こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
「東京女子医科大学 偏差値」で調べると、60.0という数字が出てきます。河合塾の2027年度入試の予想ボーダー偏差値(医学部医学科)です。
ただ、この大学については数字の読み方に2つ注意があります。実際に合格した人の記述模試平均は60.7でボーダーより0.7高いこと、そして科目別の開きが5.4と大きいことです。この記事では、その2つから始めて、ボーダーの推移・同じ偏差値帯の大学・地域枠まで、東京女子医科大学の偏差値だけをまとめました。
この記事は、次の3つに答えるつもりで書きました。
− 東京女子医科大学の偏差値60.0って、どれくらい難しいの?
− 実際に受かった人はどれくらいの成績だったの?
− 同じ偏差値の大学はどこ?地域枠はあるの?
学費・面接・倍率の話は、この記事では扱いません。偏差値だけを、河合塾が公表している数字だけで最後まで書きます。
この記事の目次
東京女子医科大学の偏差値は60.0|河合塾ボーダー(2027年度予想)
東京女子医科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で60.0です(2027年度入試の予想ボーダー偏差値。河合塾の方式別ランク9月版です)。2026年度入試の実績も60.0でした。
先に2つ確かめてください。1つめ。この記事の数字は、すべて医学部医学科のものです。東京女子医科大学には看護学部もあり、偏差値は別の数字です。2つめ。この大学は女子大学で、出願できるのは女子のみです。偏差値の数字を他大学と並べるときは、この条件が前提になっていることを踏まえてください。
ボーダー偏差値というのは、合格可能性がちょうど50%になるラインのことです。そこに届いていれば半分は受かる、という意味の数字で、「実際に合格した人がどのくらいだったか」とは別物です。その別物のほうが、下の表の3行目にある60.7です。

| 項目 | 数値 | 何を測っているか |
|---|---|---|
| ボーダー偏差値(2027年度予想) | 60.0 | 合格可能性50%のライン |
| ボーダー偏差値(2026年度実績) | 60.0 | 前年の実績値 |
| 合格者平均偏差値(2026年度入試) | 60.7 | 実際に合格した人の記述模試平均 |
| 私立31校中の順位 | 29位 | 合格者平均で並べたとき |
| 全81校中の順位 | 79位 | 国公立50校を含めたとき |
表の1行目と3行目を見くらべてください。ボーダーは60.0、実際に合格した人の平均は60.7で、今回は平均のほうが0.7高くなっています。私立ではボーダーのほうが高い大学が多いので、この向きは少数派です。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「受かった人の実際の記述模試平均」で、測っているものが違います。どちらか一方だけを見ないでください。
合格者平均は60.7|私立31校中29位・全81校中79位
河合塾の入試結果調査(2026年度入試)によると、全統模試を受けて東京女子医科大学に合格した人の記述模試平均は60.7でした。この物差しで並べ直すと、私立医学部31校の中で29位、国公立50校を含めた全81校では79位です(防衛医科大学校を除く)。
ボーダーだけを見ていると、同じ60.0の大学がいくつも横並びになって順番が付きません。合格者平均で並べ直すと、その横並びがほどけます。
| 私立順位 | 大学 | 合格者平均 | ボーダー |
|---|---|---|---|
| 24位 | 福岡大学 | 62.6 | 62.5 |
| 26位 | 東海大学 | 62.1 | 65.0 |
| 27位 | 埼玉医科大学 | 61.9 | 62.5 |
| 28位 | 金沢医科大学 | 60.8 | 62.5 |
| 29位 | 東京女子医科大学 | 60.7 | 60.0 |
| 30位 | 獨協医科大学 | 59.6 | 62.5 |
| 31位 | 川崎医科大学 | 55.8 | 60.0 |
私立31校を合格者平均で並べると、東京女子医科大学は29位です。すぐ上の金沢医科が60.8で、その差は0.1。27位の埼玉医科(61.9)とは1.2差です。28位と29位はほとんど同じ数字で、順位の差が実力の差を表していません。
科目別は英64.0・数58.6・理59.6|どこで点を作るか
