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医学部の面接|配点を公表する14校とMMI実施校|2027年度入試

2026年08月17日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

「面接って、実際どのくらい重いんですか」——夏を過ぎたころから、この質問が増えます。学科の勉強で手一杯のなか、面接にどれだけ時間を割くべきか判断できない、というのが正直なところだと思います。

そこで私立医学部31校の募集要項を1校ずつ読んで、面接と小論文の配点・形式を一覧にしました。分かったのは「一般前期で配点を公表しているのは14校だけ」という事実と、それ以上に大事な「同じ大学でも、受ける枠が変われば面接の配点が変わる」という構造でした。

− 面接って何点あるの?大学でどのくらい違う?

− 前期と後期、一般と地域枠で何が変わるの?

− 最近よく聞く「MMI」って何?どこがやっているの?

順番にお答えします。

結論|面接の配点を公表しているのは31校中14校。ただし配点の大小では判断できません

先に、いちばん大事なことを2つ書きます。

1つめ。多くの大学が募集要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」と明記しています。岩手医科・東北医科薬科・杏林・昭和医科・東京医科・東京慈恵会医科・東京女子医科・東邦・日本・聖マリアンナ医科・大阪医科薬科・福岡など、確認できただけで10校以上です。

つまり「面接は30点しかないから軽い」という読み方は誤りです。配点は合否の”加点”としての重みを示すだけで、足切りとしての機能は配点と無関係に働きます。ここを取り違えると、学科で取れていても落ちます。

2つめ。同じ大学でも、前期・後期・地域枠・推薦で面接の配点が変わります。いちばん分かりやすいのが川崎医科大学です。一般選抜は100点、地域枠選抜は150点。日程も試験科目も同じなのに、面接だけ配点が1.5倍になります。金沢医科大学も、一般前期は110点ですが、総合型・推薦では140点です。

この記事では表を「一般前期」「後期・Ⅱ期・地域枠」「学校推薦型・総合型」の3つに分けました。ひとつの表に混ぜると、自分が受ける枠の点数を取り違えてしまうからです。

医学部の面接の配点一覧【一般選抜・前期の14校】

まず、いちばん受験者の多い一般選抜(前期)から見ます。

私立医学部の一般前期の面接の配点。金沢医科110点から日本大学30点まで3倍以上の開きがある
出典:各大学公表の学生募集要項をもとに太宰府アカデミー集計(2026年8月時点)
配点 大学 形式 総合点に占める比率
110点 金沢医科(前期) グループ面接(1グループ約20分)※調査書等の評価を含む 2次170点の65%/総合520点の21%
100点 昭和医科Ⅰ期 個人面接 約10分 2次120点の83%/総合520点の19%
100点 北里 グループ面接または個人面接、あるいは両方(10分) 2次200点の50%/総合700点の14%
100点+段階評価 川崎医科 個人面接(2026年度入試では課題型だったとの受験者報告あり) 学科350点+面接100点/総合450点の22%
80点 兵庫医科A(4科目型) 個人面接 2次判定材料130点の62%/総合630点の13%
50点 岩手医科 個人面接(15分程度) 2次=面接のみ/総合400点の12.5%
50点 東邦 約40分 2次は基礎学力50点+面接50点/総合550点の9%
50点 聖マリアンナ医科 公式非記載 2次100点の50%/総合500点の10%
50点 久留米(前期) 公式非記載 2次100点の50%/総合500点の10%
50点 福岡 グループ面接:受験生4〜6人に面接者3人で40分程度 2次=面接のみ/総合450点の11%
40点 東京医科 2027年度からMMIへ(2026年8月3日のプレスリリース。ただし入試概要の表記は「個人面接」のまま) 2次40点/総合500点の8%
40点 藤田医科(5段階評価) 個人面接2回+MMI 2回 2次=面接のみ/総合640点の6%
30点 東京慈恵会医科 MMI:1対1を異なる課題・評価者で計6回/約60分/評価者6名が5段階評価 2次80点の37.5%/総合480点の6%
30点 日本(N方式1期) 個人面接 約20分(複数の評価者) 2次150点の20%/総合550点の5%

金沢医科(前期)の110点から日本大学(N方式1期)の30点まで、3倍以上の開きがあります。総合点に占める比率で見ると、金沢医科の21%・川崎医科の22%に対し、藤田医科・東京慈恵会医科は6%です。

