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医学部の女子は不利か|80校中28校で合格率は女子が上

2026年07月20日 更新

こんにちは、太宰府アカデミーで広報/完全個別指導コースを担当している後藤です。

「女子は医学部に入りにくいのでは」「女子は浪人しないと聞きました」——面談でよく出る質問です。ところが「医学部の女子の浪人率」を示した公的な統計は、僕が探した範囲では見つかりませんでした。文部科学省の集計に男女別はありますが、浪人年数とのクロスがないためです。

そこでこの記事では、推測で数字を作りません。確かめられるものだけを出します。いちばん大きい数字はこれです。

2025年度入試の合格率は、男性12.28%・女性10.37%。差は1.91ポイントです。そして比較できる80校のうち28校では、女性の合格率のほうが高いという結果でした。

この記事を開いた方は、たぶんこんなことを思っています。

− 医学部は、いまも女子に不利なの?

− 女子の浪人率って、実際どれくらい?

− 多浪の女子は、さらに不利になるの?

ひとつずつ答えます。

結論:「女子の浪人率」の公的データは無い。あるのは合格率の差

先に答えを出します。

  • 「医学部の女子の浪人率」を示した公的な統計はありません。文部科学省の集計は男女別まで。浪人年数とのクロスは各大学が個別に公表しているだけです
  • 全国の合格率は男性12.28%・女性10.37%で、差は1.91ポイント。受験者の44.4%、入学者の41.0%はすでに女性です
  • 比較できる80校のうち28校では、女性の合格率が男性を上回っています。「医学部は女子に不利」は大学単位で見ると成り立ちません
  • 浪人年数とのクロスを公表している大学では、差が最も大きいのは現役で、1浪になるとほぼ並びます。ただしこれは1校のデータです

医学部の女子の合格率は10.37%|差は1.91ポイント

医学部の合格率は男性12.28パーセント女性10.37パーセントで差は1.91ポイント
全国の合格率は男12.28%・女10.37%。差は1.91ポイント(出典:文部科学省「医学部医学科の入学状況・国家試験合格状況・卒業状況」令和7年12月公表・2025年度入試)

まず全国です。2025年度入試(令和7年4月入学)で医学部医学科を受験したのは121,397人。うち男性67,480人、女性53,917人でした。

受験者数 合格者数 合格率 入学者数 入学者に占める割合
男性 67,480 8,286 12.28% 5,438 59.0%
女性 53,917 5,593 10.37% 3,780 41.0%
-1.91pt

合格率は男性12.28%、女性10.37%。差は1.91ポイントです。入学者で見ると9,218人のうち女性は3,780人で41.0%を占めます。

2018年に医学部の入試が問題になったときは、複数の大学で男性の合格率が女性の1.2〜1.5倍という状態でした。いまの1.91ポイント差は、当時とは水準が違います。ただし差がゼロになったわけではありません。「解消した」と書くのは正確ではないので、この記事では「縮まったが、まだある」と書きます。

そしてこの1.91ポイントを、そのまま「不利の大きさ」と読むこともできません。合格率は、受ける大学の分布や現役・浪人の比率でも動きます。国立の合格率が32.5%、私立が8.3%と大きく違うのは、私立が延べ人数で数えられるからで、男女の話とは別です。正しく見るには、大学単位まで下ろす必要があります。

区分 2023年度入試 2024年度入試 2025年度入試 最新年の差
国立 男性 9568.0% 9483.0% 32.5%
国立 女性 6196.0% 6225.0% 28.9% -3.6pt
公立 男性 1754.0% 1842.0% 39.6%
公立 女性 997.0% 1076.0% 30.3% -9.3pt
私立 男性 52569.0% 56577.0% 8.3%
私立 女性 38860.0% 45062.0% 7.5% -0.8pt

3年分を並べると、私立では2023年度入試に女性の合格率が男性を上回っていました(9.2%対8.7%)。翌年から逆転しています。年によって向きが変わるということは、固定された差ではないということです。公立が2025年度入試で−9.3ポイントに開いていますが、公立は8校しかなく、男性受験者1,474人・女性940人と母数が小さいため、単年の動きで語るべきではありません。