合格者平均は、英語・数学・理科の3つに分けて公表されています。東京女子医科大学の合格者でいちばん高いのは英語(64.0)でした。ただし全81校の平均からいちばん離れているのは数学(-6.2)で、図ではそちらを赤くしています。

| 科目 | 合格者平均 | 全81校平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 64.0 | 66.2 | -2.2 |
| 数学 | 58.6 | 64.8 | -6.2 |
| 理科 | 59.6 | 65.6 | -6.0 |
| 総合 | 60.7 | 65.5 | -4.8 |
この大学の科目別には、はっきりした偏りがあります。英語64.0に対して、数学58.6・理科59.6。3科目の開きは5.4で、これは全81校のなかで2番目に大きい数字です(いちばん大きいのは福島県立医科の5.9)。全81校平均との差で見ると、英語−2.2に対し数学−6.2・理科−6.0。英語と、数学・理科のあいだに4ポイント近い段差があるという形です。
偏差値の推移|1985年度の52.5から60.0へ(+7.5)
「昔は入りやすかった」という話を、親世代から聞いたことがあるかもしれません。河合塾のボーダー偏差値をさかのぼると、東京女子医科大学がいちばん低かったのは1985年度の52.5でした。そこから2027年度予想の60.0まで、+7.5動いています。

| 年度 | ボーダー偏差値 | 前の時点との差 |
|---|---|---|
| 2027年度(予想) | 60.0 | ±0.0 |
| 2026年度 | 60.0 | ±0.0 |
| 2025年度 | 60.0 | -2.5 |
| 2024年度 | 62.5 | ±0.0 |
| 2023年度 | 62.5 | -2.5 |
| 2015年度 | 65.0 | ±0.0 |
| 2010年度 | 65.0 | +7.5 |
| 1995年度 | 57.5 | +5.0 |
| 1985年度 | 52.5 | -2.5 |
| 1975年度 | 55.0 | — |
底は1975年度ではなく、1985年度の52.5です。そこから1995年度57.5・2010年度65.0と上がり、2015年度も65.0でした。そのあとは下向きで、2023年度に62.5、2025年度に60.0となり、2026年度実績・2027年度予想も60.0です。65.0から2段階下がって、そこで3年止まっているという動きになります。なおこれは河合塾が出すボーダーの動きで、実際に合格した人の記述模試平均(60.7)とは別の数字です。
地域枠は東京女子医科大学にはありません|定員110人すべてが一般の枠
令和7年度の時点で、東京女子医科大学には地域枠等がありません。入学定員110人はすべて一般の枠です。地域枠が1人もいない大学は全80大学のうち9校だけで、東京女子医科大学はその1校にあたります。同じ区分(私立)の平均は14.3%、全体では19.9%が地域枠ですから、かなり珍しい形です。
| 項目 | この大学 | 同じ区分の平均 | 全80大学 |
|---|---|---|---|
| 入学定員 | 110人 | 119.6人 | 9,270人 |
| 地域枠等の募集人数 | 0人 | 17.1人 | 1,847人 |
| 地域枠の割合 | 0.0% | 14.3% | 19.9% |
| うち臨時定員ぶん | 0人 | — | 933人 |
| 割合の順位 | 80大学中79位 | — | — |
地域枠が0人というのは、全80大学のうち9校しかない形です。私立の平均は14.3%、全体では19.9%が地域枠ですから、少ないほうに入ります(割合の順位では80大学中79位)。入学定員110人すべてが一般の枠になります。ただし地域枠は年度ごとに新設・変更されるので、受ける年の募集要項で必ず確かめてください。
2つ注意があります。1つめは、地域枠のボーダー偏差値はどこも公表していないということです。河合塾が出しているボーダー偏差値は一般選抜のもので、枠ごとの数字ではありません。国公立の地域枠は合格者が10人に満たない大学が多く、合格最低点も「非開示」で止まっています。ですから地域枠については、偏差値ではなく募集人数と割合で見ることになります。2つめは、地域枠は「お金がもらえる枠」とはかぎらないことです。文部科学省の定義では、都道府県の奨学金と連動した枠に加えて、奨学金とは連動しない枠も地域枠等に含まれます。条件は大学と都道府県ごとに違うので、必ず各大学の募集要項で確かめてください。
