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私立医学部の入学手続き|締切までに0〜1,100万円|2027年度入試

2026年10月16日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。

本日は、受験が終わったあとの話をします。「医学部にいくらかかるか」は6年間の総額で語られることがほとんどですが、ご家庭が最初につまずくのは、そこではありません。合格発表の日から、最初の手続の締切までの、1週間前後です。

たとえば東京女子医科大学は、2027年度から総合型選抜を始めました。2026年11月6日に合格発表があり、手続の締切は2026年11月17日。その日までに1,074万9,000円を納めます(分割を選んでも624万9,000円)。発表から締切まで、わずか11日です。試験は10月18日と31日で、手続の締切は11月17日。受験生にとっては、もう1か月先の話です。

そこで、私立医学部の2027年度(令和9年度)の学生募集要項を1校ずつ開いて、「合格発表はいつか」「手続の締切はいつか」「その日までにいくら払うのか」の3つを集めました。31校のうち30校の要項を読み、一般選抜の締切と額が入ったのは28校、年内入試(総合型・学校推薦型)の日程と額が読めたのは24校56区分です(2026年10月16日現在)。

− 医学部に受かったら、いつまでにいくら払うの?

− 入学金だけ先に払って、残りは待ってもらえないの?

− 国公立の発表を見てから振り込むことはできるの?

− 辞退したら、どのお金がいつまでなら戻るの?

要項に書いてある数字だけで、順に見ていきます。

 

 

結論|締切までに払う額は0円から1,100万円まで開く

先に答えを出します。一般選抜28校で見ると、合格してから最初の締切までに払う全額は、0円(自治医科大学)から1,074万9,000円(東京女子医科大学)まで開きます。0円を除いた中央値は489万6,800円で、900万円以上が5校。いちばん多い東京女子医科大学は、国立大学の医学部の6年分の学費(349万6,800円)の約3倍です。

年内入試(総合型・学校推薦型)まで含めると、いちばん多いのは金沢医科大学の総合型の1,100万円です。同じ大学の一般選抜(650万円)より大きいのは、年内入試では初年度分を一括で納めるためです(次の章で書きます)。

私立医学部の一般選抜で入学手続の締切日までに払う全額。東京女子医科大学1,074万9,000円、川崎医科大学1,050万円、北里大学943万8,000円、自治医科大学0円
出典:私立医学部の2027年度(令和9年度)学生募集要項・受験生サイト(2026年10月確認)より太宰府アカデミー集計。31校中30校の要項を確認。分割・二段階納入を選ばない場合の全額。上位8校と自治医科大学(図中の金額は万円未満を四捨五入。正確な額は下の表)

下が、全28校の順位表です。「全額」は、分割や二段階納入を選ばずに、締切までに払い終える額(二段階納入の大学は2回目までの合計)です。いちばん右は、分割や二段階を選んだときに最初に要る額です。

大学 締切までの全額 最初の締切 最初の額
1. 東京女子医科大学 1,074万9,000円 3月2日 624万9,000円(分割なら)
2. 川崎医科大学 1,050万円 2月17日 一括のみ
3. 北里大学 943万8,000円 2月24日 568万8,000円(分割なら)
4. 岩手医科大学 940万円 2月26日 590万円(分割なら)
5. 獨協医科大学 930万円 3月4日 575万円(分割なら)
6. 埼玉医科大学 882万円 2月25日 一括のみ
7. 聖マリアンナ医科大学 697万円 2月25日 一括のみ
8. 帝京大学 663万1,660円 2月19日 一括のみ
9. 久留米大学 651万3,000円 3月3日 100万円(入学金のみ)
10. 金沢医科大学 650万円 3月1日 一括のみ
11. 杏林大学 629万700円 2月25日 一括のみ
12. 愛知医科大学 620万円 3月3日 一括のみ
13. 兵庫医科大学 577万5,000円 3月3日 200万円(入学金のみ)
14. 東京医科大学 489万6,800円 3月1日 一括のみ
15. 日本医科大学 450万円 2月19日 150万円(入学金のみ)
16. 日本大学※1 442万円 2月24日 100万円(入学金のみ)
17. 国際医療福祉大学 434万5,000円 2月18日 309万5,000円(分割なら)
18. 近畿大学 404万9,500円 3月5日 一括のみ
19. 昭和医科大学 389万5,000円 2月22日 150万円(入学金のみ)
20. 東海大学 382万300円 2月24日 100万円(分割なら)
21. 大阪医科薬科大学 355万7,500円 2月27日 一括のみ
22. 東京慈恵会医科大学 350万円 3月4日 100万円(入学金のみ)
23. 藤田医科大学 348万6,000円 2月24日 150万円(入学金のみ)
24. 順天堂大学 290万円 2月26日 245万円(分割なら)
25. 関西医科大学 219万5,000円 3月8日 一括のみ
26. 東北医科薬科大学※3 166万4,550円 3月5日 100万円(入学金のみ)
27. 産業医科大学※2 125万7,800円 3月25日 一括のみ
28. 自治医科大学 0円 2月25日 現金なし(貸与)