出典:各大学公表の学生募集要項をもとに太宰府アカデミー集計(2026年8月時点。金沢医科・昭和医科・川崎医科・兵庫医科・久留米・東邦・東京医科は2027年度の公表分で確認)。配点・形式は年度で変わります。出願前に必ず最新の募集要項を確認してください

形式もばらばらです。金沢医科と福岡はグループ面接(金沢医科は1グループ約20分、福岡は受験生4〜6人に面接者3人で40分程度)、東京慈恵会医科はMMI(1対1を異なる課題・異なる評価者で計6回、約60分)。準備の中身がまったく変わるので、志望校の形式は早めに確認してください。

2次試験が「面接だけ」の大学が4つあります

配点の表を見るときに、いちばん実務的に効くのがここです。

一般前期の2次試験が面接のみの大学。岩手医科・藤田医科・福岡と、実質的に面接中心の東邦
出典:各大学公表の学生募集要項をもとに太宰府アカデミー集計(2026年8月時点)
大学 2次試験の中身 面接の配点 総合点に占める比率
岩手医科 面接のみ(個人面接15分程度) 50点 総合400点の12.5%
藤田医科 面接のみ(個人面接2回+MMI2回) 40点(5段階評価) 総合640点の6%
福岡 面接のみ(グループ面接40分程度) 50点 総合450点の11%
東邦 基礎学力50点+面接50点=実質的に面接中心 50点 総合550点の9%
(参考)昭和医科Ⅱ期 面接のみ(MMI)※後期にあたる 100点 総合500点の20%

岩手医科・藤田医科・福岡は、一般前期の2次試験が面接のみで構成されています(東邦も2次は基礎学力50点と面接50点で、実質的に面接中心です)。1次の学科を通ったあと、合否を分けるのが面接一本になるということです。

この4校を受けるなら、面接対策は「余裕があればやる」ものではありません。学科と同じ重さで準備する必要があります。逆に、2次で学科試験がある大学とは、時間配分の考え方を分けて良いということでもあります。

出典:各大学公表の学生募集要項をもとに太宰府アカデミー集計(2026年8月時点)

後期・Ⅱ期・地域枠は、同じ大学でも面接の配点が変わります

ここが、他ではあまり整理されていないところです。

大学・区分 面接の配点 中身 総合点に占める比率
川崎医科 地域枠選抜
(岡山県・静岡県・長崎県/同時出願を含む)
150点+段階評価 日程も試験科目も一般選抜と同一。面接だけ配点が1.5倍になる。志望理由書も判定に使う 学科350点+面接150点/総合500点の30%
金沢医科(後期) 110点 グループ面接 約20分(調査書等の評価を含む)。1次が英語・数学の2科目だけになるぶん、面接の比重が上がる 1次200点+小論文60点+面接110点/総合370点の30%
昭和医科Ⅱ期 100点 MMI(要項に「マルチプル・ミニインタビュー(MMI)面接を行います」と明記) 2次=面接のみ/総合500点の20%
兵庫医科B(英語資格試験活用型) 80点 課題型面接+個人面接 総合480点の17%
久留米(後期) 50点 前期と同じ(小論文50点+面接50点) 総合500点の10%
獨協医科 栃木県地域枠・新潟県地域枠 非公表 一般前期に準じるが、大学の面接に加えて県の面接試験がある

出典:各大学公表の学生募集要項をもとに太宰府アカデミー集計(川崎医科・金沢医科・昭和医科・兵庫医科・久留米は2027年度の公表分で確認)

川崎医科大学の地域枠選抜は面接150点です。一般選抜と同じ日に、同じ問題を解くのに、面接の配点だけが100点→150点になります。学科350点に対して面接150点ですから、総合500点の30%が面接という設計です。地域枠を併願する人は、面接の比重が跳ね上がることを知っておいてください。

金沢医科大学の後期も面接110点のままです。ただし後期は1次が英語・数学の2科目だけ(200点)になるので、総合370点に対して面接110点=30%まで比重が上がります。前期の21%とは、対策に割くべき時間が変わってきます。

そして昭和医科大学のⅡ期は、2次が面接のみで、その面接がMMIです。要項に「Ⅱ期のみ、マルチプル・ミニインタビュー(MMI)面接を行います」とはっきり書かれています。Ⅰ期とⅡ期で準備の中身を変える必要がある、めずらしい例です。

