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研修医は何歳から?医学部の卒業は24歳・平均27.7歳|研修は2年

2026年09月22日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで総務/広報を担当している後藤です。

先に答えだけ書きます。研修医になれるのは、最短で24歳です。高校を現役で出て、医学部を6年で卒業し、医師国家試験に一度で受かった人が、その年の4月1日に研修医1年目になります。そして厚生労働省の統計では、臨床研修医の平均年齢は27.7歳です。

最短の24歳と、平均の27.7歳。この3.7歳の差の中に、浪人・留年・国試浪人・再受験のすべてが入っています。この記事は、その差を1歳ずつ分解する記事です。

実はこのページ、ずっと気になっていました。以前の版には「研修医の平均年齢は27〜28歳前後」と書いてあったのですが、その数字の出どころがどこにも書かれていませんでした。さらに、同じ段落の中で「最短24歳で卒業」と「最短26歳で研修医」が混ざっていて、読んだ人が結局何歳なのか分からない状態でした。今回、法律の条文と国の統計まで降りて、全部書き直しています。

− 研修医って、結局何歳からなれるの?

− 医師免許って、何歳から取れるの?

− 研修医って何年やるの?終わったら何歳?

順番にお答えします。

 

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結論|研修医は最短24歳から。一人で診られるのは26歳から

いちばん大事なのは、「医師免許を取った年齢」と「一人で診療できる年齢」が2年ずれているということです。

医師免許は最短で24歳(早生まれなら23歳)に取れます。ただし免許を取っただけでは、単独で診療はできません。医師法が2年以上の臨床研修を義務づけているからです。この2年間の医師が「研修医」で、終わるのが26歳。さらに専門医を名乗るには、そこから科に応じて3〜5年かかります。

年齢の逆算をするなら、ゴールを24歳ではなく26歳に置く。ここが出発点です。

 

医学部の卒業は何歳か|浪人も留年もなければ24歳

浪人も留年もしなければ24歳です。医学部の修業年限は学校教育法第87条第2項で6年と決まっているので、18歳で入学した人は6年後の3月に卒業します。1浪なら25歳、2浪なら26歳。入学したときの年齢に6を足した数が、そのまま卒業する年齢になります。

ここでつまずきやすいのは、「卒業」と「医師免許」と「一人で診られる」が、それぞれ別の日付だということです。卒業しても、その日はまだ医師ではありません。免許を取っても、2年間は一人で診療できません。入学時の年齢別に、4つの節目が何歳になるかを1枚にしました。

入学までの道のり 入学
(4月)
卒業
(3月)
医師免許 初期研修修了
=一人で診療
現役で合格し、6年で卒業(ストレート) 18歳 24歳 24歳 26歳
1浪 19歳 25歳 25歳 27歳
2浪 20歳 26歳 26歳 28歳
3浪 21歳 27歳 27歳 29歳
再受験(他学部を4年で卒業してから入学) 22歳 28歳 28歳 30歳
現役で入学し、在学中に1年留年 18歳 25歳 25歳 27歳
現役でストレート卒業、国家試験に1年 18歳 24歳 25歳 27歳

読み方を3つ補足します。

1つめ。表の年齢は「その年の4月1日の時点」です。日本の学年は4月2日生まれ〜翌年4月1日生まれで区切られるので、3月の卒業式の時点では、まだ1つ下の人がいます(現役ストレートなら23歳の人と24歳の人が混ざります)。4月1日には全員が表の年齢になります。この1年ずつの数え方は、次の見出しで年表にしています。

2つめ。卒業した時点では、まだ医師ではありません。卒業で得られるのは医師国家試験の受験資格(医師法第11条)で、免許は2月の試験に受かり、3月の合格発表のあと医籍に登録されてはじめて有効になります。国家試験に1年落ちると、卒業年齢はそのままで免許だけが1年後ろにずれます(表のいちばん下の行)。

3つめ。卒業年齢に2を足した数が、一人で診療を始められる年齢です。医師法第16条の2が2年以上の臨床研修を義務づけているためで、ここを飛ばす道はありません。学費や生活費を逆算するときは、卒業の年齢ではなくこの「+2年」の年齢で計算してください。

出典:学校教育法第87条第2項(医学を履修する課程の修業年限は6年)/医師法第11条・第16条の2/厚生労働省「医師国家試験の施行について」(第121回・令和8年7月1日告示)。年齢は各年の4月1日時点で太宰府アカデミーが算出

 

