こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
10月から11月は、夏から秋に受けた模試の結果が次々に返ってくる時期です。志望校の欄に「E」が並んだ成績表を見て、手が止まった人もいると思います。
先に答えを書きます。医学部のE判定は、河合塾の定義で「合格可能性20%以下」です。0%ではありません。太宰府アカデミーの合格体験記(医学部合格者113人分)には、高3の偏差値34、最初のテストで全教科最下位、数学の偏差値29といった、E判定よりさらに遠い所から医学部に受かった先輩が14人います。
この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。
− 模試でE判定だった。医学部はもう無理なのか知りたい
− E判定から医学部に受かった人が本当にいるのか、その人は何をしたのか知りたい
− 逆転するのに何年かかるのか知りたい
河合塾の公表と、自社の合格体験記の原文で確かめました。

この記事の目次
結論|医学部のE判定は合格可能性20%以下。偏差値34から受かった先輩もいる
E判定の意味と、E判定より遠い所から医学部に受かった先輩14人の記録を、5つにまとめました。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| E判定の意味 | 河合塾の全統模試では合格可能性20%以下。模試を受けた時点の評価で、0%ではない |
| 受かった人はいるか | 合格体験記113人のうち、出発点を数字か判定で書いた14人が医学部に合格。偏差値34・全教科最下位・数学の偏差値29から |
| 何をしたか | いちばん多いのは「授業と復習を軸にした」5人。次が「苦手科目を1つに絞った」4人 |
| 何年かかったか | 1年で届いたのは5人。7人は3年以上かかった |
| 国公立か私立か | 14人のうち国公立は1人(島根大学)。13人は私立 |
ただし、合格体験記は合格した人が書いたものです。同じことをして届かなかった人は、この中に入っていません。「これをすれば受かる」という話ではなく、「受かった人は何をしていたか」の記録として読んでください。
医学部のE判定とは|河合塾の定義は「合格可能性20%以下」
河合塾のKei-Netにある入試用語集は、模試の判定(合格可能性評価)をこう説明しています。
模試を受けた時点での志望校の合格可能性を示すもの。河合塾の全統模試の場合、A判定(合格可能性80%以上)、B判定(同65%)、C判定(同50%)、D判定(同35%)、E判定(同20%以下)の5段階で評価される。

| 判定 | 合格可能性 |
|---|---|
| A判定 | 80%以上 |
| B判定 | 65% |
| C判定 | 50% |
| D判定 | 35% |
| E判定 | 20%以下 |
ここから読み取れることは2つです。
1つ目。E判定は「20%以下」で、0%とは書かれていません。A判定でも「80%以上」で、100%ではありません。判定は合否の予告ではなく、可能性の目安です。
2つ目。判定は「模試を受けた時点」の評価です。10月の模試なら、10月の時点で志望校までどれだけ距離があるかを表しています。入試当日の位置ではありません。
C判定(50%)がボーダーラインです。ボーダーに届いていても2人に1人は落ち、届いていない人が受かることもはじめから織り込まれています。私立31校のうち19校では、実際に受かった人の平均偏差値がボーダーより下でした。くわしくは医学部の逆転合格は起きているのか|合格者平均がボーダー未満の19校で確かめてください。
E判定は「受からない」ではなく「いまの距離が遠い」という意味です。見るべきは判定の文字ではなく、志望校までの距離を何点・何ポイントで埋めるかです。
E判定より遠い所から医学部に受かった先輩14人|合格体験記113人から
太宰府アカデミーの公式サイトにある合格体験記(医学部合格者113人分)を原文で読み直し、出発点の成績を数字(偏差値・点数・順位)か判定で書いている人を数えました。14人です。

| 先輩 | 出発点(本人の記述) | 年数 | 合格 |
|---|---|---|---|
| O・Sさん | 入学時の共テ模試622点。本番737点でもリサーチは最高D判定 | 1浪 | 島根大学 正規合格ほか私立2校 |