医学部の女子は不利か|80校中28校で女子の合格率が上

女性の合格率が男性を上回った大学は名古屋大学プラス9.8ポイントなど80校中28校
80校中28校で女性の合格率が男性を上回る(出典:文部科学省「医学部医学科の入学状況・国家試験合格状況・卒業状況」令和7年12月公表・2025年度入試)

大学単位に下ろすと、景色が変わります。比較できる80校のうち28校、つまり35%の大学で、女性の合格率が男性を上回っていました(東京女子医科大学は女子のみのため比較から除いています)。

差が大きいほうから、名古屋大学が+9.8ポイント(男性37.8%→女性47.6%)、群馬大学が+9.0ポイント、徳島大学が+7.7ポイント、川崎医科大学が+7.6ポイント、愛媛大学が+6.2ポイントです。九州では九州大学が+6.0ポイントでした。

逆に女性の合格率が低いほうは、横浜市立大学が−21.7ポイント、福島県立医科大学が−20.0ポイント、大阪公立大学が−19.7ポイントと続きます。全80校の順位を出します。志望校を探してみてください。

大学 男性の合格率 女性の合格率 差(女−男) 女性入学者の割合
1 横浜市立大学 51.1% 29.4% -21.7pt 32.3%
2 福島県立医科大学 49.7% 29.7% -20.0pt 32.3%
3 大阪公立大学 43.3% 23.6% -19.7pt 30.9%
4 浜松医科大学 36.1% 20.1% -16.0pt 28.2%
5 鳥取大学 30.9% 16.1% -14.8pt 29.8%
6 新潟大学 35.1% 21.4% -13.7pt 27.1%
7 大阪大学 39.5% 27.6% -11.9pt 21.0%
8 東北大学 33.1% 21.9% -11.2pt 28.7%
9 ⻑崎大学 29.6% 19.7% -9.9pt 33.9%
10 和歌山県立医科大学 43.2% 34.1% -9.1pt 28.0%
11 筑波大学 31.8% 23.6% -8.2pt 41.1%
12 東京科学大学 34.5% 26.5% -8.0pt 32.7%
13 滋賀医科大学 30.8% 23.0% -7.8pt 46.3%
14 富山大学 32.0% 24.7% -7.3pt 39.4%
15 岡山大学 36.0% 28.7% -7.3pt 34.6%
16 東京大学 35.9% 28.8% -7.1pt 21.0%
17 大分大学 48.8% 41.8% -7.0pt 44.7%
18 名古屋市立大学 48.2% 41.3% -6.9pt 30.9%
19 京都府立医科大学 41.9% 35.3% -6.6pt 38.0%
20 山形大学 27.0% 21.1% -5.9pt 40.7%
21 三重大学 40.8% 35.3% -5.5pt 32.8%
22 信州大学 37.3% 32.5% -4.8pt 39.2%
23 広島大学 25.9% 21.3% -4.6pt 30.8%
24 京都大学 38.9% 34.4% -4.5pt 18.8%
25 佐賀大学 31.6% 27.1% -4.5pt 42.7%
26 国際医療福祉大学 14.3% 9.8% -4.5pt 43.9%
27 福井大学 35.7% 31.3% -4.4pt 45.5%
28 旭川医科大学 34.4% 30.1% -4.3pt 42.1%
29 山口大学 38.3% 34.1% -4.2pt 42.2%
30 東北医科薬科大学 19.3% 15.5% -3.8pt 43.0%
31 東京慈恵会医科大学 14.4% 10.9% -3.5pt 31.4%
32 岩手医科大学 12.3% 9.0% -3.3pt 33.6%
