先日、ある高校のこんな新聞記事を目にしました。
『午後1時15分。昼休みを終えた生徒が教室へ戻ってくる。そろそろ、午後の授業かと思いきや校内放送に意表を突かれた。「エネルギー充電のための午睡タイムに入ります」 照明を消し、ブラインドも閉じて、ほの暗い教室で生徒が次々に顔を机に伏せていく。流れてきたのはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。やわらかなメロディーが心地いい。2005年から続く午睡の風景だ。』
午睡を実施しているのは福岡県久留米市にある明善高校。県内でも指折りの進学校です。生徒1000人程に午睡についてのアンケートを実施したところ、「効果がある」「必要だと思った」と全体の約8割が答えたそうです。
ここで午睡のメリットについて調べてみました。睡眠学の専門科・久留米大学の内村直尚教授の話によると
「人間は午後2~4時位が最も眠たくなるように生理的に出来ている。眠くなる前に短時間午睡することで午後の眠気を軽くして、午後のパフォーマンスを高めるという効果がある」と説明していました。
主なメリットを5つにまとめてみると…
① 疲労回復に大きな効果
② 記憶力・学習能力を高める (ハーバード大学医学部の研究にて検証済み)
③ 注意力が向上 (NASAのパイロットを対象とした研究にて検証済み)
④ ストレス解消
⑤ 心臓病リスクの低下 (ハーバード大学医学部の研究にて検証済み)
以上の効果があるそうです。⑤以外はすべて受験勉強に大いに必要な効果ですよね。午睡は、昼過ぎに眠たくなる生理現象への有効な対策として、少しずつ世間に浸透してきました。
中学高校、会社で浸透しつつある午睡ですが、現在、私の知る限り予備校で義務的に実施している所はありません。1分でも多く勉強時間にまわせといわれる業界でやろうとするのはなかなか難しいものがあります。もちろん自分で習慣にしている人もいると思います。昼食後15分間の時間を勉強したほうが効果的か、午睡して頭がスッキリした状態で授業を受けたほうが効率がよいか、人によって答えは違うと思います。
残り30週でセンター試験です。これから受験期間を乗り切るうえで、自分に合った勉強スタイルを模索していくことが大切になります。いまいち午後の授業(仕事)に身が入らないことがある方は実践してみてはいかがでしょうか。
教務 後藤登