こんにちは、福岡の医学部予備校で総務・広報を担当している後藤です。
10月に入って、国公立大学の推薦・総合型の学生募集要項がほぼ出そろいました。そこで、8月31日にまとめたこの記事を、国公立50校ぶん1校ずつ大学の公式資料で確かめ直しました。
結果から言うと、8月の時点で「変更なし」としていた大学のうち11校に変更が見つかりました。多くは募集人員と地域枠です。7月の入学者選抜要項では見えなかったものが、9〜10月の募集要項と文部科学省の定員の資料で見えてきました。なので今回は数字を足すだけでなく、どこを読めば自分に関係あるか分かる形に作り直しています。
− 自分の志望校は、結局どこが変わったの?
− 定員が減るって聞いたけど、前期の席は何人減るの?
− 「調整中」って書いてある大学は、いつ決まるの?
一つずつ、深掘りしていきます。
この記事の目次
国公立医学部の入試変更点は50校中30校|3分でわかる結論
先に結論です。2027年度入試で医学科の入試・募集が変わると公表しているのは、国公立50校のうち30校でした(2026年10月6日時点)。残る20校は、科目・配点・募集人員とも2026年度と同じか、国の認可待ちで数字が動いていない大学です。

| 変わったところ | 大学数 | 中身 |
|---|---|---|
| 募集人員・入学定員 | 20校 | 国の臨時定員(地域枠)の見直しが背景 |
| 年内入試・地域枠の条件 | 15校 | 全国枠の新設・浪人可否・卒後の勤務年数 |
| 科目・配点・面接 | 6校 | 旭川医科・北海道・弘前・広島・佐賀・神戸 |
| 第1段階選抜(足切り) | 3校 | 広島・鳥取・鹿児島(後期) |
| 共通テスト「情報Ⅰ」 | 3校 | 徳島・香川・筑波 |
いちばん多いのは募集人員・入学定員の20校です。次が年内入試・地域枠の条件の15校。配点や科目そのものが変わる大学は6校しかありません。
つまり2027年度の国公立は「問題の中身」より「席の数」と「出願の条件」が動く年です。背景には国の医学部定員の見直しがあります。2027年度の医学部の総定員は、2025年度の9,393人を上限に「全体として削減」する方針が示されています(厚生労働省 医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会・文部科学省 中央教育審議会 大学分科会 2026年6月11日 資料)。
受験生への効き方が大きい順に、5つだけ挙げます。
- 旭川医科・弘前・広島の配点が変わる。旭川医科は共テの比率が62.0%→48.5%、弘前は53.8%→63.6%
- 広島と鳥取の足切りが厳しくなる。広島は約5倍→約3倍、鳥取は613点→650点
- 国立10校で入学定員が動く。新潟は140→132人、東京科学は101→97人、福井は110→114人(文部科学省の予定)
- 地域枠の人数の多くが、まだ国の認可待ち。鳥取・金沢は10月、和歌山県立医科・長崎・熊本は11月に決まる
- 年内入試の入口が全国に開く。山梨・徳島に全国枠、熊本は居住要件を撤廃、山梨は2浪まで
▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
【2027年度】国公立医学部30校の入試変更|推薦・定員削減も
あなたに関係ある変更はどれ?|タイプ別の早見表
30校ぶんを全部読む必要はありません。自分に当てはまる行だけ見てください。
| こんな人 | まず見る変更 |
|---|---|
| 共通テストで稼ぎたい | 弘前(共テの比率 53.8%→63.6%)・徳島(情報Ⅰ50点)・香川(情報Ⅰ20点) |
| 2次で逆転したい | 旭川医科(2次に理科150点)・広島(面接200点) |
| 共通テストがボーダーぎりぎり | 広島(足切り 約5倍→約3倍)・鳥取(613点→650点) |
| 浪人している | 山梨の推薦Ⅱが1浪まで→2浪まで |
| 地元以外で推薦・総合型を狙う | 山梨(全国枠10)・徳島(全国枠5)・熊本(みらい医療枠の居住要件を撤廃) |
