こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。
「医学部 面接落ち」という検索がずっと気になっていました。年内入試の面接は11月から、一般選抜の2次面接は2月。これから半年、いちばん不安になるところだと思います。
ネットには「面接は点数が低いから関係ない」という話と「面接で落とされた」という体験談の両方があって、どちらも根拠が示されないまま並んでいます。そこで今回は、各大学が2027年度(令和9年度)の募集要項・選抜要項に何と書いているかだけを集めました。結論から言うと、面接で落ちる基準を数字で公表している大学があります。
− 面接だけで落とされることって、本当にあるの?
− 配点が30点とかなら、そんなに気にしなくていいんじゃないの?
− 何点取れば安全なの?
一つずつ、深掘りしていきます。
この記事の目次
医学部の面接落ちは、大学が要項に書いている
先に結論です。「学力の点数が足りていても、面接の評価が低ければ不合格にする」と募集要項に明記している大学があります。しかも、その基準を数字で書いている大学もあります。

| 大学・区分 | 面接の扱い | 不合格になる基準(要項の記載) |
|---|---|---|
| 広島 一般選抜(前期日程) | 200点(2027年度から点数化) | 「面接の点数が50点以下の場合、総合点の順位に関係なく不合格とする」 |
| 長崎 学校推薦型選抜Ⅱ | 点数化 | 「面接の得点率が50%未満の者は、不合格とする」 |
| 熊本 学校推薦型Ⅱ(熊本医療枠) | 15点(共通テスト100+小論文15+面接15) | 「複数の面接官が最低の評価点を与えた場合、又は面接点の合計点が一定基準を超えなかった場合は合格としません」 |
| 弘前 一般選抜(前期日程) | 2027年度から点数化せず段階評価 | 「『個人面接』の評価が低いと不合格になることがあります」 |
| 私立の多く(岩手医科・杏林・昭和医科・東京医科・慈恵・東京女子医科・東邦・日本・聖マリアンナ医科・大阪医科薬科・福岡ほか) | 点数化・非公表さまざま | 「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」 |
いちばんはっきりしているのが広島大学です。2027年度から面接が200点満点になり、あわせて「面接の点数が50点以下の場合、総合点の順位に関係なく不合格とする」という基準が入りました。200点満点の50点なので25%。ここを下回ると、共通テストと二次学力でどれだけ点を積んでも合格になりません。
長崎大学の学校推薦型選抜Ⅱは「面接の得点率が50%未満の者は不合格とする」。熊本大学が2027年度に新設する熊本医療枠は「複数の面接官が最低の評価点を与えた場合、又は面接点の合計点が一定基準を超えなかった場合は合格としません」と書いています。
弘前大学は逆に、2027年度から前期の面接を点数化せず段階評価に変えました。ただし要項には「『個人面接』の評価が低いと不合格になることがあります」と残っています。点数がつかないことと、落ちないことは別です。
広島大学は2027年度から面接が200点になった
今年いちばん大きく動いたのが広島大学です。並べて見ます。

| 広島大学 医学部医学科 前期日程 | 2026年度 | 2027年度 |
|---|---|---|
| 面接の扱い | 段階評価 | 200点 |
| 配点合計 | 2,800点(共通テスト1,000+個別1,800) | 3,000点(共通テスト1,000+個別1,800+面接200) |
| 第1段階選抜 | 約5倍(通過予定450人) | 約3倍(通過予定270人) |
| 不合格になる基準 | 面接員全員がB(不可)と評価した場合 | 面接の点数が50点以下の場合 |
| そのほかの基準 | 個別テストのいずれかの科目の得点が、学科受験者の平均点の60%に満たない場合も不合格 |
2026年度までは面接は段階評価で、「面接員全員がB(不可)とした場合」だけが不合格の条件でした。全員一致という、かなり厳しい条件です。それが2027年度からは200点満点で採点され、50点以下なら不合格に変わります。全員一致でなくても落ちうる形になったということです。
