こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
「東京科学大学 偏差値」で調べると、医学部医学科について70.0という数字が出てきます。ただ国公立の場合、これは2次試験のボーダーでしかありません。共通テストのボーダー得点率89%という、もう1つの関門があります。しかもこの89%は、国公立50校のなかで2番目に高い水準です。
そして実際に合格した人の記述模試平均は70.5(国公立50校中4位)、共テ平均点は892点/1000点(3位)。この記事では2つの関門の違いから始めて、同じボーダー70.0の3校との比較・科目別・地域枠まで、東京科学大学医学部の偏差値だけをまとめました。
この記事は、次の3つに答えるつもりで書きました。
− 東京科学大学の医学部って、偏差値70.0でいいの?
− 共通テストは何%取ればいいの?
− 同じ偏差値の大学はどこ?
学費・面接・倍率の話は、この記事では扱いません。偏差値だけを、河合塾が公表している数字だけで最後まで書きます。
この記事の目次
東京科学大学の偏差値は70.0|2次のボーダー(2027年度予想)
東京科学大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で70.0です(2027年度入試の予想ボーダー偏差値。河合塾の方式別ランク9月版の、2次試験の欄です)。国公立にはもう1つ関門があり、共通テストのボーダー得点率は89%です。
先に2つ確かめてください。1つめ。この記事の数字は、すべて医学部医学科のものです。東京科学大学の医学部には保健衛生学科もあり、偏差値は別の数字です。2つめ。「東京医科歯科大学 偏差値」で調べてこのページに来た方へ。東京医科歯科大学は東京工業大学と統合し、2024年10月から東京科学大学になりました。医学部医学科はこの大学に引き継がれています。古い偏差値表では旧名で載っていることがあるので、年度を確かめてください。
ボーダー偏差値というのは、合格可能性がちょうど50%になるラインのことです。そこに届いていれば半分は受かる、という意味の数字で、「実際に合格した人がどのくらいだったか」とは別物です。その別物のほうが、下の表の3行目にある70.5です。

| 項目 | 数値 | 何を測っているか |
|---|---|---|
| 2次のボーダー偏差値(2027年度予想) | 70.0 | 2次試験の合格可能性50%のライン |
| 共通テストのボーダー得点率(同) | 89% | 1次で必要になる得点率の目安 |
| 合格者平均偏差値(2026年度入試) | 70.5 | 実際に合格した人の記述模試平均 |
| 共通テストの合格者平均点(同) | 892点/1000点 | 実際に合格した人の共テ得点 |
| 国公立50校中の順位 | 4位 | 記述の合格者平均で並べたとき |
| 全81校中の順位 | 5位 | 私立31校を含めたとき |
国公立の関門は2つです。共通テストで89%、2次でボーダー偏差値は70.0。この89%は国公立50校のなかで2番目に高い水準です(上は東京大学の90%だけ)。そして実際に合格した人の記述模試平均は70.5で、2次のボーダーより0.5高い位置にあります。共テ平均点892点/1000点は国公立50校中3位。共テの位置のほうが、記述より上にあるという組み合わせです。
合格者平均は70.5|国公立50校中4位・全81校中5位
河合塾の入試結果調査(2026年度入試)によると、全統模試を受けて東京科学大学に合格した人の記述模試平均は70.5でした。この物差しで並べ直すと、国公立50校の中で4位、私立31校を含めた全81校では5位です(防衛医科大学校を除く)。
ボーダーだけを見ていると、同じ70.0の大学がいくつも横並びになって順番が付きません。合格者平均で並べ直すと、その横並びがほどけます。
| 国公立順位 | 大学 | 合格者平均 | 2次ボーダー |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京大学(理科III類) | 74.9 | 72.5 |
| 2位 | 京都大学 | 72.7 | 70.0 |
| 3位 | 大阪大学 | 72.2 | 70.0 |
| 4位 | 東京科学大学 | 70.5 | 70.0 |
| 5位 | 名古屋大学 | 69.7 | 67.5 |
| 6位 | 千葉大学 | 69.7 | 67.5 |
| 7位 | 奈良県立医科大学 | 69.7 | — |
