こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
11月は、模試が返ってくる時期です。共通テスト(2027年1月16日・17日)までは、11月4日から数えて73日。「復習が大事なのは分かる。でも、何日後にやればいいのか分からない」。毎年この時期に、いちばん多く受ける相談です。
「いつ復習するか」を、大人1,354人で試した実験があります(2008年)。答えはかなりはっきりしていて、いちばんよい復習のタイミングは、本番までの日数で決まる、というものでした。
こう思っていませんか。
− 復習は、覚えたその日のうちにやるのがいちばんでしょ?
− 間隔は「1日後→3日後→1週間後」とだんだん広げるのが正解でしょ?
− 本番が先なら、間隔は長ければ長いほどいいんでしょ?
3つとも、研究の結果は違いました。

この記事の目次
結論|復習のタイミングは「本番までの日数÷4」、3か月より先は3週間
- 本番まで約3か月なら、21日後の復習がいちばんよい結果でした。約1か月半なら11日後、約1週間なら翌日です
- 目安は本番までの日数の約4分の1(実験の2つの組から作った目安)。共通テストまで73日なら約18日後です。1年先の本番でも、試した中では3週間がいちばんでした
- すぐ復習した人と比べると、日をあけた人は最大2.1倍思い出せました(本番まで約3か月の組・同じ勉強時間で)
- 間隔をだんだん広げる必要はありません。迷ったら、早すぎより少し遅めのほうが損は小さい
▶ この記事の内容は、動画でも解説しています(YouTube)
復習のタイミングは何日後?本番3か月前なら〇〇日後、すぐ復習の〇〇倍思い出せた
復習のタイミングは何日後?本番までの日数で変わる(1,354人の実験)
使ったのは、アメリカの心理学者たちの実験です(Cepeda ほか、2008年)。1,354人が雑学32問を覚え、日をあけて1回復習し、さらに日をあけてテストを受けました。覚えてから復習するまでの日数と、復習から本番までの日数を変えて、26通りを比べています。

| 最初に覚えた日から本番まで | 復習にいちばんよかった日 | 復習から本番まで |
|---|---|---|
| 約1週間(8日) | 1日後 | 7日 |
| 約1か月半(46日) | 11日後 | 35日 |
| 約3か月(91日) | 21日後 | 70日 |
| 約1年(371日) | 21日後 | 350日 |
※大人1,354人の実験(2008年)。試した間隔の中でいちばんよかった日。本番まで約3か月の組は 0・1・7・14・21・105日を試した
本番まで約3か月なら21日後、約1か月半なら11日後に復習した人が、試した間隔の中でいちばんよく思い出せました。早すぎても、遅すぎても下がります。おもしろいのは1年先の本番でも、いちばんよかったのは21日後だったことです(35日・70日・105日も試している)。1年先までの本番なら、間隔は3週間で止まりました。なお、ここでの「本番まで」は、最初に覚えた日から本番の日までの日数です。
論文の著者たちは「多くの学校のやり方は、とても効率が悪い可能性がある」と書いています。1つの単元を1週間で詰めて終わらせると、その直後はできても、本番までは残りにくい、という意味です。
復習の日は「覚えた日」ではなく「本番の日」から決める。本番が3か月より先なら、3週間後に1回。
自分の日数で計算する|共通テストまで73日なら約18日後
実験の1か月半と3か月の組では、いちばんよかった復習の日は、本番までの日数の約4分の1でした(46日のうち11日、91日のうち21日)。これは論文の式ではなく、2つの組から僕たちが作った目安です(論文の「約20%」は、復習してから本番までの日数に対する割合で、数え方が違います)。試した日の中でいちばんだった日なので、前後に数日ずれてもかまいません。これを、11月4日に覚えたことに当てはめます。

