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2021 全医学部の進級(留年)・卒試・国試ランキング|今後の医学部入試はどう変化していくのか

2021年10月12日 更新

こんにちは、総務の後藤です。

先日、文部科学省より「全医学部の進級・卒業試験・医師医師国家試験(第115回)の合格率」の資料が公開されました。
記事の前半では「2021年度の進級・卒試・国試合格率」をランキング形式でお伝えし、
記事の後半では「今後の医学部入試はどう変化していくのか」予想してみます。

今回の記事では、

 

− 医学部の進級・卒試・国試ってどんどん難しくなってるの?

 

と、気になっている医学部志望の受験生・医大生に向けて記事を書いていきます。

 

初めに結論からお伝えします。

大学6年間を1度も留年せずに卒業する確率の全体平均は、
2020年度➡︎83.9% 2021年度➡︎84.0%

医師国家試験合格率の新卒全体平均は、
2020年度➡︎95.6% 2021年度➡︎94.8%

【結論】
卒業率は例年並みですが、
国試合格率は減少(−0.8%)、よって昨年度より医師になるのは難しくなりました。

 

では、さっそく本題に移りたいと思います(ง •̀ω•́)ง

 

 

(全医学部)進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング

文部科学省のデータを元に、全医学部医学科の進級・卒業・国試合格率のランキング表を作成しました。

まず、表の見方(進級率・卒業率・国試合格率)ついて、簡単にご説明します。

〜 進級率とは 〜
1年生〜6年生まで1度も留年しなかった人の割合

〜 卒業率とは 〜
6年間ストレートで進級し、卒業試験に合格した人の割合

〜 国試合格率とは 〜
卒業試験に合格した人が医師国家試験に合格した割合
※上記は、留年者を含みます

医学部の情報発信サイトでは、「国試合格率」がピックアップされがちですが、医学部志望の受験生は入学後の「進級率」の方が気になっている人が多いのではないでしょうか?だから、このランキング表は「卒業率」を基準に順位を付けています。

 

背景色:赤色➡︎国立 青色➡︎私立 黄緑➡︎公立

※画像をクリックする拡大されます。

 

※出典:(文部科学省調べ)各大学の医学部医学科の入学状況及び医師国家試験(令和3年3月第115回)結果等

 

◆ トップランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
1 東京大学 99.0% 95.6%
1 名古屋市立大学 99.0% 99.0%
3 京都大学 98.0% 92.5%
4 順天堂大学 96.9% 96.1%
5 三重大学 96.0% 93.7%
6 東京慈恵会医科大学 94.6% 97.5%
7 名古屋大学 94.0% 99.1%
7 神戸大学 94.0% 97.4%
9 千葉大学 93.5% 95.3%
10 慶應義塾大学 92.1% 98.2%

今年度、同率1位となった大学は、東京大学(昨年12位)名古屋市立大学(昨年19位)です。名古屋市立大学は医師国試合格率も99%でかなりの高水準です。ただでさえ最難関学部の医学科受験ではありますが、医学科の中でもトップクラスで超難関校の大学名が並んでいますね…。

 

◆ ワーストランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
1 川崎医科大学 64.2% 85.6%
2 産業医科大学 68.6% 96.6%
3 弘前大学 68.9% 97.3%
4 帝京大学 69.4% 93.8%
5 徳島大学 70.2% 98.1%
6 島根大学 70.5% 91.7%
7 近畿大学 72.1% 87.8%
8 福岡大学 72.7% 91.3%
9 兵庫医科大学 74.1% 93.1%
10 九州大学 74.3% 90.5%

卒業率のワーストランキングでは、川崎医科大学が断トツで最下位となりました。個人的に気になったのは、産業医科大学(昨年52位➡︎今年78位)、弘前大学(昨年42位➡︎今年77位)、 九州大学(昨年31位➡︎今年70位)の3校は、前年度と比較しストレート卒業の確率が大幅に減少しました。内部で大きな方針転換でもあったのでしょうか。

 

(私立医学部)進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング

 

 

◆ トップランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
1 順天堂大学 96.9% 96.1%
2 東京慈恵会医科大学 94.6% 97.5%
3 慶應義塾大学 92.1% 98.2%
4 東京女子医科大学 91.8% 92.5%
5 大阪医科薬科大学 91.0% 85.6%
6 昭和大学 88.0% 97.6%
7 自治医科大学 87.0% 100.0%
8 日本大学 86.1% 87.9%
9 金沢医科大学 85.5% 86.7%
10 日本医科大学 84.2% 95.9%

私立1位➡︎順天堂大学、2位➡︎東京慈恵会医科大学、3位➡︎慶應義塾大学という結果になりました。医学科の中では比較的に入学しやすい金沢医科大学が9位入っているのは素晴らしいです!東京女子医科大学は入学難易度に対して、いつも進級率や国試合格率が高水準です。女子医の学費値上げの余波がこのデータ反映される可能性があるのは、少なくとも5年後ですね。

 

◆ ワーストランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
1 川崎医科大学 64.2% 85.6%
2 産業医科大学 68.6% 96.6%
3 帝京大学 69.4% 93.8%
4 近畿大学 72.1% 87.8%
5 福岡大学 72.7% 91.3%
6 兵庫医科大学 74.1% 93.1%
7 杏林大学 74.4% 96.7%
8 愛知医科大学 77.0% 98.2%
9 埼玉医科大学 80.5% 96.0%
10 東海大学 80.8% 89.9%

− 進級率って偏差値に比例するの?