記述の合格者平均で国公立50校を並べると、東京科学大学は4位です。上は東京大学(理科III類)74.9・京都72.7・大阪72.2。3位の大阪とは1.7差で、5位の名古屋・千葉・奈良県立医科(いずれも69.7)とは0.8差です。上とも下とも1ポイント前後離れていて、単独で4位にいるという形になっています。
科目別は英71.3・数69.5・理70.6|どこで点を作るか
合格者平均は、英語・数学・理科の3つに分けて公表されています。東京科学大学の合格者でいちばん高いのは英語(71.3)でした。ただし全81校の平均からいちばん離れているのは英語(+5.1)で、図ではそちらを赤くしています。

| 科目 | 合格者平均 | 全81校平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 71.3 | 66.2 | +5.1 |
| 数学 | 69.5 | 64.8 | +4.7 |
| 理科 | 70.6 | 65.6 | +5.0 |
| 総合 | 70.5 | 65.5 | +5.0 |
3科目とも全81校平均を大きく上回っていて、いちばん差が大きいのは英語の+5.1です(71.3に対し全81校平均66.2)。理科70.6は+5.0、数学69.5は+4.7。3科目の凸凹は1.8で、英語がわずかに上に出ているものの、3科目とも全国平均から5ポイント前後上でそろっているという形です。ただしこれは配点の話ではありません。配点は募集要項で別に確かめてください。
共通テストのボーダーは89%|合格者平均は892点/1000点
国公立の医学部には、私立には無い関門があります。共通テストです。東京科学大学の2027年度予想ボーダー得点率は89%。そして2026年度入試で実際に合格した人の共通テスト平均点は892点/1000点でした(国公立50校中3位)。
ここで1つ気をつけてほしいことがあります。得点率の順位と、合格者平均点の順位は一致しません。東京科学は得点率で2番目、合格者平均点で3番目です。ボーダーは事前に引かれる線、平均点は入試が終わったあとの結果だからです。

| 共テのボーダー得点率 | 国公立の校数 | 合格者平均点の幅 |
|---|---|---|
| 90% | 1校 | 919〜919点 |
| 89% | 2校 | 892〜897点 |
| 87% | 1校 | 877〜877点 |
| 86% | 5校 | 861〜873点 |
| 85% | 5校 | 841〜869点 |
| 84% | 3校 | 805〜846点 |
| 83% | 4校 | 819〜840点 |
| 82% | 9校 | 795〜828点 |
| 81% | 8校 | 797〜825点 |
| 80% | 3校 | 783〜807点 |
| 79% | 7校 | 776〜817点 |
| 78% | 2校 | 762〜767点 |
共テのボーダー得点率89%の帯には2校が並び、その2校の合格者平均点は892〜897点です。東京科学大学の892点はそのうち低いほうですが、国公立50校では3位。ボーダー89%に対して実際は89.2%なので、目安をわずかに上回るところで実際の合格者が並んでいます。この水準では、共テの1問の取りこぼしがそのまま順位に効きます。
地域枠は定員106人中15人(14.2%)|偏差値は公表されていない
東京科学大学の入学定員106人のうち、地域枠等は15人です。割合にすると14.2%で、80大学のなかで49位。同じ区分(国立)の平均20.4%と比べると-6.2ポイント、全体の19.9%と比べると-5.7ポイントです。残る91人が一般の枠になります。
| 項目 | この大学 | 同じ区分の平均 | 全80大学 |
|---|---|---|---|
| 入学定員 | 106人 | 115.2人 | 9,270人 |
| 地域枠等の募集人数 | 15人 | 23.5人 | 1,847人 |
| 地域枠の割合 | 14.2% | 20.4% | 19.9% |
| うち臨時定員ぶん | 15人 | — | 933人 |
| 割合の順位 | 80大学中49位 | — | — |
地域枠15人は入学定員106人の14.2%で、国公立の平均20.4%より小さい部類です(割合の高い順で80大学中49位)。15人すべてが臨時定員ぶんで、国の医師確保対策として上乗せされた枠です。臨時定員は年度ごとに国の認可を受ける仕組みなので、来年も同じ人数とはかぎりません。受ける年の募集要項で人数と条件を確かめてください。