研修医は何歳か|18歳の入学から1年ずつ数えると、研修医1年目は24歳

「研修医 何歳」で検索している人がいちばん知りたいのは、たぶんこの1本の線だと思います。18歳で医学部に入った人が、何歳で何をするのかを1枚にしました。

18歳で医学部に入学してから研修医1年目・初期研修修了・専門医までの年齢の年表。最短で研修医は24歳
出典:医師法/厚生労働省「医師臨床研修指導ガイドライン ―2024年度版―」/日本専門医機構「専門医制度整備指針(第三版)」をもとに太宰府アカデミー作成
年齢 時期 何が起きるか 根拠
18歳 4月 医学部に入学する。大学に入学できるのは18歳から(高等学校卒業程度認定試験に合格しても、18歳になっていなければ資格は18歳に達した日から有効になる) 文部科学省 高等学校卒業程度認定試験
18〜23歳 6年間 4年次に共用試験(CBT・OSCE)、6年次に卒業試験。共用試験に落ちると臨床実習に進めない 医師法第11条(受験資格に共用試験の合格が明記されている)
23〜24歳 6年次の2月 医師国家試験。第121回は2027年2月6日・7日、試験地は福岡を含む12都道府県 厚生労働省 令和8年7月1日 告示
23〜24歳 3月 合格発表(第121回は2027年3月16日(火)14時)。申請して医籍に登録された時点で医師免許を持つ 医師法第6条/同 告示
24歳 4月1日 研修医1年目。現役でストレートなら、この日は全員24歳になっている 学年の区切りは4月2日生まれ〜翌年4月1日生まれ
25歳 翌年4月 研修医2年目 医師法第16条の2(2年以上の臨床研修)
26歳 2年後の4月 初期研修を修了。ここではじめて一人で診療でき、専攻医(専門研修)に進む 同上
29〜31歳 専門研修の3〜5年後 基本領域の専門医 日本専門医機構「専門医制度整備指針(第三版)」

この表で、意外と知られていないところを3つ挙げます。

1つめ。研修医1年目が始まる4月1日には、現役ストレートの人は全員24歳になっています。日本の学年は4月2日生まれから翌年4月1日生まれで区切られるので、いちばん誕生日の遅い4月1日生まれの人も、この日にちょうど24歳になります。「早生まれだから23歳で研修医」ということは起きません。

2つめ。医師免許のほうは、23歳で取る人がいます。国家試験は2月、合格発表は3月。この時点ではまだ誕生日が来ていない人がいるからです。「医師免許 何歳で取れる」の答えは、正確には23歳または24歳になります。

3つめ。2月の国家試験は、九州なら福岡で受けられます。第121回(2027年2月6日・7日)の試験地は12都道府県で、九州は福岡・熊本・沖縄の3県です。合格発表は2027年3月16日(火)14時と、告示で日付まで決まっています。

出典:医師法(昭和23年法律第201号)/厚生労働省「医師国家試験の施行について」(第121回・令和8年7月1日告示)/文部科学省 高等学校卒業程度認定試験

 

医者は何歳からなれるか|医師免許は法律上18歳から、現実は23〜24歳

ここは検索する人が多いわりに、法律まで書いてある記事がほとんどありません。条文を見ておきます。

医師法には、年齢の下限が1か所だけ書いてある

医師免許の年齢について、医師法が定めているのは第3条のたった1行です。

「第三条 未成年者には、免許を与えない。」

成年年齢は2022年4月1日から18歳になりました。つまり法律上、医師免許は18歳以上でなければ与えられません。これが唯一の年齢要件で、上限は書かれていません。

では18歳で医師免許が取れるかというと、取れません。免許の前に国家試験があり、その受験資格が医師法第11条で「大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(=共用試験に合格した者に限る)」と決められているからです。医学部は6年、大学に入れるのは18歳から。だから現実の下限は23〜24歳になります。

ちなみに、高等学校卒業程度認定試験は満16歳から受けられますが、合格しても18歳になっていなければ大学入学資格は18歳に達した日から有効になります。16歳で高認に受かっても、医学部に入れるのは18歳から。ここを短縮する道は、いまのところありません。

免許を取っただけでは、一人で診療できません

免許を取った瞬間から医師ではあります。医師法第17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」とだけ書いていて、研修中かどうかは区別していません。

ただし、その次の条文が効いてきます。

「第十六条の二 診療に従事しようとする医師は、二年以上、都道府県知事の指定する病院又は外国の病院で厚生労働大臣の指定するものにおいて、臨床研修を受けなければならない。」

この2年間が初期臨床研修で、この期間の医師が研修医です。「医師免許を取ったのに、なぜ2年も研修医なのか」の答えは、法律でそう決まっているから——それ以上でも以下でもありません。