| M・Sさん | 秋の私大プレテストの判定が「かなり悪く」、共テも失敗 | 1浪 | 福岡大学 正規合格(特待生)ほか2校 |
| K・Sさん | 高校の総合順位は170人中ずっと下から20位以内 | 1浪 | 兵庫医科大学 正規合格 |
| K・Tさん | 4年間受験から離れた再受験。4月の英語は高校入試レベルで3割も取れず | 再受験の1年 | 金沢医科・岩手医科 正規合格、東海 合格 |
| O・Rさん | 偏差値50くらい | アカデミーで1年 | 川崎医科大学 正規合格 |
| I・Mさん | 高校の模試の偏差値は34。化学は点数が1桁のことも | 2浪 | 久留米大学 正規合格ほか2校 |
| U・Kさん | 高3の総合偏差値34。「五浪しても受からん」と言われた | 2浪以上(1浪目は大手予備校) | 埼玉医科大学 合格 |
| N・Kさん | 最初の学力検査は5教科平均の偏差値43で最下位 | 3浪 | 川崎医科大学 正規合格 |
| T・Kさん(金沢医科) | 現役のときの総合偏差値は40程度 | アカデミーで3年 | 金沢医科大学 合格 |
| E・Aさん | 1浪の最初の模試で数学の偏差値29。2浪が終わって1次も0校 | 3浪 | 川崎医科大学 合格 |
| M・Kさん | 最初のテストは全教科最下位。物理は0点 | アカデミーで3年 | 岩手医科大学 繰上合格 |
| M・Tさん | 物理・化学の偏差値はどの模試でも60前後 | 3浪(1浪目は自宅浪人) | 久留米大学 正規合格 |
| T・Iさん | 浪人当初の英語の偏差値は40程度 | 4浪 | 福岡大学 正規合格ほか2校 |
| T・Kさん(福岡大) | 3浪目まで1次合格0校。入学時は1次合格ラインを25〜100点下回った | 4浪 | 正規合格2校・最終合格4校 |
河合塾の2027年度入試のボーダー偏差値は、医学部でいちばん低い大学(川崎医科大学・東京女子医科大学)でも60.0です。偏差値34はそこから26ポイント、40は20ポイント下にあります。体験記の偏差値は模試の種類がそろっていないので単純には比べられませんが、どの医学部のボーダーからも20ポイント以上離れた位置から始めた人が、何人もいるということです。
表の外にも、数字は書かずに「模試の成績が悪かった」「最後まで医学部のレベルに届かなかった」と書いた先輩がさらに5人います。
島根大学に合格したO・Sさんは、入学したときの共テ模試が622点でした。本番は737点まで上げましたが、それでも「リサーチを見ても最高でD判定です。ここでもう辞めたいと正直思いました」と書いています。それでも2次試験までの1か月を勉強し続けて、合格しました。
埼玉医科大学に合格したU・Kさんは、高3のときの総合偏差値が34で、学校の先生に「このままならお前は、五浪しても受からん」とまで言われていました。体験記の見出しは「『成績やばいから、医学部は…』と諦めるのはもったいないよ!」です。
14人がしたこと|いちばん多いのは「授業と復習を軸にした」5人
14人の体験記で、いちばん詳しく書かれていた行動を1人1つずつ取り出し、4つの型に分けました。

| したこと | 人数 | 先輩 |
|---|---|---|
| 授業と復習を軸にした(参考書を増やさない) | 5人 | O・R・I・M・N・K・T・K(金沢医科)・E・A |
| 苦手科目を1つに絞って時間を足した | 4人 | O・S・K・T・M・T・T・I |
| 自分のやり方を捨て、先生のやり方に変えた | 3人 | K・S・M・K・T・K(福岡大) |
| 相談して「やること」を決め直した | 2人 | M・S・U・K |
14人のうち9人は、「授業と復習」か「苦手1科目」のどちらかでした。どちらも、やることを増やすのではなく絞る型です。
1. 授業と復習を軸にした(5人)
いちばん多かったのは、新しい参考書に手を広げず、毎日の授業と復習を軸にした人です。数学の偏差値29から川崎医科大学に受かったE・Aさんは、2浪が終わった時点で1次合格が0校でした。受かった人との違いを考えて、3浪目は「参考書に手を出しすぎない」と決め、授業の復習を2回、3回と繰り返したと書いています。