2つ注意があります。1つめは、地域枠のボーダー偏差値はどこも公表していないということです。河合塾が出しているボーダー偏差値は一般選抜のもので、枠ごとの数字ではありません。国公立の地域枠は合格者が10人に満たない大学が多く、合格最低点も「非開示」で止まっています。ですから地域枠については、偏差値ではなく募集人数と割合で見ることになります。2つめは、地域枠は「お金がもらえる枠」とはかぎらないことです。文部科学省の定義では、都道府県の奨学金と連動した枠に加えて、奨学金とは連動しない枠も地域枠等に含まれます。条件は大学と都道府県ごとに違うので、必ず各大学の募集要項で確かめてください。
同じ偏差値帯に並ぶ大学|併願先の決め方
偏差値を調べる目的は、たいてい「この大学を受けるなら、ほかにどこを受けるか」を決めるためだと思います。合格者平均が70.5の前後1.2以内にある大学を、国公立も含めて並べました。

| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 5位 | 東京科学大学 | 70.5 | 国公立 |
| 6位 | 名古屋大学 | 69.7 | 国公立 |
| 6位 | 千葉大学 | 69.7 | 国公立 |
| 6位 | 奈良県立医科大学 | 69.7 | 国公立 |
| 9位 | 東京慈恵会医科大学 | 69.5 | 私立 |
合格者平均70.5の前後1.2には、東京科学大学を含めて5校が入ります。東京科学大学を除く4校の内訳は国公立3校・私立1校で、国公立は名古屋・千葉・奈良県立医科、私立は東京慈恵会医科です。ここまで上がると帯そのものが小さくなり、私立は1校しか残りません。共通テストを受けない選択をした瞬間に、同じ帯の候補が1校になります。
ボーダーと合格者平均は何が違うのか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、別のものを測っています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「実際に受かった人の記述模試の平均」。土台が違うので、自分の模試の偏差値と1対1で比べられるのはボーダーのほうです。
この違いは、数字にすると分かりやすくなります。国公立50校を河合塾の2次ボーダー別にまとめ、同じボーダーの大学どうしで合格者平均がどこまで開くかを出しました。

| 2次ボーダー | 国公立の校数 | 合格者平均 | 幅 |
|---|---|---|---|
| 72.5 | 1校 | 74.9 | — |
| 70.0 | 3校 | 70.5〜72.7 | 2.2 |
| 67.5 | 9校 | 66.3〜69.7 | 3.4 |
| 65.0 | 12校 | 64.6〜67.6 | 3.0 |
| 62.5 | 24校 | 61.0〜66.0 | 5.0 |
国公立50校を2次ボーダー別にまとめると、70.0の帯には3校が並びます。その3校の記述の合格者平均は70.5から72.7まで2.2ひらいていて、東京科学大学の70.5はその下端にあたります(上端は京都の72.7、間に大阪の72.2)。2次ボーダーが同じ70.0でも、実際に合格した人の層は2.2ちがうということです。ボーダーの数字だけで3校を同じ難しさと読まないでください。
もうひとつ、読むときの注意を書いておきます。合格者平均はその年に全統模試を受けて合格した人の平均で、一般選抜だけでなく推薦・総合型で合格した人も含みます。模試を受けていない人は入りません。つまり「70.5を取れば受かる」という意味の数字ではなく、大学同士の位置関係をつかむための物差しです。
太宰府アカデミーの視点|東京科学大学の偏差値をどう使うか
この大学を考えるときにいちばん効くのは、同じボーダー70.0の3校を並べ直すことです。国公立で2次ボーダー70.0が付くのは、京都・大阪・東京科学の3校。ところが記述の合格者平均で並べると、京都72.7・大阪72.2・東京科学70.5で、2.2の幅があります。同じ70.0でも、実際に合格した人の層はそろっていません。ボーダーが同じという理由でこの3校を並べると、判断を誤ります。
次に、2つの関門の位置関係です。共テ892点は国公立50校中3位、記述70.5は4位。共テのほうがわずかに上にあります。そして共テのボーダー89%は国公立で2番目に高い水準です。この大学については、共通テストの取りこぼしが結果を決めやすいということになります。共テ模試で89%台を安定して出せるかを、先に測ってください。
併願については、この位置は選択肢が少なくなります。合格者平均70.5の前後1.2には5校しか入らず、東京科学大学を除く4校のうち私立は東京慈恵会医科の1校だけ。残る3校(名古屋・千葉・奈良県立医科)はすべて国公立です。共通テストを受けない選択をした瞬間に、同じ帯の候補が1校になります。併願は帯ではなく、共通テストの結果を前提に組むことになります。
東京科学大学の偏差値についてよくある質問
東京科学大学医学部の偏差値はいくつですか?