学校推薦型・総合型選抜は、面接の比重が跳ね上がります

年内入試を受けるなら、ここは必ず見てください。

大学・区分 面接の配点 中身 総合点に占める比率
金沢医科 総合型(AO・卒業生子女・研究医枠・新潟県地域枠)/学校推薦型(指定校) 140点 個人面接 約15分(調査書・履歴書・活動実績書の評価を含む) 基礎学力200点+書類60点+面接140点/総合400点の35%
東京医科 学士選抜 32点 面接(MMI) 書類12点+小論文36点+面接32点/総合80点の40%
東邦 総合入試・同窓生子女入試 50点 出願書類40点+適性試験30点+基礎学力60点+面接50点 総合180点の28%
川崎医科 総合型
(中国・四国地域出身者枠/霧島市地域枠/特定診療科専攻枠)
100点+段階評価 面接に加えて集団討論(2027年度から追加) 総合適性試験400点+小論文100点+面接100点/総合600点の17%
昭和医科 学校推薦型(公募・指定校・特別協定校) 70点 個人面接 約10分 基礎学力400点+小論文30点+面接70点/総合500点の14%
東京医科 学校推薦型(一般公募・各県地域枠) 24点 個人面接 基礎学力100点+小論文36点+面接24点+書類12点/総合172点の14%
東北医科薬科 総合型(東北地域定着枠) 得点化(配点は非公表) グループ面接。面接内容を録画すると要項に明記

出典:各大学公表の学生募集要項・入試概要をもとに太宰府アカデミー集計(いずれも2027年度の公表分。東北医科薬科のみ2026年度)

金沢医科大学の総合型・推薦は面接140点で、総合400点の35%を占めます。一般前期の21%と比べると、面接の比重が1.5倍以上です。東京医科大学の学士選抜にいたっては、80点満点のうち32点が面接(MMI)=40%。書類12点・小論文36点と合わせて、学科試験は合格基準点を超えるかどうかの判定にしか使われません。

東邦大学の総合入試も、180点満点のうち面接が50点(28%)です。年内入試は「学科が軽いぶん、人物評価が重い」という構造になっている、と考えておくのが安全です。

MMIとは|複数の課題を巡る面接と、実施している大学【2027年度】

1回の面接ではなく、複数の面接室を巡ります

ここ数年、医学部入試でいちばん質問が増えているのがMMIです。

MMI(Multiple Mini Interview/マルチプル・ミニ・インタビュー)は、受験生が複数の面接室を順番に巡り、それぞれ違う課題について、違う評価者と短い面接を繰り返す形式です。1回の長い面接ではなく、5分前後の面接を5〜6回受けるイメージだと思ってください。

従来の個人面接との違いは3つあります。

1つめ。志望動機を聞かれるとは限りません。MMIで出るのは「こういう状況であなたならどうするか」という課題です。用意してきた志望理由をそのまま話す場面が、そもそも来ないことがあります。

2つめ。評価者が毎回変わります。1人の面接官と相性が悪くても、それが全体を引きずりません。逆に、1回うまくいっても全体の評価にはなりません。1回あたりの当たり外れをならすための仕組みだと考えると分かりやすいと思います。

3つめ。正解が用意されていません。評価されるのは結論そのものではなく、どういう根拠でそう考えたか、反対の立場をどこまで想像できているか、追加の質問に対して考えを修正できるか、といったところです。