 

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研修医は何年か|初期研修は2年、そのあと科によって3〜5年

「研修医 何年」は、この記事にいちばん多く来ている検索語です。答えは2年ですが、それだけだと半分しか答えていないので、中身まで書きます。

2年のうち56週は、回る科があらかじめ決まっています

厚生労働省のガイドラインは「研修期間は原則として2年間以上とする」と定め、そのうえで必修分野の最低週数まで決めています。

初期臨床研修2年間の必修分野と最低週数。内科24週・救急12週ほか、合計56週があらかじめ決まっている
出典:厚生労働省「医師臨床研修指導ガイドライン ―2024年度版―」(2024年12月一部改訂)
分野 最低の期間 望ましい期間 注記
内科 24週以上 ― 必修分野でいちばん長い。2年104週の約4分の1
救急 12週以上 ― 4週以上のまとまった研修をしたうえで、残りを週単位の並行研修にしてもよい。麻酔科での研修を4週を上限に救急に算入できる
外科 4週以上 8週以上 ―
小児科 4週以上 8週以上 同じ科の一般外来なら、一般外来の4週と重複計上できる
産婦人科 4週以上 8週以上 ―
精神科 4週以上 8週以上 ―
地域医療 4週以上 8週以上 必修分野で唯一、実施時期が決まっている(2年次)
一般外来 4週以上 8週以上 ブロック研修でも並行研修でもよい。救急部門は一般外来として扱えない
合計 56週(一般外来を除く) ― 2年間=104週の54%があらかじめ埋まっている

合計すると、一般外来を除いても56週。2年間は104週ですから、半分以上があらかじめ埋まっていることになります。研修先の病院は自分で選べますが、回る科は選べません。内科24週・救急12週という配分は、どの病院で研修しても同じです。

時期が決まっているのは地域医療だけで、これは2年次に行います。「1年目のうちに地域医療を終わらせる」ということはできません。なお、2年の期間内に到達目標が達成できなかった場合は未修了と判定され、研修期間が延長されます。研修医が3年目になることは、制度上あり得ます。

出典:厚生労働省「医師臨床研修指導ガイドライン ―2024年度版―」(2024年12月一部改訂)

専門研修の年数は「3年以上」ではなく、科ごとに違います

ここは調べていていちばん驚いたところです。よく「専門医まで3〜5年」と書かれていますが、隣の科から推測すると外します。8つの科を1科ずつ学会の公式資料で確認しました。

初期研修のあとの専門研修の年数を診療科ごとに比較。皮膚科5年・整形外科4年・内科3年と差がある
出典:日本皮膚科学会・日本整形外科学会・日本麻酔科学会・日本眼科学会・日本脳神経外科学会・日本内科学会・日本外科学会・日本小児科学会の各整備基準(2026年8月確認)
診療科 専門研修の年数 学会が定めている中身
皮膚科 5年 「5年以上の研修」。学会に入会した後の初期研修の期間は算入できるので、初期研修2年目に入会すれば修了後4年で要件を満たす計算になる(日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医制度の手引き)
整形外科 4年 研修を10領域に分け、3年9か月で45単位を修得する。4年目の12月に達成度を評価(日本整形外科学会 専門研修プログラム整備基準)
麻酔科 4年 基幹施設・連携施設で4年間。うち連携施設Bでの研修は2年を超えられない。基幹施設6か月以上・連携施設3か月以上が必須(日本麻酔科学会)
眼科 4年 2007年から4年間の研修。1年目か2年目のどちらかを専門研修基幹施設で行う(日本眼科学会)
脳神経外科 4年以上 研修プログラムで通算4年以上。うち3年以上は脳神経外科の臨床に専従し、手術経験の目標を満たすこと(日本脳神経外科学会)
内科 3年 基幹施設1〜2年+連携施設1〜2年で合計3年以上。症例登録120件以上(日本内科学会)
外科 3年(最低) 専門研修の開始以降、最低3年間。基幹施設・連携施設それぞれ6か月以上(日本外科学会)
小児科 3年以上 休止期間を除いて3年以上。基幹施設で延べ6か月以上、連携施設で3か月以上(日本小児科学会)

日本専門医機構の整備指針は「基本領域専門医資格取得には、原則として、臨床研修修了後3年以上の専門研修を行い、各基本領域学会で定めた知識・技能の習得を必要とする」と定めています。「3年以上」が全国共通の下限で、そこから上に何年積むかは各学会が決めている、という構造です。