同時に第1段階選抜(足切り)の基準も約5倍から約3倍に厳しくなりました。共通テストの通過予定人数は450人から270人です。共通テストで失敗して二次で挽回する、という戦い方が2027年度は難しくなります。
ここは解釈の分かれるところですが、データを見る限りでは、広島大学は「面接を合否に反映させる方向」へ舵を切ったと読めます。大学にはそれぞれの教育方針があり、数字だけで良し悪しを語れるものではありません。ただ、受ける側としては準備の重みが変わったことは押さえておくべきだと思います。
配点が小さくても「軽い面接」ではない
私立の面接の配点も見ておきます。点数を公表しているのは31校中14校で、残りは非公表か段階評価です。

| 大学(一般前期) | 面接の配点 | 形式 | 総合点に占める比率 |
|---|---|---|---|
| 金沢医科 | 110点 | グループ面接 約20分 | 総合520点の21% |
| 昭和医科Ⅰ期 | 100点 | 個人面接 約10分 | 総合520点の19% |
| 北里 | 100点 | グループ面接または個人面接、あるいは両方(10分) | 総合700点の14% |
| 川崎医科 | 100点+段階評価 | 個人面接 | 総合450点の22% |
| 兵庫医科A | 80点 | 個人面接 | 総合630点の13% |
| 岩手医科/東邦/聖マリアンナ医科/久留米/福岡 | 50点 | 岩手医科・福岡は2次が面接のみ | 総合400〜550点の9〜13% |
| 東京医科/藤田医科 | 40点 | 東京医科は2027年度からMMI/藤田医科は2次が面接のみ | 総合500〜640点の6〜8% |
| 東京慈恵会医科/日本(N方式1期) | 30点 | 慈恵はMMI(1対1×6回・約60分・評価者6名) | 総合480〜550点の5〜6% |
配点だけを見ると、東京慈恵会医科大学の30点や日本大学の30点は「軽い」ように見えます。ところが多くの大学が要項に「面接の評価が著しく低い場合は、学力の得点にかかわらず不合格とする」と書いています(岩手医科・東北医科薬科・杏林・昭和医科・東京医科・東京慈恵会医科・東京女子医科・東邦・日本・聖マリアンナ医科・大阪医科薬科・福岡ほか)。
つまり面接の点数は「加点の幅」であって、「落ちるかどうか」とは別の仕組みで動いています。30点だから2〜3点しか差がつかない、という読み方は成り立ちません。
もう1つ押さえておきたいのが、2次試験が面接だけの大学が4校あることです(岩手医科・藤田医科・福岡、そして実質的に東邦)。1次を通ったあとの勝負が、面接一本になります。
面接の形式も2027年度に動いている
形式の変化も見ておきます。東京医科大学は2026年8月3日のプレスリリースで、一般選抜・共通テスト利用選抜の2次試験にもMMI(複数の短い面接を回る方式)を導入すると公表しました。全国ブロック別学校推薦型選抜ではすでに2024年度から実施しています。
大学は「MMIのために特別な準備をする必要はありません」「日常で出会う様々な出来事に対して、どのように考え、どのように対応するのか、その結果は自己や他者にどのような影響があると考えるか、ふだんの思考過程を知りたい」と書いています。用意した答えを話す場ではないということだと思います。
面接の形も大学ごとにかなり違います。金沢医科大学の前期はグループ面接で約20分・110点、福岡大学は受験生4〜6人に面接者3人で40分程度のグループ面接(必要なら個人面接を追加)。東京慈恵会医科大学のMMIは1対1を6回・約60分で、評価者6名が5段階評価です。同じ「面接」という名前でも、まったく別の試験だと言っていいくらい違います。
太宰府アカデミーの視点|要項で確かめる3つ
不安を減らすいちばんの方法は、噂ではなく要項を読むことです。志望校が決まったら、次の3つを確認してください。

| 確かめること | なぜ見るのか | 実例 |
|---|---|---|
| 不合格の基準が書いてあるか | 数字で書いてあれば、そこが対策の下限になる | 広島=面接50点以下/長崎 推薦Ⅱ=得点率50%未満 |
| 点数化か、段階評価か | 前年度の情報のままだと力の配分を間違える | 2027年度に広島は段階評価→200点、弘前は300点→段階評価 |
| 個人・グループ・MMIのどれか | 形式が違えば練習の仕方が変わる | 金沢医科=グループ約20分/慈恵=MMI 6回・約60分/東京医科=2027年度から一般もMMI |
