こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
「今年も駄目かもしれない」。これは、川崎医科大学に合格した卒業生が、合格体験記に書いた言葉です。10月の終わり、共通テストまであと80日。模試の結果が返ってくるたびに、同じことを思っている人は多いはずです。
先に、あなたの立ち位置を数字で確かめます。2008年に生まれた人は1,091,156人。医学部の入学定員は9,393人なので、医学部の席は同じ世代の約116人に1つ分です。しかも医学部に行くと決めているなら、滑り止めも別の医学部です。あなたが挑んでいるのは、もともと一握りしか通れない入試です。
では、その入試を通った人は、何が違ったのか。太宰府アカデミーの卒業生の合格体験記のうち、医学部に合格した113人分を全部読み、書かれていたことを1人ずつ数えました。113人中21人が「諦めかけた」「心が折れそうだった」と書いていました。勉強のやり方でいちばん多かったのは「質問」(42人)、次が「苦手科目に時間を足した」と「復習」(各30人)でした。
この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。
− 医学部に受かる人と落ちる人は、何が違うのか知りたい
− 一度落ちた(浪人した)自分でも、まだ間に合うのか知りたい
− 共通テストまでの残りの期間に、何をすればいいか知りたい
この記事では、合格体験記の数え直しに加えて、入学者の現役・浪人の内訳を公表している私立の6大学の数字、文部科学省の倍率、厚生労働省の出生数で、上の3つに答えます(2026年10月28日時点)。
この記事の目次
医学部に受かる人の特徴|合格体験記113人で多かったこと
結論です。体験記に書かれていた勉強のやり方で多かったのは、次の順でした。数えたのは、本文にその行動がはっきり書かれている人だけです(1人が複数に入ります)。

| # | 体験記に書かれていたこと | 人数(113人中) |
|---|---|---|
| 1 | 分からない所を質問した(質問の話を書いた) | 42人 |
| 2 | 苦手・伸び悩む科目に時間を足した | 30人 |
| 3 | 授業の復習・解き直しを重視した | 30人 |
| 4 | 生活リズム・朝の自習を崩さなかった | 29人 |
| 5 | 自分の弱点を分析した | 17人 |
| 6 | 基礎・教科書・典型問題を固めた | 15人 |
| 7 | 計画を立てた | 14人 |
| 8 | 過去問・志望校別の対策をした | 11人 |
| 9 | スマホ・誘惑を断った | 7人 |
注意が1つあります。これは合格体験記という「書いた人」の数で、「した人」の数ではありません。書かなかった人もしていた可能性があります。それでも、113人のうち42人が自分から「質問」の話を書いたことは、合格した人が、分からない所をそのままにしなかったことをよく表しています。
出典:太宰府アカデミー卒業生の合格体験記(医学部に合格した113人分。歯学部・薬学部の4人を除く)を1人ずつ読んで集計(2026年10月28日)。
▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
医学部受験『今年もダメかも』は合格者も思ってた|体験記113人を全部読んだ
医学部は一度で受かる人のほうが少ない大学もある|私立6大学の入学者の浪人経験
「一度落ちたら、もう無理」ではありません。入学者の現役・浪人の内訳を公表している私立の6大学では、入学者の58〜86%が浪人を経験していました(2026年度入試)。

| 大学(範囲) | 入学者 | うち浪人経験 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 愛知医科(一般選抜) | 69人 | 59人 | 86% |
| 金沢医科(一般前期) | 73人 | 61人 | 84% |
| 岩手医科(全選抜) | — | — | 79% |
| 大阪医科薬科(全選抜) | 112人 | 77人 | 69% |
| 藤田医科(全選抜) | 118人 | 71人 | 60% |
| 関西医科(全選抜) | 117人 | 68人 | 58% |
大学によって数え方が違います(一般選抜だけの大学と全選抜の大学がある・「卒業後3年以上」に高卒認定などの「その他」を含む大学がある)。大学どうしを順位で比べず、「どの大学でも、浪人を経験した入学者が半分を超えている」とだけ読んでください。浪人の年数ごとの合格率は大学で差が大きく、3浪以上で下がる大学もあります。詳しくは医学部は何浪までかにまとめています。
出典:愛知医科大学・金沢医科大学・岩手医科大学・大阪医科薬科大学・藤田医科大学・関西医科大学の公表資料(2026年度入試の入学者の現役・既卒の内訳)より太宰府アカデミー作成。岩手医科大学は割合のみの公表。