表の読み方を3つ添えます。

1つめ。いちばん多いのは東京女子医科大学の1,074万9,000円です。初年度だけ教育充実費が330万円かかるためで、翌年からは80万円です。分割を選べば、手続のときは624万9,000円で済みます。

2つめ。2位の川崎医科大学は1,050万円で、分割の案内がありません。合格発表から手続の締切まで4日しかありません。しかも全寮制のため、寮費・食費・互助会費などの諸会費178万円が、別にかかります(2027年度の要項で、納期は2027年3月31日)。

3つめ。最後の自治医科大学は、学納金そのものが現金では動きません。表には0円と書いていますが、払わないのではなく貸与されます。これは後の章で詳しく書きます。

この表でいちばんお伝えしたいのは、6年間の総額よりも、締切日に要る現金のほうが大きく開くということです。6年総額(学費)は1,850万円(国際医療福祉大学)から4,550万円(川崎医科大学)まで2.5倍ですが、一般選抜で締切までに払う全額は0円から1,074万9,000円までで、倍率では言い表せません。

発表から最初の締切までの日数も短いです。発表日が分かる23校のうち、16校が6日から8日でした。いちばん短いのは東京慈恵会医科大学(3日)です。

そして正直に書いておきます。一般選抜の締切と額が取れていないのは3校で、上の表には入れていません。「制度が無い」という意味ではなく、要項がまだ出ていない、というだけです。

大学 一般選抜の締切と額が取れていない理由
東邦大学 総合・同窓生子女・推薦の要項は取れています。一般入試・統一入試の要項は11月4日ごろに公開予定です
慶應義塾大学 2027年度の一般選抜要項が未公開です(入試制度のページに載っているのは昨年度の参考版)
福岡大学 一般選抜の要項は11月上旬に掲載予定です。学校推薦型の要項は訂正後の版で読めたので、年内の表には入っています

もう1つ。表の※の3校は、要項や公式ページの読み取りに、残っている注意点があります。数字を使うときは、ここを読んでからにしてください。

表の印 読み取りに残る注意点
※1 日本大学 一般選抜の2027年度募集要項PDFは未公開。日程は入学者選抜案内(『予定』と注記)、額は学納金のページ(年度の記載なし)。二段階の2回目(3月11日)も予定です。年内の学校推薦型は、令和9年度の募集要項PDF(9月28日〜10月8日掲載)で日程と額を確かめています
※2 産業医科大学 全員に修学資金が貸与されるため、手続時に払うのが入学料100万円か、貸与を引いた実質額かが要項から読めません。表は入学料100万円+諸会費で数えています(年内の学校推薦型も同じ数え方です)
※3 東北医科薬科大学 入学金の期限(3月5日)と書類提出の期限(3月11日)が別。施設設備費・保険料がどちらの日かは読めないため、全額は最終の3月11日に置いています。年内の総合型は入学手続の期間(11月2日〜16日)で数えています

▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【親御さん必見】私立医学部 学費|締切までに払う額28校

 

年内入試は発表から6〜21日|金沢医科は7日で1,100万円

ここがこの記事の本題です。総合型選抜と学校推薦型選抜は、合格発表から手続の締切までが、短くて6日、長くても21日です。要項から手続の日程と額を読み取れた24校56区分を、発表日の早い順に並べます。同じ大学で日程も額も同じ区分は、1行にまとめています。