33 藤田医科大学 15.5% 12.4% -3.1pt 45.8%
34 関⻄医科大学 12.1% 9.2% -2.9pt 35.5%
35 神戶大学 39.5% 36.7% -2.8pt 38.9%
36 奈良県立医科大学 24.7% 22.0% -2.7pt 30.4%
37 東邦大学 11.7% 9.3% -2.4pt 48.8%
38 順天堂大学 8.3% 6.0% -2.3pt 43.5%
39 大阪医科薬科大学 9.5% 7.4% -2.1pt 42.9%
40 愛知医科大学 10.8% 8.9% -1.9pt 42.2%
41 自治医科大学 7.5% 5.7% -1.8pt 38.2%
42 日本大学 8.1% 6.3% -1.8pt 34.1%
43 兵庫医科大学 9.8% 8.2% -1.6pt 44.6%
44 鹿児島大学 28.5% 27.2% -1.3pt 40.0%
45 近畿大学 7.3% 6.2% -1.1pt 47.2%
46 日本医科大学 6.2% 5.3% -0.9pt 49.6%
47 帝京大学 3.2% 2.4% -0.8pt 35.3%
48 慶應義塾大学 16.7% 15.9% -0.8pt 33.3%
49 金沢大学 46.3% 45.5% -0.8pt 30.0%
50 東海大学 6.3% 5.6% -0.7pt 38.2%
51 獨協医科大学 4.9% 4.8% -0.1pt 49.2%
52 産業医科大学 5.8% 5.7% -0.1pt 48.6%
53 島根大学 24.4% 24.5% +0.1pt 52.0%
54 東京医科大学 9.3% 9.5% +0.2pt 48.0%
55 昭和医科大学 6.8% 7.0% +0.2pt 51.1%
56 宮崎大学 27.2% 27.5% +0.3pt 46.0%
57 福岡大学 8.0% 8.4% +0.4pt 49.1%
58 琉球大学 28.3% 28.8% +0.5pt 45.0%
59 聖マリアンナ医科大学 3.8% 4.8% +1.0pt 55.6%
60 札幌医科大学 34.7% 35.8% +1.1pt 39.1%
61 埼玉医科大学 3.6% 4.7% +1.1pt 57.7%
62 北海道大学 30.1% 31.3% +1.2pt 27.8%
63 千葉大学 31.3% 32.5% +1.2pt 32.5%
64 金沢医科大学 4.5% 5.7% +1.2pt 42.5%
65 久留米大学 7.6% 9.3% +1.7pt 38.3%
66 杏林大学 9.5% 11.6% +2.1pt 52.5%
67 北里大学 15.8% 18.2% +2.4pt 58.5%
68 高知大学 25.7% 28.8% +3.1pt 49.1%
69 岐阜大学 43.2% 46.6% +3.4pt 48.6%
70 熊本大学 20.4% 24.0% +3.6pt 34.3%
71 秋田大学 32.1% 36.6% +4.5pt 52.4%
72 弘前大学 17.0% 21.7% +4.7pt 56.3%
73 山梨大学 41.3% 46.7% +5.4pt 31.2%
74 香川大学 24.6% 30.3% +5.7pt 54.7%
75 九州大学 41.8% 47.8% +6.0pt 30.2%
76 愛媛大学 25.2% 31.4% +6.2pt 48.2%
77 川崎医科大学 9.8% 17.4% +7.6pt 55.6%
78 徳島大学 38.6% 46.3% +7.7pt 49.5%
79 群馬大学 36.3% 45.3% +9.0pt 41.8%
80 名古屋大学 37.8% 47.6% +9.8pt 34.8%

