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2023 全医学部の留年(進級)・卒業試験・医師国家試験ランキング

2024年04月30日 更新

こんにちは、福岡の医学部予備校で総務/広報を担当している後藤です。

2023年10月ごろ、文部科学省より「全医学部の進級・卒業試験・医師医師国家試験(第117回)の合格率」に関する資料が公開されました。記事の前半では「2023年度の進級・卒試・国試合格率」をランキング形式でお伝えし、記事の後半では「今後の進級難易度や医学部入試はどう変化していくのか」を分析してみます。

今回の記事では、

− 医学部の進級・卒試・国試ってどんどん難しくなってるの?

と、気になっている医学部志望の受験生・医大生に向けて記事を書いていきます。

初めに結論からお伝えします。

大学6年間を1度も留年せずに卒業する確率の全体平均は、
2022年度 84.4%➡︎2023年度 84.1%(前年度比-0.3)

医師国家試験合格率の新卒全体平均は、
2022年度 95.4%➡2023年度 95.3%(前年度比-0.1)

【結論】
前年度比で、卒業率が-0.3%減少し、国試合格率も-0.1%減少しました。よって昨年度より医師になりにくくなったいえます。

数カ月前に、Twitterでこんなツイートをしました。このツイートを医師、医大生中心に150以上リポストしてくれたことから、進級率や国試合格率に対する関心の高さを窺えました。

では、前置きが長くなりましたが、さっそく本題に移りたいと思います。

 

 

[全医学部] 進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング2023

文部科学省のデータを元に、全医学部医学科の進級・卒業・国試合格率のランキング表を作成しました。

まず、表の見方(進級率・卒業率・国試合格率)ついて、簡単にご説明します。

〜 進級率とは 〜
1年生〜6年生まで1度も留年しなかった人の割合

〜 卒業率とは 〜
6年間ストレートで進級し、卒業試験に合格した人の割合

〜 国試合格率とは 〜
卒業試験に合格した人が医師国家試験に合格した割合
※上記は、留年者を含みます

〜 6年間で医師になる確率とは 〜
6年間ストレートで進級し、卒業試験に合格し、医師国家試験にも合格する割合
「計算式:6年間卒業率×国試合格率」
※厳密に言えば、新卒には留年者を含んでいるので少し違います…。

医学部の情報発信サイトでは、「国試合格率」がピックアップされがちですが、医学部志望の受験生は入学後の「進級率」も気になっている人が多いのではないでしょうか?
どちらも重要な数字なので、このランキング表では「国試合格率×6年間ストレート卒業率=6年間で医師になる確率」を基準に順位を付けています。

 

背景色:赤➡︎国立 青➡︎私立 緑➡︎公立
※画像をクリックする拡大できます。

2023年度全医学部の進級と卒業試験と医師国家試験合格率のランキングまとめ、1枚目

2023年度全医学部の進級と卒業試験と医師国家試験合格率のランキングまとめ、2枚目

※出典:(文部科学省調べ)各大学の医学部医学科の
入学状況及び医師国家試験(令和5年2月第117回)結果等

毎年「卒業率・国試合格率ランキング」の記事を更新していますが、卒業率国試合格率を掛け合わせた数値(6年間で医師になる割合)を出したのは2年目です。皆さんが本当に気になる数値に近づいたのでは無いでしょうか。異論がある方は、コッソリ教えてください。

◆ トップランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
6年間で医師
なる割合
1 順天堂大学 96.4% 100% 96.4%
2 岡山大学 99.1% 96.0% 95.1%
3 琉球大学 96.6% 97.6% 94.3%
4 名古屋大学 97.3% 95.6% 93.0%
5 慶應義塾大学 93.0% 99.1% 92.2%
6 三重大学 93.6% 98.4% 92.1%
7 自治医科大学 92.7% 99.2% 92.0%
8 東京慈恵会医科大学 92.7% 97.3% 90.2%
9 東北医科薬科大学 91.0% 98.9% 90.0%
10 山口大学 92.3% 96.9% 89.4%

全医学部の中で最短で医師になる割合が高い大学は、1位▶️順天堂大学(昨年も1位)、2位▶️岡山大学(昨年28位)、3位▶️琉球大学(昨年62位)、という結果となりました。順天堂大学は2年連続の1位、昨年28位だった岡山大学、昨年62位だった琉球大学は大躍進となりました。国公立医学科の中では琉球大学はそこまで入学難易度高い方ではない大学だと思います。上位3校に入るのは本当に素晴らしい結果ですね。

国立医学部と私立医学部を比較すると、医師国家試験の合格率は95%程度でほぼ同じですが、6年間のストレート卒業率は3.6%程度の差があり、特に「私立の進級・卒試が難しくなってきている」という結果となりました。

 