年内入試(総合型・学校推薦型)で合格発表から手続締切までに払う額。金沢医科大学の総合型は12月10日発表・12月17日締切で1,100万円、東京女子医科大学は1,074万9,000円、岩手医科大学の地域枠Aは200万円、福岡大学は入学金の100万円、自治医科大学は0円
出典:私立医学部の2027年度(令和9年度)学生募集要項・受験生サイト(2026年10月確認)より太宰府アカデミー集計。31校中30校の要項を確認。2026年に合格発表がある56区分から9行(図中の金額は万円未満を四捨五入。全56区分の正確な額は下の表)
大学(区分) 合格発表 手続締切 払う額
獨協医科大学
(総合型)
9月30日 10月7日
(7日後)
930万円
東北医科薬科大学
(総合型)
11月2日 11月16日
(14日後)
166万4,550円
東京女子医科大学
(総合型)
11月6日 11月17日
(11日後)
1,074万9,000円
川崎医科大学
(総合型)
11月17日 11月25日
(8日後)
1,050万円
藤田医科大学
(ふじた未来)
11月30日 12月7日
(7日後)
348万6,000円
獨協医科大学
(推薦)
12月1日 12月8日
(7日後)
930万円
埼玉医科大学
(推薦3区分)
12月1日 12月11日
(10日後)
882万円
聖マリアンナ医科大学
(推薦2区分)
12月1日 12月8日
(7日後)
697万円
帝京大学
(推薦)
12月1日 12月9日
(8日後)
663万1,660円
久留米大学
(推薦4区分)
12月1日 12月17日
(16日後)
651万3,000円
兵庫医科大学
(推薦2区分)
12月1日 12月8日
(7日後)
577万5,000円
昭和医科大学
(推薦2区分)
12月1日 12月8日
(7日後)
389万5,000円
大阪医科薬科大学
(推薦)
12月1日 12月11日
(10日後)
355万7,500円
自治医科大学
(推薦・総合型)
12月1日 2027年2月25日 0円
岩手医科大学
(推薦・総合型)
12月2日 12月11日
(9日後)
940万円
岩手医科大学
(地域枠A)
12月2日 12月11日
(9日後)
200万円
(入学金のみ)
東京医科大学
(推薦3区分)
12月3日 12月10日
(7日後)
489万6,800円
東京女子医科大学
(推薦)
12月4日 12月15日
(11日後)
1,074万9,000円
東邦大学
(総合・同窓生子女)
12月9日 12月15日
(6日後)
529万7,800円
福岡大学
(推薦2区分)
12月9日 12月23日
(14日後)
100万円
(入学金のみ)
金沢医科大学
(総合型5区分)
12月10日 12月17日
(7日後)
1,100万円
愛知医科大学
(推薦)
12月10日 12月22日
(12日後)
620万円
愛知医科大学
(推薦・地域特別枠A)
12月10日 12月22日
(12日後)
170万円
関西医科大学
(推薦・特色選抜3区分)
12月10日 12月18日
(8日後)
219万5,000円
兵庫医科大学
(総合型4区分)
12月11日 12月18日
(7日後)
577万5,000円
産業医科大学
(推薦)
12月11日 12月17日
(6日後)
125万7,800円
国際医療福祉大学
(総合型)
12月14日 12月21日
(7日後)
344万5,000円
近畿大学
(推薦)
12月16日 12月24日
(8日後)
404万9,500円
東京医科大学
(推薦)
12月17日 12月24日
(7日後)
489万6,800円
日本大学
(推薦7区分)
12月23日 1月13日
(21日後)
442万円

年内入試でいちばん多いのは、金沢医科大学の総合型です。12月10日発表・12月17日締切で、その日までに1,100万円。5区分(AO入試・卒業生子女入試・指定地域・研究医枠・新潟県地域枠)が同じ日程・同じ額で、分割の案内はありません。

同じ大学の一般選抜は、手続のときが前期分の650万円で、後期分は入学後の9月です。総合型は初年度分を一括で納めるので、その差の450万円が、手続の時点で上乗せされます。年内に決まると、一般選抜よりも早く、しかも多く払うことになります。

次に多いのが、東京女子医科大学の総合型(11月6日発表・11月17日締切で1,074万9,000円。分割なら624万9,000円)と、川崎医科大学の総合型(1,050万円)です。年内入試の上位3校は、いずれも1,000万円を超えます。900万円以上まで広げると5校で、岩手医科の推薦・総合型(940万円)と獨協医科の総合型・推薦(930万円)が入ります。

今年の総合型の第1号は、すでに終わっています。獨協医科の総合型は9月30日発表・10月7日締切で、930万円を納める日程でした。いま(2026年10月16日)から数えて、次に締切が来るのは11月の3つです。

− 東北医科薬科大学(総合型) … 11月2日発表、11月16日締切。166万4,550円。分割の案内はありません

− 東京女子医科大学(総合型) … 11月6日発表、11月17日16時必着。1,074万9,000円(分割なら624万9,000円)