実際に確認すると、内科・外科・小児科は3年、整形外科・麻酔科・眼科・脳神経外科は4年、皮膚科は5年でした。同じ「医師になる」でも、科を決めた時点で一人前になるまでの年数が2年ちがうということです。26歳で専門研修に入るとして、内科なら29歳、皮膚科なら31歳。ここは志望科を考えるときの材料になります。

ただし、これを「早く終わる科のほうが得」と読まないでください。年数の違いは、その科で経験しなければならない症例数や手技の量の違いです。脳神経外科が4年のうち3年以上を「脳神経外科の臨床に専従」と定めているのも、手術経験を積むための年数だからです。

出典:日本専門医機構「専門医制度整備指針(第三版)」2020年2月/各学会の専門研修プログラム整備基準・専門医制度の手引き(2026年8月確認)

 

なぜ平均は27.7歳なのか|最短との3.7歳を3つの数字で分解します

ここからが、この記事の本題です。厚生労働省の令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計によると、臨床研修医は全国に18,257人いて、その平均年齢は27.7歳、女性が34.7%を占めます。医師全体の平均年齢が50.6歳ですから、いちばん若い集団です。

最短が24歳なのに、平均は27.7歳。差は3.7歳あります。理由は3つに分けられます。

理由1|入学者の6割から9割が浪人を経験している

いちばん大きいのがこれです。入試結果に現役・浪人の内訳を公表している6大学の、2026年度入試の実数を並べました。

医学部の入学者に占める浪人経験者の割合を6大学で比較。愛知医科86%・金沢医科84%と過半数が浪人経験者
出典:各大学公表の入試結果(2026年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計
大学 区分 入学者 うち浪人経験者 割合
愛知医科大学 一般選抜 69人 59人 86%
金沢医科大学 一般前期 73人 61人 84%
岩手医科大学 全選抜 ―(構成比) 1浪35%・2浪25%・3浪8%・4浪以上11% 79%
大阪医科薬科大学 全選抜 112人 77人 69%
藤田医科大学 全選抜 118人 71人 60%
関西医科大学 全選抜 117人 68人(既卒) 58%

6大学すべてで、入学者の過半数が浪人経験者でした。愛知医科大学の一般選抜は69人中59人(86%)、金沢医科大学の一般前期は73人中61人(84%)。1年の浪人はそのまま卒業年齢に乗り、研修医1年目の年齢に乗ります。1浪なら25歳、2浪なら26歳です。

付け加えると、この6大学のうち愛知医科・金沢医科・藤田医科では、浪人のほうが現役より合格率が高くなっています(金沢医科の一般前期は浪人5.0%対現役2.7%、藤田医科は1浪19.8%対現役12.6%)。年齢が上がることと不利になることは、少なくとも入口では同じではありません。ただし集計の区分と分母が大学ごとに違うので、この数字を大学どうしの比較には使わないでください。

出典:各大学公表の入試結果(2026年度入試)をもとに太宰府アカデミー集計

理由2|7人に1人は6年で卒業していない

入学したあとにも年齢はずれます。文部科学省の追跡データでは、入学した9,456人のうち、最低修業年限の6年で卒業したのは8,076人(85.4%)でした。6年次まで進級できたのは86.7%です。

つまり7人に1人は、6年では卒業していません。留年が1年あれば、研修医1年目は25歳になります。何年で卒業できるかは大学ごとに開きがあり、進級率が100%の大学もあれば66%台の大学もあります。ここは医学部の留年率・進級率・卒業率・国試合格率ランキングに全81校ぶんをまとめてあります。

理由3|国家試験に落ちると、次の年は急に厳しくなる

最後の関門が国家試験です。第120回(2026年)は受験者9,980人・合格者9,139人で合格率91.6%。ただし内訳を見ると、新卒94.7%に対して既卒は54.6%です。一度落ちると、翌年の合格率は半分近くまで落ちます。

ここまでの3つを掛け合わせた数字が「6年で医師になれる確率81.7%」です(卒業率85.4%×国試合格率95.7%)。入学した5人に1人は、24歳では研修医になっていないということになります。

そして4つめとして、社会人経験を経た再受験や、学士編入で入ってくる人がいます。人数の全国統計はありませんが、この層が平均を上に引っぱります。平均27.7歳は「いちばん多い年齢」ではありません。医師統計は年齢の分布までは公表していないので断定はできませんが、24〜26歳に大きな山があり、そこから上に長い裾を引いた形の平均だと読むのが自然です。

 

研修医に年齢の上限はあるのか

「研修医 何歳まで」もよく検索されています。

医師法にも、臨床研修の制度にも、年齢の上限は書かれていません。国家試験の受験資格(医師法第11条)にも、免許の要件(第3条)にも、上限の記載はありません。第3条が定めているのは下限の18歳だけです。研修医は「初期研修中の医師」という立場の呼び名であって、年齢の区分ではないということです。