◆ ワーストランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
6年間で医師
なる割合
81 宮崎大学 65.5% 96.7% 63.3%
80 杏林大学 67.5% 96.4% 65.1%
79 福岡大学 72.1% 91.1% 65.7%
78 日本大学 77.9% 84.6% 65.9%
77 埼玉医科大学 71.5% 93.2% 66.6%
76 川崎医科大学 72.7% 91.7% 66.7%
75 帝京大学 75.6% 88.6% 67.0%
74 鳥取大学 73.0% 94.9% 69.3%
73 岩手医科大学 76.9% 90.8% 69.8%
72 福井大学 72.8% 96.0% 69.9%

全医学部の中で最短で医師になる割合が低い大学は、81位▶️宮崎大学(昨年74位)、80位▶️杏林大学(昨年79位)、79位▶️福岡大学(昨年77位)、という結果となりました。上記3大学の進級率の数値を見ていると毎年厳しいようですね。個人的な意見ですが、毎年国家試験合格率が95%以上ある大学は進級や卒業試験の難易度を少し落としても良いのでは…と思ったりしています。

ちなみに医師国家試験の欄に記入されていますが「出願者−受験者」で、卒業試験の合格者数がわかります。

入学難易度と比較し、最短で医師になる割合が低いと思われる大学は、81位▶︎宮崎大学(63.3%)、80位▶︎杏林大学(65.1%)、79位▶︎福岡大学(65.1%)、78位▶︎日本大学(65.9%)、70位▶︎熊本大学(71.5%)、67位▶︎関西医科大学(73.1%)、65位▶︎九州大学(73.8%)、40位▶︎北海道大学(80.3%)、33位▶︎大阪大学(81.1%)です。

 

[私立医学部] 進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング2023

2023年度私立医学部の進級と卒業試験と医師国家試験合格率のランキング表

先ほども記述しましたが、私立医学部は国立医学部と比較し6年間のストレート卒業率が3.6%程度低いです。2022年度は3.1%程でしたが、徐々に差が開いてきました。特に私立医学部は国公立医学部と比較し、6年次留年者の数が4倍以上(私3.0人、国0.7人)多く、さらに卒業試験も難しい傾向があるようです。

− 進級率って偏差値に比例するの?

と気になっている方もいると思いますが、医学部の場合はだいたいその考えで大丈夫だと思います。つまり、入学難易度の高い大学に合格すると、進級率も上がるということです。しかし、あくまで目安程度の指標です。例えば、医学科全体ランキング順位で、80位の杏林大学、79位の福岡大学、78位の日本大学はいわゆる私立の中堅医学部ですが「進級が厳しい…」と聞くことが多いです。

以前、入学難易度の高い・低い大学について記事を書きましたので、気になる人はぜひ下記のURLをクリックしてください⤵︎⤵︎

2024私立医学部偏差値ランキング(共テ利用含)|入試難易度推移、地域枠等

 

[国公立医学部] 進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング

2023年度国公立医学部の進級と卒業試験と医師国家試験合格率のランキング表

旧帝大医学科の友人から、「国試前に教授からレポート提出を迫られてて大変やった…」という話も聞いていますので、どうか国試前はお手柔らかにお願いしたします。。。

 

「6年間で医師になる確率」2023年度順位と2022年度順位の比較

毎年、進級率・卒業率ランキングを作成していますが、今回初めてこのような表を作成してみました。前年度比で6年間で医師になる確率の順位は「どのように変化したのか」という表です。表の右側に順位の変動を数値化しています。数値が低いほど、前年度と比較し順位が上がっているという意味の表です。

 

◆ トップランキング ◆

順位 大学名 【2022年】➡
6年間で医師に
なる割合(順位)
【2023年】
6年間で医師に
なる割合(順位)
前年度比
順位差
1 琉球大学 75.2%(63位) 94.3%(3位) – 60位
1 横浜市立大学 72.3%(73位) 89.2%(13位) – 60位
3 山口大学 79.0%(44位) 89.4%(10位) – 34位
3 金沢大学 75.4%(62位) 84.1%(28位) – 34位
5 高知大学 74.9%(64位) 83.5%(31位) – 33位
6 徳島大学 70.0%(75位) 78.9%(44位) – 31位
7 愛知医科大学 67.6%(76位) 78.3%(49位) – 27位
8 岡山大学 78.8%(28位) 95.1%(2位) – 26位
8 富山大学 78.8%(45位) 87.6%(19位) – 26位
10 京都大学 81.0%(36位) 89.3%(11位) – 25位

前年度比で医師になる割合の順位が大きく上がった大学は、同率1位で、琉球大学が63位 ➡ 3位 、横浜市立大学が73位 ➡ 13位という結果になりました。徳島大学は進級が厳しいイメージがありましたが、2023年度は全医学部の中では真ん中あたりになっていますね。