| 2次が面接だけかどうか | 1次通過後の勝負が面接一本になる | 岩手医科・藤田医科・福岡(+実質的に東邦) |
1つ目は、不合格の基準が書いてあるかどうか。 広島大学のように数字で書いている大学もあれば、「著しく低い場合」という書き方の大学もあります。基準が数字で書いてある大学は、そこが対策の目標になります。逆に何も書いていない大学もあるので、まずは有無を見てください。
2つ目は、点数化されるのか段階評価か。 2027年度は広島大学が段階評価から200点へ、弘前大学が300点から段階評価へと、同じ年に真逆へ動きました。前年度の情報のまま準備すると、力の配分を間違えます。
3つ目は、形式が個人かグループかMMIか。 グループ面接は他の受験生の発言に反応する場面があり、MMIは課題ごとに評価者が変わります。形式が違えば練習の仕方も変わります。ここは要項に書いてあることが多いので、志望校の分だけでも先に見ておくと安心できます。
そのうえで、あえて言い添えておきます。面接は「落とすための試験」ではありません。大学が要項に不合格の基準を書くのは、判断を公平にするためでもあります。準備すべきは受け答えのテクニックより、自分が話す内容に嘘がないことだと思います。
よくある質問
Q. 面接で何点取れば安全ですか?
A. 基準を公表している大学なら、そこが下限です。広島大学は200点満点の50点超、長崎大学の学校推薦型選抜Ⅱは得点率50%以上。ただし「基準を超えれば安心」ではなく、面接の点は総合点にも加算されます(広島大学は総点3,000点のうち200点)。
Q. 面接の点数が非公表の大学は、対策しなくていいですか?
A. 逆です。非公表の大学ほど「著しく低い場合は不合格」という書き方をしていることが多く、どこで線が引かれるかが読めません。2次が面接だけの大学(岩手医科・藤田医科・福岡ほか)は特にそうです。
Q. 面接官の人数を教えてください。
A. 募集要項に明記があるのは、確認できた範囲では帝京大学(教員2名)と東京慈恵会医科大学(MMI評価者6名)の2校だけです。「面接官3名」といった情報が出回っていますが、大学の公表資料では確認できません。公式に書かれていないことは、書かれていないものとして扱ってください。
まとめ
医学部の面接落ちについて、5点に絞ります。
− 面接だけで不合格になる基準を公表している大学がある。広島大学は面接200点のうち50点以下で不合格
− 長崎大学の学校推薦型選抜Ⅱは得点率50%未満で不合格。熊本大学の熊本医療枠も基準を明記
− 点数化しない大学でも落ちる。弘前大学は段階評価だが「評価が低いと不合格になることがあります」
− 配点の大小と落ちるかどうかは別の仕組み。多くの大学が「著しく低い場合は学力に関わらず不合格」と明記
− 2027年度は形式も動く。東京医科大学は一般選抜の2次にもMMIを導入(2026年8月3日 公表)
この記事を書いたのは、「面接落ち」という言葉が独り歩きしていて、実際に大学が何と書いているかを並べた資料が見当たらなかったからです。不安の多くは、基準が分からないところから来ます。数字が公表されているなら、それは怖がる対象ではなく目標になります。志望校の募集要項を開いて、面接の項目だけでも先に読んでみてください。
あわせて読みたい記事も置いておきます。
− 医学部の志望理由書が必要な大学|最大60点|2027年度入試
本日の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
◆太宰府アカデミーの自己PR
当校は福岡県にある日本で唯一の全寮制医学部受験予備校です。
【当校の特徴】
定員30名|21年間の累計医学部医学科合格実績518名(のべ数)|田舎の全寮制|全国各地から入学(2026年度生は全国20の都道府県より入学)|異次元の生活サポート|食事が美味しい(土日祝日問わず3食提供)|講師との距離が近い|プロ講師の質問対応が充実|完全個別指導コースあり|選抜国公立コースあり|専用筋トレジムあり|同じ夢を持った仲間と1年間切磋琢磨し、医学部合格を目指す
【校風】アットホームな大家族予備校
◆筆者プロフィール
後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。
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