| 地域枠を考えている | 横浜市立(県内勤務が短縮)・岡山(出願が共テの後へ)・山口(4枠まで併願)・東京科学(人数減) |
| 情報Ⅰが苦手 | 筑波(上乗せが50点→25点)・徳島・香川(点数になる) |
| 数学の範囲が気になる | 北海道(統計的な推測)・佐賀(整数) |
| 英語以外の外国語で受ける | 北海道(英語のみに) |
2つ以上に当てはまる人は、両方の行の大学を見てください。たとえば「共通テストがボーダーぎりぎりで、2次で逆転したい」人にとって、広島は足切りが厳しくなるのに、面接に200点が付くという、両方に効く大学です。
どの行にも志望校が入っていなければ、科目と配点は2026年度のままと考えて大丈夫です。ただし募集人員だけは11月の学生募集要項まで動くので、後半の「まだ決まっていないこと」の表も見ておいてください。
変更があった30校の一覧|2026年度との比較
30校を北から南の順に並べました。数字はすべて各大学の令和9年度入学者選抜要項・学生募集要項・変更予告と、文部科学省「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」(2026年8月28日)から取っています。大学名を押すと、その大学の合格最低点と入試情報のページに飛びます。
| 大学(区分) | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 旭川医科 一般前期 |
個別=数150・英150・面接50/共テ理科200 | 個別に理科2科目150点を新設/共テ理科100・総点920→970 |
| 北海道 一般前期 |
個別の外国語=英・独・仏・中から1/数B「数列」 | 外国語は英語のみ/数Bに「統計的な推測」を追加 |
| 弘前 一般前期/総合型Ⅱ |
面接300点(総点1,950)/総合型Ⅱは評定4.3以上 | 面接は点数化せず段階評価(総点1,650)/評定基準を廃止 |
| 東京科学 地域特別枠推薦 |
15人(茨城5・長野5・埼玉5) | 11人(茨城3・長野3・埼玉5)/茨城は保護者が3年以上県内居住、長野は県への事前申込が必要に |
| 東京 一般前期 |
理科三類 97人 | 理科三類 92人(入学定員 110→108人の予定) |
| 筑波 共テ情報Ⅰ(全学) |
一律50点+実際の得点×0.5 | 一律25点+実際の得点×0.75 |
| 横浜市立 推薦(地域医療枠) |
卒業後の県内勤務=臨床研修2年+7年 | 「YCU地域医療枠」に。臨床研修2年+3年(卒業後5年)に短縮 |
| 新潟 一般前期/推薦/帰国生 |
前期80人/推薦の地域枠40人/帰国生徒選抜なし | 前期70人/地域枠42人/帰国生徒特別選抜を新規実施(入学定員 140→132人の予定) |
| 富山 総合型Ⅱ |
20人(富山大学地域枠10・富山県特別枠10) | 22人(新潟県特別枠2人を新設)/入学定員 105→107人の予定 |
| 金沢 一般前期/推薦(県枠) |
前期79人/石川県枠10・富山県枠2 | 前期77人(予定)/県枠は「未定」で10月下旬に公表(入学定員 111→108人の予定) |
| 福井 推薦Ⅱ |
30人(地元出身者枠10人程度) | 34人(地元出身者枠14人)/2年次編入を停止(入学定員 110→114人の予定) |
| 山梨 推薦Ⅱ |
地域枠のみ・山梨県内の高校に限る・1浪まで | 全国募集枠10人以内を新設・2浪まで出願可 |
| 三重 一般前期/総合型 |
前期75人・総合型なし | 前期70人・総合型選抜Ⅱ5人を新設 |
| 京都府立医科 一般前期 |
93人 | 92人(入学定員 105→104人) |
| 神戸 一般前期の面接 |
受験の条件の定めなし | 2月25日の試験科目をすべて受けた人だけが面接へ(入学定員 113→112人の予定・内訳は未公表) |
| 奈良県立医科 推薦(地域枠ほか) |
地域枠21人 | 地域枠20人/緊急医師確保枠の面接で「適性を欠く」場合は不合格と明記 |
| 和歌山県立医科 一般前期/推薦 |
総募集100人/前期一般枠64人程度/県民医療枠A 5人程度 | 総募集99人/前期一般枠60人程度/県民医療枠A 8人程度 |
