こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
「埼玉医科大学 偏差値」で調べると62.5、そして倍率を調べると24.54倍という数字が出てきます。この2つを並べて「倍率が高いから難しい」と読んでしまう人が多いのですが、倍率と偏差値は別々に動きます。
実際に合格した人の記述模試平均は61.9。この記事は、偏差値・合格者平均・倍率の3つを混ぜずに並べます。
この記事は、次の3つに答えるつもりで書きました。
− 埼玉医科大学の偏差値って、結局いくつなの?
− 倍率24.5倍って、そんなに難しいってこと?
− 同じ62.5の私立9校の中では、どのあたりにいるの?
学費・面接・倍率の話は、この記事では扱いません。偏差値だけを、河合塾が公表している数字だけで最後まで書きます。
この記事の目次
埼玉医科大学の偏差値は62.5|河合塾ボーダー(2027年度予想)
埼玉医科大学 医学部医学科の偏差値は、河合塾の全統模試で62.5です(2027年度入試に向けた夏時点の予想ボーダー偏差値)。2026年度入試の実績も62.5でした。
先に1つだけ。この記事の数字は、すべて医学部医学科のものです。埼玉医科大学には保健医療学部もあり、偏差値は学部ごとに違います。また同じ学校法人に埼玉医科大学短期大学もあります。検索して出てきた数字が医学科のものかどうかは、必ず確かめてください。
ボーダー偏差値というのは、合格可能性がちょうど50%になるラインのことです。そこに届いていれば半分は受かる、という意味の数字で、「実際に合格した人がどのくらいだったか」とは別物です。その別物のほうが、下の表の3行目にある61.9です。

| 項目 | 数値 | 何を測っているか |
|---|---|---|
| ボーダー偏差値(2027年度予想) | 62.5 | 合格可能性50%のライン |
| ボーダー偏差値(2026年度実績) | 62.5 | 前年の実績値 |
| 合格者平均偏差値(2026年度入試) | 61.9 | 実際に合格した人の記述模試平均 |
| 私立31校中の順位 | 27位 | 合格者平均で並べたとき |
| 全81校中の順位 | 75位 | 国公立50校を含めたとき |
ボーダーは62.5、実際に合格した人の平均は61.9で、平均のほうが0.6低い並びになっています。ボーダーに届いていない人も合格しているということで、この集計には推薦・総合型で合格した人も含まれています。ボーダーは合格可能性50%のライン、合格者平均は結果の集計。測っているものが違います。
合格者平均は61.9|私立31校中27位・全81校中75位
河合塾の入試結果調査(2026年度入試)によると、全統模試を受けて埼玉医科大学に合格した人の記述模試平均は61.9でした。この物差しで並べ直すと、私立医学部31校の中で27位、国公立50校を含めた全81校では75位です(防衛医科大学校を除く)。
ボーダーだけを見ていると、同じ62.5の大学がいくつも横並びになって順番が付きません。合格者平均で並べ直すと、その横並びがほどけます。
| 私立順位 | 大学 | 合格者平均 | ボーダー |
|---|---|---|---|
| 24位 | 岩手医科大学 | 62.6 | 62.5 |
| 24位 | 福岡大学 | 62.6 | 62.5 |
| 26位 | 東海大学 | 62.1 | 65.0 |
| 27位 | 埼玉医科大学 | 61.9 | 62.5 |
| 28位 | 金沢医科大学 | 60.8 | 62.5 |
| 29位 | 東京女子医科大学 | 60.7 | 60.0 |
| 30位 | 獨協医科大学 | 59.6 | 62.5 |
合格者平均で私立31校を並べると、埼玉医科大学は27位です。すぐ上の東海大学が62.1、すぐ下の金沢医科大学が60.8。上とは0.2差、下とは1.1差という位置にあります。0.2差の相手と自分を偏差値だけで比べるのは、あまり意味がありません。科目ごとの相性で絞ったほうが判断の材料になります。
科目別は英62.8・数61.6・理61.2|どこで点を作るか
合格者平均は、英語・数学・理科の3つに分けて公表されています。埼玉医科大学の合格者でいちばん高いのは英語(62.8)でした。ただし全81校の平均からいちばん離れているのは理科(-4.4)で、図ではそちらを赤くしています。

| 科目 | 合格者平均 | 全81校平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 62.8 | 66.2 | -3.4 |
| 数学 | 61.6 | 64.8 | -3.2 |
| 理科 | 61.2 | 65.6 | -4.4 |
| 総合 | 61.9 | 65.5 | -3.6 |
3科目とも全81校平均を下回っていて、英語62.8(−3.4)・数学61.6(−3.2)・理科61.2(−4.4)です。ここで注意してほしいのは、全81校平均には国公立50校が含まれていることです。国公立は共通テストを課すぶん母集団が違うので、私立だけで見ると差の見え方は変わります。科目の重心を決める前に、過去問を1年ぶん解いて出題形式との相性を確かめてください。
偏差値の推移|1985年度の45.0から62.5へ(+17.5)
「昔は入りやすかった」という話を、親世代から聞いたことがあるかもしれません。河合塾のボーダー偏差値をさかのぼると、埼玉医科大学がいちばん低かったのは1985年度の45.0でした。そこから2027年度予想の62.5まで、+17.5動いています。