河合塾の2027年度入試予想で、2次のボーダー偏差値は70.0、共通テストのボーダー得点率は89%です。実際に合格した人の記述模試平均は70.5(国公立50校中4位)、共通テスト平均点は892点/1000点(3位)でした。
東京医科歯科大学と同じですか?
東京医科歯科大学は東京工業大学と統合し、2024年10月から東京科学大学になりました。医学部医学科はこの大学に引き継がれています。古い偏差値表では旧名で載っていることがあるので、年度を確かめてください。
共通テストは何%取ればいいですか?
河合塾の2027年度予想ボーダー得点率は89%で、これは国公立50校のなかで2番目に高い水準です(上は東京大学の90%だけ)。実際に合格した人の平均は892点/1000点=89.2%で、目安をわずかに上回るところに並んでいます。
同じ偏差値の大学はどこですか?
2次ボーダー70.0の国公立は3校(京都・大阪・東京科学)ですが、記述の合格者平均は70.5〜72.7と2.2ひらいていて、東京科学大学はその下端です。合格者平均70.5の前後1.2で見ると5校が入り、私立は東京慈恵会医科の1校だけです。
どの科目を伸ばせばいいですか?
合格者平均は英語71.3・数学69.5・理科70.6で、全81校平均との差は英語+5.1・数学+4.7・理科+5.0。3科目とも全国平均から5ポイント前後上でそろっていて、凸凹は1.8です。ただしこれは配点ではなく合格者の模試結果です。配点は募集要項で確かめてください。
東京科学大学の医学部に地域枠はありますか?
あります。令和7年度で入学定員106人のうち15人(14.2%)が地域枠等です。15人すべてが臨時定員ぶんです。なお地域枠ごとのボーダー偏差値は公表されていません。人数と条件は募集要項で確かめてください。
まとめ|東京科学大学の偏差値
東京科学大学の偏差値について、この記事で分かったことを並べます。
- 河合塾の2027年度予想は2次ボーダー70.0・共通テスト89%(89%は国公立で2番目に高い)
- 2026年度入試の記述の合格者平均は70.5(国公立50校中4位・全81校中5位)
- 共テの合格者平均点は892点/1000点で50校中3位
- ★同じ2次ボーダー70.0の3校(京都72.7・大阪72.2・東京科学70.5)で下端
- 科目別は英71.3・数69.5・理70.6。3科目とも全国平均から5ポイント前後上
- 旧・東京医科歯科大学。2024年10月から東京科学大学
明日からできることを1つだけ挙げるなら、同じボーダー70.0の3校を合格者平均で並べ直してください。京都72.7・大阪72.2・東京科学70.5で2.2ひらきます。
この記事を書いたのは、「東京科学大学 偏差値」と調べた人が、数字を1つだけ持ち帰って終わってしまうのがもったいないと思ったからです。70.0と70.5、この2つを並べて初めて、その大学がどのあたりにいるのかが見えます。
東京科学大学全体の入試情報(学費・科目と配点・倍率・繰り上げ合格・面接・国試合格率まで)は、大学ページにまとめています。東京科学大学医学部の入試情報はこちら。
あわせて読みたい記事です。
- 国公立医学部の偏差値ランキング2027|共通テストと2次で見る50校
- 入りやすい医学部はどこか|倍率ではなく合格者平均偏差値で見る全81校
- 医学部偏差値ランキング2027|河合塾・ボーダーと合格者平均
本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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