東京慈恵会医科大学のように評価者6名が5段階で評価すると明記している大学もあります。「誰か1人に気に入られる」ことを狙う対策が効かない形式だ、ということです。

MMIを実施している大学と配点

大学公式が「MMI」と明記している入試を一覧にしました。

大学 MMIを行う入試 配点と中身
東京慈恵会医科 一般選抜 30点。1対1の面接を、異なる課題・異なる評価者で計6回・約60分。評価者6名が5段階評価
昭和医科 一般選抜Ⅱ期 100点。要項に「Ⅱ期のみ、マルチプル・ミニインタビュー(MMI)面接を行います」と明記。2次は面接だけ
東京医科 一般選抜・共通テスト利用選抜(2027年度から)/学士選抜/全国ブロック別学校推薦型選抜 一般・共テ利用は40点(2026年8月3日のプレスリリースで「従来の面接に代わりMMIを導入」と発表。ただし6月23日公開の入試概要は「個人面接」のまま)。学士選抜は32点=80点満点の40%。全国ブロック別推薦は2024年度からMMIで、MMIだけ別日に実施
藤田医科 一般選抜/ふじた未来入試 一般は個人面接2回+MMI2回で40点。ふじた未来入試はMMI+グループディスカッション
東邦 総合入試/同窓生子女入試/地域枠推薦 総合入試は面接50点(180点満点の28%)。2013年度からMMIを実施しており、国内でもっとも早く導入した大学として知られています
福島県立医科(公立) 総合型選抜(A枠) 1次(総合問題)合格者にMMI。一般前期は通常の個人面接
横浜市立(公立) 特別公募制学校推薦型選抜 MMIが1,000点。公式に「各受験者に対して5つ程度の面接室を設けます」と明記

出典:各大学公表の学生募集要項・入試概要・公式サイト(2027年度の公表分。福島県立医科のみ2026年度時点の確認)

ここで注意してほしいのは、「◯◯大学はMMI」と大学単位で覚えないことです。表のとおり、同じ大学でも入試の区分によってMMIだったり個人面接だったりします。

そのうえで、東京医科大学については大学の公表資料どうしが食い違っているので、正直に書いておきます。2026年8月3日付のプレスリリースでは、一般選抜・共通テスト利用選抜の第2次試験について「従来の面接に代わり、2027年度入学者選抜よりMMIを導入します」と明記されています。ところが、6月23日公開の入試概要で選抜区分ごとの配点を見ると、一般選抜の欄はいまも「個人面接(40点)」のままです。

プレスリリースのほうが日付が新しいので、一般で受ける人もMMIを前提に準備しておくのが安全だと考えています。配点が40点であることは入試概要で確定しているので、変わるのは形式のほうです。最終確認は募集要項の本文でしてください。なお全国ブロック別学校推薦型選抜は2024年度からすでにMMIで、2027年度は募集人員が各ブロック1名以内から2名以内に拡充されます。

配点の幅も大きく、東京慈恵会医科の30点から、横浜市立大学の1,000点まであります。横浜市立の特別公募制学校推薦型選抜は、第2次選考がMMIだけで構成されていて、公式に「各受験者に対して5つ程度の面接室を設けます」と書かれています。MMI=重い、とも限らないということです。

MMIで実際にどんな課題が出て、どう答えればよいかは医学部MMIの対策|質問例4つの型と答え方に分けて書きました。ある大学で2026年度に実際に出た4問と、当塾の想定問題を載せています。

要項に「面接」と書いてあってもMMIが出た年があります

これが、受験生にとっていちばん実害の大きい話だと思います。

大学 2026年度入試で起きたこと 要項の表記
川崎医科 面接官が課題を読み上げ、「あなたが医師ならどうするか」を問う課題型・ロールプレイ型だったとの受験者報告 例年どおり「面接」のまま(予告なし
北里 学祖(北里柴三郎)に関する課題シートを使った課題型だったとの受験者報告 「面接」のまま(予告なし
東京女子医科 個人面接を2回に変更。状況設定の課題を示す形式だったとの受験者報告 事前に告知あり

出典:要項の表記は各大学公表の学生募集要項。試験当日の形式は受験者の報告によるもので、大学公式の発表ではありません

2026年度入試では、川崎医科・北里・東京女子医科の3校で、面接が課題型に変わったという受験者報告が相次ぎました。このうち川崎医科と北里は、募集要項の表記が例年どおり「面接」のままだったと確認しています。

つまり「要項に面接としか書いていない=オーソドックスな個人面接」とは限らないということです。ここは断定を避けて書きますが、対策の考え方としては次の一手が現実的だと思います。

志望動機を暗記するのではなく、「なぜそう考えるか」を自分の言葉で説明できる状態にしておく。そうしておけば、個人面接でもMMIでも、形式が変わっても答えられます。逆に、想定問答を丸暗記する対策は、形式が変わった瞬間に何も残りません。

医療系学部の面接も重くなっています(医学部だけの話ではありません)