| 鳥取 一般前期 |
第1段階選抜=共テ920点中613点以上/兵庫県枠2人 | 650点以上/総合点75%未満は「合格者となりえない」旨を追記/兵庫県枠を廃止 |
| 岡山 一般前期/推薦(地域枠) |
地域枠は共通テストの前(12月)に出願 | 前期の3人を地域枠(岡山県)へ/地域枠の出願が共通テストの後(1月中旬〜下旬)に(入学定員 108→107人の予定) |
| 広島 一般前期 |
面接は段階評価(総点2,800)/第1段階 約5倍 | 面接200点(総点3,000)/第1段階 約3倍 |
| 山口 推薦Ⅱ(地域枠・特別枠) |
3枠まで併願できる | 4枠まで順位を付けて併願(入学定員 109→108人の予定・内訳は未公表) |
| 徳島 一般前期/総合型/推薦Ⅱ |
前期61人(臨時定員を含む最終値)/情報Ⅰは点数化せず/総合型8人 | 前期50人(調整中)/情報Ⅰ50点/総合型13人(全国枠5を新設)/推薦Ⅱに卒後要件 |
| 香川 一般前期/推薦Ⅱ |
情報Ⅰは配点なし(共テ700)/推薦Ⅱの県内高校出身枠13人程度 | 情報Ⅰ20点(共テ720)/県内高校出身枠10人程度・小論文は「総合問題」に |
| 愛媛 推薦ⅡA・ⅡB |
入学定員110人(推薦ⅡB 20人) | 確定分は95人(ⅡB 5人)で、110人に戻す増員を申請中/ⅡAに卒後3年以上の県内所属 |
| 高知 一般前期/国際バカロレア |
前期59人/国際バカロレアは若干名 | 前期55人・国際バカロレア4人に調整中/2年次編入を停止し1年次後期の編入4人を新設 |
| 長崎 一般前期/推薦Ⅱ |
前期66人/ⅡB 12・ⅡC 佐賀2・宮崎2・ⅡD 7 | 前期60人/ⅡB「6+α」・ⅡC未定・ⅡD「4+α」 |
| 佐賀 一般前期(数学) |
数Aは図形の性質・場合の数と確率 | 数Aに「数学と人間の活動(整数の性質)」を追加 |
| 熊本 一般前期/推薦Ⅱ |
前期86人/一般枠5・地域枠8・みらい医療枠10 | 前期83人/熊本医療枠10を新設・地域枠11・みらい医療枠5(保護者の居住要件を撤廃) |
| 鹿児島 一般後期 |
第1段階選抜 約10倍 | 約11倍 |
| 琉球 推薦Ⅱ |
17人(地域枠14人程度・離島北部枠3人程度) | 現時点7人(入学定員 110→100人)。増員を申請中 |
8月31日の版から増えたのは、東京科学・横浜市立・富山・金沢・福井・京都府立医科・神戸・奈良県立医科・岡山・山口・高知の11校です。どれも7月の要項では見えず、9〜10月の募集要項や文部科学省の資料で初めて出てきた変更でした。ここから先は、効き方の大きい順に見ていきます。
配点・科目が変わる9校|旭川医科・弘前・広島と情報Ⅰ
何が変わる:共通テストと2次の重み、出題範囲、情報Ⅰの扱いです。同じ点を取っても、合否の出方が去年と変わります。

| 大学 | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 旭川医科 2次に理科2科目150点を新設 |
共テ62.0% 総点920点 |
共テ48.5% 総点970点 |
| 弘前 面接300点を段階評価へ |
共テ53.8% 総点1,950点 |
共テ63.6% 総点1,650点 |
| 広島 面接を200点で点数化 |
共テ35.7% 総点2,800点 |
共テ33.3% 総点3,000点 |
旭川医科大学は、2次に理科2科目150点を新設しました。そのぶん共通テストの理科は200点から100点に半分になり、総点は920点から970点へ。共通テストの比率は62.0%から48.5%に、13.5ポイント下がります。マークで取れる理科より、記述で書ける理科を見る形です。
弘前大学は逆です。300点あった面接を点数にせず段階評価に変え、2次は数学300+英語300の600点だけになりました。共通テストの比率は53.8%から63.6%に上がります。
広島大学は、段階評価だった面接を200点で点数化しました。総点3,000点のうち6.7%が面接です。