− 川崎医科大学(総合型) … 11月17日発表、手続期間は11月17日〜11月25日。1,050万円。分割の案内はなく、発表から8日後が締切です

そして12月は、締切が集中します。20校の手続が、12月7日(藤田医科大学)から12月24日(近畿大学・東京医科大学)までの18日間に並びます。払う額は、入学金だけを先に納める福岡(100万円)から、金沢医科(1,100万円)まで。日本大学の推薦だけは、発表が12月23日で、手続の締切は年をまたいだ2027年1月13日です(発表から21日)。

年内入試が一般選抜と決定的に違うのは、この段階ではまだ、他の大学の結果が1つも出ていないことです。一般選抜なら「2月にA大学が受かったから、B大学は辞退する」と判断できますが、12月の時点では比べる相手がいません。年内入試に出願するかどうかは、合格したときに納める額を見てから決めるものです。

もう1つ、一般選抜との違いがあります。一般選抜では入学金だけ先に納めて待てる大学が、年内入試では全額の一括だけになることがあります。該当するのは、東北医科薬科・藤田医科・久留米・兵庫医科・昭和医科・日本大の6校です。たとえば兵庫医科は、一般選抜Aなら入学金200万円だけで手続でき、残りは3月10日まで待てます。ところが年内の総合型・推薦は、577万5,000円を一括で締切日に納めます。昭和医科も、一般選抜Ⅰ期なら分納で最初は150万円ですが、推薦は389万5,000円一括です。(日本大学の一般選抜の二段階納入は、まだ『予定』の日程です。)

最後に、数字の確かさについて2つ書いておきます。

− 地域枠のうち12区分は、臨時定員増の認可を待っている段階です。日本大学の県地域枠6区分、金沢医科大学の研究医枠と新潟県地域枠、東京医科大学・埼玉医科大学・聖マリアンナ医科大学・愛知医科大学の地域枠で、日程と額は暫定の要項や公式ページのものです。募集人員や内容が変わることがあります

− 総合型でも、合格発表が2027年(共通テストのあと)の区分は、この表に入れていません。帝京の総合型は2月13日発表・2月19日締切で663万1,660円、大阪医科薬科の『至誠仁術』入試は3月16日発表、産業医科の総合型選抜(ラマツィーニ選抜)は2月12日発表です。年内の手続とは別の話なので、2月以降の日程として見てください

31校のうち7校は、年内の表に載っていません。「取れていない」のではなく、理由が3つに分かれます(2026年10月16日現在)。

− 要項の募集区分に、総合型も推薦も載っていない … 日本医科・杏林・東京慈恵会医科・慶應義塾(4校)。慶應義塾は、総合型・推薦の対象学部に医学部が入っていません

− 医学部の推薦が指定校だけ … 北里。公募の推薦も総合型もありません

− 総合型はあるが、合格発表が2027年 … 東海(総合型の発表は2月7日)、順天堂(研究医特別選抜の発表は2月20日)

 

分納できる大学とできない大学|手続の型は4つに分かれる

「締切までに払う額」が大学ごとに違うのは、金額そのものより手続のしかたが違うからです。一般選抜28校を並べると、4つに分かれました。

私立医学部の入学手続きの型4つ。一括だけが12校、全納か分割を選べるのが7校、二段階納入が8校、現金を払わないのが1校
出典:私立医学部の2027年度(令和9年度)学生募集要項・受験生サイト(2026年10月確認)より太宰府アカデミー集計。31校中30校の要項を確認。一般選抜の手続の型が読み取れた28校
型 中身 大学
① 一括だけ(12校) 締切日に全額を納める。分割の選択肢が無い 川崎医科・埼玉医科・聖マリアンナ医科・帝京・金沢医科・杏林・愛知医科・東京医科・近畿・大阪医科薬科・関西医科・産業医科
② 全納か分割を選べる(7校) 2回目は入学後(9月末〜10月末) 東京女子医科・北里・岩手医科・獨協医科・国際医療福祉・東海・順天堂
③ 二段階納入(8校) 先に入学金だけ。残りは後日でよい 久留米・兵庫医科・日本医科・日本大・昭和医科・東京慈恵会医科・藤田医科・東北医科薬科
④ 現金を払わない(1校) 学納金の全額が修学資金として貸与される 自治医科