同じ偏差値帯に並ぶ大学|併願先の決め方
偏差値を調べる目的は、たいてい「この大学を受けるなら、ほかにどこを受けるか」を決めるためだと思います。合格者平均が60.7の前後1.2以内にある大学を、国公立も含めて並べました。

| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 75位 | 埼玉医科大学 | 61.9 | 私立 |
| 76位 | 弘前大学 | 61.2 | 国立 |
| 77位 | 島根大学 | 61.0 | 国立 |
| 78位 | 金沢医科大学 | 60.8 | 私立 |
| 79位 | 東京女子医科大学 | 60.7 | 私立 |
| 80位 | 獨協医科大学 | 59.6 | 私立 |
合格者平均60.7の前後1.2には、東京女子医科大学を含めて6校が入ります。東京女子医科大学を除く5校の内訳は私立3校・国公立2校で、私立は埼玉医科・金沢医科・獨協医科、国公立は弘前・島根です。ここまで帯が小さいのは、この偏差値帯に大学の数そのものが少ないからです。併願先を偏差値だけで探すと、候補が5校しか出てきません。日程や科目の相性で広げる必要があります。
ボーダーと合格者平均は何が違うのか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、別のものを測っています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「実際に受かった人の記述模試の平均」。土台が違うので、自分の模試の偏差値と1対1で比べられるのはボーダーのほうです。
この違いは、数字にすると分かりやすくなります。私立31校を河合塾のボーダー別にまとめ、同じボーダーの大学どうしで合格者平均がどこまで開くかを出しました。

| ボーダー偏差値 | 私立の校数 | 合格者平均の幅 | 幅 |
|---|---|---|---|
| 72.5 | 1校 | 72.1 | — |
| 70.0 | 3校 | 68.1〜69.5 | 1.4 |
| 67.5 | 6校 | 64.0〜67.9 | 3.9 |
| 65.0 | 10校 | 62.1〜66.0 | 3.9 |
| 62.5 | 9校 | 59.6〜63.8 | 4.2 |
| 60.0 | 2校 | 55.8〜60.7 | 4.9 |
同じボーダー60.0が付いている私立は2校だけです(東京女子医科大学と川崎医科大学)。ところがその2校の合格者平均は55.8〜60.7と4.9ひらいていて、これは私立のどの組よりも大きい幅です。東京女子医科大学は60.7で、この組の上端にあたります。ボーダーが同じでも、実際に合格した人の層はまったく違うという、いちばん極端な例がこの組です。
もうひとつ、読むときの注意を書いておきます。合格者平均はその年に全統模試を受けて合格した人の平均で、一般選抜だけでなく推薦・総合型で合格した人も含みます。模試を受けていない人は入りません。つまり「60.7を取れば受かる」という意味の数字ではなく、大学同士の位置関係をつかむための物差しです。
太宰府アカデミーの視点|東京女子医科大学の偏差値をどう使うか
この大学でいちばん見てほしいのは、科目別の段差です。英語64.0に対して、数学58.6・理科59.6。3科目の開きは5.4で、全81校のなかで2番目に大きい数字です。全国平均との差で見ると、英語は−2.2ですが、数学は−6.2、理科は−6.0。英語だけが他の2科目より4ポイント近く上にある、という形になっています。
この形をどう使うかですが、「数学と理科ができなくてもいい」という意味ではありません。これは配点ではなく、受かった人たちの模試の結果です。読み取れるのは、自分の成績が英語に寄っている形なら、合格者の分布と近いところにいるということ。逆に理数型で英語が弱い人は、この大学の合格者の形とは違います。実際の配点と科目は、募集要項で必ず確かめてください。
併願の組み方については、この帯は難しいほうです。合格者平均60.7の前後1.2には6校しか入らず、東京女子医科大学を除くと5校(私立3・国公立2)。偏差値だけで併願先を探すと、候補がすぐ尽きます。この位置では、偏差値の近さより試験日程が重ならないこと・科目の相性で広げていくほうが現実的です。
東京女子医科大学の偏差値についてよくある質問
東京女子医科大学の偏差値はいくつですか?