ただし、年齢が上がると別のところで効いてくるものがあります。国の高等教育の修学支援新制度は「高校卒業から2年以内の入学」を要件にしているため、3浪以上は最初から対象外です。大阪府の授業料等支援制度も同じ基準です。合否では3浪でも合格者が出ている大学があるのに、学費の支援だけは2浪で線が引かれている——ここは知らずに進むと計算が狂うところなので、多浪を選ぶなら学費の設計を別に考えておいてください。

 

太宰府アカデミーの視点|年齢の逆算は24歳ではなく26歳から始める

データを踏まえて、年齢の考え方を3つ挙げます。

1つめ。ゴールを26歳に置いて逆算する。受験生も保護者も、つい「24歳で医師免許」で計算します。ただ実際に一人で外来を持てるのは初期研修を終えた26歳からで、専門医となると29〜31歳です。「何歳で自立するか」を基準にすると、2年ぶんずれます。特に学費や生活費の計画を立てるときは、免許取得の24歳ではなく、初期研修修了の26歳を区切りにしたほうが実際に近くなります。なお研修医の期間も給与は出ますし、その水準は病院によって差があります。

2つめ。「1年の浪人」を、6年の学部生活とセットで見る。入学者の6〜9割が浪人経験者という数字を見ると、1浪はむしろ標準的な入り方です。一方で、入学したあとに6年で卒業できるのは85.4%。入試の1年と、入学後の1年は、同じ1年です。志望校を偏差値だけで決めると、入学後にもう1年ぶん遅れる可能性を見落とします。進級率や国試合格率まで見ておくと、入学後の6年間が具体的に想像しやすくなります。

3つめ。科を決めるのは、まだずっと先だと知っておく。初期研修の2年は全科を回る期間で、科を選ぶのはそのあとです。18歳の時点で「何科の医者になるか」を決めておく必要はまったくありません。むしろ、専門研修の年数が3年から5年まで科によって違うことを知るのは、初期研修が始まってからで十分間に合います。志望理由書に「◯◯科の医師になりたい」と書くこと自体は良いのですが、そこで人生が固定されるわけではない、というのは受験生にも保護者にも知っておいてほしいところです。

研修先そのものについては、2025年度のマッチング結果で大学病院35.2%・市中病院64.8%と、3人に2人が市中病院を選んでいます。この選択も、初期研修が始まる直前の6年生の秋に決まります。

 

まとめ|研修医の年齢

  • 医学部を卒業するのは24歳。修業年限は学校教育法第87条第2項で6年。1浪なら25歳、2浪なら26歳で、入学時の年齢に6を足した数がそのまま卒業年齢になる
  • 研修医になれるのは最短24歳。18歳入学・6年で卒業・国試に一度で合格した場合。4月1日時点では現役ストレートの人は全員24歳になっている
  • 医師免許を取るのは23歳または24歳。国家試験は2月、合格発表は3月なので、まだ誕生日が来ていない人がいる
  • 法律上の年齢の下限は18歳。医師法第3条「未成年者には、免許を与えない」だけが年齢要件で、上限の規定はない
  • 研修医は2年。医師法第16条の2で「2年以上」と義務づけられている。内科24週・救急12週など必修だけで56週=104週の54%が埋まっている
  • 初期研修が終わるのが26歳。ここから専門研修に入り、内科・外科・小児科は3年、整形外科・麻酔科・眼科・脳神経外科は4年、皮膚科は5年
  • 国の統計では臨床研修医は18,257人・平均27.7歳・女性34.7%。最短24歳との差3.7歳の中身は、浪人・留年・国試浪人・再受験
  • 入学者の58〜86%が浪人経験者(愛知医科大学・金沢医科大学・岩手医科大学・大阪医科薬科大学・藤田医科大学・関西医科大学の2026年度入試)
  • 6年で卒業できるのは85.4%、6年で医師になれる確率は81.7%。入学した5人に1人は24歳では研修医になっていない

この記事をつくり直したのは、以前の版に書いてあった「平均27〜28歳前後」に出典が付いていなかったからです。数字としては近かったのですが、出どころの分からない数字を何年も置いていたのは、うちの落ち度でした。年齢は、受験生本人よりも保護者の方が気にされる話題です。だからこそ、法律の条文と国の統計だけで組み直しました。24歳、26歳、27.7歳——どの数字も、根拠のあるところまで戻れます。

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本日の記事は以上です。

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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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