いちばん多いのが①の一括だけで、12校あります。4割強の大学は、締切日に全額を納める形です。注意が要るのは次の3つです。

− 近畿大学 … 要項の日程表に「(医学部は手続方法[Ⅰ]のみ)」と注記があり、他の学部にある分割手続が医学部だけ使えません。他学部の案内を読むと取り違えます

− 帝京大学 … 医学部は、分納(入学金だけ先に納める)制度の対象外です。制度があるのは薬・経済・法・文などの学部だけです

− 久留米大学の公募推薦 … 要項の表題そのものが「入学時納入金の納入(一括納入)および入学手続書類提出締切日」で、分割の選択肢が最初からありません

③の二段階納入は、先に入学金だけを納め、残りを後日に回せる形で、8校あります。次の章で、その「後日」がいつまで延びるかを見ます。

 

国公立の発表を見てから払えるか|入学金以外は3月19日まで待てる大学がある

併願する家庭がいちばん知りたいのは、これだと思います。国公立大学の前期日程の合格発表は3月6日〜10日(国立大学協会 令和9年度入学者選抜実施要領)です。二段階納入の8校のうち、入学金以外の額と期限を読み取れた7校を、期限が遅い順に並べました(上の5校が3月10日か、それより後です)(東北医科薬科大学は、施設設備費などの納期が読めないため除きます)。

大学 先に払う入学金 残りの額
久留米大学 100万円
(3月3日)
551万3,000円
(3月19日 23時59分必着)
日本大学 100万円
(2月24日)
342万円
(3月11日・予定)
藤田医科大学 150万円
(2月24日)
198万6,000円
(3月10日 23時59分)
兵庫医科大学 200万円
(3月3日)
377万5,000円
(3月10日・手続猶予の特例)
東京慈恵会医科大学 100万円
(3月4日)
250万円
(3月10日 15時)
昭和医科大学 150万円
(2月22日)
239万5,000円
(3月3日 正午)
日本医科大学 150万円
(2月19日)
300万円
(2月24日)

3月10日か、それより後まで待てるのは5校です。なかでも久留米大学は、入学金以外の期限が3月19日。国公立前期の発表が全部終わったあとの日付です。要項の日程表では、医学部医学科は3月3日が入学申込(入学金の納入)、3月19日が入学手続(残りの納入)の締切になっています。日本大学の3月11日は、案内ページに「予定」と注記がある日付です。

それ以外では、藤田医科大学が3月10日の23時59分、兵庫医科大学と東京慈恵会医科大学が3月10日。分割を選んだ東海大学の2回目(2027年3月9日17時)がそれに次ぎます。発表が3月10日の国公立を受けた人は、その日のうちに決めることになります。慈恵医科は、その日の15時までです。

ただし、待てるのは入学金以外だけです。各校でいちばん早い一般選抜の区分で、最初の締切(一括なら全額、二段階なら入学金)がいちばん遅いのは関西医科大学の3月8日です(発表そのものが3月19日の産業医科大学と、現金を払わない自治医科大学は除きます)。入学金そのものを、国公立前期の発表が終わる3月10日まで待ってくれる大学は、取れている範囲にはありません。待つ代わりに先に払う入学金は、久留米・慈恵医科・日本大が100万円、藤田医科が150万円、兵庫医科が200万円。辞退しても入学金は戻らないのが原則ですから、この額が「待つための値段」になります。

 

現金を1円も払わない自治医科大学と、入口が200万円の岩手医科・地域枠A

30校を並べていて、他と形がまったく違ったのが2つあります。

大学(区分) 締切までに払う額 中身
自治医科大学
(全区分)
0円 学納金の全額が修学資金として貸与される。現金の納入は行わない
岩手医科大学
(推薦・総合型)
940万円 分割を選べば590万円。残り350万円は入学後の9月下旬
岩手医科大学
(地域枠A)
200万円 入学金のみ。残り700万円と諸会費40万円は2027年4月26日まで

1つめは自治医科大学です。ここだけ、入学手続の時点で払う現金が0円です。令和9年度の募集要項には、学生納付金は入学者全員に修学資金として貸与され、「現金による貸与及び納入は行わず、書面によるものとなります」とはっきり書かれています。手続の際に出すのは、保証人が連署した修学資金貸与契約書です。

この大学は日程も独特で、推薦・総合型に2026年12月1日に合格しても、入学手続は2027年2月25日。しかも手続の窓口は大学ではなく、出願した都道府県庁の入試担当課で、本人が行かなければ失格になります。年内入試で受かっても、お金の話が2月25日まで来ない唯一の大学です。貸与の総額は6年で2,300万円(学生納付金2,260万円+入学時学業準備費40万円)。卒業後に、貸与期間の1.5倍を知事の指定する公立病院等で勤務すると返還が免除され、そのうち半分は、へき地などの病院です。免除の条件を満たさなければ、貸与額に利息をつけて一括で返すことになります。払わなくていいお金ではありません。