情報Ⅰが点数になる・重くなる3校
| 大学 | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 徳島 | 点数化しない(共テ900点) | 50点(共テ950点) |
| 香川 | 配点化しない(共テ700点) | 20点(共テ720点) |
| 筑波 | 一律50点+得点×0.5(0点でも50点) | 一律25点+得点×0.75(0点なら25点) |
徳島大学は情報Ⅰを50点で点数化し、第1段階選抜の基準も600点(900点満点)から630点(950点満点)に変わります。香川大学は20点です。そして見落とされやすいのが筑波大学で、情報Ⅰの「上乗せ」が2026年度の一律50点+得点×0.5から、2027年度は一律25点+得点×0.75になります。0点でももらえる点が半分になり、実力の差が点の差に出やすくなります。これは筑波大学の全学のルールなので、医学類の変更点の一覧には出てきません(根拠は2023年12月の「共通テスト『情報』の負担軽減にかかる経過措置について」)。
出題範囲と面接の条件が変わる3校
北海道大学は2次の外国語が「英・独・仏・中から1つ」から英語だけになり、数学Bに「統計的な推測」が入ります。佐賀大学は数学Aに「数学と人間の活動(整数の性質に関する部分)」が加わります。整数の問題が範囲に入るので、過去問だけでは穴が残ります。神戸大学は、前期の面接を受けられるのが「2月25日に実施する試験科目をすべて受験した者に限る」と要項に書き加えました。
誰に効く:この9校が志望校に入っている人全員です。どうする:前年の配点で「何点取れば届くか」を計算していたら、2027年度の配点で計算し直してください。とくに旭川医科と弘前は10ポイント以上動いています。
足切りが厳しくなる3校|広島は約5倍→約3倍、鳥取は650点へ
何が変わる:第1段階選抜(足切り)の基準です。配点と違って、2次を受ける前に効いてきます。

| 大学・日程 | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 広島 前期 |
志願倍率が約5倍を超えたら実施 | 約3倍を超えたら実施 |
| 鳥取 前期 |
共テ920点中613点以上(66.6%) | 650点以上(70.7%) |
| 鹿児島 後期 |
募集19人の約10倍まで | 約11倍まで |
広島大学は、足切りを行う目安を「志願倍率が約5倍を超えたら」から「約3倍を超えたら」に変えました。2026年度の広島大学は前期の募集90人に376人が出願(4.2倍)で、足切りを行っていません。同じ人数が出願すると、約3倍なら270人までになり、計算上は100人ほどが2次に進めなくなります。
鳥取大学は点数の基準です。共通テスト920点満点中613点以上(66.6%)から650点以上(70.7%)へ37点上がります。あわせて「共通テストと個別試験の総合点が75%に満たない場合は、合格者となりえないことがある」と要項に書き加えました。
鹿児島大学の後期は、募集19人の約10倍から約11倍に広がります。こちらは2次に進める人が増える方向です。
誰に効く:共通テストがボーダー付近の人です。どうする:共通テストの自己採点の段階で、「その大学の足切りが去年と同じか」を確かめてから出願先を決めてください。予告倍率と実際に切られたかどうかの実績は、後期日程の記事にもまとめています。
募集人員が動く20校|国の定員予定と「調整中」の読み方
何が変わる:席の数です。2027年度の国公立で、いちばん多くの大学が動いているのがここです。
まず大きな流れから。国の医学部の総定員は2017年度・2019年度の9,420人がいちばん多く、2026年度は9,376人でした。そのうち地域枠を条件にした臨時の定員が912人あります(厚生労働省 検討会 2026年7月31日 資料)。2027年度は、この臨時の枠組みを1年延長しつつ、医師が多い県の臨時定員を減らす方針です。
文部科学省の予定で入学定員が動く国立10校

| 大学 | 2026年度 | 2027年度(予定) | どこが動くか |
|---|---|---|---|