この表から言えるのは、「医学部は女子に不利」という一文では実態を説明できないということです。大学によって向きも大きさもばらばらで、平均の1.91ポイントはその真ん中にすぎません。差の理由をこの表から特定することもできません。受験者の層(現役が多いか浪人が多いか、地元出身が多いか)でも合格率は動くからです。数字は事実として読み、原因の断定はしないでください。

入学者に占める女性の割合も出しておきます。北里大学58.5%、埼玉医科大学57.7%、弘前大学56.3%と半数を超える大学がある一方、京都大学18.8%、東京大学21.0%、大阪大学21.0%は2割前後です。同じ「医学部」でも3倍の開きがあります。

大学 女性入学者の割合
1 東京女子医科大学 100.0%
2 北里大学 58.5%
3 埼玉医科大学 57.7%
4 弘前大学 56.3%
5 聖マリアンナ医科大学 55.6%
6 川崎医科大学 55.6%
7 香川大学 54.7%
8 杏林大学 52.5%
9 秋田大学 52.4%
10 島根大学 52.0%
11 昭和医科大学 51.1%
12 日本医科大学 49.6%
13 徳島大学 49.5%
14 獨協医科大学 49.2%
15 高知大学 49.1%
16 福岡大学 49.1%
17 東邦大学 48.8%
18 岐阜大学 48.6%
19 産業医科大学 48.6%
20 愛媛大学 48.2%
21 東京医科大学 48.0%
22 近畿大学 47.2%
23 滋賀医科大学 46.3%
24 宮崎大学 46.0%
25 藤田医科大学 45.8%
26 福井大学 45.5%
27 琉球大学 45.0%
28 大分大学 44.7%
29 兵庫医科大学 44.6%
30 国際医療福祉大学 43.9%
31 順天堂大学 43.5%
32 東北医科薬科大学 43.0%
33 大阪医科薬科大学 42.9%
34 佐賀大学 42.7%
35 金沢医科大学 42.5%
36 山口大学 42.2%
37 愛知医科大学 42.2%
38 旭川医科大学 42.1%
39 群馬大学 41.8%
40 筑波大学 41.1%
41 山形大学 40.7%
42 鹿児島大学 40.0%
43 富山大学 39.4%
44 信州大学 39.2%
45 札幌医科大学 39.1%
46 神戶大学 38.9%
47 久留米大学 38.3%
48 自治医科大学 38.2%
49 東海大学 38.2%
50 京都府立医科大学 38.0%
51 関⻄医科大学 35.5%
52 帝京大学 35.3%
53 名古屋大学 34.8%
54 岡山大学 34.6%
55 熊本大学 34.3%
56 日本大学 34.1%
57 ⻑崎大学 33.9%
58 岩手医科大学 33.6%
59 慶應義塾大学 33.3%
60 三重大学 32.8%
61 東京科学大学 32.7%
62 千葉大学 32.5%
63 福島県立医科大学 32.3%
64 横浜市立大学 32.3%
65 東京慈恵会医科大学 31.4%
66 山梨大学 31.2%
67 名古屋市立大学 30.9%
68 大阪公立大学 30.9%
69 広島大学 30.8%
70 奈良県立医科大学 30.4%
71 九州大学 30.2%
72 金沢大学 30.0%
73 鳥取大学 29.8%
74 東北大学 28.7%
75 浜松医科大学 28.2%
76 和歌山県立医科大学 28.0%
77 北海道大学 27.8%
78 新潟大学 27.1%
79 東京大学 21.0%
80 大阪大学 21.0%
81 京都大学 18.8%

医学部の女子の浪人率|クロス集計を出しているのは1校だけ

岩手医科大学の男女別合格率は現役で男8.4パーセント女4.2パーセント1浪で12.3と11.6
現役では差が大きく、1浪でほぼ並ぶ(出典:岩手医科大学「令和8年度入試 医学部 男女別及び高校卒業年度別合格率について」)

ここからが、この記事でいちばん大事な部分です。

「女子の浪人率」を知るには、男女別と浪人年数のクロス集計が要ります。文部科学省の集計にはそれがありません。年齢別の表があったのは2019〜2020年度の緊急調査のときだけで、いまは男女別のみです。

クロスを公表しているのは各大学です。僕が探した範囲で、合格率の形で出しているのは岩手医科大学でした。2026年度入試・全方式の数字がこちらです。

区分 男性 受験者 男性 合格者 男性 合格率 女性 受験者 女性 合格者 女性 合格率 差(女−男)
現役 394 33 8.4% 383 16 4.2% -4.2pt
1浪 528 65 12.3% 438 51 11.6% -0.7pt
2浪 355 41 11.5% 247 21 8.5% -3.0pt
3浪 216 26 12.0% 105 7 6.7% -5.4pt
4浪以上 353 21 5.9% 156 8 5.1% -0.8pt
合計 1,865 188 10.1% 1,348 107 7.9% -2.1pt

現役の合格率は男性8.4%に対し女性4.2%で、ちょうど半分。ここが最も差が大きいところです。ところが1浪になると男性12.3%・女性11.6%で、差は0.7ポイントまで縮まります。全体では男性10.1%・女性7.9%で、差は2.2ポイント。全国の1.91ポイントと近い水準です。

ただし、これは1校の数字です。他の大学に当てはめないでください。合格率の分母(受験者か志願者か)も、区分の細かさ(3浪まで分けるか、既卒でひとまとめか)も大学ごとに違うので、そのまま横に並べると意味のない比較になります。

もうひとつ、この表は「浪人率」ではありません。浪人した人がどれだけ受かったかを示しているだけで、女子が浪人を選ぶかどうかは分かりません。両者を混ぜて「女子は浪人しにくい」と書いてしまうと、この数字からは言えないことを言うことになります。

