合格可能性がちょうど50%になるラインのことです。そこに届いていれば半分は受かる、という意味の数字で、「実際に合格した人がどのくらいだったか」とは別物です。その別物のほうが、下の表の3行目にある69.5です。

| 項目 | 数値 | 何を測っているか |
|---|---|---|
| ボーダー偏差値(2027年度予想) | 70.0 | 合格可能性50%のライン |
| ボーダー偏差値(2026年度実績) | 70.0 | 前年の実績値 |
| 合格者平均偏差値(2026年度入試) | 69.5 | 実際に合格した人の記述模試平均 |
| 私立31校中の順位 | 2位 | 合格者平均で並べたとき |
| 全81校中の順位 | 9位 | 国公立50校を含めたとき |
表の1行目と3行目を見くらべてください。ボーダーは70.0、実際に合格した人の平均は69.5で、平均のほうが0.5低くなっています。この差0.5は私立31校のなかでは小さいほうで、ボーダーと実際の合格者の位置が近い大学だといえます。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「受かった人の実際の記述模試平均」で、測っているものが違います。
合格者平均は69.5|私立31校中2位・全81校中9位
河合塾の入試結果調査(2026年度入試)によると、全統模試を受けて東京慈恵会医科大学に合格した人の記述模試平均は69.5でした。この物差しで並べ直すと、私立医学部31校の中で2位、国公立50校を含めた全81校では9位です(防衛医科大学校を除く)。
ボーダーだけを見ていると、同じ70.0の大学がいくつも横並びになって順番が付きません。合格者平均で並べ直すと、その横並びがほどけます。
| 私立順位 | 大学 | 合格者平均 | ボーダー |
|---|---|---|---|
| 1位 | 慶應義塾大学 | 72.1 | 72.5 |
| 2位 | 東京慈恵会医科大学 | 69.5 | 70.0 |
| 3位 | 順天堂大学 | 68.2 | 70.0 |
| 4位 | 日本医科大学 | 68.1 | 70.0 |
| 5位 | 関西医科大学 | 67.9 | 67.5 |
| 6位 | 国際医療福祉大学 | 67.6 | 67.5 |
| 7位 | 東京医科大学 | 66.4 | 67.5 |
私立31校を合格者平均で並べると、東京慈恵会医科大学は2位です。上は慶應義塾(72.1)で、その差は2.6。3位の順天堂(68.2)とは1.3差です。1位とも3位とも1ポイント以上離れていて、単独で2位にいるという形になっています。私立の上位はここまでが1つのかたまりで、そこから下は数字が詰まってきます。
科目別は英68.5・数69.4・理70.6|どこで点を作るか
合格者平均は、英語・数学・理科の3つに分けて公表されています。東京慈恵会医科大学の合格者でいちばん高いのは理科(70.6)でした。ただし全81校の平均からいちばん離れているのは理科(+5.0)で、図ではそちらを赤くしています。

| 科目 | 合格者平均 | 全81校平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 68.5 | 66.2 | +2.3 |
| 数学 | 69.4 | 64.8 | +4.6 |
| 理科 | 70.6 | 65.6 | +5.0 |
| 総合 | 69.5 | 65.5 | +4.0 |
3科目とも全81校平均を大きく上回っていて、いちばん差が大きいのは理科の+5.0です(70.6に対し全81校平均65.6)。数学69.4は+4.6、英語68.5は+2.3。3科目の凸凹は2.1で、理科と数学が英語より上という形になっています。ただしこれは配点の話ではありません。配点は募集要項で別に確かめてください。
偏差値の推移|1985年度の60.0から70.0へ(+10.0)
「昔は入りやすかった」という話を、親世代から聞いたことがあるかもしれません。河合塾のボーダー偏差値をさかのぼると、東京慈恵会医科大学がいちばん低かったのは1985年度の60.0でした。そこから2027年度予想の70.0まで、+10.0動いています。