5教科平均の偏差値43・最下位から川崎医科大学に受かったN・Kさんは、朝5時に起きて前日の復習、夜10時まで授業の復習という生活で、平均偏差値60まで伸ばしました。
2. 苦手科目を1つに絞って時間を足した(4人)
総合の判定を下げていたのが1科目だった人は、そこに時間を集めています。英語の偏差値40程度から福岡大学に受かったT・Iさんは、夏前から12月まで英語の個別指導を取り、回を重ねるごとに自分のミスの傾向が分かって、過去問の得点率が上がっていったと書いています。O・Sさんは共テの国語を漢文から立て直しました。
3. 自分のやり方を捨て、先生のやり方に変えた(3人)
兵庫医科大学に受かったK・Sさんは、高校の総合順位が170人中ずっと下から20位以内でした。体験記には、自分の勉強法にこだわらず言われた通りにやったことで、英語と化学の偏差値が25〜30くらい伸びたとあります。最初のテストで全教科最下位・物理0点だったM・Kさんも、入学したころは自分のやり方を貫こうとしていたと振り返っています。
4. 相談して「やること」を決め直した(2人)
秋の私大プレテストの判定が悪かったM・Sさんは、冬期講習で志望大学の対策授業を取れるだけ取りました。U・Kさんは、成績が上がるほどやることが増えて嫌になったとき、教務に相談して「いま自分がすべきこと」を決め直しています。
14人それぞれが書いた行動は、次の表のとおりです。
| 先輩 | したこと(本人の記述から) |
|---|---|
| O・Sさん | 共テの苦手(国語)を漢文から。朝に量を決めて演習し、共テ後も2次まで1か月続けた |
| M・Sさん | 冬期講習で志望する大学の対策授業をとにかく取った |
| K・Sさん | 自分の勉強法を捨て、言われた通りにやった。英語と化学は偏差値25〜30くらい伸びた |
| K・Tさん | 理数を得点源にし、英語は個別で見てもらった。11月の全統記述模試で総合偏差値73.3 |
| O・Rさん | 授業をほぼ寝ずに受け、先生を信じてついていった |
| I・Mさん | 予習・復習と、日々のテストの勉強を続けた |
| U・Kさん | 教務に相談して、いま自分がすべきことを決め直した |
| N・Kさん | 朝5時に起きて前日の復習、夜10時まで授業の復習。平均偏差値60まで伸びた |
| T・Kさん(金沢医科) | 授業に集中し、分からないところはその日のうちに解決した |
| E・Aさん | 参考書に手を広げず、授業の復習を2回、3回と繰り返した |
| M・Kさん | 理解するまで何度も質問し、自分のやり方を貫くのをやめた |
| M・Tさん | 苦手な化学を1年間鍛え、得点源にした |
| T・Iさん | 夏前から12月まで英語の個別を取り、ミスの傾向をつぶした |
| T・Kさん(福岡大) | 授業で教わった内容を素直に吸収し、面接は学校ごとに練習した |
4つの型に共通しているのは、やることを増やさず、絞っていることです。模試の復習のタイミングについては、研究の結果を模試の復習はいつやるかにまとめています。
何年かかったか|1年で届いたのは5人、7人は3年以上
14人が体験記に書いた浪人・再受験の年数を数えました。

| 年数 | 人数 | 先輩 |
|---|---|---|
| 1年 | 5人 | O・S・M・S・K・S・K・T・O・R |
| 2年 | 2人 | I・M・U・K |
| 3年 | 5人 | N・K・T・K(金沢医科)・E・A・M・K・M・T |
| 4年 | 2人 | T・I・T・K(福岡大) |
1年で届いた人は5人です。4年間受験から離れたあとに再受験したK・Tさんは、4月の英語が高校入試レベルで3割も取れなかったところから、11月の全統記述模試で総合偏差値73.3まで上げ、1年で金沢医科大学と岩手医科大学に正規合格しました。
一方で、14人の半分にあたる7人は、3年以上かかっています。3浪目まで1次合格が0校だったT・Kさん(福岡大)は、4浪目に正規合格2校・最終合格4校を手にしました。E判定から医学部に受かることはあります。ただ、多くは1年の話ではありませんでした。
医学部の入学者のうち浪人を経験した人の割合は、医学部の浪人率で国の統計からまとめています。
秋のE判定から逆転した2人|共テのあとと冬期講習
いまは10月の終わりです。「秋の時点で判定が悪かった」と書いた人に絞ると、14人のうち2人います。