| 新潟 | 140人 | 132人(-8) | 推薦の地域枠は40→42。臨時定員32人を申請中 |
| 東京科学 | 101人 | 97人(-4) | 地域特別枠推薦 15→11 |
| 福井 | 110人 | 114人(+4) | 推薦Ⅱの地元出身者枠 10人程度→14 |
| 金沢 | 111人 | 108人(-3) | 前期79→77(予定)・県枠は未定 |
| 東京 | 110人 | 108人(-2) | 理科三類 97→92 |
| 鳥取 | 104人 | 102人(-2) | 兵庫県枠2人を廃止 |
| 富山 | 105人 | 107人(+2) | 総合型Ⅱに新潟県特別枠2 |
| 神戸 | 113人 | 112人(-1) | 内訳は未公表 |
| 岡山 | 108人 | 107人(-1) | 前期から地域枠へ3人 |
| 山口 | 109人 | 108人(-1) | 内訳は未公表 |
これは文部科学省が2026年8月28日に出した「令和9年度 国立大学の入学定員(予定)」です。減るのは8校、増えるのは福井(+4人)と富山(+2人)の2校。減る話ばかりではありません。神戸と山口は、どの区分で1人減るかがまだ公表されていません。
前期の席が減る11校
| 大学 | 2026年度 | 2027年度 | メモ |
|---|---|---|---|
| 徳島 | 61人 | 50人 | 調整中。61は臨時定員を含む2026年度の最終値 |
| 新潟 | 80人 | 70人 | 10人を推薦の地域枠へ |
| 長崎 | 66人 | 60人 | 臨時定員の扱いは未定 |
| 三重 | 75人 | 70人 | 総合型選抜Ⅱ5人を新設 |
| 東京 | 97人 | 92人 | 理科三類 |
| 高知 | 59人 | 55人 | 調整中 |
| 和歌山県立医科 | 64人程度 | 60人程度 | 前期の一般枠 |
| 熊本 | 86人 | 83人 | 推薦Ⅱに熊本医療枠10 |
| 金沢 | 79人 | 77人 | 予定 |
| 鳥取 | 78人 | 76人 | 兵庫県枠2人を廃止 |
| 京都府立医科 | 93人 | 92人 | 8/18に要項を修正 |
前期の席がいちばん大きく減るのは新潟大学の10人です(減らした10人は推薦の地域枠へ)。徳島大学は61人→50人ですが、61人は臨時定員を含んだ2026年度の最終の数、50人は臨時定員を除いた「調整中」の数です。2026年度も同じ形で、11月に人数が上乗せされました。
「調整中」「申請中」の大学は、いつ決まるか
| 大学 | 何が決まっていないか | いつ決まるか |
|---|---|---|
| 鳥取 | 推薦Ⅱの特別養成枠6人(申請中) | 10月中(大学が明記) |
| 金沢 | 推薦の石川県枠・富山県枠 | 10月下旬(大学が明記) |
| 琉球 | 推薦Ⅱの増員(いまは7人) | 前年は10月31日に決定を公表 |
| 愛媛 | 入学定員95→110人・推薦ⅡB 5→20人の増員申請 | 認可がわかり次第 |
| 筑波 | 前期の地域枠(全国・茨城)の人数 | 国の審査後。前年の一般選抜要項は10月30日 |
| 和歌山県立医科 | 総募集99人・前期一般枠60人程度 | 学生募集要項(11月中旬) |
| 長崎 | 推薦ⅡB・ⅡC・ⅡDの人数 | 一般選抜の募集要項(11月下旬) |
| 熊本 | 臨時定員4人の維持(3人以下なら前期を再変更) | 募集要項(11月下旬) |
| 徳島 | 前期・推薦Ⅱの人数(「調整中」) | 確定次第 |
| 高知 | 前期55人・推薦Ⅱ20人・国際バカロレア4人への調整 | 確定次第 |
| 山梨 | 推薦Ⅱの人数(臨時定員増の申請予定) | 変更があればHPで |
| 浜松医科 | 募集人員(数字は2026年度と同じ) | 確定次第 |
表にない大学でも、地域枠を持つ大学の多くは要項に「認可申請予定」「変更の可能性があります」と書いています。国公立の募集人員は、10月下旬〜11月の学生募集要項で決まると考えてください。前年は、文部科学省が10月16日に申請の一覧、10月28日に予定の一覧を出しています。