| 年度 | ボーダー偏差値 | 前の時点との差 |
|---|---|---|
| 2027年度(予想) | 70.0 | ±0.0 |
| 2026年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2025年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2024年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2023年度 | 70.0 | ±0.0 |
| 2015年度 | 70.0 | +2.5 |
| 2010年度 | 67.5 | +5.0 |
| 1995年度 | 62.5 | +2.5 |
| 1985年度 | 60.0 | — |
河合塾のボーダー偏差値をさかのぼれるのは、この大学については1985年度までです。1985年度の60.0から2027年度予想の70.0まで+10.0上がっています。上がり方は1995年度62.5・2010年度67.5と続き、2015年度から2027年度予想まで70.0のまま動いていません。難化したのは2015年までの話で、そこからは高い位置で止まっています。
地域枠は定員105人中5人(4.8%)|偏差値は公表されていない
東京慈恵会医科大学の入学定員105人のうち、地域枠等は5人です。割合にすると4.8%で、80大学のなかで69位。同じ区分(私立)の平均14.3%と比べると-9.5ポイント、全体の19.9%と比べると-15.1ポイントです。残る100人が一般の枠になります。
| 項目 | この大学 | 同じ区分の平均 | 全80大学 |
|---|---|---|---|
| 入学定員 | 105人 | 119.6人 | 9,270人 |
| 地域枠等の募集人数 | 5人 | 17.1人 | 1,847人 |
| 地域枠の割合 | 4.8% | 14.3% | 19.9% |
| うち臨時定員ぶん | 0人 | — | 933人 |
| 割合の順位 | 80大学中69位 | — | — |
地域枠5人は入学定員105人の4.8%で、私立の平均14.3%を下回ります(割合の高い順で80大学中69位)。特徴はこの5人が臨時定員ぶんではないことです。多くの大学の地域枠は国の医師確保対策で上乗せされた臨時定員ぶんですが、臨時定員ぶんが0人の地域枠を持つ私立は3校しかありません。とはいえ人数と条件は年度で変わるので、受ける年の募集要項で確かめてください。
2つ注意があります。1つめは、地域枠のボーダー偏差値はどこも公表していないということです。河合塾が出しているボーダー偏差値は一般選抜のもので、枠ごとの数字ではありません。国公立の地域枠は合格者が10人に満たない大学が多く、合格最低点も「非開示」で止まっています。ですから地域枠については、偏差値ではなく募集人数と割合で見ることになります。2つめは、地域枠は「お金がもらえる枠」とはかぎらないことです。文部科学省の定義では、都道府県の奨学金と連動した枠に加えて、奨学金とは連動しない枠も地域枠等に含まれます。条件は大学と都道府県ごとに違うので、必ず各大学の募集要項で確かめてください。
同じ偏差値帯に並ぶ大学|併願先の決め方
偏差値を調べる目的は、たいてい「この大学を受けるなら、ほかにどこを受けるか」を決めるためだと思います。合格者平均が69.5の前後1.2以内にある大学を、国公立も含めて並べました。

| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 5位 | 東京科学大学 | 70.5 | 国立 |
| 6位 | 名古屋大学 | 69.7 | 国立 |
| 6位 | 千葉大学 | 69.7 | 国立 |
| 6位 | 奈良県立医科大学 | 69.7 | 公立 |
| 9位 | 東京慈恵会医科大学 | 69.5 | 私立 |
| 10位 | 九州大学 | 69.1 | 国立 |
| 10位 | 横浜市立大学 | 69.1 | 公立 |
| 12位 | 東北大学 | 68.8 | 国立 |
| 13位 | 神戸大学 | 68.6 | 国立 |
| 14位 | 山梨大学 | 68.6 | 国立 |
| 15位 | 大阪公立大学 | 68.3 | 公立 |
ここがこの大学のいちばん特徴的なところです。合格者平均69.5の前後1.2には11校が入りますが、東京慈恵会医科大学を除く10校は、すべて国公立です(東京科学・名古屋・千葉・奈良県立医科・九州・横浜市立・東北・神戸・山梨・大阪公立)。私立が1校も入りません。つまり共通テストを受けない前提でこの大学と同じ帯を探すと、候補がゼロになります。併願は同じ帯からではなく、1つ下の帯から選ぶことになります。
ボーダーと合格者平均は何が違うのか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、別のものを測っています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「実際に受かった人の記述模試の平均」。土台が違うので、自分の模試の偏差値と1対1で比べられるのはボーダーのほうです。
この違いは、数字にすると分かりやすくなります。私立31校を河合塾のボーダー別にまとめ、同じボーダーの大学どうしで合格者平均がどこまで開くかを出しました。