| 11月4日に覚えたこと | 本番まで | 復習の目安 |
|---|---|---|
| 1か月後の模試 | 30日 | 約1週間後 |
| 共通テスト(1月16日) | 73日 | 約18日後(11月22日ごろ) |
| 国公立の前期(2月25日) | 113日 | 3週間後 |
※本番までの日数÷4(1か月半〜3か月のとき)。3か月より先は3週間。研究の4つの組から太宰府アカデミーが目安に直したもの
共通テストまでは73日なので、÷4で約18日後。実験の組でいうと、1か月半の組(11日後)と3か月の組(21日後)のあいだを埋めた目安です。国公立大学の前期(2月25日)までは113日で、3か月より先なので3週間後。12月の模試のように1か月ほど先なら、約1週間後です。
ここで大事なのは、同じ日に覚えたことでも、どの本番に向けたものかで、復習の日が変わることです。共通テストの範囲と、国公立大学の2次試験・私立大学の記述の範囲では、間隔を変えてかまいません。
問題集やノートの右上に、覚えた日と「次に復習する日」を書く。本番までの日数÷4、最大3週間。
間隔はだんだん広げなくていい。迷ったら少し遅め
「1日後→3日後→1週間後」と間隔をだんだん広げる方法はよく聞きます。ところが、29の研究をまとめ直した分析(2021年)では、同じ間隔で繰り返す方法と、はっきりした差がありませんでした。複雑な予定を組まなくても大丈夫です。
そして、間をあけること自体は、かなり確かです。317の実験をまとめた研究(2006年)では、まとめた勉強と間をあけた勉強の比べ271のうち、間をあけても得をしなかった(効果がないか逆だった)のは12だけでした(比べの多くは数秒〜数分の間隔です)。
では、早すぎと遅すぎ、どちらが痛いか。2008年の実験の著者たちは、長すぎる間隔の損は、短すぎる間隔の損よりずっと小さいと書いています。グラフでも、間隔を延ばすと成績は急に上がり、そのあとはゆっくり下がる形でした。ただし、長くあけるほど伸びるわけでもありません。2006年の研究では、1か月を超えてさらに延ばしても、上乗せはほとんどありませんでした。
迷ったら、早めより少し遅めに。1か月を超えて延ばしても上乗せはほぼ無いので、3週間で止める。
すぐ復習との差は最大2.1倍|本番まで3か月の組がいちばん大きい
同じ勉強時間で、覚えた直後(約3分後)にもう一度やった人と、いちばんよい間隔をあけた人を比べました。実験では、1日目に全部の問いを1回正解するまでくり返してから、間隔をあけて2回目をしています。

| 最初に覚えた日から本番まで | いちばんよかった間隔 | すぐ復習と比べて |
|---|---|---|
| 約1週間(8日) | 1日あける | 1.1倍 |
| 約1か月半(46日) | 11日あける | 1.6倍 |
| 約3か月(91日) | 21日あける | 2.1倍 |
| 約1年(371日) | 21日あける | 1.8倍 |
※すぐ復習=覚えた約3分後にもう一度。勉強した時間は同じ。思い出して答える問題で比べた(選択肢から選ぶ問題では差は小さめ)
差がいちばん大きかったのは、本番まで約3か月(覚えた日から91日)の組で、2.1倍でした。共通テストまでの73日は、1か月半の組(1.6倍)と3か月の組(2.1倍)のあいだです。本番まで1週間の組では1.1倍で、差は1割ほどでした。差が小さいのは、本番がすぐの組だけ。1か月半より先の組は、どれも1.5倍を超えていました(いちばん遠い1年の組は1.8倍で、3か月の組より小さい)。
一夜漬けが「テストの次の日には抜ける」のは、この形と合っています。逆に言えば、共通テストまで2か月以上ある今は、日をあける差が出やすい時期です。
今週覚えたことを、今週のうちに何度も繰り返すより、2〜3週間後に1回。その分の時間は、新しい範囲に回す。
答え合わせをしないと、解き直しの効果はほぼゼロ
解き直しの効果を調べた実験をまとめた分析(2014年)は、「読み直すだけの人」と比べて、解き直した人がどれだけ伸びたかを条件ごとに出しています。

| やり方 | 40人中20位の人が |
|---|---|
| 答え合わせをして解き直す | 9位くらい |
| 答え合わせをせずに解き直す | 14位くらい |
| 最初にほとんど解けなかった問題を、答え合わせせずに解き直す | 20位のまま |
※読み直すだけの人と比べたとき。実験室での研究をまとめた分析(2014年)
答え合わせをして解き直すと、40人中20位の人が9位くらいまで上がる差でした。答え合わせをしないと14位くらい。そして、最初にほとんど解けなかった問題を、答え合わせせずに解き直すと、20位のままでした。
つまり、効いているのは「もう一度解いたこと」ではなく、思い出せたことと答えを確かめたことです。解けない問題を、解答を見ずに何度解いても、何も起きません。
学校の授業で確かめた222本の研究をまとめた分析(2021年)でも、解き直しは何もしないよりはっきり伸びました(20位→11位くらい)。ただし、まとめノートや要約と比べると、差はほとんどありません(20位→18位くらい)。ノートをやめて、解き直しだけにする必要はありません。
解けなかった問題は、解答で確かめてから解き直す。ノートやまとめは、やめなくていい。
太宰府アカデミーの視点|返ってきた模試でやる5つの手順
ここまでの研究を、返却日からの動きにまとめました。

| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 返却日は答え合わせだけ | 間違えた問題に印をつける |
| 2. 止まった場所を1行書く | 解答を読んで「どこで詰まったか」 |
| 3. 約4分の1の日に解き直す | 解答を見ずに。1か月半後なら11日後 |
| 4. 形式は本番に合わせる | マーク式はマーク、記述式は記述で |
| 5. 判定と順位は最後に見る | 先に設問ごとの正誤を見る |
①と③を分けているのは、答え合わせは早いほどよく、解き直しは日をあけたほうがよいからです。②の「止まった場所を1行書く」は、注意を「自分」ではなく「問題」に向けるための手順です。④の「形式を本番に合わせる」は、222本の研究をまとめた分析で、本番と同じ形式で解き直したほうが伸びたことによります。大学入学共通テストの対策ならマーク式で、久留米大学や福岡大学のような私立の記述なら記述式で解き直す、ということです。
志望校が国公立大学でも私立大学でも、この5つは同じです。模試の点数がどこまで行けば届くのかは模試で何点取れば医学部に受かるのかに、ボーダーに届いていない状態からの合格がどれくらい起きているかは医学部の逆転合格は起きているのかにまとめています。
復習のタイミングについてよくある質問
Q. 高校生の受験勉強でも、同じ日数でいいですか
目安として使えますが、そのままとは言えません。実験は18〜72歳の大人(平均34歳)が、雑学32問を覚えたものです。英単語・用語・年号のような「覚える」勉強に近く、複雑な問題の解き方まで同じ日数になるかは確かめられていません。
Q. 数学も同じですか
数学に絞った分析(2025年)では、間をあけた勉強は数学にも効くものの、ほかの分野より効き目は小さいかもしれないとされています。数学は、日をあけた解き直しに加えて、解説を読んで「なぜその解き方になるのか」を確かめる時間も取ってください。
Q. 復習は1回だけでいいですか
実験では復習は1回でした。回数を増やすほど残りやすい傾向はありますが、その場合も「同じ間隔で繰り返す」で十分です(2021年の分析)。毎回、答え合わせを挟むことが先です。
Q. 模試の復習だけで、志望校の対策になりますか
なりません。解き直しで伸びるのは、主に模試に出た範囲です。志望する大学の出題範囲は、過去問で別に埋めてください。
この記事で使った研究(元の数字)
| 研究 | わかったこと(元の数字) |
|---|---|
| Cepeda ほか(2008) Psychological Science 19(11) |
18〜72歳(平均34歳)の1,354人が雑学32問を覚え、間隔をあけて1回復習し、あとでテストした実験(26条件)。復習から本番までが7・35・70・350日のとき、いちばんよかった間隔は1・11・21・21日。間隔0日と比べて思い出せた量は10・59・111・77%増えた。論文の言い方は「数週間先なら本番までの約20%、1年先では約5%」。本文では最初に覚えた日から数えた日数に直した(11÷46・21÷91=約4分の1)。著者は、間隔が長すぎる損は短すぎる損よりずっと小さいと書いている |
| Cepeda ほか(2006) Psychological Bulletin 132(3) |
317の実験をまとめ直した研究。間をあけた勉強とまとめた勉強の比べ271のうち、効果がないか逆だったのは12。本番が30日以上先のとき、間隔をさらに延ばしたときの上乗せは、2〜28日の範囲で9.0%、29〜84日の範囲で0.6%(1か月を超えて延ばしても上乗せはほぼ無い)。比べの大半は秒〜分の間隔 |
| Latimier ほか(2021) Educational Psychology Review 33(3) |
29の研究をまとめ直した研究。間隔をだんだん広げる方法と、同じ間隔で繰り返す方法に、はっきりした差はなかった |
| Murray ほか(2025) Educational Psychology Review 37(3) |
数学に絞ってまとめ直した研究。間をあけた勉強は数学にも効くが、ほかの分野より効き目は小さいかもしれない、と著者が書いている |
| Rowland(2014)・Yang ほか(2021)・Kluger & DeNisi(1996) | 答え合わせ・判定と順位の節の出典(2026年9月版と同じ数字)。順位の置き換えは、研究の効き目の大きさを40人のクラスの順位に直した目安 |
まとめ
- 復習のタイミングは、本番までの日数の約4分の1。本番まで約3か月なら21日後、約1か月半なら11日後
- 共通テストまで73日なら約18日後。1年先までの本番なら3週間で止める
- すぐ復習した人と比べて、最大2.1倍思い出せた(本番まで約3か月の組)
- だんだん広げなくていい。迷ったら早すぎより少し遅め。1か月を超えて延ばしても上乗せはほぼ無い
- 答え合わせをしないと、解けなかった問題の解き直しは効果がほぼゼロ。判定と順位は最後に見る(5つの手順の5番目)
動画では、この計算を、共通テスト・模試・国公立大学の前期の3つでやって見せています。自分の本番までの日数を数えてから見てみてください。
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