2つめは岩手医科大学です。同じ大学・同じ発表日・同じ締切日なのに、枠によって払う額が940万円と200万円に分かれます。差は740万円です。

理由は要項に書いてあります。地域枠A(岩手県出身者枠)は、岩手県の修学資金の貸与時期に合わせて、手続日には入学金200万円だけを納め、残りを2027年4月26日(4月25日が日曜のため)まで待つ形になっています(貸与が納入期日より後になる場合は、貸与日から10日以内に納めればよいと定められています)。

ただし、その修学資金は借りるお金です。岩手県医師修学資金は6年で3,050万円。決められた岩手県内の病院で11年働くと返還が免除され、途中でやめると年9%の利息をつけて返します。入口の額が軽いかわりに、働く場所と年数が決まる、という約束です。

この2つから読み取れることを1つだけ書きます。地域枠や修学資金つきの枠は「卒業後の縛り」で語られがちですが、入口で用意する額という面では、まったく違う設計になっているということです。12月に940万円を用意できないご家庭にとって、200万円で手続できる道があるという事実は、出願先の選び方そのものを変えます。もちろん、卒業後の従事義務・対象地域・診療科の指定は別に評価してください。入口の額だけで決める話ではありません。

年内入試で、同じように「入学金だけ先に払って、残りを後日に回す」形を取っているのは、ほかには福岡大学の学校推薦型(A方式・地域枠)だけです。入学申込金100万円を12月23日に納め、残りの532万6,710円は3月8日です。岩手医科大学の地域枠Aは残りが4月26日(約4か月半後)ですが、福岡大学は約2か月半後の3月8日に来ます。入口は軽くても、待てる長さは同じではありません。

 

辞退したら戻るのか|入学金は原則戻らない、戻る道がある大学は9校

併願していれば、いずれ辞退する大学が出ます。まず原則です。入学金以外の授業料などは、期限内に辞退を申し出れば戻ります。でも、入学金は原則として戻りません。入学金は入学できる立場を得るためのお金だ、というのが最高裁判所(平成18年11月27日)の判決の考え方です。

しかも医学部の入学金は、ほかの学部より高いです。文部科学省の調査(2025年度入学者・2025年12月公表)では、私立医学部の入学料の平均は137万5,271円。全学部の平均24万365円の5.7倍です。押さえの大学に入学金を払うと、それだけで100万円単位のお金が動きます。国も2025年6月に通知を出し、入学しない学生の入学料の負担を軽くするよう、大学に求めています。

その流れを受けて、いまの要項で入学金が戻ることがある大学は9校あります。期限までに辞退すれば誰でも半分が戻る大学が3校、家計などの条件に当てはまる人に戻る大学が6校です。

大学 入学金が戻る額 誰に・いつまで
東京女子医科大学 誰でも半額 3月20日16時までの辞退
聖マリアンナ医科大学 誰でも半額 2027年3月1日正午までの辞退届
日本医科大学 誰でも半額 前期のみ。後期1次試験日の前日(2027年2月27日)までの申請
東京医科大学 条件つきで全額 下の3つの条件のいずれか。申請は2027年3月12日郵送必着
関西医科大学 条件つきで半額 下の3つの条件のいずれか
東京慈恵会医科大学 条件つきで半額 修学支援新制度の予約採用候補者・高校生等奨学給付金の受給者
兵庫医科大学 条件つきで半額 給付型奨学金の予約採用候補者(一般選抜Aと、総合型の国際バカロレア枠)。一般選抜Aの申請は2027年3月10日必着
昭和医科大学 条件つきで半額 JASSO給付型奨学金の予約採用候補者(一般選抜Ⅰ期・共通テスト利用・併用)。2027年3月5日郵送必着
岩手医科大学 条件つきで半額 JASSO修学支援新制度の第Ⅰ〜Ⅲ区分の予約採用候補者(一般選抜の一般・地域枠C・D)。2027年3月11日消印有効