と気になっている方もいると思いますが、医学部の場合はだいたいその考えで大丈夫だと思います。つまり、入学難易度の高い大学に合格すると、進級率も上がるということです。しかし、あくまで目安程度の指標です。例えば、医学科全体ランキング順位で、78位の産業医科大学、73位の近畿大学、71位の兵庫医科大学、66位の愛知医科大学はいわゆる私立の中堅医学部ですが「進級が厳しい…」と聞くことが多いです。

 

(国公立医学部)進級・卒業試験・医師国家試験合格率ランキング

 

◆ トップランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
東京大学 99.0% 95.6%
名古屋市立大学 99.0% 99.0%
京都大学 98.0% 92.5%
三重大学 96.0% 93.7%
名古屋大学 94.0% 99.1%
神戸大学 94.0% 97.4%
千葉大学 93.5% 95.3%
秋田大学 91.5% 99.2%
横浜市立大学 91.1% 95.8%
10 大分大学 90.8% 95.8%

 

◆ ワーストランキング ◆

順位 大学名 6年間ストレート
卒業率
医師国家試験
合格率
弘前大学 68.9% 97.3%
徳島大学 70.2% 98.1%
島根大学 70.5% 91.7%
九州大学 74.3% 90.5%
旭川医科大学 74.4% 93.3%
和歌山県立医科大学 77.0% 94.8%
香川大学 77.2% 95.0%
岐阜大学 77.3% 97.9%
東北大学 80.3% 97.6%
新潟大学 80.3% 91.5%

さすが国立医学部…進級率が低くても、どの大学も医師国家試験合格率は非常に高いです。しかし、個人的には少し絞りすぎかなぁと思う大学もあります。例えば、上記のランキングで言えば、弘前大学、徳島大学、和歌山県立医科大学、香川大学、岐阜大学、東北大学の国試合格率は、ほぼ95%以上です。
…では、少し進級基準を下げてみてはどうでしょうか?(素人意見ですので、聞き流してください…)

旧帝大医学科の友人から、「国試前に教授がレポート提出を迫られてて大変…」という話も聞いていますので、どうか国試前はお手柔らかにお願いしたします (´ •̥  ̫ •̥ ` )

 

徐々に医師になるのが難しくなってきている原因について

 

− なぜ、年々、医師になることが難しくなってきているのでしょうか?

 

一つの要因として挙げられるのは、各医大では、続々とグローバルスタンダード(国際標準)に合わせた新カリキュラムとなっているからです。

※本校で開催した久留米大学入試説明会に使用された写真

国際標準に合わせた新カリキュラムとは、つまり、臨床実習が劇的に増えたことを指します。

久留米大学では、2016年「新カリキュラム」を導入した際は臨床実習が56週➡︎66週となり、2018年「新々カリキュラム」になった際は66週➡︎76週になりました。おそらく、全ての医大でも同様に臨床実習が増えていると思います。この国際基準を満たした大学と認定されない限り、卒業生が海外で医師として働くのは非常に困難となります。

今まで通りの膨大な知識(CBT・卒試・国試の合格レベル)は必要なので、単純に臨床実習の負荷が増えた分、以前より進級しにくい状況が続くと推察できます

 

今後の医学部入試はどうなるのか

 

この超少子化のご時世で、2021年度の国公立医学科の志願者数は7年ぶりに増加しました。しかし、これは共通テストの生物・倫理・倫理政経などの問題が大幅に易化し、平均点が70点になったことの影響もあり、強気の国立医学科への出願増に繋がったとも言えます。

一方、私立大学医学部の総志願者数は、前年より5000人減少。ただし、志願者数はのべ数なので、“受験生の実数”というよりも併願校の減少が影響しています。例年、地方の受験生は首都圏の大学を5校ほど受験しますが、コロナで移動を控え、併願校を絞っています。

 

個人的には、今後も医学部人気は落ちないと思っています。

 

今後も医師が人気な根拠としては社会的なステータスが高いこと。もう一つ人気が落ちない理由の一番わかりやすい指標は、年収です。

給与所得者  :年収 約360万円(中央値)

医師(副業含):年収 約 1700万円(中央値)

給与所得者の約5倍です。

さらに、安定した仕事は経済が不安定になればなるほど、その価値は上昇します。

安定した高収入の医師という職業は、人気が落ちる理由がありません。

 

ただ、研修医の4人に1人が「抑うつ状態」なると言われているほど、とんでもなく大変で責任を背負った仕事という一面もあります。この話は、長くなりそうなので切り上げます( ´•д•`; )

 

まとめ

 

ここまでの話をまとめると・・・

中長期的な視点で見ると、これからも医学部人気は衰えず、医学部を卒業することも、国家試験に合格することも、徐々に難しくなってくるので「覚悟」を決め、1年でも早く医大に入学し、医師なることを目指しましょう!

 

いま、あなたが本気で頑張っている経験は、今後の人生でとても大きな経験値になります。

どうせ、一回しかない人生なので、思いっきり生きたって心から言える人生がいいと思いませんか?

 

今を思いっきり生きるって、大切なことですよね。

 

昨年度(2020)の「進級・卒業・国試ランキング」の記事が気になる方は、こちらをクリックしてください。

 

では、本日のブログは以上です。

長々と書いてしまいましたが… 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

 

総務/広報 後藤 登