医学部受験はなぜこんなに厳しいのか|席は同じ世代の116人に1つ・私立は12.58倍
医学部の入試が厳しいのは、あなたの努力が足りないからではなく、席の数がもともと少ないからです。
| 物差し | 数字 |
|---|---|
| 2008年に生まれた人(出生数) | 1,091,156人 |
| 医学部の入学定員(2025年度) | 9,393人 |
| 医学部の席(定員÷出生数) | 同じ世代の約116人に1つ分 |
| 私立医学部31校を合わせた実質倍率(2025年度・受験者÷合格者・延べ) | 12.58倍 |
私立医学部の実質倍率12.58倍は、私立31校を合わせた受験者を合格者で割った数です。私立は1人が何校も受けるので延べの数で、受験生1人あたりの最終的な合格のしやすさとは別の数字です。それでも、延べで見ると受験12回あまりに合格は1つの計算です。そして医学部を目指す人にとって、併願先も医学部です。「医学部がだめなら近い学部へ」という道を選ばない限り、滑り止めの役をするのも、別の医学部の試験です。
だから、模試の判定が厳しく出ても、一度落ちても、それはこの入試では珍しいことではありません。上の6大学の数字が、それを示しています。
出典:厚生労働省「人口動態統計」(2008年の出生数)、文部科学省「医学部医学科の入学者選抜における男女別合格率」等(2025年12月・2025年度入試の国公私立別の受験者数・合格者数)、医学部の入学定員(2025年度)。
合格した人も「今年もダメかも」と思っていた|113人中21人
113人のうち21人が、受験の途中で諦めかけた・心が折れそうだったと書いていました。およそ5人に1人です(「不安だった」「しんどかった」だけの人は数えていません)。前の年以前に不合格や挫折を経験したと書いた人は61人いました。
| 合格した大学 | 体験記に書かれていた言葉 |
|---|---|
| 川崎医科大学 | 「今年も駄目かもしれない」 |
| 大阪医科大学 | 「何年かけても無理かもしれない」 |
| 島根大学 | 「もう辞めたい」 |
| 埼玉医科大学 | 「医学部合格は無理だと諦めかけていました」 |
落ち込むことは、合格しなかった人だけのものではありません。合格した人も、同じ気持ちを通っています。違ったのは、落ち込んだあとに何をしたかです。
受かった年にやっていたこと|質問・苦手科目・復習・生活リズム
1.分からない所を、その日のうちに質問した(42人)
「分からないことはその日のうちに解決する」(昭和大学)、「計算が合わないとか、公式の覚え方など小さいことでも質問しました」(久留米大学)。質問の話を書いた人は42人で、勉強のやり方の中でいちばん多くいました。小さな疑問を翌日に持ち越さないことが、積み重なると大きな差になります。
2.伸び悩む科目を決めて、時間を足した(30人)
「浪人してからは数学に一番時間を割きました」(山口大学)、「苦手だった化学の理論分野の学習にのみ注ぎ込むことにした」(金沢医科大学)。全部を少しずつではなく、いちばん点が伸びる科目を1つ決めて時間を足した人が多くいました。
3.授業の復習を、毎日の型にした(30人)
「この一年間で僕がしたことは復習だけでした」(久留米大学)、「間違えたところには印をつけて繰り返し解くようにしました」(久留米大学)。新しい問題集を増やすより、一度解いた問題を解けるようにすることを書いた人が多くいました。秋からの復習のしかたは秋に勉強が続かないのはなぜかで研究の結果も紹介しています。
4.生活のリズムを崩さなかった(29人)
「毎朝6時前から自習を欠かさず行いました」(愛媛大学)、「生活や勉強のリズムが一定だったことが私の強みだった」(久留米大学)。朝の時間を決まった勉強に使うことを書いた人が目立ちました。誘惑を断つためにスマートフォンを手元から離した人も7人います(実家に置いてくる・預ける)。
共通テストまで80日|秋から直前期に、合格した人がしたこと
秋(9〜11月)のことを書いた人は11人、直前期(12月〜入試)のことを書いた人は20人でした。人数は多くないので、実例として紹介します。
− 「秋が終わるまでに英数理をおおよそ仕上げた」(佐賀大学)
− 「秋頃の私大プレテストの判定がかなり悪く」→「冬期講座で志望する大学の対策授業をとにかくとりまくりました」(福岡大学)
− 「共通テストで間違えたところを全部確認し」(川崎医科大学・共通テストの次の日から)
− 「直前期、存在する過去問題を全て解き」(東北医科薬科大学)
秋の判定が悪くても、志望校の対策に切り替えて合格した人がいます。逆に「3浪の時に秋頃から予備校に行かなくなってしまった」(近畿大学)と書いた人もいます(その人も、のちに近畿大学に合格しています)。秋は、気持ちが落ちやすい時期だと知っておくだけでも、立て直しが早くなります。判定とボーダーの関係は医学部の逆転合格は起きているのかにまとめています。
太宰府アカデミーの視点|一度落ちた人が、次の年に変えること