日本医科大学は前期のみで、後期は入学金の返還が一切ありません。条件つきの6校は、全員が対象ではありません。出願の前に、自分が当てはまるかを確かめておく必要があります。なお大阪医科薬科大学は、返還ではなく、同じ3つの条件に当たる人だけ入学金を2027年3月11日15時まで延納できる仕組みです。3つの条件は、児童養護施設等の在籍証明書・高校生等奨学給付金の支給決定通知・修学支援新制度の採用候補者決定通知のいずれかを持っていることです。入学金が戻らないのが原則である理由(最高裁の判決と、国の通知)は、医学部の入学金は私立31校で20万〜200万円に詳しく書いています。

次に、入学金以外が戻る期限です。期限が3月31日の大学は24校。そのうち久留米大学は要項に時刻の記載が無く、時刻まで確かめられた23校を見ると、期限の日はそろっているのに、締まる時刻が6通りに分かれていました。

私立医学部の入学辞退の申出期限。3月31日でも締まる時刻が午前中・12時・13時・16時・16時30分・17時の6通りに分かれる
出典:私立医学部の2027年度(令和9年度)学生募集要項・受験生サイト(2026年10月確認)より太宰府アカデミー集計。31校中30校の要項を確認。返還の申出期限の時刻まで確認できた23校
期限の時刻 校数 大学
3月31日 午前中 1校 東北医科薬科大学
3月31日 12時 7校 日本医科大学・北里大学・聖マリアンナ医科大学・東京医科大学・昭和医科大学・杏林大学・東京慈恵会医科大学
3月31日 13時 1校 埼玉医科大学
3月31日 16時 4校 金沢医科大学・順天堂大学・東京女子医科大学・帝京大学
3月31日 16時30分 1校 兵庫医科大学
3月31日 17時 9校 岩手医科大学・獨協医科大学・藤田医科大学・東海大学・愛知医科大学・国際医療福祉大学・大阪医科薬科大学・関西医科大学・産業医科大学

いちばん早いのが東北医科薬科大学で、期限は3月31日の午前中(必着)。窓口の受付は9時から11時30分までです。「3月31日まで」とだけ覚えていると、正午の大学も午前中の大学も取りこぼします。(産業医科大学は電話が16時、書面が17時までで、表には最後の窓口の17時に入れています。)

3月31日より前に別の期限を置いている大学も3校あります。意味はそれぞれ違うので、まとめずに書きます。

− 東京女子医科大学(3月20日16時) … ここまでなら入学金の半額も戻る

− 国際医療福祉大学(3月19日17時) … 戻る額は同じ。戻る時期が早くなる

− 大阪医科薬科大学(3月25日17時) … Web申請の締切。以降は3月31日17時まで電話

出し方も大学ごとに違います。順天堂大学と岩手医科大学は電話と書類、杏林大学は電話、愛知医科大学と東北医科薬科大学は簡易書留で郵送、大阪医科薬科大学はWeb申請のあと電話、国際医療福祉大学はメールとFAXが使えません。必着の大学は、届く日が期限です。期限内でも、出し方を間違えると戻らないことがあります。

 

太宰府アカデミーの視点|出願する前に決めておく4つ

ここまでの数字を、受験生と保護者の方にどう使っていただきたいかを書きます。

1. 出願する前に、その大学の要項の日程表を1枚だけ開いてください。見るのは3か所です——合格発表日、入学手続の締切日、そして「入学時納入金」の欄にある額。この3つが同じページに並んでいる大学がほとんどです。受かってから調べると、残り時間は1週間前後しかありません。上の表は候補を絞るための道具で、最後は必ず原文で確かめてください。

2. 分納・二段階納入が使えるかを、出願の時点で確かめてください。最初に要る額は、全額の順位とは別です。全額が1位の東京女子医科は、分割なら最初は624万9,000円。全額が6位の埼玉医科は一括だけなので、締切日に882万円です。全額の大きい大学のほうが、最初に要る額は軽いことがあります。分納の可否は学費のページではなく、要項の日程表の注記に小さく書かれていることが多いので、見落としやすいところです。

3. 年内入試は「受かったら納める」までを1セットで考えてください。総合型・推薦は合格すれば嬉しいものですが、12月の時点では他大学の結果が1つも出ていません。金沢医科の総合型なら1,100万円、東京女子医科の総合型・推薦なら1,074万9,000円、川崎医科の総合型なら1,050万円、岩手医科の推薦・総合型なら940万円。その額を用意できる見通しが無いまま出願すると、合格したこと自体が重荷になります。専願かどうか(近畿の一般公募推薦は専願ではありません)もあわせて確かめてください。