◆ ワーストランキング ◆

順位 大学名 【2022年】➡
6年間で医師に
なる割合(順位)
【2023年】
6年間で医師に
なる割合(順位)
前年度比
順位差
80 帝京大学 83.1%(30位) 67.0%(75位) + 45位
80 新潟大学 85.6%(24位) 71.9%(69位) + 45位
78 名古屋市立大学 89.8%(10位) 77.4%(51位) + 41位
77 岩手医科大学 81.3%(35位) 69.8%(73位) + 38位
76 獨協医科大学 85.4%(25位) 76.2%(57位) + 32位
75 島根大学 86.7%(19位) 78.7%(45位) + 26位
75 東北大学 87.4%(16位) 79.7%(42位) + 26位
73 福井大学 78.6%(47位) 69.9%(72位) + 25位
72 広島大学 83.6%(27位) 77.4%(51位) + 24位
71 大阪医科薬科大学 88.6%(12位) 81.1%(35位) + 23位

新医学部長の就任やカリキュラム改正等で進級率などは大きく変動するものですので、あくまで参考程度で見ていただければと思います。

 

徐々に医師になることが難しくなってきている原因について

冒頭に結論として「昨年度より医師になりにくくなった」とお伝えしましたが、これから大学卒業や国試は徐々に難しくなっていくと個人的には思っています。

− なぜ、医師になることが難しくなっていくのか

一つの要因として挙げられるのは、各医大では、続々とグローバルスタンダード(国際標準)に合わせた新カリキュラムとなっているからです。

※本校で開催した久留米大学入試説明会に使用された写真

つまり国際標準に合わせた新カリキュラムとは、臨床実習が劇的に増えたことを指します。

久留米大学では、2016年「新カリキュラム」を導入した際は臨床実習が56週➡︎66週となり、2018年「新々カリキュラム」になった際は66週➡︎76週になりました。おそらく、全ての医大でも同様に臨床実習が増えていると思います。この国際基準を満たした大学と認定されない限り、卒業生が海外で医師として働くのは非常に困難となります。

今まで通りの膨大な知識(CBT・卒試・国試の合格レベル)は必要なので、単純に臨床実習の負荷が増えた分、以前より進級しにくい状況が続くと推察できます

 

今後の医学部入試はどうなるのか

この超少子化のご時世で、2024年度入試の国公立医学科受験者はほぼ例年通りでしたが、私立医学科の受験者数は前年度比で15%ほど増加しています。

個人的には、今後も医学部人気は落ちないと思っています。今後も医師が人気な根拠としては社会的なステータスが高いこと。もう一つ人気が落ちない理由の一番わかりやすい指標は、年収です。

給与所得者  :年収 約360万円(中央値)

医師(副業含):年収 約 1700万円(中央値)

給与所得者の約5倍です。

さらに、安定した仕事は経済が不安定になればなるほど、その価値は上昇します。安定した高収入の医師という職業は、人気が落ちる理由がありません。ただ、研修医の4人に1人が「抑うつ状態」なると言われているほど、とんでもなくハードで責任を背負った仕事という一面もあります。この話は、長くなりそうなので切り上げます。

 

まとめ

ここまでの話をまとめると・・・

中長期的な視点で見ると、これからも医学部人気は衰えず、医学部を卒業することも、国家試験に合格することも、徐々に難しくなってくるので「覚悟」を決め、1年でも早く医大に入学し、医師なることを目指しましょう!

昨年度(2022)のデータが見たい方はこちらをクリックしてください。

本日の記事は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

 

太宰府アカデミー,特徴,全寮制,予備校

 

総務/広報 後藤 登

 


◆太宰府アカデミーの自己PR

当校は福岡県にある日本で唯一の全寮制医学部受験予備校です。1年間、同じ志を持つ約30名の生徒たちが切磋琢磨し、医学部合格を目指します。今年度の生徒さんは全国17の都道府県から、はるばる「太宰府」に集まりました。(2023年度生徒出身県内訳:北海道、茨城×2、栃木、石川、長野、静岡、京都、愛知×3、高知、広島、大分×4、佐賀×2、熊本、長崎×4、鹿児島×2、沖縄、福岡×多数)当校在籍生の約80%以上は福岡県外の方です。「地元のしがらみに捉われたくない」「環境を変えたい」と、勉強に専念したい受験生たちが多く集まります。
おかげさまで創設から19年目となり、これまで医学科に424名以上の合格者を輩出しました。そんな卒業生たちが大学を卒業し、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師となり、現在の日本の医療を支えてくれています。

◆筆者プロフィール

後藤 登(Goto Noboru)/仕事:総務と広報/自己PR:高校・大学ボクシング部。釣りや登山が好き。新卒で当校に勤めて11年目。医学部受験の情報を調べて、ブログやInstagramTwitterを更新しています。医学部受験のご相談は下記にてお待ちしています。

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