M・Sさん(福岡大学・特待生)は、秋の私大プレテストの判定がかなり悪く、共通テストも失敗しました。残っていた冬期講座で志望大学の対策授業を取り、福岡大学に特待生で正規合格、久留米大学と岩手医科大学にも正規合格しています。
O・Sさん(島根大学)は、共テ本番のあとのリサーチで最高D判定でした。そこから2次試験までの1か月を勉強し続けて、国公立に合格しました。
2人とも、秋の判定を見て志望校の勉強をやめていません。ただし2人とも、春から1年間の積み上げがあったうえでの逆転です。秋の判定はそこから3か月で何を埋めるかを決める材料として使ってください。共テで失敗したときの出願の考え方は共テで失敗したら医学部は?足切り11校・私立15校にまとめています。
太宰府アカデミーの視点|E判定が出た日にやる3つ
14人の記録と判定の意味から、E判定が出た日にやってほしいことを3つ挙げます。
1. 判定ではなく「何ポイント足りないか」を書き出す
同じE判定でも、ボーダーまで3ポイントの人と15ポイントの人では状況がまったく違います。志望校のボーダーと合格者平均を並べ、いまの自分との差を数字にしてください。全統模試の偏差値と大学別の合格者平均は全統模試 医学部合格者の偏差値に載せています。
2. 科目別に見て、総合を下げている1科目を探す
14人のうち4人は、苦手な1科目に時間を集めていました。総合のE判定が、実は1科目の失点で決まっていることはよくあります。成績表の科目別の偏差値を並べて、いちばん低い科目を確かめてください。
3. 参考書を増やす前に、いまの教材の復習が何回目かを数える
判定が悪いと、新しい問題集を買いたくなります。14人でいちばん多かったのは、その逆の「授業と復習を軸にした」人でした。いま手元にある教材を何回解き直したかを先に数えてください。
太宰府アカデミーでは、模試が返ってきた日に担任と科目別の成績を並べ、次の模試までに埋める点数を科目ごとに決めています。
よくある質問|医学部のE判定
Q1. 医学部でE判定だと、受かる確率は何%ですか?
河合塾の全統模試では、E判定は「合格可能性20%以下」と定義されています(Kei-Net 入試用語集)。模試を受けた時点の評価なので、入試までの伸びは入っていません。
Q2. 秋にE判定でした。医学部の志望校を変えるべきですか?
判定の文字だけで決めないでください。志望校のボーダーと合格者平均まで何ポイントか、どの科目で離れているかを先に確かめます。私立31校のうち19校は、受かった人の平均がボーダーより下です。
Q3. 偏差値40から医学部に受かるには何年かかりますか?
決まった年数はありません。合格体験記の14人では、1年で届いた人が5人、3年以上かかった人が7人でした。現役のときの総合偏差値が40程度だったT・Kさんは、アカデミーで3年かけて金沢医科大学に合格しています。
Q4. 国公立医学部でもE判定から逆転できますか?
14人のうち国公立に合格したのは1人(島根大学)で、13人は私立でした。国公立は共通テストの比重が大きく、共テの点数で足切りする大学もあります。各大学の共テと2次の比率は共通テストの配点比率|国公立医学部50校は20〜90%で確かめてください。
まとめ|医学部のE判定で押さえる5点
- E判定は河合塾の定義で合格可能性20%以下。模試を受けた時点の評価で、0%ではない
- 合格体験記113人のうち14人が、偏差値34・全教科最下位・数学の偏差値29などから医学部に合格した
- いちばん多い行動は「授業と復習を軸にした」5人、次が「苦手科目を1つに絞った」4人
- 1年で届いたのは5人。7人は3年以上かかった
- 合格した人の記録なので「これをすれば受かる」ではない。届かなかった人は数えていない
今日やることは1つです。返ってきた成績表を出して、志望校まであと何ポイントかを科目ごとに書き出してください。E判定の「E」を、埋める点数に置き換えるところから始まります。
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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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