4. 辞退するかもしれない大学は、辞退の期限と出し方まで先に控えておいてください。3月31日という日付だけを覚えていると、午前中で締まる大学と正午で締まる大学を取りこぼします。電話が要る大学、郵送で必着の大学、メールが使えない大学があります。合格した時点で、その大学の辞退の欄をスマートフォンで撮っておくくらいでちょうどよいと思います。

金額の大きい話なので、数字をぼかさずに書きました。ただ、ここに挙げた額はすべて2026年10月16日時点の要項のものです。学費も日程も毎年動きますから、出願する年度の募集要項でご自身で確かめてください。

 

私立医学部の入学手続きについてよくある質問

Q. 私立医学部に合格したら、いつまでにいくら払うのですか。
A. 大学と入試区分によって違います。一般選抜28校で見ると、最初の締切までに払う全額は0円から1,074万9,000円まで開きます。年内入試(総合型・学校推薦型)は合格発表から6〜21日、一般選抜は2月中旬から3月上旬に最初の締切が来ます。

Q. 年内入試で払う額がいちばん多い大学はどこですか。
A. 要項で確かめられた24校では、金沢医科大学の総合型選抜(12月10日発表・12月17日締切)の1,100万円です。分割の案内はありません。次に多いのが東京女子医科大学の総合型・学校推薦型の1,074万9,000円(分割なら624万9,000円)、川崎医科大学の総合型の1,050万円です。

Q. 入学金だけ先に払って、残りを待ってもらうことはできますか。
A. できる大学があります。二段階納入の8校が、先に入学金だけを納めます。残りの期限がいちばん遅いのは久留米大学の2027年3月19日です。

Q. 国公立の合格発表を見てから、私立に振り込むことはできますか。
A. 入学金以外なら、できる大学があります。国公立前期の合格発表は3月6日〜10日で、久留米大学は入学金以外の期限が3月19日、日本大学(予定)は3月11日、藤田医科大学・兵庫医科大学・東京慈恵会医科大学は3月10日です。ただし入学金は、前期日程の一般選抜ではいちばん遅い関西医科大学でも3月8日までに払い、辞退しても原則として戻りません。

Q. 分割納入が使えない大学はどこですか。
A. 一般選抜28校のうち、一括だけの大学が12校あります。たとえば近畿大学は他の学部に分割手続があるのに医学部だけ使えず、帝京大学も医学部は分納制度の対象外です。久留米大学の公募推薦も一括納入だけです。

Q. 辞退したら入学金は戻りますか。
A. 原則として戻りません。ただし東京女子医科大学・聖マリアンナ医科大学・日本医科大学は期限内の辞退で半額が戻ります。東京医科大学・関西医科大学・東京慈恵会医科大学・兵庫医科大学・昭和医科大学・岩手医科大学は、条件に当たる方だけ戻ります。入学金以外は、期限内に辞退を申し出れば返還されるのが一般的です。

 

まとめ|入学手続の締切と額で押さえる5点

この記事の要点です。

− 最初の締切までに払う全額は0円(自治医科大学)から1,074万9,000円(東京女子医科大学)まで開く。0円を除いた中央値は489万6,800円、900万円以上が5校です。

− 年内入試は合格発表から6〜21日。金沢医科の総合型は12月10日発表・12月17日締切で、その日までに1,100万円です。年内の上位3校は、いずれも1,000万円を超えます。

− 手続の型は4つ。一括だけが12校、全納か分割を選べるのが7校、二段階納入が8校、現金を払わないのが1校。二段階納入の久留米大学は、入学金以外の期限が3月19日です。

− 自治医科大学は入学手続で現金を1円も払わない。岩手医科大学の地域枠Aは、手続日には入学金200万円だけです。入口の額で見ると、修学資金つきの枠はまったく違う設計になっています。

− 入学金は原則戻らないが、戻る道がある大学が9校。辞退の期限は3月31日でも、締まる時刻が6通りあります。

今日できることは1つです。出願を考えている大学の募集要項を1つ開いて、入学手続の締切日と、その日までに払う額を書き写してみてください。上の表に載っている大学ならそのまま写すだけです。一般選抜の表に載っていない3校は、要項が出しだいこの記事に足していきます。

この記事を書いたのは、6年間の総額はどのサイトにも載っているのに、「受かった日から何日後に、いくら要るのか」を並べた表が、どこにも見当たらなかったからです。年内入試の次の締切は、東北医科薬科の総合型が11月16日、東京女子医科の総合型が11月17日、川崎医科の総合型が11月25日。間に合ううちに出しておきたいと思いました。

 

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◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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