入学者の内訳なら、国際医療福祉大学が2026年度の集計表を公表しています。留学生特別選抜を除く125人のうち、現役53人(42.4%)・1浪56人(44.8%)・2浪以上16人(12.8%)。1浪がいちばん多く、浪人経験者が57.6%でした。ただしこちらは男女別との掛け合わせがないので、やはり「女子の浪人率」にはなりません。

医学部の受験者を増やしているのは女子|3年で+7,864人

最後に、時間の流れを見ておきます。

全国の女性受験者は2023年度入試の46,053人から2025年度入試の53,917人へ、3年で+7,864人(+17.1%)増えました。同じ期間、男性は63,891人から67,480人で+3,589人(+5.6%)です。医学部の受験者を増やしているのは女性のほうです。

受験者に占める女性の割合も41.9%→43.5%→44.4%と毎年上がっています。この流れが続けば、数年のうちに半数に届きます。

医師全体で見ても、厚生労働省の統計では女性医師の割合は24.4%ですが、臨床研修医(医師1〜2年目)では34.7%。入口の構成はもう変わっています。いま高校生の方が医師として働く2030年代の医療現場は、いまの数字とは違う姿になっているはずです。

太宰府アカデミーの視点|「女子だから浪人」という考え方は要らない

ここまでの数字を、受験生と保護者の方がどう使えばいいかを書きます。

まず「女子だから不利」を前提に志望校を決めないでください。差の向きは大学によって逆になります。名古屋大学のように女性の合格率が9.8ポイント高い大学もあれば、逆の大学もある。平均の1.91ポイントで自分の受験を語るより、志望校の数字を1つ見るほうが役に立ちます。上の全80校の表は、そのために全順位を載せました。

次に「女子だから現役で決めなければ」という考え方も、数字の裏づけがありません。岩手医科大学のデータでは、女性の合格率は現役4.2%より1浪11.6%のほうが高くなっています。もちろん1校の数字ですし、浪人したほうが受かるという意味でもありません。ただ、「女子は浪人したら終わり」という言い方に根拠がないことは、この1校を見るだけでも分かります。

三つめに、数字が無いことを、無いと言える人に相談してください。「女子の浪人率は何%」と即答する記事や人がいたら、その出どころを聞いてみてください。国の統計には無い数字です。推測で作られた数字を前提に進路を決めるのが、いちばん危ないと思っています。

四つめに、合格率の差の理由を、この記事は特定していません。受験する大学の分布や現役・浪人の比率でも差は出ます。医学部入試は隔年で数字が動くことも多く、1年分のデータから要因を断定することはできません。事実として数字を見て、解釈は慎重に、が正しい構えだと思います。

最後に。受験者の44.4%が女性で、入学者の41.0%が女性という現在地を、まず知ってください。「医学部=男性の世界」というイメージは、少なくとも数字の上ではもう当てはまりません。

まとめ

「医学部の女子は不利か・浪人率はどれくらいか」への答えをまとめます。

  • 「医学部の女子の浪人率」を示した公的な統計はありません。国の集計は男女別までで、浪人年数とのクロスがないためです
  • 全国の合格率は男性12.28%・女性10.37%。差は1.91ポイントです(2025年度入試・受験者121,397人)
  • 比較できる80校のうち28校では、女性の合格率が男性を上回っています。名古屋大学は+9.8ポイント、群馬大学は+9.0ポイントでした
  • 女性入学者の割合は北里大学58.5%・弘前大学56.3%と半数超の大学がある一方、京都大学18.8%・東京大学21.0%は2割前後と、大学差が3倍あります
  • 浪人年数とのクロスでは、現役の差が最大で1浪でほぼ並びました(岩手医科大学・現役は男8.4%対女4.2%、1浪は12.3%対11.6%)。ただし1校の数字です
  • 女性受験者は3年で+7,864人(+17.1%)。受験者の44.4%、入学者の41.0%がすでに女性です

この記事を書いたのは、出どころの分からない「女子の浪人率◯%」という数字が、進路の判断に使われているのを何度も見たからです。無い数字は無いと書いて、代わりに確かめられるものだけを並べました。志望校の欄を見てから、次の一手を決めてください。

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後藤 登(Goto Noboru)
仕事:総務・広報・完全個別指導コース担当
自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて13年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagram、Twitterを更新しています。4年前から完全個別指導コースのコース担当。

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