「面接が重いのは医学部だけ」という思い込みは、すでに崩れています。

昭和医科大学の学部別の面接比率。薬学部は総合600点の50%、歯学部の指定校推薦は77%
出典:昭和医科大学 令和9(2027)年度入学試験要項をもとに太宰府アカデミー集計
大学・学部 面接の配点 総合点に占める比率
昭和医科 薬学部(一般Ⅰ期・Ⅱ期) 300点(約6分) 学力300点+面接300点/総合600点の50%
昭和医科 歯学部(学校推薦型・指定校/特別協定校) 100点 小論文30点+面接100点/総合130点の77%
昭和医科 歯学部(学校推薦型・公募) 100点 基礎学力150点+小論文30点+面接100点/総合280点の36%
昭和医科 保健医療学部(看護・理学療法・作業療法) 100点 学校推薦型・一般とも点数化
(比較)昭和医科 医学部(一般Ⅱ期・MMI) 100点 総合500点の20%
杏林 保健学部(総合型・適性検査型) 面接・書類審査で30〜100点 学科により150点満点の20〜67%

いちばん分かりやすいのが昭和医科大学です。同じ大学の中で比べると、MMIを実施している医学部Ⅱ期の面接が総合500点の20%なのに対し、薬学部の一般選抜は総合600点のうち面接が300点=50%です。学力試験300点とまったく同じ配点が、約6分の面接に置かれています。

歯学部の指定校・特別協定校推薦にいたっては、小論文30点+面接100点の130点満点で、面接が77%を占めます。

出典:昭和医科大学 令和9(2027)年度入学試験要項、杏林大学 2027年度学生募集要項

ただし、ここは正確に書いておきます。これらの学部が「MMIを実施している」わけではありません。MMIには「複数の課題・複数の評価者・短時間で巡回」という形式の定義があり、医学部以外でその語を使っている大学はまだ多くありません。

広がっているのは形式そのものではなく、「面接を、学力と同じ土俵で点数化する」という考え方のほうです。東北医科薬科大学の総合型選抜がグループ面接を得点化し、面接内容を録画すると要項に明記しているのも、同じ流れの中にあります。医療系を受けるなら、学部を問わず面接は学科と並ぶ試験科目だと考えておいたほうがいい——ここまでは、配点という事実だけで言えます。

面接の配点を公表していない17校と、よくある誤解

残り17校は、公表のしかたが4通りに分かれます。

区分 校数 大学
「段階評価」と明示 6校 埼玉医科/国際医療福祉/愛知医科(5段階)/大阪医科薬科/関西医科/近畿
点数化するが配点は非公表 2校 東北医科薬科(5段階評価を得点化)/杏林(点数化して1次に加算と明記)
配点欄そのものが要項にない 8校 自治医科/獨協医科/慶應義塾/順天堂/帝京/東京女子医科/日本医科/東海
点数化しないと明示 1校 産業医科(ただし「合否判定の際に重視します」と明記)

注目したいのは産業医科大学です。配点欄は「―」で点数化しないと明示していますが、同時に「合否判定の際に重視します」と要項に書いてあります。点数にならない=軽い、ではないことの分かりやすい例です。

また面接官の人数を公式に明記しているのは、31校中2校だけでした(帝京の教員2名と、東京慈恵会医科のMMI評価者6名)。「面接官は3人」といった情報が出回っていますが、大学公式の裏付けがあるものはほとんどありません。人数を前提にした準備はしないほうが安全です。

小論文で見落とされがちな3つのこと

面接とセットで確認しておくべき点が3つあります。

1つめ。小論文を受けないと面接に進めない大学があります。順天堂・福岡・東海の3校では、小論文を受けていないと選考対象外になります。「1次の学科だけ受けて帰る」ができないということです。ここは実害に直結するので、受験する大学の要項で必ず確認してください。

2つめ。小論文を1次試験日に実施し、2次の判定に使う大学が11校あります。埼玉医科・国際医療福祉・順天堂・東京医科・東京女子医科・東邦(基礎学力)・愛知医科・大阪医科薬科(前期)・兵庫医科・川崎医科・福岡です。1次当日に書いたものが後から効いてくる形です。川崎医科は1次日の16時40分から、兵庫医科は16時30分からと、学科をすべて解いたあとの時間帯に置かれています。

3つめ。一般選抜で小論文を課さない大学もあります。岩手医科(2022年度に廃止)・自治医科(2021年度以降なし)・日本(N方式)・藤田医科・関西医科(特色選抜のみ)・昭和医科Ⅱ期。試験時間も30分から120分まで4倍の開きがあり、字数を公式に明記しているのは6校だけでした。