誰に効く:表の大学が志望校に入っている人です。どうする:前期の席が数人動くだけで実質倍率は変わります。11月に募集要項が出たら、人数だけもう一度見てください。「調整中」は国の審査待ちという意味で、入試がなくなるわけではありません。
年内入試・地域枠の条件が変わる15校|全国枠と浪人可否
何が変わる:推薦・総合型・地域枠の「誰が出せるか」と「卒業後に何年働くか」です。
| 大学 | 区分 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| 山梨 | 推薦Ⅱ | 全国募集枠10人以内を新設。2浪まで出願可(従来は1浪まで) |
| 徳島 | 総合型 | 8→13人。全国枠5人を新設(従来は四国4県のみ) |
| 熊本 | 推薦Ⅱ | みらい医療枠の保護者の居住要件を撤廃。熊本医療枠10人を新設 |
| 三重 | 総合型Ⅱ | 5人を新設 |
| 富山 | 総合型Ⅱ | 新潟県特別枠2人を新設(新潟県の高校の卒業見込み・卒業後2年以内) |
| 福井 | 推薦Ⅱ | 地元出身者枠 10人程度→14人 |
| 新潟 | 帰国生徒特別選抜 | 医学科で新規実施 |
| 横浜市立 | 推薦(地域医療枠) | 卒業後の県内勤務が2年+7年→2年+3年に短縮 |
| 岡山 | 推薦Ⅱ(地域枠) | 出願が共通テストの後に(2026年度は12月) |
| 東京科学 | 地域特別枠推薦 | 15→11人。茨城は保護者が3年以上県内居住 |
| 山口 | 推薦Ⅱ(地域枠・特別枠) | 併願が3枠→4枠まで |
| 香川 | 推薦Ⅱ | 県内高校出身枠 13→10人程度/小論文は「総合問題」に |
| 奈良県立医科 | 推薦(地域枠・緊急医師確保枠) | 地域枠21→20人/面接で「適性を欠く」と不合格と明記 |
| 愛媛 | 推薦ⅡA | 「卒業後に県内の医療機関等に3年以上所属」が出願資格に |
| 弘前 | 総合型Ⅱ | 評定の基準を廃止 |
いちばん大きいのは山梨大学です。学校推薦型選抜Ⅱに全国募集枠10人以内を新設し、出願できるのが1浪までから2浪までに広がります。徳島大学の総合型にも全国枠5人ができ、熊本大学はみらい医療枠の「保護者が3年以上県内に住んでいる」条件をなくしました。どれも、県外の受験生に入口が開いた変更です。
地域枠の中身も動いています。横浜市立大学は地域医療枠を「YCU地域医療枠」にし、卒業後の県内勤務を臨床研修2年+7年から2年+3年(卒業後5年)に短くしました。岡山大学は地域枠の出願を共通テストの後に移すので、自己採点を見てから出せるようになります。逆に東京科学大学の地域特別枠推薦は15人から11人に減り、愛媛大学の推薦ⅡAには「卒業後に県内で3年以上働く」条件が加わりました。
誰に効く:推薦・総合型・地域枠を考えている人です。どうする:年内入試は入りやすい入口ではなく、卒業後の働き方まで決める入口です。出願資格と卒後の条件は、家族と一緒に要項の原文で読んでから出してください。
太宰府アカデミーの視点|30校の変更をどう使うか
変更点の一覧は、眺めるだけでは何も変わりません。使うための見方を3つ挙げます。
1. 「配点」より先に「席」と「足切り」を見る
2027年度は、配点が変わる大学が6校なのに対し、募集人員と出願の条件が変わる大学は20校を超えます。対策の中身を変えるのは配点が動いた大学だけで十分ですが、出願先の組み立ては、ほぼ全員が見直す年です。とくに広島と鳥取の足切りは、共通テストの自己採点の時点で効いてきます。共通テストが終わってから考える人ほど、ここで足をすくわれます。
2. 7月の要項だけで判断しない
今回、8月の時点で「変更なし」としていた大学から11校の変更が出てきました。富山の新潟県特別枠、福井の地元出身者枠、岡山の地域枠の出願時期は、どれも9〜10月の募集要項で初めて分かったことです。国公立は「7月の入学者選抜要項→9〜11月の学生募集要項」の二段構えで決まるので、11月にもう一度見るのが安全です。
3. 高校2年生は2028年度の予告も見ておく