僕は毎年、医学部を目指す浪人生と1年を過ごします。体験記を全部読み直して改めて思ったのは、合格した人の多くが「去年と同じやり方を、去年より長くやった」のではなく、やり方そのものを1つか2つ変えているということです。
いちばん多かった「質問」は、その代表です。分からない所を自分で抱えたまま次へ進むと、同じ問題で何度も止まります。体験記には「恥ずかしがらずに、怖がらずに質問に行くことが出来れば」(久留米大学)という言葉がありました。「計算が合わないとか、公式の覚え方など小さいことでも質問しました」(久留米大学)と、質問の中身を小さくした人もいます。
もう1つは、伸び悩む科目を1つに決めることです。秋は、全部の科目を同じだけ伸ばそうとして、どれも中途半端になりやすい時期です。合格した人は「浪人してからは数学に一番時間を割きました」(山口大学)のように、点が伸びる余地のいちばん大きい科目に時間を寄せていました。
そして、気持ちが折れそうになるのは、合格した人も同じでした。113人中21人が書いています。毎朝決まった時間に机に向かう、生活のリズムを崩さなかったと書いた人は29人いました。模試が悪かった次の日の朝こそ、いつもの時間に机に向かう。医学部の席は同じ世代の約116人に1つ分です。その席を本気で取りにいっている。それだけで、もう普通の受験ではありません。
まとめ
医学部の席は同じ世代の約116人に1つ分。滑り止めも医学部で、入学者の内訳を公表している私立の6大学では入学者の58〜86%が浪人を経験していました。一度で受からないことは、この入試では珍しくありません。
合格した113人のうち21人は、途中で諦めかけていました。受かった年に多く書かれていたのは、分からない所をその日のうちに質問すること(42人)、伸び悩む科目に時間を足すこと(30人)、授業の復習を毎日の型にすること(30人)、生活のリズムを崩さないこと(29人)でした。
この内容は、YouTubeの動画でもポン先生と桜さんの会話で紹介しています。
あわせて読みたい
− 医学部は何浪までか|平均は1年前後、入学者の6〜9割が浪人
− 医学部の逆転合格は起きているのか|合格者平均がボーダー未満の19校
出典
太宰府アカデミー 卒業生の合格体験記(医学部に合格した113人分を1人ずつ集計・2026年10月28日)
愛知医科大学「入学試験結果(令和8年度)」 https://www.aichi-med-u.ac.jp/su11/su1107/su110706/index.html
金沢医科大学「医学部 入試結果(令和8年度)」 https://www.kanazawa-med.ac.jp/medicine_exam/data/result.html
岩手医科大学「令和8年度入試 医学部 男女別及び高校卒業年度別合格率について」 https://www.imu-admission.jp/wp/wp-content/uploads/2026/05/med_rate_2026.pdf
大阪医科薬科大学「医学部 入試結果(2026年4月7日発表)」 https://www.ompu.ac.jp/admission/undergraduate/medical.html
藤田医科大学「2026年度入学試験データ」 https://www.fujita-hu.ac.jp/admission/data.html
関西医科大学「過去の入試結果(現役・既卒別)」 https://www.kmu.ac.jp/juk/fom/past/past_results.html
文部科学省「医学部医学科の入学者選抜における男女別合格率等について」(2025年12月)
厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)」第1表 人口動態総覧の年次推移
大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」(試験期日 2027年1月16日・17日)
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定員30名|21年間の累計医学部医学科合格実績518名(のべ数)|田舎の全寮制|全国各地から入学(2026年度生は全国20の都道府県より入学)|異次元の生活サポート|食事が美味しい(土日祝日問わず3食提供)|講師との距離が近い|プロ講師の質問対応が充実|完全個別指導コースあり|選抜国公立コースあり|専用筋トレジムあり|同じ夢を持った仲間と1年間切磋琢磨し、医学部合格を目指す
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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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