面接についてよくある誤解の訂正

募集要項を1校ずつ確認するなかで、広く出回っている情報の誤りが見つかりました。

よく言われていること 大学公式で確認した実際
東京医科の一般選抜は個人面接のまま 入試概要(2026年6月23日公開)の表記は「個人面接」ですが、8月3日のプレスリリースで「従来の面接に代わりMMIを導入」と発表されました。大学の公表資料どうしが食い違っています。募集要項で最終確認を
聖マリアンナ医科の面接は150点 誤り。一般選抜の面接は50点。150点は学校推薦型の基礎学力試験(英語)の配点との混同
慶應義塾の小論文は1次で実施 誤り。第2次試験当日(日吉)に60分で実施
東海は小論文を課さない 誤り。2次で実施している(45分・500字以内)
産業医科の小論文は1次 誤り。共テと個別学力検査で受験資格者を絞ったあと、面接と同一日に実施

出典:各大学公表の学生募集要項・入試概要(2026年8月時点で確認)

とくに聖マリアンナ医科の「面接150点」は、学校推薦型の基礎学力試験(英語)の配点との混同です。一般選抜の面接は50点です。配点を前提に対策の重さを決めるなら、必ず自分で募集要項の該当ページを見てください。

太宰府アカデミーの視点|面接対策の優先順位の決め方

データを踏まえて、実務的な考え方を4つ挙げます。

1つめ。「どの枠で受けるか」を先に決めて、その枠の配点を見る。大学名だけで調べると間違えます。川崎医科は一般100点・地域枠150点、金沢医科は一般前期110点・総合型140点。同じ大学でも、受ける枠で面接の重さが変わります。

2つめ。次に「2次が面接のみか」を確認する。岩手医科・藤田医科・福岡(+昭和医科Ⅱ期)を受けるなら、面接は学科と同格の準備が要ります。それ以外の大学なら、配点の比率に応じて時間を配分すれば十分です。

3つめ。形式を確認してから練習の型を決める。個人面接、グループ面接、集団討論、MMI——必要な準備がまったく違います。MMIは「用意した志望動機を話す」練習では対応できませんし、グループ面接や集団討論は一人で練習することがそもそも難しい。志望校の形式が分かった時点で、練習の設計を変えてください。

4つめ。配点表よりも、要項の但し書きを読む。「面接の評価が著しく低い場合は不合格」という一文があるかどうかは、配点の数字より重要です。この一文がある大学では、面接は加点競争ではなく、落ちないための試験という性格になります。奇をてらう必要はなく、常識的な受け答えができれば十分だ、という意味でもあります。

面接で問われる内容そのものについては、圧迫面接は実際にあるのかにまとめました。「圧迫された」と感じる場面の多くは深掘りで、いまはそれが標準的な進め方になっています。

まとめ|医学部の面接

  • 一般前期で面接の配点を公表しているのは31校中14校。30点〜110点と3倍以上の差がある
  • 同じ大学でも枠が変われば配点が変わる。川崎医科は一般100点・地域枠150点、金沢医科は一般前期110点・総合型140点
  • 配点の小ささ=重要度の低さではない。「面接の評価が著しく低い場合は学力にかかわらず不合格」と明記する大学が10校以上ある
  • 一般前期で2次が「面接のみ」の大学が4つ(岩手医科・藤田医科・福岡+実質東邦)。昭和医科Ⅱ期も面接のみ
  • MMIは大学単位ではなく入試区分ごとに見る。東京医科は一般選抜も2027年度からMMI(8月3日のプレスリリース。ただし入試概要の表記は「個人面接」40点のまま)
  • 要項に「面接」とあってもMMIが出ることがある。2026年度は川崎医科・北里・東京女子医科で課題型だったとの受験者報告
  • 医療系は医学部だけの話ではない。昭和医科の薬学部は面接300点で総合の50%、歯学部の指定校推薦は77%
  • 配点・形式は年度で変わる。出願前に必ず志望校の最新の募集要項で確認する

面接は、対策法を語る記事は山ほどあるのに、「どの大学が、どの枠で、どういう形式で、何点で実施しているか」を並べた一覧がありませんでした。準備の重さを決めるには、まずその地図が要るはずだと思って、31校ぶんを1枚にまとめました。

あわせて読みたい

本日の記事は以上です。

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◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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