河合塾の2027年度入試予想で、ボーダー偏差値は60.0です。2026年度入試の実績も60.0でした。2026年度に実際に合格した人の記述模試平均は60.7で、ボーダーより0.7高い数字です。
私立のなかで何位ですか?
合格者平均で並べると私立31校中29位、国公立を含めた全81校では79位です。28位の金沢医科(60.8)との差は0.1しかありません。
東京女子医科大学の偏差値は下がったのですか?
河合塾のボーダー偏差値は、2010年度と2015年度が65.0、2023年度と2024年度が62.5、2025年度から2027年度予想までが60.0です。65.0から2段階下がって、そこで3年止まっています。ただしこれは合格可能性50%のラインの話で、実際に合格した人の記述模試平均(60.7)とは別の数字です。
どの科目を伸ばせばいいですか?
合格者平均は英語64.0・数学58.6・理科59.6で、3科目の開きは5.4。これは全81校のなかで2番目に大きい数字です。全81校平均との差は英語−2.2・数学−6.2・理科−6.0で、英語だけが他の2科目より上にあります。ただしこれは配点ではなく合格者の模試結果です。配点は募集要項で確かめてください。
同じ偏差値の大学はどこですか?
同じボーダー60.0が付く私立は2校だけ(東京女子医科大学と川崎医科大学)で、2校の合格者平均は55.8〜60.7と4.9ひらいています。これは私立のどの組よりも大きい幅です。合格者平均60.7の前後1.2で見ると6校が入り、うち私立は3校です。
東京女子医科大学に地域枠はありますか?
令和7年度の時点でありません。入学定員110人すべてが一般の枠です。地域枠が0人の大学は全80大学のうち9校だけです。なお地域枠ごとのボーダー偏差値は、どの大学でも公表されていません。
まとめ|東京女子医科大学の偏差値
東京女子医科大学の偏差値について、この記事で分かったことを並べます。
- 河合塾の2027年度予想ボーダーは60.0(2026年度実績も60.0)
- 2026年度入試の合格者平均は60.7で、ボーダーより0.7高い
- 私立31校中29位・全81校中79位。28位の金沢医科とは0.1差
- 科目別は英64.0・数58.6・理59.6。3科目の開き5.4は全81校で2番目に大きい
- ボーダーは2015年度65.0 → 2023年度62.5 → 2025年度60.0と2段階下がった
- 地域枠は0人。定員110人すべてが一般の枠
明日からできることを1つだけ挙げるなら、記述模試の英語と、数学・理科の差を測ってみてください。この大学に受かった人たちは、そこに5.4の段差があります。
この記事を書いたのは、「東京女子医科大学 偏差値」と調べた人が、数字を1つだけ持ち帰って終わってしまうのがもったいないと思ったからです。60.0と60.7、この2つを並べて初めて、その大学がどのあたりにいるのかが見えます。
東京女子医科大学全体の入試情報(学費・科目と配点・倍率・繰り上げ合格・面接・国試合格率まで)は、大学ページにまとめています。東京女子医科大学医学部の入試情報はこちら。
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後藤 登(Goto Noboru)
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