2028年度入試(いまの高校2年生)では、もっと大きな変更がすでに予告されています。
| 大学 | いつから | 何が変わるか |
|---|---|---|
| 札幌医科 | 2028年度 | 道民枠20→45人・一般枠20→50人・卒後研修枠55人を廃止(10月2日予告) |
| 福井 | 2028年度 | 後期日程を廃止し、前期55→70人・推薦Ⅱ34→44人(予定) |
| 大阪 | 2028年度 | 推薦の第1次選考を約10人までに絞り、小論文をやめて面接を2回に |
| 香川 | 2028年度 | 推薦Ⅱの通常枠を廃止し「次世代枠」を新設 |
| 筑波 | 2028年度 | 情報Ⅰの上乗せ(経過措置)がゼロに |
札幌医科大学は札医大卒後研修枠55人をやめて道民枠と一般枠を大きく増やし、福井大学は後期日程をやめる予定です。志望校がここに入っている高校2年生は、1年後の入試の形が変わる前提で準備してください。
よくある質問
Q. 変更がなかった20校は、去年と同じ対策でいいですか
A. 科目・配点・面接については、そう考えて構いません。ただし募集人員は別です。東北・千葉・大阪・京都・信州などは、要項の表が「臨時定員の延長が認められる前の数」で書かれていて、認められれば2026年度と同じ数に戻る形です。出願前に、11月の学生募集要項で人数だけ確かめてください。
Q. 「調整中」の大学は、志望校から外したほうがいいですか
A. その必要はありません。「調整中」「申請中」は国の審査の結果待ちという意味で、入試をやめる話ではありません。たとえば愛媛大学は、確定している推薦ⅡBの5人を20人に戻す申請をしていると9月16日に公表しています。気をつけるのは人数の前提だけです。
Q. 地域枠の人数が減ると、地域枠は入りにくくなりますか
A. 人数だけでは言えません。地域枠は大学ごとに出願できる人の条件が違い、志願者の数も年によって大きく動きます。席の数が減るのは事実ですが、それで合格の難しさがどう変わるかは、出願が締め切られて倍率が出るまで分かりません。地域枠と一般の合格最低点の差は地域枠の記事で36組を比べています。
まとめ
2027年度の国公立医学部の変更点を、5つにまとめます。
- 変わるのは50校中30校。いちばん多いのは募集人員の20校で、「問題の中身」より「席の数」が動く年です
- 配点が動くのは旭川医科・弘前・広島。旭川医科は共テの比率が62.0%→48.5%、弘前は53.8%→63.6%
- 足切りが厳しくなるのは広島(約5倍→約3倍)と鳥取(613点→650点)。共通テストの自己採点の時点で効きます
- 国立10校で入学定員が動きます。新潟・東京科学・金沢などが減り、福井・富山は増えます
- 地域枠の人数は10〜11月に決まります。鳥取・金沢は10月、和歌山県立医科・長崎・熊本は11月
いま志望校が決まっている人は、タイプ別の早見表で自分の行を探して、30校の一覧で志望校の1行だけ読んでください。それで十分です。入っていなければ、科目と配点は去年のままで大丈夫です。
この記事を作り直したのは、8月の時点で「変更なし」と書いた大学のうち11校が、秋の資料で変わっていたからです。変更は大学のどこかに必ず書いてありますが、7月の要項、9月の募集要項、文部科学省の資料と、置き場所がばらばらです。それを50校ぶん突き合わせるのは受験生がやる仕事ではないと思うので、代わりに調べました。11月に募集要項が出そろったら、もう一度更新します。
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本日の記事は以上です。
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後藤 登(Goto Noboru)
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自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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