| ボーダー偏差値 | 私立の校数 | 合格者平均の幅 | 幅 |
|---|---|---|---|
| 72.5 | 1校 | 72.1 | — |
| 70.0 | 3校 | 68.1〜69.5 | 1.4 |
| 67.5 | 6校 | 64.0〜67.9 | 3.9 |
| 65.0 | 10校 | 62.1〜66.0 | 3.9 |
| 62.5 | 9校 | 59.6〜63.8 | 4.2 |
| 60.0 | 2校 | 55.8〜60.7 | 4.9 |
同じボーダー70.0が付いている私立は3校です(東京慈恵会医科・順天堂・日本医科)。その3校の合格者平均は68.1〜69.5と1.4ひらいていて、東京慈恵会医科大学の69.5はその上端にあたります。ボーダーは0.1刻みではなく2.5刻みで付くので、同じ数字のなかに幅があるのは当然のことです。ただしこの組の幅1.4は、私立のほかの組(3.9や4.2)とくらべればかなり狭いほうです。
もうひとつ、読むときの注意を書いておきます。合格者平均はその年に全統模試を受けて合格した人の平均で、一般選抜だけでなく推薦・総合型で合格した人も含みます。模試を受けていない人は入りません。つまり「69.5を取れば受かる」という意味の数字ではなく、大学同士の位置関係をつかむための物差しです。
太宰府アカデミーの視点|東京慈恵会医科大学の偏差値をどう使うか
この大学を考えるとき、いちばん実務的に効くのは帯の中身です。合格者平均69.5の前後1.2には11校が入りますが、東京慈恵会医科大学を除く10校は全部が国公立。私立は1校もありません。つまり「同じくらいの私立をもう1校」という併願の組み方が、この位置では成り立ちません。
だから併願は、同じ帯からではなく1つ下の帯から選ぶことになります。同じボーダー70.0が付く私立は順天堂(68.2)と日本医科(68.1)の2校ですが、合格者平均で見れば1.3〜1.4下です。ボーダーが同じだから同じ難しさ、とは読めません。この3校を並べるときは、ボーダーの70.0ではなく合格者平均のほうで見てください。
もう1つ、倍率について。実質倍率7.62倍は、私立31校のなかで下から5番目です。私立の医学部は倍率が2桁になる大学が多いなかで、ここは1桁。ただし倍率が低いことは、入りやすいことを意味しません(倍率と合格者平均の相関は−0.28)。受ける人が自分で絞り込んでいるぶん、倍率の数字は競争の激しさをそのまま表しません。実際、この大学の合格者平均69.5は私立2位です。
東京慈恵会医科大学の偏差値についてよくある質問
東京慈恵会医科大学の偏差値はいくつですか?
河合塾の2027年度入試予想で、ボーダー偏差値は70.0です。2026年度入試の実績も70.0でした。2026年度に実際に合格した人の記述模試平均は69.5で、ボーダーより0.5低い数字です。
私立のなかで何位ですか?
合格者平均で並べると私立31校中2位、国公立を含めた全81校では9位です。1位の慶應義塾(72.1)とは2.6差、3位の順天堂(68.2)とは1.3差で、単独で2位にいます。
同じ偏差値の大学はどこですか?
合格者平均69.5の前後1.2には11校が入りますが、東京慈恵会医科大学を除く10校はすべて国公立です。私立は1校も入りません。同じボーダー70.0が付く私立は3校(東京慈恵会医科・順天堂・日本医科)で、合格者平均は68.1〜69.5と1.4ひらいています。
倍率はどれくらいですか?
2025年度入試の実質倍率は7.62倍で、私立31校のなかでは下から5番目に低い数字です。ただし倍率は難しさそのものではありません。倍率と合格者平均の相関は−0.28で、ほとんど関係がありません。
東京慈恵会医科大学に地域枠はありますか?
あります。令和7年度で入学定員105人のうち5人(4.8%)が地域枠等です。この5人は臨時定員ぶんではなく、そうした形の地域枠を持つ私立は3校しかありません。なお地域枠ごとのボーダー偏差値は公表されていません。人数と条件は募集要項で確かめてください。
どの科目を伸ばせばいいですか?
合格者平均は英語68.5・数学69.4・理科70.6で、全81校平均との差は英語+2.3・数学+4.6・理科+5.0。理科がいちばん高く、英語との差は2.1です。ただしこれは配点ではなく合格者の模試結果です。配点は募集要項で確かめてください。
まとめ|東京慈恵会医科大学の偏差値
東京慈恵会医科大学の偏差値について、この記事で分かったことを並べます。
- 河合塾の2027年度予想ボーダーは70.0(2026年度実績も70.0)
- 2026年度入試の合格者平均は69.5で、ボーダーより0.5低い
- 私立31校中2位・全81校中9位。1位とも3位とも1ポイント以上離れている
- ★帯(±1.2)の他10校はすべて国公立。私立は1校も入らない
- 科目別は英68.5・数69.4・理70.6。理科の+5.0がいちばん大きい
- 実質倍率7.62倍は私立31校で下から5番目。ただし倍率は難易度ではない
明日からできることを1つだけ挙げるなら、併願表を「同じくらいの私立」で埋めようとするのをやめてください。この大学と同じ帯に、私立は1校もありません。
この記事を書いたのは、「東京慈恵会医科大学 偏差値」と調べた人が、数字を1つだけ持ち帰って終わってしまうのがもったいないと思ったからです。70.0と69.5、この2つを並べて初めて、その大学がどのあたりにいるのかが見えます。
東京慈恵会医科大学全体の入試情報(学費・科目と配点・倍率・繰り上げ合格・面接・国試合格率まで)は、大学ページにまとめています。東京慈恵会医科大学医学部の入試情報はこちら。
あわせて読みたい記事です。
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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