| 年度 | ボーダー偏差値 | 前の時点との差 |
|---|---|---|
| 2027年度(予想) | 62.5 | ±0.0 |
| 2026年度 | 62.5 | ±0.0 |
| 2025年度 | 62.5 | ±0.0 |
| 2024年度 | 62.5 | ±0.0 |
| 2023年度 | 62.5 | ±0.0 |
| 2015年度 | 62.5 | -2.5 |
| 2010年度 | 65.0 | +7.5 |
| 1995年度 | 57.5 | +12.5 |
| 1985年度 | 45.0 | -2.5 |
| 1975年度 | 47.5 | — |
1975年度は47.5、記録上いちばん低い1985年度が45.0。そこから1995年度に57.5、2010年度に65.0まで上がったあと、2015年度に62.5へ戻り、いまも62.5が続いています。いちばん低い1985年度からは+17.5、1975年度からは+15.0。上がり続けたのではなく、一度上がってから少し戻って落ち着いた形の推移です。
同じ偏差値帯に並ぶ大学|併願先の決め方
偏差値を調べる目的は、たいてい「この大学を受けるなら、ほかにどこを受けるか」を決めるためだと思います。合格者平均が61.9の前後1.2以内にある大学を、国公立も含めて並べました。

| 全81校順位 | 大学 | 合格者平均 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 68位 | 福島県立医科大学 | 63.1 | 公立 |
| 69位 | 帝京大学 | 63.0 | 私立 |
| 70位 | 秋田大学 | 63.0 | 国立 |
| 71位 | 岩手医科大学 | 62.6 | 私立 |
| 71位 | 福岡大学 | 62.6 | 私立 |
| 73位 | 琉球大学 | 62.5 | 国立 |
| 74位 | 東海大学 | 62.1 | 私立 |
| 75位 | 埼玉医科大学 | 61.9 | 私立 |
| 76位 | 弘前大学 | 61.2 | 国立 |
| 77位 | 島根大学 | 61.0 | 国立 |
| 78位 | 金沢医科大学 | 60.8 | 私立 |
| 79位 | 東京女子医科大学 | 60.7 | 私立 |
合格者平均61.9の前後1.2には、国公立を含めて12校が入ります(私立7・国公立5)。この帯にも国公立が5校います。私立だけで併願を組むと候補が狭くなるので、国公立も含めて12校を1枚の紙に書き出してみると、選択肢の広さが見えてきます。
ボーダーと合格者平均は何が違うのか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ボーダー偏差値と合格者平均偏差値は、別のものを測っています。ボーダーは「合格可能性50%のライン」、合格者平均は「実際に受かった人の記述模試の平均」。土台が違うので、自分の模試の偏差値と1対1で比べられるのはボーダーのほうです。
この違いは、数字にすると分かりやすくなります。私立31校を河合塾のボーダー別にまとめ、同じボーダーの大学どうしで合格者平均がどこまで開くかを出しました。

| ボーダー偏差値 | 私立の校数 | 合格者平均の幅 | 幅 |
|---|---|---|---|
| 72.5 | 1校 | 72.1 | — |
| 70.0 | 3校 | 68.1〜69.5 | 1.4 |
| 67.5 | 6校 | 64.0〜67.9 | 3.9 |
| 65.0 | 10校 | 62.1〜66.0 | 3.9 |
| 62.5 | 9校 | 59.6〜63.8 | 4.2 |
| 60.0 | 2校 | 55.8〜60.7 | 4.9 |
同じボーダー62.5に並ぶ私立は9校あり、その9校の合格者平均は59.6から63.8まで4.2ひらいています。同じ看板の中で4.2の幅があるということです。この幅は、この記事で扱っているどのグループよりも大きくなっています。ボーダーの表だけを見て「同じくらいの難易度の9校」とまとめると、この差は見えません。
もうひとつ、読むときの注意を書いておきます。合格者平均はその年に全統模試を受けて合格した人の平均で、一般選抜だけでなく推薦・総合型で合格した人も含みます。模試を受けていない人は入りません。つまり「61.9を取れば受かる」という意味の数字ではなく、大学同士の位置関係をつかむための物差しです。
太宰府アカデミーの視点|埼玉医科大学の偏差値をどう使うか
まず倍率の話から。2025年度入試の実質倍率は24.54倍でした。この数字だけを見ると相当に厳しく見えますが、倍率が上がる理由の大半は「何人が出願したか」で、合格した人の学力とは別のものです。実際、合格者平均で並べると埼玉医科大学は私立31校中27位で、倍率の順位とは一致しません。倍率は「その年に何人が集まったか」、偏差値は「合格した人がどのあたりだったか」。どちらも本当の数字ですが、答えている問いが違います。
自分の模試と比べるなら、ボーダー偏差値の62.5のほうを使ってください。ボーダーは、その年の模試を受けた人の中で合格可能性が50%になる位置に河合塾が引いた線なので、自分の全統模試の偏差値と同じものさしに乗ります。合格者平均61.9はボーダーより0.6低い値ですが、これは推薦・総合型で合格した人も含めた集計だからで、「62.5に届かなくても受かる」と単純に読める数字ではありません。同じボーダー62.5の私立9校を合格者平均で並べ直すと59.6から63.8まで4.2の幅があり、データを見る限りでは、ボーダー1本では表しきれない差があります。
科目別は英語62.8・数学61.6・理科61.2で、3科目とも全81校平均を下回っています。ただしこの「全81校平均」には共通テストを課す国公立50校が入っているので、私立志望の人が自分の立ち位置を測るものさしとしては、少しずれます。3科目の中では英語がいちばん高く、理科がいちばん低いという凸凹の形のほうが、対策を考えるときには使えると思います。そのうえで、次にやることは偏差値の比較ではなく、過去問を1年ぶん解いて出題形式との相性を確かめることです。
埼玉医科大学の偏差値についてよくある質問
埼玉医科大学の偏差値は結局いくつですか?
河合塾の全統模試で、2027年度入試の予想ボーダー偏差値は62.5です。2026年度入試の実績も62.5でした。これとは別に、2026年度入試で実際に合格した人の記述模試平均は61.9です(私立31校中27位・全81校中75位)。
倍率24.5倍は難しいということですか?
倍率と偏差値は別々に動きます。2025年度入試の実質倍率は24.54倍ですが、倍率が上がる主な理由は出願した人の数で、合格した人の学力とは別のものです。合格者平均で並べると私立31校中27位で、倍率の順位とは一致しません。
ボーダー62.5に届かなくても合格できますか?
合格者平均61.9はボーダーより0.6低い値ですが、これは推薦・総合型で合格した人も含む集計です。ボーダーは合格可能性が50%になる位置なので、届いていても半分という前提で見てください。
同じ偏差値62.5の私立にはどこがありますか?
2027年度予想のボーダーが62.5なのは、兵庫医科大学・久留米大学・聖マリアンナ医科大学・北里大学・岩手医科大学・福岡大学・埼玉医科大学・金沢医科大学・獨協医科大学の9校です。合格者平均で並べ直すと59.6〜63.8と4.2の幅があります。
昔は入りやすかったと聞きましたが本当ですか?
河合塾のボーダー偏差値で見ると、1975年度は47.5、記録上いちばん低い1985年度は45.0でした。そこから1995年度に57.5、2010年度に65.0まで上がり、2015年度に62.5へ戻っていまに至ります。1985年度からは+17.5、1975年度からは+15.0。過去の数字は、いまの入試の目安にはなりません。
まとめ|埼玉医科大学の偏差値
埼玉医科大学の偏差値について、この記事で分かったことを並べます。
- 河合塾の2027年度予想ボーダー偏差値は62.5(2026年度実績も62.5)
- 2026年度入試の合格者平均は61.9。私立31校中27位・全81校中75位
- 2025年度入試の実質倍率は24.54倍。ただし倍率と合格者の学力は別々に動く
- ボーダーはいちばん低かった1985年度の45.0から+17.5。2010年度の65.0が最高で2015年度に62.5へ
- 同じボーダー62.5の私立9校は合格者平均59.6〜63.8と4.2ひらく
明日からできることを1つだけ挙げるなら、倍率の表と偏差値の表を、別々の紙に書き写してみてください。埼玉医科大学は倍率24.54倍・合格者平均61.9という組み合わせの大学です。この2つを1枚に混ぜて眺めていると、どちらの数字も正しく使えなくなります。
この記事を書いたのは、「埼玉医科大学 偏差値」と調べた人が、数字を1つだけ持ち帰って終わってしまうのがもったいないと思ったからです。62.5と61.9、この2つを並べて初めて、その大学がどのあたりにいるのかが見えます。
埼玉医科大学全体の入試情報(学費・科目と配点・倍率・繰り上げ合格・面接・国試合格率まで)は、大学ページにまとめています。埼玉医科大学医学部の入試情報はこちら。
あわせて読みたい記事です。
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- 埼玉医科大学は「恥ずかしい」のか|実質倍率24.54倍は全国2位
本日の記事は以上です。
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